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チルドレン の商品レビュー

4.2

506件のお客様レビュー

  1. 5つ

    199

  2. 4つ

    185

  3. 3つ

    86

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

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2009/10/07

陣内と永瀬とその周りの人々とその周りで起こる事々の物語。 そもそも陣内と永瀬が知り合ったのは あるおかしな事件がきっかけだった。現在の陣内は 家庭裁判所の少年担当の調査官である。見かけはかなりレールを外れているが その実、結果オーライという意味で言うならば まっとうな調査官と言...

陣内と永瀬とその周りの人々とその周りで起こる事々の物語。 そもそも陣内と永瀬が知り合ったのは あるおかしな事件がきっかけだった。現在の陣内は 家庭裁判所の少年担当の調査官である。見かけはかなりレールを外れているが その実、結果オーライという意味で言うならば まっとうな調査官と言えなくもないのである。地球は自分を中心に回っている と公言しそうなほど周りのことなどお構いなしなのだが 時に見せるまっとうの中のまっとうさとでもいうべき振る舞いゆえに 憎めないやつなのである。いや、魅力的でさえある。 一方の永瀬はといえば 生まれた時から全盲であるにもかかわらず 世を拗ねたところもなく 冷静沈着で 視覚情報が得られない分 その他の感覚をフル回転させて その場の状況を判断し 推測する術を身につけている。目に映ることが如何にあてにならないかを静かに教えられるようである。陣内とはまったく違う魅力に溢れている。 何か特別なことをしているわけではないのだが 接する人々の心のどこかにいつの間にか働きかけて染み込んでしまい じんわりさせるものを きっと彼らは持っているのだろう。 泣きたくなるような 笑ってしまうような ほんのりと胸に温かみの残る一冊である。

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2009/10/04

文章が読みやすく、若者にも受け入れ易く軽いタッチの本だと思う。71年生まれと書いてあったが、30代なかばか。村上春樹のイメージが つきまとう。毎回登場する陣内が、俳優の陣内と重なって困った。

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2009/10/04

帯には短編集だけど、長編小説だからみたいなことが書いてありました。基本的には陣内と愉快な仲間達の話、確かに陣内の半生という長編小説といえるかもしれないが、短編集でしょうこれは。ただ一つ一つの話はちゃんと楽しめますよ。

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2009/10/07

魅力的な登場人物、軽妙な文章、洒脱な会話。話自体は決して明るいものばかりではないのだけど、とにかく読んでいて「楽しい」と思わせることに関して、この作者の右に出る人は無いのではないだろう。

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2009/10/04

帯に『短編集のふりをした長編小説です。帯のどこかに“短編集”とあっても信じないでください。』と書いているんですが、5つの短編集が一人のキャラクター(陣内)をキーとして、つながった、やっぱり連作短編集です(^^; ま、長編と見ることもできますが。 ちょっとした勇気?(力)で物事は進...

帯に『短編集のふりをした長編小説です。帯のどこかに“短編集”とあっても信じないでください。』と書いているんですが、5つの短編集が一人のキャラクター(陣内)をキーとして、つながった、やっぱり連作短編集です(^^; ま、長編と見ることもできますが。 ちょっとした勇気?(力)で物事は進み解決する。ちょっとほのぼのするストーリー。こんなのもいいんじゃないでしょうか。しかし、陣野さんの行動はびっくりしますね。

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2009/10/04

格好いいなあと思います。推理モノのようでいて、そうではないような。主人公が奇特でぐいぐい引き込まれますね。まわりをとりまく人たちもとっても個性的で最後まで飽きません。五つのお話があるのですが、最後まで読むとちゃんと繋がってなるほどなあと思う。続きがでればいいのになあ。

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2009/10/04

5編の連作短編だが、5つの物語は独立しながらも相互に緩やかに連環する要素を含んでいる。全編に登場する「陣内」は、傍若無人で辟易させられるが、なぜか惹きつけられてしまうという人物。物語は陣内を取り巻く人物の視点で語られる。本書はキャラクター設定の妙、、構成の巧みさ、人に対する眼差し...

5編の連作短編だが、5つの物語は独立しながらも相互に緩やかに連環する要素を含んでいる。全編に登場する「陣内」は、傍若無人で辟易させられるが、なぜか惹きつけられてしまうという人物。物語は陣内を取り巻く人物の視点で語られる。本書はキャラクター設定の妙、、構成の巧みさ、人に対する眼差しの暖かさ、柔らかさの中に感じさせる精神の強靱さといった要素が、長編に比してもより直截に現れている。読後感の良さは格別。

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2009/10/04

「絶対に」と言いながら全ての言葉に責任を持たない、少々常識を逸脱しているおかしな「陣内」と、彼の周りに居る人間とが出会う小さな解決。  連作短編という形で、陣内という少々、いや呆れるくらい奔放な人間を中心に物語は始まり、終わっていきます。  全然ばらばらに見える事柄が、徐々に形...

「絶対に」と言いながら全ての言葉に責任を持たない、少々常識を逸脱しているおかしな「陣内」と、彼の周りに居る人間とが出会う小さな解決。  連作短編という形で、陣内という少々、いや呆れるくらい奔放な人間を中心に物語は始まり、終わっていきます。  全然ばらばらに見える事柄が、徐々に形を取ってくる、という伊坂さんが最近得意とする手法が、冴えています。油断していると、ころりとだまされてしまう。連作短編という形も、なかなか生きていて面白い。  ただ、伊坂さんの得意な雰囲気と、扱うテーマが合致していないと思うのです。  伊坂さんの書く本のイメージは「悪はどこまでも悪」であり「善はどこまでも善」であるという、なんていうんだっけな……勧善懲悪? 昔のドラクエみたいなあの感じです。  文章は軽妙洒脱(伊坂さんの作品に一番あてはまる言葉)で、裏側に人間「伊坂幸太郎」が見えてきます。  そんな状態で主人公に視点を置くと、非行という現実的なテーマを扱っているだけに、主人公との意識の違いが、決定的に感情移入を妨げます。  今、伊坂さんに書いて欲しいのは、どこか一つ現実から浮いたようなミステリなのです。個人的な欲求ですが。 「伊坂幸太郎」を初めて読む人は「とても面白い」と感じると思います。  全ての著書を読んでいる人は、少々辟易するかも知れません。  でも、物語はとても面白く、読後感もさっぱりしていて、まあ、なんだかんだ言って、今まで伊坂幸太郎さんを読んできた人にもオススメです。  矛盾。

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2009/10/04

10/1読了。 短編集の顔して実は長編小説なのですよ。陣内という男の日常を彼の友人や同僚らが語った5つのストーリー。それぞれのエピソードはジグソーパズルのように絡み合い、最後にすべてのピースがピタリとはまる。痛快で爽快な読後感と、胸ジーンも少しあったり。いいね。

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2009/10/04

伊坂氏の小説は、いつも奇想天外なラストを用意し、読者を楽しませてくれる。今回は奇想天外が5個もあって、非常に読み応えがある。そして、面白い。読後は割りと、爽快な気持ちにさせてくれるかも。

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