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思いわずらうことなく愉しく生きよ の商品レビュー

3.8

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

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愉しく生きよ

全然違う価値観を持った姉妹が育った犬山家の家訓、「思いわずらうことなく愉しく生きよ」。伸びやかに潔く己の主張を貫く姉妹たち。その姿に、心がじくりと痛む。ある種の羨望を含む痛みは、どこか甘くて心地よい。

yama

2024/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【概要】 2001年 三姉妹の物語 【登場人物】 多田邦一:麻子の夫 多田麻子(犬山):長女,36歳,1965年生 犬山治子:次女,1967年2月生, 熊木圭介:治子の恋人 犬山育子:三女,29歳,1972年11月生 里美:専門学校時代のクラスメイト 光夫:里美の恋人

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2024/02/26

江國香織作品を読むのはもう何年も前に読んだ『神様のボート』以来。江國さんの書く文章はとても優雅で、思わず紅茶とスコーンを食べながら読みたくなってしまうような感じ… と思っていたら、この作品は思った以上に扱っているテーマは重めで、結構しんしんと読みました。 暴力を振るう夫と決別で...

江國香織作品を読むのはもう何年も前に読んだ『神様のボート』以来。江國さんの書く文章はとても優雅で、思わず紅茶とスコーンを食べながら読みたくなってしまうような感じ… と思っていたら、この作品は思った以上に扱っているテーマは重めで、結構しんしんと読みました。 暴力を振るう夫と決別できない長女。 愛する恋人がいても自由奔放に生きたいバリキャリな次女。 複数の男性と肉体関係を結ぶことがやめられない三女。 それぞれがそれぞれに女の人の人生の複雑さ、煩わしさ、宿命みたいなものを三姉妹が背負いすぎていて、特に麻子(長女)のシーンは読んでいてとても辛かった。個人的には三姉妹全員「理解はできるけど共感はできない」みたいなキャラクターだったので、いまいち物語には没入できないまま終わってしまった(自分の人生経験の足りなさもあるのかもしれない) でもやっぱり江國さんの書く文章はとても煌びやかで素敵だった。また他の作品も読みたいなあ。

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2023/08/06

長女、麻子:暴力をふるう夫を愛し、ずっと一緒にいたいと思っている。専業主婦。 次女、治子:色々な男と愛し合い、今は熊木と同棲中。さばさば、感情的な性格。キャリアウーマン。 三女、育子:教習所の受付係。「愛」とは「生きる」とは、の意味を模索して、特に「愛」については体のみの関係にし...

長女、麻子:暴力をふるう夫を愛し、ずっと一緒にいたいと思っている。専業主婦。 次女、治子:色々な男と愛し合い、今は熊木と同棲中。さばさば、感情的な性格。キャリアウーマン。 三女、育子:教習所の受付係。「愛」とは「生きる」とは、の意味を模索して、特に「愛」については体のみの関係にしか至らない。自由奔放。 3人姉妹と離婚した両親の、不思議に強く、でも遠い関係。 次女を除く2人は自分の好きなように行動しているようであって、流されているだけのような気もする。 次第にそれに気付き、自分の意志で進むべき道を見つけていく様子が良い。 育子は危なっかしいけどかわいいなぁ。

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2023/03/11

面白かった。 全然違うけど、共感もできる。 「のびやかすぎる」という表現がすごく好きだなと思った。 自由に生きているようで、それぞれが抱えている家族へのこだわりとか、不安定さも描かれていて。 江國香織さんは何冊か読んでいるけど、1番好きかもしれない。 自分が3姉妹だからかも。

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2022/11/17

感想 薄布に覆われたゴツゴツした感情。誰しもが他人には見えないところで黒々とした思いを抱いている。そんな側面を認めることで楽しく生きられる。

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2022/07/09

手に取ったきっかけは、タイトル。 思い煩っていた。 側から見ればチグハグなようで、けれど視点によっては筋が通っていて、避けたと思えば近づいていて、自分には見えず、他人には丸見え。登場人物みな、砂地で足をとられたように生きているようでした。そしてそれは、本の「外側」の自分も。周り...

手に取ったきっかけは、タイトル。 思い煩っていた。 側から見ればチグハグなようで、けれど視点によっては筋が通っていて、避けたと思えば近づいていて、自分には見えず、他人には丸見え。登場人物みな、砂地で足をとられたように生きているようでした。そしてそれは、本の「外側」の自分も。周りも、誰しも。自覚があっても、そうでなくても。時に素直で、時に裏腹で。 初めて読んだ作品であるが、おそらく、人生の経過によって人物への印象が大きく変化するのだろう。大抵の物語がそうであるかもしれないが、行動の裏にある思惑や動機が見えるようになっているかで深さが変わる面白さ。表面でさらりと読み流してしまえばそれで済ませることもできる、興味深さ。登場人物の誰に心を動かされるかも、人によって違うんだろうなと想像する。これがもうひとつ楽しみになる。 自分なりに味わって愉しんだあとはいつも、作家って…なんていうか…すごいなぁ…と思わずにはいられません。最終的には、途端にシンプルすぎる表現しかなくなってしまいます。ジャズを流しながら、余韻にひたろうと思いました。

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2022/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長かった…。面白くないわけではない、文体が重厚なわけでもない、内容の理解に困難なわけでもない。ちょっとずつ読んでいたとはいえ一か月もかかったのは、現実離れしているのにどこか現実的すぎるからかも。前半のどこかふわふわした「物語っぽい」感じと、後半のヘビーな内容を“言い訳なしに”書けるところが江國さんの持ち味なんだな、と本書でやっと感じた。

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2022/03/16

2022.02.16読了。 今年10冊目。 以前も読んだこの本、アラフォーになり結婚して子どももいる今読むと感じ方がだいぶ変わっていた。 以前読んだ時の私はまだ若く潔癖だったのだなと。

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2020/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

DV夫と依存し合う麻子、自分を愛してくれる彼がいながらも別の男と寝てしまう治子、恋愛に足元をすくわれないように生きる育子。 それぞれ違う生き方ではあるけれど、それぞれに共感できた。 邦一の、不安と悲しみ故の怒りも、分かるような気がする。 「育子は光夫と暮らしたくなどない。ただ、暮らすことに決めたりできる里美が、うらやましかった。」 「私が西部劇に出てくる娼婦みたいな人間だということが、一体どうして彼らに分かってしまうのだろうと訝りながら。」

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