経済学的思考のセンス の商品レビュー
20年前近くの本なので、読み飛ばした部分もあり。 でもどんなことにも言語化できることがあるんだなと感じた。 まあわかってないこともありそうだけど。 おもしろかった
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「お金がない人を助けるにはどうしたら良いですか?」 運や努力や能力によって様々な格差や不平等が生じます。 小学5年生の質問が大人に深く刺さります。 僕は福祉の世界からこの問題を見ていますが経済学からの視点を示唆してくれる本です。 マリッジプレミアム 「マトモな男は絶対結婚してい...
「お金がない人を助けるにはどうしたら良いですか?」 運や努力や能力によって様々な格差や不平等が生じます。 小学5年生の質問が大人に深く刺さります。 僕は福祉の世界からこの問題を見ていますが経済学からの視点を示唆してくれる本です。 マリッジプレミアム 「マトモな男は絶対結婚している」 のではなく 「結婚によって男は仕事ができるようになる」 良い男は結婚しているのではなく結婚して良い男になると神学論争に決着がついたように思います(笑) 著者の調査によると 日本人の7割を超える人が 「十分な格差がないと人々は努力しない」 過半数が 「所得は各人の選択や努力によって決まる」 と考えるとのこと 日本人の支持を得るためには 「努力しているにもかかわらず運が悪い人を広く救う制度に変える」 ことが必要とのこと。 低所得者への再分配だけでは支持は得られないとのことです。 確かに生活保護制度への風当たりの強さはその裏返しなのかもしれません。 ただ運が悪かった人を見つけるのは大変なんですよねσ^_^;
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行動をうながすためのインセンティブを見ていったり設計したり、また、統計データから相関しているものをどう読み解くか、その因果関係への着眼点の持ち方、それらが、本書のタイトルになりテーマとなっている「経済学的思考のセンス」になる。本書は2005年刊行の本ですが、すでに行動経済学の考え方が取り入れられていたり、格差や不平等に関する着眼点や論考にも先見の明があり、現在でも通用する内容になっています。最初は、イイ男ははやく結婚しているものなのか、それとも、はやく結婚して守るものができたため、あるいは妻に育てられたため、などによってイイ男になったのか、といったおもしろトピックをとりあげて、経済学的な視点といったものに慣れていく感覚ですすんでいきます。それは、プロ野球監督の能力とはなにか、だとか、オリンピックの国別メダル獲得予測に関するものだとか、週刊誌の見出し的なトピックのものが多い。中盤から最後までは年金問題や格差問題を正面から扱い、不平等というものにドスンとぶつかっていく硬めの論考になっていきます。それは大まかに見ていくというのとおは逆で、ミクロな部分を仕分けしていくように、そして、本書の前半部分で親しんできた経済学的な着眼点と思考を用いての分析になっていきます。低所得者は怠惰であるからそうなった、つまり努力が足りないからだ、と考える日本人は多いそうで、さらにはアメリカ人的な考え方でもあるようです。ヨーロッパのほうでは、幸運や持って生まれた才能に大きく左右されるものだと考える向きが強いそう。これは、努力も幸運も才能も、どれもが低所得や高所得に影響するもので、どれか一つというわけでもなければ、どれが一番というものでもないのかもしれない。また、努力が足りないから低所得なのだ、と考える向きの強いアメリカでは、「今は低所得だけど、転職によって高所得を得られる可能性はずっとある」というように、所得階層間での移動率が高い。幸運や持って生まれた才能が大きく関係すると考えるヨーロッパでは、所得階層は固定的。日本はどちらなのかといえば、所得階層間の移動率は低いのに、考え方は努力が足りなからだ、というもので、なんだか組み合わせが悪いものになっている。努力しても所得階層間の移動率が低いので、努力が報われない可能性が比較的高いのに、それでも努力が大事でな要素であって、運・不運や持って生まれた才能は努力よりも影響は小さいと考える。よく日本人は「自己責任」という考え方をするので、そういった場面での冷たさが指摘されることがあります。こういう、社会の構造と心理のアンバランスさがそういった日本人の意識を醸成しているのだろうなあと思いました。アメリカ人のいう自己責任と日本人のいう自己責任ははっきり違ってきますからね。努力すれば報われるアメリカンドリームの世界を前提とした自己責任と、せいぜい大学入学までの努力が比較的報われて、それ以降の努力は報われない世界を前提にした自己責任と、まったく違いますよね。
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大竹先生の著書はもう3冊目になるので、書かれている内容はすんなり理解できた。競争万歳の経済学者なのに、その必然的な帰結である格差について否定的なのは意外だった。 最後に経済学的思考とはインセンティブと因果関係の正しい理解であると大胆に総括されていたが、大竹先生の専攻分野は広い経済...
大竹先生の著書はもう3冊目になるので、書かれている内容はすんなり理解できた。競争万歳の経済学者なのに、その必然的な帰結である格差について否定的なのは意外だった。 最後に経済学的思考とはインセンティブと因果関係の正しい理解であると大胆に総括されていたが、大竹先生の専攻分野は広い経済学の極一部分であり、さすがにそんな狭い定義に経済学は収まらないだろうと思われる。
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調理時間の短縮が肥満増加の原因=時間非整合性の問題。 「善きサマリア人のジレンマ」=支援が依存を生み、社会全体としてよくない方向に進むこと。 人間は目標があると死期をずらすことがある。 金銭的インセンティブが重要。死亡時期さえ変化させる。 製品が高いと売れなくなる。高速道路の料...
調理時間の短縮が肥満増加の原因=時間非整合性の問題。 「善きサマリア人のジレンマ」=支援が依存を生み、社会全体としてよくない方向に進むこと。 人間は目標があると死期をずらすことがある。 金銭的インセンティブが重要。死亡時期さえ変化させる。 製品が高いと売れなくなる。高速道路の料金を下げれば通行量は増える。 不十分な金銭的インセンティブは非金銭的インセンティブを弱めてやる気を失わせる結果になる。 ルイスシュメリングの逆説=プロスポーツは対戦相手が拮抗していないと成り立たない。一人勝ちでは、儲からない。結果が予測できないときに興行が最大になる。一人勝ちが生じるフリーエージェントやドラフトではなく、参入や売買が制限されているから。 マスメディアによって、一流選手と二流選手の年俸の差が開いた。マスメディアによって多くの人に見せられるから。 どのような仕事をすれば成果がでるかがわからないため、成果主義を導入した。 学問の自由は何もしない自由を生む。 大学教授を任期制にすべきか。 プロスポーツは経済学の仮説を検証する自然の実験室、と呼ばれる。 企業年金の未積立債務の存在は、企業年金がネズミ講で運営されている証し。 年功賃金の崩壊の理由=技術革新と陳腐化、インセンティブ理論、適職探し理論、生計費理論、 贅沢になれると戻れないから、それを防ぐためという理論もある。 賃金のタイプ=アメリカタイプとイタリアタイプ。日本はイタリアに近い。好景気の時に就職した世代は生涯賃金が高い。 政府支出のGDPに占める割合は、日本とアメリカは小さい。35~37%。OECDの平均は41%。
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『ヤバイ経済学』をちょっと固くした感じ。取り扱う内容は経済学とは本来関係なさそうな分野が多く、よんで興味を持つ人も多いと思う。 時間をおいて再読したい
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身近な事例から経済学的な考え方を学ぶことができる。 自分に経済学的思考が備わっていないためか、途中読みにくい部分があった。 経済学についてもう少し学んでから再読したい。
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お金のはなし 報酬を増やせばやる気が出るか? 年功賃金は「ねずみ講」だったのか? 小さな政府は所得格差を生じる 「本当にお金のない人」を見つける方法はどのようにすれば良いのだろう? 所得の平等か機会の均等か? 特別な目線から経済を考える本
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■書評というのは好きじゃないので、読後の収穫。 社会的に関心がもたれるトピックに対して、経済学の基本的な視座であるインセンティブと因果関係を通じて眺める癖をつける良いきっかけを得た。また、経済学と行動経済学のブリッジにもなるような気付きを得られた点が良い。
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モテ男の結婚やスポーツの話から、年功賃金や年金、格差や不平等の話まで、先行研究を多分に生かしつつ「経済学的な思考」が徹底されている。 年金が、長生きという「リスク」に対する保険だという視点が非常に印象的だった。 経済学の本質は「因果関係を見つけだす・仮説検証する」「インセンティブの観点から社会・個人の動き方を見る」ことにある。行動経済学や労働経済学、計量経済学のような観点も多く生かされているように思った。 昨今しばしば「ホモ・エコノミクス」のように人間を遍く合理的活動主体と捉える経済学的視点が他の学問分野に浸透しているが、本書はその枠を超えている。たとえば宝くじのような場面において、人は「損失局面では危険愛好的になる」という例を紹介している。 公共政策やビジネス戦略を考える上でも帯通り… 「ある と ない では大違い」!!!
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