赤い長靴 の商品レビュー

江國香織(著者)

おすすめです

[abtm]

結婚して１０年、子供のいない夫婦。他愛ない日常の中で感じる、夫とのかすかなすれ違い。それに涙を流す代わりに、静かな諦めを込めたくすくす笑いをこぼす妻・日和子。透明感ある言葉たちに彩られた、痛い物語。

2023/07/09

連作短編集。
塾の模試に出ていて、「意味がわからん！」と子どもが言っていた「箱」を読もうと思い、図書館で借りてきました。模試で何故この話だけを切り取って出題したのかは疑問ですが…。
結局なんだかんだと、一冊読了して思ったのは、ゴミはゴミ箱に入れてくれるし、濡れたまま布団に入らないし、うちの旦那さんがまともで良かった！ということ。まぁ、生返事はたまにあるけども。

2018/05/27

子供のいない熟年夫婦話。周りの空気を気にしすぎる妻、妻の話を全く聞かず、家庭では社会不適合者となる旦那。とにかく旦那の態度に終始イライラ。それなのに何か一歩を踏み出す（踏み外す？）事もしない妻にもイライラ。最後まで読んで思ったことは「なに、この、はなし……」

2016/04/03

なんてすっきりしない小説なんでしょう。
不穏な空気を漂わせつつ結局は平和で幸福な日常。
私は決別のラストが見たかった。日和子に夫を糾弾してほしかった。夫との齟齬の場面で彼女が笑うたび苛々した。「笑うのと泣くのは似ている」というのはこの作品を通しての重要なワードのひとつですが、それにしたってそこは泣こうよと。
そして本当に嫌な夫。
タイトルは全体のテーマをうまく象徴していて、秀逸です。

2014/12/23

買った本だから何度か目かはわからないけれど、つい、ちらと読んだら最後まで読んでしまった。

大きな事件があるわけでもないのに、夫婦の心理だけで、よくこれだけ書けるな、と思う。

2014/05/20

江國 香織：作　文藝春秋　初版2005

結婚前に読んでしまって良いのかな？と思いました。

結婚して10年。子供の居ない、夫婦生活を淡々と描いているこの作品。
私は、女だから　どちらかというと　日和子（奥さん）よりの目線になるのですが…

こんな夫、嫌だなー　と思う。

それでも日和子は、夫がいないと　淋しいと思ってしまう。

そんな感情が「夫婦」という関係においては成立する…？
私はこの二人のやり取りをみていて　両親を思い出しました。
何回でも、いつでも、同じことを繰りかえして　怒ったり　笑ったり　泣いたり　しているなー。
この夫婦と同じだな、と。

結局どにでもいる夫婦像なのかもしれない…そう思うと…

結婚前に読んでしまって良いのかな？と改めて思わざるを得ません。

2014/05/03

≪県立図書館≫

夫婦のことなんて、当人同士にしか分からないだろう。
でも、私だったら、こういう旦那とは、無理だ。
こんなにぼんやりと靄がかかったような、言葉の通じない男と一緒にいるのは、私は無理だ。

一見平凡なものの中にひそむ、狂気と不均衡。
それをひしひしと感じて、とても気持が悪い。
でも、きっとまた読み返したくなる。

赤い長靴。
夫婦の間にはさまって、捨てるに捨てられない。
悲しくて、気持悪くて、停滞していて、どうしようもないもの。

本当、夫婦って不思議だよなぁ。

2013/12/01

図書館にて借りました。
初・江國香織作品。

夫婦の連作短編集。
なんかいまいちでした。
まとめて云うとこの夫は私には合わない。
奥さんも微妙・・・。

話しかけても「うん」「ああ」のどちらか。
私の一番嫌いなパターンです（笑）

でも、不思議なふたりだけの「あ、うん」の呼吸。
それはなんとなく解る。

私だけが知ってる、その仕草が好き。

2013/05/04

ふぎゃああああああああああああっ！
すばらしい！！

P248 『〜粉末クリーム入りのコーヒーを啜りながら、業務連絡を聞いた。』なんて、超情景描写が上手！事務所の様子が詳細に書かれているわけでもないのに、粉末クリーム入りのコーヒーというだけで、事務的な匂いがする。

江國さんの作品はすばらしい！

2013/04/29

素敵だけど怖い関係。
どこの夫婦もこんな危うさを持っているのかなと思いました。
それでも続けていく。
この2人はすてきな夫婦だと思います。