クワイエットルームにようこそ の商品レビュー
何ともテンポがいい。 まぁ量が少ないってのもあるかもしれないが、さくさく進む。 帯に「14日間の絶望と再生の物語」とあるんだが、どん底に落ちて再生していくのかと思っていると、結構凹む。 いや、再生しないワケじゃないんだけどさ。再生のとっかかり掴むまでが長いんで、このままだと終わっ...
何ともテンポがいい。 まぁ量が少ないってのもあるかもしれないが、さくさく進む。 帯に「14日間の絶望と再生の物語」とあるんだが、どん底に落ちて再生していくのかと思っていると、結構凹む。 いや、再生しないワケじゃないんだけどさ。再生のとっかかり掴むまでが長いんで、このままだと終わっちゃうよ……とか、いらん心配した。 テンポが良すぎて軽さばかりが目立つが、それが精神を病むという後ろ向きなねっとり感をカバーしてるのかもしれないな。■ブログに長い感想文があります
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こういうしんどーいことを こんな風にバカバカしく笑いとばしましたー!みたいな空気大好きです!! テーマが重い割には笑えます。 でも、最後は見過ごせませんでしたみたいな。 私の生き様と一緒、みたいな。
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松尾スズキってホント不思議な人だ。 舞台が本職なんだろうけどスクリーンでもTVでも主役より普通に目立ってるし。 小説はこの作品で初めて読んだ。 冒頭は衝撃的だけど、凄くちゃんとしたお話し。 主人公にもしっかり感情移入できたよ。 ストーリーを書くと陳腐にしかならないの...
松尾スズキってホント不思議な人だ。 舞台が本職なんだろうけどスクリーンでもTVでも主役より普通に目立ってるし。 小説はこの作品で初めて読んだ。 冒頭は衝撃的だけど、凄くちゃんとしたお話し。 主人公にもしっかり感情移入できたよ。 ストーリーを書くと陳腐にしかならないので、中身のレビューはしません。 僕の周りにいる、この主人公と同世代の女性達に紹介したい作品です。
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目覚めたら精神病棟…その中で絡みあていく人間関係。正常と異常の境目でゆれる主人公の感覚が伝わってくる。けど、それを楽しんでる?感じが気持ちよかった。
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何か、不思議な物語でした。面白恐いというか、、、主人公の明日香は自分は病んでいないと信じ続けていて、でもその境界線がどこにあるのかが段々不明瞭になってきて。ラスト辺りでかなりずん、とくるものがあります。余談なんですけど、これ読んでから寝たら、微妙にこんな雰囲気の夢を見てしまいまし...
何か、不思議な物語でした。面白恐いというか、、、主人公の明日香は自分は病んでいないと信じ続けていて、でもその境界線がどこにあるのかが段々不明瞭になってきて。ラスト辺りでかなりずん、とくるものがあります。余談なんですけど、これ読んでから寝たら、微妙にこんな雰囲気の夢を見てしまいました、、、(苦笑)。
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06/02/10読了★なんていうんだろう…うーん。取り留めのない思考をそのまま文章にした?というか。結構へこむはずの内容なのにそれをあまり重く感じさせないし、尚且つ逆に引き込まれてしまいました。感動するというわけではないけれど「あぁそっか…」となんとなくココロが軽くなるような読後...
06/02/10読了★なんていうんだろう…うーん。取り留めのない思考をそのまま文章にした?というか。結構へこむはずの内容なのにそれをあまり重く感じさせないし、尚且つ逆に引き込まれてしまいました。感動するというわけではないけれど「あぁそっか…」となんとなくココロが軽くなるような読後感でした。
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爽やかなえぐみと馬鹿馬鹿しさで生きていくうっとうしさをかき混ぜた本。さらっと読めて残るもんもなくて、作者自身もそれでいいと思ってるだろう、という感じ。
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私の好きな「大人計画」の松尾スズキさんが書いた作品。松尾さんの描く世界は、私の夢に出てくるような変わったものばかり。しかし、的を得た内容は独特で、誰も描かなかったものをテーマにしているのではないでしょうか。
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「第134回芥川賞候補作」というのにびっくり。思わず購入。クワイエットルームとは、手に負えない患者を一時的に隔離する部屋の事。自殺する気のなかったODで意識を失い、精神病院へ強制入院となった「わたし」の視点で語られる、病院での2週間の日々を綴る物語。松尾氏は劇団「大人計画」の主宰...
「第134回芥川賞候補作」というのにびっくり。思わず購入。クワイエットルームとは、手に負えない患者を一時的に隔離する部屋の事。自殺する気のなかったODで意識を失い、精神病院へ強制入院となった「わたし」の視点で語られる、病院での2週間の日々を綴る物語。松尾氏は劇団「大人計画」の主宰者。 舞台を見る限りでは、へヴィーなテーマを笑いに変換ししかもそれが一層凄みを帯び、混沌とした数々の要素が結末に向けてまとまり恐ろしいまでのカタルシスを生むのが松尾氏の力量の凄いところなのだと思うんだけど、今回のはややライト寄りかという感じ。無茶苦茶とも言えるほどのものっすごい書き出しの割に後半にかけてありがちな展開を辿りだす部分などを見ると特にその思いが強まる(パサパサした事務的な喋り方でステンレスのような心の持ち主だと「わたし」に評されているナース江口が、後半で温情ある態度をあっさり見せるくだりとか)。読みつつふと考えたのが、例えば同じ病の中にいる人が読んで何がしかのプラスの力を得られるかどうかについてで、それはかなり謎。と言っても別にその目的で書いてるわけじゃないだろうし…。 ただ帯の「長い罰ゲームだったね」は、「わたし」に対して誰かがかける、自己憐憫的な色の濃い言葉なのかと漠然と思っていたら、違った。もっとさっぱりとした台詞だったので、その部分は少し印象的だった。 だけど例えば前に読んだ『宗教が往く』と比べるとインパクトも薄い気がする。なので芥川賞候補になった決め手がなんだったのかが気になるのです。初めて松尾氏の作品を手に取る人にとっては、一気にまくし立てられたかと思うとすぱっすぱっと切られたりねじくれたりという風に次にどう続くのかが予測できない独特の文体や、ところどころに散りばめられた比喩や笑いのセンスが面白いので、新鮮さはあると思う。「痩せてご飯睨んじゃって、睨み飯。よく生きてるな、あれ。睨んでてもカロリーとれないからなあ」とか好き。って「好き」とか言っていいのだろうか。
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「大人計画」主宰松尾スズキが初めて芥川賞候補になった中篇。薬の過剰摂取で精神病院に入院することになったバツイチフリーライターの明日香(28歳)が退院するまでに遭遇する出来事。書き出し部分(「ゲロでうがい」等)こそ、松尾流エログロナンセンスにドン引きしましたが、その後の展開は割りと...
「大人計画」主宰松尾スズキが初めて芥川賞候補になった中篇。薬の過剰摂取で精神病院に入院することになったバツイチフリーライターの明日香(28歳)が退院するまでに遭遇する出来事。書き出し部分(「ゲロでうがい」等)こそ、松尾流エログロナンセンスにドン引きしましたが、その後の展開は割りと真っ当。ジグゾーパズルとか小物の使い方がめちゃめちゃ上手くて、ズンと心に重い。「睨み飯」とか「もう頭燃やしません」とか笑えるけど、ストーリ上ちゃんと意味があって切ない。一見不真面目だけど、実は真摯な小説だった。面白い。
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