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破戒 の商品レビュー

4.1

200件のお客様レビュー

  1. 5つ

    66

  2. 4つ

    68

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2010/09/22

戦前の近代文学では、今のところはこれが一番好きかもしれません。歴史の勉強にもなります。 「部落差別」を題材とした小説で、巧みな書き方により感情移入がし易かったです。 主人公の丑松、同じ穢多 でありながらも開放化運動を行っている猪子。作品の人物像が、物語の背景を深めています。 後半...

戦前の近代文学では、今のところはこれが一番好きかもしれません。歴史の勉強にもなります。 「部落差別」を題材とした小説で、巧みな書き方により感情移入がし易かったです。 主人公の丑松、同じ穢多 でありながらも開放化運動を行っている猪子。作品の人物像が、物語の背景を深めています。 後半への展開で自然と頁が進む。そんな作品。

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2010/09/16

意外と読みやすい。なによりもハッピーエンドっぽいのが良い。人によっては、題材に対して取っ付きにくいと感じるかも知れない。しかし、単純に年長者が授けてくれる戒めを守り抜くか乗り越えるか、自分に置き換えて考えさせられるとこがあった。

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2011/09/04

今更初めて読んだ。 難しかった。 校長が丑松に身分のことを問いつめる場面や生徒に自分が部落出身だと告白する場面が心苦しく感じた。

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2010/08/12

先生に「常識ですよね」と言われて、あ、わたし常識ないんだ…と思った結果読んだ。夜明け前の方が気になっていたんだが。幕末だし。 前半の鬱々とした描写にも関わらず、後半は思いのほかに明るくて、いいんだか悪いんだか。こういうテーマなだけにとことん暗くしてほしかった気も。 でもこんなに明...

先生に「常識ですよね」と言われて、あ、わたし常識ないんだ…と思った結果読んだ。夜明け前の方が気になっていたんだが。幕末だし。 前半の鬱々とした描写にも関わらず、後半は思いのほかに明るくて、いいんだか悪いんだか。こういうテーマなだけにとことん暗くしてほしかった気も。 でもこんなに明るく終わる日本文学も珍しいな。だいたい、ハッピーエンドだかバッドエンドだかすら明確じゃない結末のが多いもんな。 生徒とのシーンは思わずほろり。しかし、破戒が土下座と謝罪の形をとったことには少し首を捻った。現代の視点から見ると、丑松は何一つ悪いことをしてないから。島崎自身のえたに対する認識が透けて見える。 まあ、時代もあるし仕方ない(私の親の世代ですら明確に存在したこの手の差別、明治の時点でこれなら革新的だろうし)。 飛躍するための初期ステップとして記憶されるべき。現在の私の住む地域ではほとんど消えた認識ではあるが、地方ではまだ厳然と残っているというし、「破戒」は現在進行形の作品だろう。 解説その他の量が、デリケートなジャンルだということを知らしめている。 社会小説か私小説かの論議もなかなか面白かった。

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2010/06/09

差別問題を正面から捉えた島崎の名作。最初は非常に鬱々とした作品で少し苦手だったけれど、読み進めると主人公の破戒への道に共感でき、楽しんでいけた。この時代の作品はやはり名作が多い。

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2010/05/19

ここに書かれた時代と今と、この国の社会は変わってない。ちっとも。登場人物たちのまっすぐな青さが素敵。

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2010/05/08

近代文学作品を読もう計画。 同じ信州人島崎藤村 舞台も信州 やったなー部落差別の勉強。 破るのはいつだって何だって難しい

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2010/05/06

浦野所有。 ◆以下ネタバレ注意◆ 高校三年のとき友人に勧められ、また最近『橋のない川』を読んでいる関係上、「いい加減、読んでおかないとまずいなぁ」と思い、ようやく手にした『破戒』。 話のクライマックスは、主人公の丑松が自らの出自を生徒に告白し、「隠していて悪かった」と詫びるシ...

浦野所有。 ◆以下ネタバレ注意◆ 高校三年のとき友人に勧められ、また最近『橋のない川』を読んでいる関係上、「いい加減、読んでおかないとまずいなぁ」と思い、ようやく手にした『破戒』。 話のクライマックスは、主人公の丑松が自らの出自を生徒に告白し、「隠していて悪かった」と詫びるシーン。確かにここを読んで、なぜ詫びる必要があるのだろうかと違和感が残りました。丑松は常に、被差別民の急先鋒である蓮太郎の広告塔のごとく、彼の主義主張を声高に語っていました。その勢いのまま「蓮太郎2世」を名乗るのが筋だと思うのですが。 破戒と同時に、世間から終われるままに日本を出て行くというのも、どうも理解に苦しみます。差別の悲しみを訴えるには最適な展開なのかもしれませんが、丑松の生き方としてはハテナマークの残る結末でした。

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2010/04/07

丑松の職場の人たちが皆格好良くてときめきました。 あと蓮太郎はすっごく醜男だったらいいな、と思いました。 そのくらいの感想です…。日本の自然主義文学って「ほんとはね」って言うたおやかさが無くて「聞いて聞いて!」ってしてるものが多くてちょっとげんなりしちゃう。 藤村の人生に私は...

丑松の職場の人たちが皆格好良くてときめきました。 あと蓮太郎はすっごく醜男だったらいいな、と思いました。 そのくらいの感想です…。日本の自然主義文学って「ほんとはね」って言うたおやかさが無くて「聞いて聞いて!」ってしてるものが多くてちょっとげんなりしちゃう。 藤村の人生に私はちょっと美しさを感じているので、なんだかもっと違う形の表現を見てみたかったなと読み終わった後に感じました。「親譲りの憂鬱」ってすごく好きな言葉なんだけどな。

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2010/04/24

穢多、とか非人、とか呼ばれた日本の同和問題のお話。 この単語を初めて聞いたのは中学生のころで、きっかけは美術の時間に、なにかテーマを決めてポスター書きましょうというやつだった。南北問題、環境汚染、etc 正直ずっと関東で育った自分にとって、こうゆう存在てよくわからなかった。 身...

穢多、とか非人、とか呼ばれた日本の同和問題のお話。 この単語を初めて聞いたのは中学生のころで、きっかけは美術の時間に、なにかテーマを決めてポスター書きましょうというやつだった。南北問題、環境汚染、etc 正直ずっと関東で育った自分にとって、こうゆう存在てよくわからなかった。 身分制度や血統主義で連想するのは、インドのカースト制だけども、そう遠くない昔に日本においても実際に存在したことが本書からよくわかる。 非科学的な根拠のない迷信がこれほどまでにも疑いなく人々に広く信じられていたことはショッキングである。たとえば、卑しさは顔に出る等 そういえば昔、社会科の時間に「えた、ひにんの存在は、社会の大多数を占める農民などの被支配層に、;自分たちよりもひどい生活をしているやつらがいる;と思わせることで彼らの不満や一揆を抑えるという政治的に意図されたものだった」と聞いたような気がする。いわば社会の支配構造の産物だったということだ。 まぁ今となってはほとんどないのだろうけど、インドではまだカースト制がのこっていると思うと複雑ですね。 というお話。笑

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