子どもたちは夜と遊ぶ(下) の商品レビュー
久しぶりに辻村さんの作品を読んで、その独特の感覚を味わった。 同性間の糸を引くような友情だったり無意識に心の隅に押し込んでいるどす黒い感情だったりを、実にわかりやすく言語化しているなと思う。 iが実は◯◯だったという有りがちな真相にやや興醒めしたが、畳み掛けられる更なる真相にはや...
久しぶりに辻村さんの作品を読んで、その独特の感覚を味わった。 同性間の糸を引くような友情だったり無意識に心の隅に押し込んでいるどす黒い感情だったりを、実にわかりやすく言語化しているなと思う。 iが実は◯◯だったという有りがちな真相にやや興醒めしたが、畳み掛けられる更なる真相にはやられたの一言。張り巡らされた伏線が収束していく時の驚きが心地良い。最終章での切ないやりとりが美しくも哀しい。これはこれで、ハッピーとは言えないまでもグッドエンドなんだと思える。 登場人物が他の作品ともリンクしているのを知らずに他の作品を読んでしまったので、また読み返してみようと思う。 ...けど、さすがに好きな人の姓も知らんというのは無いな。
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今回もばっちり混乱させられました よ! iの正体とか、月子と孝太の関係とか! 登場人物が多いから上巻はなかなか進まないけども、下巻はグイグイ読み進められます
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上で感じた違和感の仕掛けがわかりすっきり と同時にどんどん展開するストーリーに引き込まれ 下は一気読み。 なるほどそういうことかと脳味噌をぐちゃぐちゃに かき回されたような感覚に陥りつつ。 無茶苦茶な話ではあるが、ラストはちょぴっと切ないね 読み終わってすぐもう一度読んでしまった...
上で感じた違和感の仕掛けがわかりすっきり と同時にどんどん展開するストーリーに引き込まれ 下は一気読み。 なるほどそういうことかと脳味噌をぐちゃぐちゃに かき回されたような感覚に陥りつつ。 無茶苦茶な話ではあるが、ラストはちょぴっと切ないね 読み終わってすぐもう一度読んでしまった。
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辻村深月『子供たちは夜と遊ぶ』上下巻読了。ひょんなことから「生き別れた双子の兄」を見つけた浅葱。兄からあるゲームをクリアすれば会えるといわれるが、幼少の記憶とそのせいで残った深い傷が連続殺人を引き起こす。登場人物たちがちょっと浮世離れしているが、思わず引き込まれる世界観がある。
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こういう話は好きではない。 何冊かこの作者の小説を読んだが、そんなに自分の嫌なところを掘り下げて書かなくてもいいんじゃないか。
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慣れたのかな、読みにくくなかった! ざらっと惹き込まれる感じ。 しりとり遊びの連想ゲームのように、お互い追いかけて追いかけられて。 捕まえたいのに、捕まえたくない。 捕まりたいけど、捕まりたくない。 殺したいほど恋い焦がれる、そんな相手がいた。
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最近辻村さんの本を読み始めたけれども、毎回読み終わるごとに 『あー・・・今回もやられたわ・・・』 と言う思いが広がる。 いつもエピローグから始まる辻村さんのお話は、正直最初はとっつきにくい。 一体どんな雰囲気の本なのか、内容なのか・・・・分からないまま本編に入り、そしていつのまにかどっぷりと物語の世界にはまり込む。 そして最後の最後で思わぬどんでん返し。 人の先入観を巧みに使ったトリック、あの時の一節がここでこうも大きな意味を成すのかと・・・・一体この人の頭のなかはそうなってるのんだと言いたくなる。 話の感想的には二重人格だったと言うある意味では単純な展開ではあったけれど、それに至る過程と言い、ゲームの始まりのきっかけといい、そこは凄いなと思った。 でもやっぱりこの本の根底に流れる切なさは最後まで消えなかった。 まぁ、これだけ殺人を犯してしまったらそうなのだろうけれど、それでもあの終わり方には鳥肌がたった。 僕のメジャースプーンで出てきた秋山先生が言っていた力を使うことを辞めたことはそう言うことだったのかと繋がったし、 顔に傷のある綺麗なお姉さんは月子だったのかと納得もいった。 とにかく辻村さんの他の話も早く読んでみたい。
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面白かった。 面白かったんだけど、こういう展開じゃないといいなあと予想した展開になってしまったので、もう少し予想を裏切るクライマックスだったら嬉しかったかな。 犯人がここまで殺人に対する感情の振れ幅が小さいことに、もう少し言及して欲しかった。そうでないと、最後のシーンというかこの...
面白かった。 面白かったんだけど、こういう展開じゃないといいなあと予想した展開になってしまったので、もう少し予想を裏切るクライマックスだったら嬉しかったかな。 犯人がここまで殺人に対する感情の振れ幅が小さいことに、もう少し言及して欲しかった。そうでないと、最後のシーンというかこの後のことを想像すると納得がいきません。 でも辻村さんの書く世界観は好きなので、他の作品も順次読んでいきたいと思います。
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痛ましい物語だった。 そして、細部は容易に予想させておいて 最後の最後でそれを根底から見事にひっくり返す、辻村深月の大胆さ! 人と繋がりたいのに、愛する人と手を繋ぐことすら 苦痛として受け止めねばならず 残酷な殺人ゲームを続けてでも 「兄であるはず」の「i」を追い求めずにいられ...
痛ましい物語だった。 そして、細部は容易に予想させておいて 最後の最後でそれを根底から見事にひっくり返す、辻村深月の大胆さ! 人と繋がりたいのに、愛する人と手を繋ぐことすら 苦痛として受け止めねばならず 残酷な殺人ゲームを続けてでも 「兄であるはず」の「i」を追い求めずにいられない「θ」。 自らを完全否定し、闇の中で二度と目覚めたくないと願い、 生餌となって喰い尽くされることを夢想しながらも 「θ」を生き永らえさせるために罪を犯す「i」。 人として生きたいθと、消滅したいiとの まさかの立場の逆転に戦慄し、涙が止まらない。 そして、愛する人の罪を知りながらも、 「ゲームを中止して二度とθに戻らないと誓うなら 全てを忘れ、二度と思い出さない」と約束した月子。 命を削るようにして、証拠写真を飲み込んでまで守ろうとした彼を (たぶん)自らの意志の力で、本当に記憶を喪失してまで きっちりと忘れ、思い出さないまま見送る月子が、哀しい。 重ねてしまった罪は到底許されるものではないけれど 柔らかな健全さで、陽光のように周囲を包み込む狐塚に憧れ、 細い両腕を差し伸べるように、闇を貫いて まっすぐに自分を照らす月子の想いを浴び、 不器用でやさしい恭司の鉄拳で「月まで飛ばして」もらうことで θが消滅して、iが淋しくひとり残ったのではなく、 iの中に、きっと生まれながらにしてあったθという人間らしさは 手首を折ってまで逃亡し、心を込めて月子の手をとって 「生きることに手を抜かない」と誓う、ひとつの全き人格として ちゃんと結実したのだと、祈りを込めて信じたい。
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先入観っておそろしい。冒頭からずっと騙されてた。疑いもしない部分がまるっきり覆ると、こんなに衝撃を受けるのか…。 辻村さんはトリックを不自然に思わせないようなキャラの性格作りが本当に上手い。このどんでん返し、そしてそこからの悲劇も、浅葱と月子の性格でなければ違和感があっただろうし成立しなかったと思う。(月子の性格は好きじゃないが、このトリックを使うにはこの性格じゃなきゃダメだったんだと納得) 月子が襲われてからの、家族や教授、友人達のやりとりが切なく悲しく、後半は涙わらわら出た。 残虐な殺人ゲームの描写で滅入ることもあったが、恐ろしいだけじゃなく、良くも悪くも人間の内面が書き込まれているから夢中で読んじゃうんだろうか。 ----------------------------------------------- 【あらすじ:「BOOK」データベースより】 もう、一人の夜には帰りたくない―。残虐非道な事件に潜む、孤独な殺人鬼と彼を操る共犯者の存在。罪の意識に苛まれながらも、二人の間で繰り返される恐ろしい殺人という名の遊びは、一体いつまで続くのか!?そして傷つけずには愛せない、歪で悲しい恋の行方の結末とは…。辛い過去を孕んだ事件の真相は少しずつ解き明かされ、漆黒の闇を照らしていく。
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