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黄色い雨 の商品レビュー

3.9

40件のお客様レビュー

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2009/10/04

村からは、一人また一人と立ち去って行き、妻は孤独のあまり首をくくり、ついには一人取り残される。 そんな男の孤独と狂気と幻影、そして追憶。 背筋がゾクっとするような圧倒的な孤独。 物語は読者に一切媚びることなく、淡々と、冷徹なまでに進んでいく。救いも希望もない。 あるのは過去だけ...

村からは、一人また一人と立ち去って行き、妻は孤独のあまり首をくくり、ついには一人取り残される。 そんな男の孤独と狂気と幻影、そして追憶。 背筋がゾクっとするような圧倒的な孤独。 物語は読者に一切媚びることなく、淡々と、冷徹なまでに進んでいく。救いも希望もない。 あるのは過去だけである。未来はもちろん、現在すら溶けて消えてしまいそうな不安な空気。 思う存分孤独を堪能できる作品。

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2010/03/18

何だア、このうすら寒くも容赦なく訪れる滅びの物語は!!誰もが逃げ出したスペインの寒村でただただ降りしきる落ち葉の音を聞きながら記憶(と土地)に囚われる男の話。自分もその中に囚われていくようで怖い。

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2010/01/17

廃村になったアイニェーリェ村を死が蝕んでいく。 くらい話でしたね。 読んでて寒くなりました。 この死でいっぱいの小説を美しいと思えるようになるのはまだまだ先のようです。 訳者があとがきで言ってるように、ルルフォの小説を彷彿とさせるような話です。 ルルフォの『ペドロパラモ...

廃村になったアイニェーリェ村を死が蝕んでいく。 くらい話でしたね。 読んでて寒くなりました。 この死でいっぱいの小説を美しいと思えるようになるのはまだまだ先のようです。 訳者があとがきで言ってるように、ルルフォの小説を彷彿とさせるような話です。 ルルフォの『ペドロパラモ』のコマラ村にも死者はいっぱいだったのに、なぜか居心地よさそう!なんて思ったけど、これはそんな風には思わなかったなぁ。 だってほんとにむせそうなくらい、の死。 黄色い雨、っていうより黒い雨って気分。あ、言いすぎ・・・なんで黄色なんだろう。 黄色・・・なんか、うーん。黄色って幸せなイメージだけどな。 詩集っぽかったです。

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2009/10/04

なんという執着 そして孤独 こんなに寂しい人がいていいのだろうか 腐った林檎の黄色が、身体をすこしづつ蝕んでいく その過程を、ただじっと見つめている 「夢とは氷のようなものだ。すべてを麻痺させ、破壊するが、自身のもっとも奥深くやさしいことろに触れる人を、自分自身の中に取り込んで...

なんという執着 そして孤独 こんなに寂しい人がいていいのだろうか 腐った林檎の黄色が、身体をすこしづつ蝕んでいく その過程を、ただじっと見つめている 「夢とは氷のようなものだ。すべてを麻痺させ、破壊するが、自身のもっとも奥深くやさしいことろに触れる人を、自分自身の中に取り込んでしまう。」 「目の前で夜が死の空間となって広がってゆくあいだ、私は何度となく二度と目が覚めなくてもいいから、夢の雪で目が凍りつくようにと祈ったものだった。」 「つねづね私は、願わくば静かな夜、月明かりのもとで眠れる木のように、魔法にかけられたシナの木のように死んでゆきたいと思っていた。しかし、そういう幸運に恵まれそうにもない。私は心細い思いを抱いてたった一人で、血が少しずつ凍ってゆくのを感じながら死んでゆくのだ。」 挫折、孤独。狂気。

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2009/10/04

0321(宇宙船に一人にも、雪山で一人で遭難にも、おそらくそれ以上の孤独。)(書き方が淡々としつつ、〜だろう。と続く。早口で狂気をその薄皮一枚下に押さえ込みながら口の中で呟いている独白を聞くような錯覚。新鮮。)(しかしながらアオリ文ほどの衝撃はない。)

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2009/10/07

黙と記憶に蝕まれて、すべてが朽ちゆく村で、亡霊とともに日々を過ごす男。この小説を読むことで、あなたの世界は全てが変わってしまうだろう。スペインから彗星のごとく出現し、世界に“冷たい熱狂”を巻き起こしつつある、この奇蹟の小説を体験せよ

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2009/10/04

夜があの男のためにとどまっている──。 時と記憶によって蝕まれた村に、たった一人取り残された男の物語。

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2009/10/04

沈黙と記憶に蝕まれて、すべてが朽ちゆく村で、亡霊とともに日々を過ごす 男。「悲しみ」や「喪失」といった言葉はこの小説には必要ない。悲しみや 喪失は、ここには空気のように偏在しているから。なのに、なぜ、すべてが こんなにも美しいのだろう? 柴田元幸 スペインから彗星のごとく出現し、...

沈黙と記憶に蝕まれて、すべてが朽ちゆく村で、亡霊とともに日々を過ごす 男。「悲しみ」や「喪失」といった言葉はこの小説には必要ない。悲しみや 喪失は、ここには空気のように偏在しているから。なのに、なぜ、すべてが こんなにも美しいのだろう? 柴田元幸 スペインから彗星のごとく出現し、世界に<冷たい熱狂>を巻き起こし つつある、この奇蹟の小説を体験せよ!

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2009/10/04

内容は暗いのに、ジメッとした感じはない。 なるほど「死」とはこういう風にやってくるものなのかとも思う。 詩人なので言葉からのイメージがすごいです。

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2009/10/04

スペインの現代作家(もう50歳くらいだったと思う)の小説。廃村に引きこもるおじさんが死ぬ話。詩人出身なので、散文詩のような文章。ふーむ。最初は全然面白くないかと思ったんだけど、いや見所がないわけじゃないです。面白いです。ド田舎の村で孤独に死んでく人を、詩チックに書くという試みはよ...

スペインの現代作家(もう50歳くらいだったと思う)の小説。廃村に引きこもるおじさんが死ぬ話。詩人出身なので、散文詩のような文章。ふーむ。最初は全然面白くないかと思ったんだけど、いや見所がないわけじゃないです。面白いです。ド田舎の村で孤独に死んでく人を、詩チックに書くという試みはよく分かるし、なかなかの雰囲気が出てます。ま、でも読みづらいよなあ。ダレる。中篇くらいの長さでいいと思う。などと外国の作家にダメだししてどうしたいというんだ俺は。

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