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思いわずらうことなく愉しく生きよ の商品レビュー

3.8

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2012/07/27

江國香織はあや的にあたりはずれがあるんだけど、これはあたりでした! 薄暗い文章と妙な明るさを持った三姉妹がうまい具合に合っていてよかったです。 あやも姉妹なので、この素敵な関係性はちょっとわかる。 ひとりひとりについて言えば、麻子はまったくわからないし、治子も熊木と別れる...

江國香織はあや的にあたりはずれがあるんだけど、これはあたりでした! 薄暗い文章と妙な明るさを持った三姉妹がうまい具合に合っていてよかったです。 あやも姉妹なので、この素敵な関係性はちょっとわかる。 ひとりひとりについて言えば、麻子はまったくわからないし、治子も熊木と別れるときが理解できなかった。 かなりぶっとんではいたけど、典型的な末っ子体質の育子だけはわりと共感できます。 友達の彼氏と寝ておきながら、「それは里子ちゃんと光夫くんの問題でしょ」 麻子の異変をいち早く知っておきながら、「麻子ちゃんがマゾなら仕方ない」 女をつくって出て行った父親とも、変わらずに付き合い続ける たぶん、「里子ちゃんの彼氏」とか「私のパパ」のような属性で人間を見ていなくて、どんな場合もその人はその人という考えがある。 そのスタイルはけっこう好きです。 ともあれ、みんなそれぞれ「思いわずらうことなく愉しく生き」ているわけで、そののびやかさはとても素敵でした。 「思いわずらうことなく愉しく生きよ」 うん、これいいね。あやも家訓にしよう。

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2012/07/13

大分前に読んで以来久しぶりの再読。 江國香織さんは常に独特の空気感。やわらかい響きのひらがな表現が多いせいか、なんともゆらゆらした感じ。 三姉妹それぞれの恋愛であり、恋愛観が交錯するお話。 DVを認めたがらなかった長女麻子の変化が一番自分は読みごたえがあった。 ただ、そこまでの道...

大分前に読んで以来久しぶりの再読。 江國香織さんは常に独特の空気感。やわらかい響きのひらがな表現が多いせいか、なんともゆらゆらした感じ。 三姉妹それぞれの恋愛であり、恋愛観が交錯するお話。 DVを認めたがらなかった長女麻子の変化が一番自分は読みごたえがあった。 ただ、そこまでの道のりの麻子といい、育子といい、治子といい、なかなか価値観は共感しがたい。 なのに不快感どころか、もっともっと彼女たちを知りたくなる。 よくわからないものは気になる。それをうまく生かしたなー、と思う。 他の作品も久しぶりに読みたいな。

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2012/05/03

人は様々な社会の単位の中でそれぞれの面を持つ。家族の中にいたらいつまでも末っ子を演じる育子や、熊木の前では甘えん坊の治子、夫の望む妻でいることに安住する麻子など。その単位の中でいつまでも変わらずにいれば平和で幸福(と錯覚しているよう)な場所にいられる。けれど、そこに思い煩わされる...

人は様々な社会の単位の中でそれぞれの面を持つ。家族の中にいたらいつまでも末っ子を演じる育子や、熊木の前では甘えん坊の治子、夫の望む妻でいることに安住する麻子など。その単位の中でいつまでも変わらずにいれば平和で幸福(と錯覚しているよう)な場所にいられる。けれど、そこに思い煩わされることなく、自分の様々な面を恐れることなく愉しく生きよってことなのかなと解釈。

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2012/04/25

家族は一番小さな社会の単位なのだと昔家庭科か何かで習ったのだけど、その家族の輪が強調されて、物語全体を覆っているような作品。 結局男たちはその小さな社会の部外者で、この3姉妹の世界にははいりこめなかったのだなぁ。むしろこの3人は入り込むことを拒絶しているようにも見えた。 家族...

家族は一番小さな社会の単位なのだと昔家庭科か何かで習ったのだけど、その家族の輪が強調されて、物語全体を覆っているような作品。 結局男たちはその小さな社会の部外者で、この3姉妹の世界にははいりこめなかったのだなぁ。むしろこの3人は入り込むことを拒絶しているようにも見えた。 家族には独特の常識があって、それに馴染めるか、馴染めないかだと思うんだけど、この家族はそれが排他的なのかな。 家族が増えるって悪いことじゃないのになぁ...

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2012/04/23

全然違った性格に見える三姉妹のそれぞれにしっかり共感できるとこが江國さんのよさだなぁ。 恋愛で傷つくなんて簡単だけど、負のループから抜け出る姉妹たちの潔さには心がしゃんとする思い。

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2012/04/17

面白かったーー 江國さんの小説はほとんどそうだと思うけど 女子の、女子による、女子のための本でした。 これを読んで、やっぱり女子って素敵やなぁと思い、 やっぱり男って鬱陶しいなぁと思った。 麻ちゃんも治ちゃんも育ちゃんも、素敵で優しくて 男につけこまれるというか なんか危うくて、...

面白かったーー 江國さんの小説はほとんどそうだと思うけど 女子の、女子による、女子のための本でした。 これを読んで、やっぱり女子って素敵やなぁと思い、 やっぱり男って鬱陶しいなぁと思った。 麻ちゃんも治ちゃんも育ちゃんも、素敵で優しくて 男につけこまれるというか なんか危うくて、 自由に生きているようで、実は男の犠牲になってる。 女子が犠牲にならない恋愛なんて、ないのかも知れない。 犠牲になるんだから、それを補えるくらいの魅力がないと もしくは努力がないと、 こんなふうにアッサリと、バッサリと捨てられるんだよっていうのを 男は学ぶといいね。 女子は優しくて、でも、こうと決めたら潔い生き物なのだ! ひとことで切りつけなくてはならない、と思った。 おなじ土俵におりて喧嘩をしてはならない。 にらみ合ったあと、治子はため息まじりに笑ってみせた。 軽蔑と憐れみが、相手に思うさま伝わるように。 女にも頭の悪いのがいるけど。 江國さんかっこいい!!

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2012/03/30

3人姉妹なので それだけで親近感。 1人1人がありありと浮かび上がる。 それぞれの内面と、それぞれからみた外面 ナチュラルに視点が動くのは 女性作家ならではなのかな。

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2012/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三人姉妹の幸せのかたちが違って、読み入ってしまったけれど、 長女の麻子(だったっけ?名前がうろ覚え)が暴力を振るわれるシーンが、ものすごく怖くて、途中までしか読めなかった・・・。

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2012/03/03

三姉妹それぞれに共感するところがいっぱいあったし、強いなぁと感じるところも多々ありました。特に、育ちゃんが大好き!!育ちゃんみたいに素直にまっすぐに生きたいです。治子ちゃんは、わたしの実姉と似ていて、思わず笑ってしまうところがありました。

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2012/01/22

 江國 香織は初見です。NHKのドラマ「カレ、夫、男友達」の原作ということで、興味が湧いたので、読んでみました。  三人姉妹の生き方、家族のあり方、恋のしかたがリアル(だと感じさせる)です。女の強さ、怖さを改めて感じ、男の弱さ、不甲斐なさを見せつけられる作品です。読む価値はある...

 江國 香織は初見です。NHKのドラマ「カレ、夫、男友達」の原作ということで、興味が湧いたので、読んでみました。  三人姉妹の生き方、家族のあり方、恋のしかたがリアル(だと感じさせる)です。女の強さ、怖さを改めて感じ、男の弱さ、不甲斐なさを見せつけられる作品です。読む価値はあると思います。

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