書を捨てよ、町へ出よう 改版 の商品レビュー
初めて読んだ寺山修司の作品。寺山修司は空想の天才と解説者が言っていたけれど、本当にその通りだなぁと思った。その空想を説明するために使う、言葉の引き出しの多さにも感服だった。(羨ましい、、) 競馬狂いも甚だしい一方で個々の馬を愛情を持って分析していて、きっと心優しい人だったんだろ...
初めて読んだ寺山修司の作品。寺山修司は空想の天才と解説者が言っていたけれど、本当にその通りだなぁと思った。その空想を説明するために使う、言葉の引き出しの多さにも感服だった。(羨ましい、、) 競馬狂いも甚だしい一方で個々の馬を愛情を持って分析していて、きっと心優しい人だったんだろうなと推測する。ただ、寺山ワールドについてまだまだ理解できていない気がするのでもう一回読み返したい!
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難しすぎる。内容にまとまりがなさすぎて解釈に時間がかかる。そして疲れる。 前半に関しては、ただただ苦痛だった。 自分には刺さらない一冊。 もしくは今読むべきではない本だった。 また数年先なのか、1ヶ月後なのか明後日なのか、 読み直すと全く見え方が違うのかもしれない。 自殺についての解釈はおもしろい。なんとなく共感できる部分もあった。 ハイティーン詩集も全く響かない。 自分の空想力がないのかと落胆した。 時代の違いはもちろんあれど、ここまで理解も共感もできないものかと、残念な気持ちになった。 ただ一点豪華主義の思想は大好き。大いに共感できたし、自分もわりとそういう生き方をしたいと思っている。
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中学生のときに買って以来つまみ読みしていたけれど、初めて通読した。第二章の賭博や競馬、パチンコの話が面白い。あと第四章の「歌謡曲人間入門」。 昭和50年刊行かあ。終戦からまだ30年だけど、今よりよっぽど豊かな時代なんじゃないかなと思う。だって、サラリーマンの終身雇用や年功序列の出...
中学生のときに買って以来つまみ読みしていたけれど、初めて通読した。第二章の賭博や競馬、パチンコの話が面白い。あと第四章の「歌謡曲人間入門」。 昭和50年刊行かあ。終戦からまだ30年だけど、今よりよっぽど豊かな時代なんじゃないかなと思う。だって、サラリーマンの終身雇用や年功序列の出世、マイホームなんかを”ありきたり”的に言えるんだものな…。 ジャパン・ドリームが潰え、終わりなき日常も幕を閉じた今になって読むと、ルサンチマンに苛まれ少し虚しくなってしまう。
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寺山修司氏の1967年の著作を、1975年に文庫化したもの。 同じ寺山氏の1963年の著書『家出のすすめ』と何となくタイトルが似ていて、混乱します。 まあ、どちらも寺山氏らしい、とっ散らかったエッセイ集ですが、印象としては、寺山氏20代の著書である『家出のすすめ』よりも、寺山氏...
寺山修司氏の1967年の著作を、1975年に文庫化したもの。 同じ寺山氏の1963年の著書『家出のすすめ』と何となくタイトルが似ていて、混乱します。 まあ、どちらも寺山氏らしい、とっ散らかったエッセイ集ですが、印象としては、寺山氏20代の著書である『家出のすすめ』よりも、寺山氏30代の著書である『書を捨てよ、町へ出よう』のほうが更にとっ散らかった印象です。 これは、寺山氏が若い頃のほうが落ち着いていた、ということではなく、ベトナム戦争の影響で日本の文化が混沌としていったことが関係しているでしょう。
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出てくる人や時事ネタは古過ぎて知らないのも多いが、意外と当時も現代も人の悩みがそれほど変わっていないなと思う。寺山修司の目が人間の奥深い部分を見抜いていたからか。コンプレックスの塊であり、それを言葉で昇華させようともがく著者の姿は、今でも人を勇気づけるものではないだろうか。
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寺山修司の想像力の豊かさと個性的な考えに圧倒された。この人めっちゃロックだなと思うと同時に、確かにと納得させられたり、ちょっとわかるなーと思ったりしてなかなか面白かった。ただ途中から少し冗長だったり、寺山修司の個性的な考えに慣れたりしちゃったのか飽きてきた。
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寺山修司、という人物が、実際の所どのような立ち位置のかたなのか、あまりちゃんと知らないうえで、読みました。寺山修司。なんだか、名前だけは、2021年現在の日本でも、ガンガンに耳に入ってくる人物、なのですよね。自分だけ?なのかもしれないのですが。 作家、というポジションではなくて、なんというか、総合文化人?みたいなポジションの人?というイメージをずーっと持ってます。サブカルチャー界隈の人。アンダーグラウンド文化の人。みたいな、ざっくりとした捉え方。 で、この本読んで、思いました。若者文化的アジテーター、扇動者的な人だったんだろうなあ、と。で、ホンマに正味の所の、寺山修司、という人の立ち位置は、結局こう、自分の中ではまだフワッとしてるんですが、なるほど、こういう人か、というのは、ザックリとですが感じた次第です。 すげえ若者向けの著書だと思うのですが、それを42歳の俺が人生で初めて読むのは、まあ、、、時期を逸したかな?という気は、しますね。ただ、どうなんだろう。自分が、例えば、この本を10代後半~20代半ば、までの、所謂青春期?みたいな時に読んだとして、すげえハマったのだろうか?というと、、、うーむ。わかりません。すみません。 で、42歳のオッサンであるところの今現在の自分が、初めて寺山修司の著作を読んでその一発目がコレでした、という時点での感想では。「うーん、、、寺山さん、、、すみません。あまり、分かりませんでした」という感想になりました。すみません、これは俺が悪い。 ただ単に、寺山修司の考えが、俺の肌に合わなかった、というだけだと思います。ですのでゴメンナサイ。私が悪い。ま、バンバンに名著である事は間違いないと思いますし。だってねえ、この本、1967年に刊行されたんでしょ?んで、2021年現在でも流通してるんでしょ?凄い事ですやんそれって。そんだけ長い間支持され続けている、ってことですもんね。それだけの魅力があるってことは、世の中が証明している訳ですよね。 その本が、まあ、有体に言いますと、自分にとってはツマラナイ感じだった訳ですが、それはもうしゃあない。この本がツマラナイ訳ではなく、どっちかゆうたら俺がツマラナイ人間であって、この本とは単純に肌が合わないのだった。そう考えるのが、ま、筋が通ってるかなあ、とか思ったのでした。 書を捨てよ。「町へ」出よう。っていう題名ですが、どっちかゆうたら、書を捨てよ。「競馬場」へ出よう。って題名の方がいいんちゃう?というくらいに、競馬ネタが多いなあ、と。そんなに面白いのだろうか。競馬は。自分が、全然競馬をしないものですので、あんまりそこらへんは分からない感じ。 あの、なんかしらとりあえず競馬ネタになる感じの話は、読んでてあんまり面白くなかったです。だって俺、競馬、知らねえし、って感じでしたね。 あと、「書を捨てよ、町へ出よう」という題名の書がある、という事自体が、自己矛盾を抱えていて面白いなあ、って思いました。 この題名の意味するところは 「部屋に閉じこもって本だけ読んでても世界は理解できないぜ!お前のその、ちっぽけな部屋を飛び出せよ。広い世界を体験しろよ!人生を楽しめよ!」 って事だと思うのですが、 「百聞は一見にしかず」やでマジで、って事だと思うのですが、 B'Zでいうところの「おでかけしましょ」だと思うのですが(あの歌マジですげえ好き)、 そこで「書を捨てよ」が最初に付いているのは、 「(この本はとりあえずまずは読んで欲しいんだけど読んだ後は)書を捨てよ、町へ出よう」 ってことですよね?それってなんか、ずっこくない?とか思った。 「(この本だって読まなくていいんだよ!とりあえず題名だけ目にしてそれからそしたらお前が次に読もうとしている)書を捨てよ、町へ出よう」だったら、まあ、潔いってかカッコいいんだけど、それって単なるキャッチコピーじゃんか。 そういう意味では、この矛盾したこの本の題名、うーむ。おもろい、とか。そんな事を思った次第ですね。
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寺山修司(1935~1983 享年47)著「書を捨てよ、町へ出よう」、1975.3発行。町へは出かけますが、書は離せませんw。少年時代、トイレで「誰か故郷を想わざる」をハーモニカで吹いていたそうです。私も大好きな曲です。処世訓は畠山みどりの歌謡曲「やるぞ見ておれ 口には出さず~」...
寺山修司(1935~1983 享年47)著「書を捨てよ、町へ出よう」、1975.3発行。町へは出かけますが、書は離せませんw。少年時代、トイレで「誰か故郷を想わざる」をハーモニカで吹いていたそうです。私も大好きな曲です。処世訓は畠山みどりの歌謡曲「やるぞ見ておれ 口には出さず~」。自殺紳士論で円谷幸吉の自殺を他殺と言ってますが、彼の遺書は心に響きます。「父上様、三日とろろ美味しゅうございました~」。
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書を捨てよ、町へ出よう 2020.3.25.読了 社会や政治に対するエネルギー、当時の社会のある意味での寛容さが漂っていた。現代を生きる私たちには、書くことのできない本だと感じる。 特に「自殺学入門」が興味深い。 …何一つ不自由がないのに、突然死ぬ気になるーという、物事の充足や価値の代替では避けられない不条理な死、というのが、自殺なのであり、… この一節にハッとさせられた。 いじめや過労死による死が後を絶たない昨今、寺山修司が言う"自殺"により死ぬ人はどれ程いるのだろうか。 じぶんの意思に基づく死は極めて少ないのではないだろうか。 "何者かに殺される"ことが多いのではないだろうか。 自殺をある種の美学と捉える思考は、理性よりも感情によるものだ。効率と対極に位置しよう。 理性や効率を第一とする現代、果たして何がよいのだろう。改めて考えさせられた。
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刺激的だとかそういう面白そうなワードでちょっと話題になっていたので読んでみた。成る程、「クールな挑発の書」と形容されるに相応しい語り口だ。 なんとなく若者向きかな…と思ったがしかし、やはり時代か。サラリーマンを平穏とか言ったり❨今のサラリーマンはブラック会社で命がけで働いているの...
刺激的だとかそういう面白そうなワードでちょっと話題になっていたので読んでみた。成る程、「クールな挑発の書」と形容されるに相応しい語り口だ。 なんとなく若者向きかな…と思ったがしかし、やはり時代か。サラリーマンを平穏とか言ったり❨今のサラリーマンはブラック会社で命がけで働いているのに!❩、生活を切り詰めて高いクルマを買うような一転豪華主義を推奨したり❨あおり運転の人に煽られるリスクもあるしなぁ❩、このあたりは共感は得にくいだろう。だが寧ろどこかの世界のカルチャーを語っているのをガラス越しで眺めるような、それはそれで面白い感覚で読める。 個人的には最初の章「書を捨てよ、町へ出よう」の文学人らしい指摘❨月光仮面が素顔を隠す意味は?❩と、最後の章「不良少年入門」の自殺の薦めのウィットに富んだ文章にクスりとさせられて著者の感性を感じた。
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