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犬は勘定に入れません の商品レビュー

4.3

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

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2013/03/29

タイムトラベルSFラブコメミステリー。 意外とアクション。 SFな上に状況の説明が無いまま物語が始まるので、理解するまでちょっと時間がかかったけど 最後の3分の1俄然面白かった。 時代を様々移動することもあり 緩急あって、映像化したら良いのに!と思える作品でした。 金魚を食...

タイムトラベルSFラブコメミステリー。 意外とアクション。 SFな上に状況の説明が無いまま物語が始まるので、理解するまでちょっと時間がかかったけど 最後の3分の1俄然面白かった。 時代を様々移動することもあり 緩急あって、映像化したら良いのに!と思える作品でした。 金魚を食べちゃうプリンセスアージュマンドと、愛嬌のあるシリルがとにかくかわいい。 『ボートの三人男』も読んでみたいなぁ。

Posted byブクログ

2013/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妙なタイトルだが、もともと、ヴィクトリア朝を舞台にテムズ川で川遊びをする三人の様子を描いたユーモア小説の名作ジェロ-ム・K・ジェロームの『ボートの三人男』の原題には、邦訳部分に続いてこの文句が入っている。ボートに乗っているのは三人と犬一匹だが、犬は勘定に入れません、ということ。タイトルはもちろんのこと、作品自体が『ボートの三人男』に捧げるオマージュになっている。 タイムトラベルという設定をとっていることから考えれば、まちがいなくSF小説。しかし、邦訳の「消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」という副題からは本格探偵小説の匂いがぷんぷん漂ってくる。余談だが、ヴィクトリア朝花瓶というのは、それ以前の名探偵による謎解き主体の推理小説からハード・ボイルド小説への変化を評した「死体をヴィクトリア朝花瓶から取り出して街路に投げ出した」という有名な一節から来ていると思われる。 「司教の鳥株」と呼ばれる教会内部を飾る美術品の紛失事件を調査するという点では、死体こそ登場しないもののミステリと言ってもいいだろう。お定まり通り最終章は謎の解明にあてられている。ウィルキー・コリンズの『月長石』や、クリスティのポアロ、ドロシー・セイヤーズについての度重なる言及はミステリの黄金時代へのオマージュでもある。SFとミステリを融合させつつヴィクトリア朝を舞台にしたユーモア小説を書くという何とも欲張った小説だが、ヒューゴー賞をはじめ、他の賞も受賞しているところからみても作者の狙いはあたったと言えるだろう。 21世紀、オックスフォード大学史学部の学生ネッドはロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の復元計画の資料集めのため、20世紀と21世紀の間を何度もタイムトラベルさせられ、ジェットラグならぬタイムラグに陥っていた。主任教授はそんな彼を休養させるためにヴィクトリア朝に送り込もうとするのだが、そこにはもう一つの隠された使命があった。それは、別の学生が時を超えて持ち帰ったある物をもとの時代に戻すというものだが、ひどいタイムラグの所為でネッドは、それを理解しないまま過去に送られる。 送られた先は例の三人男も登場するテムズ川。やたらとテニスンの詩を引用したがるオクスフォード大学生、魚の標本集めが趣味でどこでも釣りをはじめる歴史学教授、日本産の金魚を蒐集する館の主人等の奇癖の持ち主、執事は他家から盗む等のヴィクトリア朝ならではの独特の流儀、それにタイムトラベルの起こすズレなどが絡まり合い、抱腹絶倒の頓珍漢な騒動が巻き起こる。 人間だけではない。ヒッチコックがマクガフィンと呼んだ、ストーリーを展開する上で鍵となる物にあたる猫のプリンセス・アージュマンド。あるいはボートの乗組員の勘定には入れてもらえないが、脇役としていい味を出しているブルドッグのシリル。この二匹と登場人物のやりとりが、単なるドタバタにはない温か味のあるユーモアを醸し出しているところがさすがだ。猫好きなら、プリンセス・アージュマンドの振る舞いににんまりとし、犬好きなら、シリルの扱われ方に一喜一憂しながら、物語に引き込まれてしまうこと請け合いである。 食事作法や料理、女性の衣裳や使用人との付き合い方までヴィクトリア時代の蘊蓄満載で、話の中にはダンセイニ卿まで登場する。引用されるテニスン、シェイクスピアの詩、第二次世界大戦における暗号解読戦、エニグマとウルトラ等々、文学、歴史好きにもたまらない一冊。ゆったり流れる川にボートなど浮かべて、柳の木陰をのんびり滑りながら繙けば最高の休暇となるだろう。

Posted byブクログ

2018/04/06

これぞSFって感じで、面白すぎて止まらなかった。 トシーが誰とくっつくかは、割りと早い段階で分かってしまったけど。 読み始めはわちゃわちゃしていて、設定についていくのがやっとだけど、考えてみればSFってこうだよなと思うとガンガン読める。 ある目的に向かってストーリーが収束していく...

これぞSFって感じで、面白すぎて止まらなかった。 トシーが誰とくっつくかは、割りと早い段階で分かってしまったけど。 読み始めはわちゃわちゃしていて、設定についていくのがやっとだけど、考えてみればSFってこうだよなと思うとガンガン読める。 ある目的に向かってストーリーが収束していく感じは、わたしの読書における最高の快楽。 結構長いので、読むのに時間はかかったけど、よく計算されたストーリーだった。

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2012/11/20

設定や何やらがわからないままいきなり始まるので、読んだ最初は戸惑いますが読み進めるうちに設定や時代背景はわかります。登場人物はそれぞれ特徴があって、外国ものの長編だと頭がこんがらがる私でも誰それはどういう人物だったかすぐに思い出せるキャラの立ち方です。SF食わず嫌いな人(私もその...

設定や何やらがわからないままいきなり始まるので、読んだ最初は戸惑いますが読み進めるうちに設定や時代背景はわかります。登場人物はそれぞれ特徴があって、外国ものの長編だと頭がこんがらがる私でも誰それはどういう人物だったかすぐに思い出せるキャラの立ち方です。SF食わず嫌いな人(私もその一人)でも一冊まるっと読めちゃいます。訳者あとがきに「ヴィクトリア朝版バックトゥーザフューチャー」とありましたがまさしくそれ。 タイムラグとかネットとかカオス系とかのSFらしい用語は出てきてますが、SFという土台にユーモアのクリームたっぷり、恋愛のスパイスをちょっぴり効かせた美味しい本です。 これを読むと「ボートの三人男」も読みたくなります。 あと、あの人とこの人がくっつくんだろうなーという伏線もちゃんと張ってあって、唐突な感じはありませんでした。

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2012/08/31

http://park8.wakwak.com/~w22/509.htm で紹介されてて興味持った。イギリス文学オマージュがいっぱいい出てくるんだって。

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2012/08/30

面白かった。 しかしやっと今回、最後まで読み終える事ができた。 いままで何度も読み始めては、ネッドがヴィクトリア朝へ送り出されるあたりで挫折していたのです。なんか全然話が分からない、みたいな感じで。 読み終えた今は理解できますが、あの辺りまではネッドがタイムラグでへろへろ状態、...

面白かった。 しかしやっと今回、最後まで読み終える事ができた。 いままで何度も読み始めては、ネッドがヴィクトリア朝へ送り出されるあたりで挫折していたのです。なんか全然話が分からない、みたいな感じで。 読み終えた今は理解できますが、あの辺りまではネッドがタイムラグでへろへろ状態、読んでいても訳が分からなくて当然なんですね。今回諦めずに読み進めてよかった。ボートで河を進み始めたぐらいからは、ドタバタ劇を笑いながら読みました。 これで新刊の「ブラックアウト」に取りかかれます。こちらもすごい楽しみ。

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2012/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかった! 最初は状況を理解するのに苦労したけど後半、特にミスターCの謎について見当ついてからは一気に読めた。 ジーヴズファンの私にそこの小ネタはかなりツボ。フィンチとべインが出てくるたびにときめいた。べインに河に投げ込まれたい。 あいにく『ボートの三人男』は読んでいない。『ボート~』も含めもっとたくさん本を読んでからまた読み直したい一作。

Posted byブクログ

2012/05/02

ユーモアSF。 タイムスリップもの。 相変わらず、門外漢でも気楽に読める素晴らしきエンターテイナーっぷり。 まずタイトルが好き。 わんこは勘定に入れないのです。

Posted byブクログ

2012/03/29

ベースはSFですが、キャラクター小説としてもおもしろく読める。 犬猫ふくめ役者が際立つ。 軽口でちょっとスノッブな翻訳がはまってます。

Posted byブクログ

2012/03/10

最高に面白い!SFに分類されるようですが、どちらかというとレトロな話で、愛らしくばかばかしく、されど感動的な小説でした。最初「主教の鳥株」というのが何か、わからないうちはちょっと読みづらいですが、ビクトリア朝へタイムトリップしてからは本当に面白いです。

Posted byブクログ