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書を捨てよ、町へ出よう 改版 の商品レビュー

3.4

138件のお客様レビュー

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    14

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2019/09/22

《「正義」というのは、ただのオプチミスチックな政治用語であり、月光仮面は現体制が雇った用心棒にすぎないと知ったら、「正義の味方だ 良い人だ」というのは警察官募集のキャッチフレーズのように見えはじめたのである。それでも恥ずかしいことに、私の机の抽出しには今でも捨てる機会を逸した月光...

《「正義」というのは、ただのオプチミスチックな政治用語であり、月光仮面は現体制が雇った用心棒にすぎないと知ったら、「正義の味方だ 良い人だ」というのは警察官募集のキャッチフレーズのように見えはじめたのである。それでも恥ずかしいことに、私の机の抽出しには今でも捨てる機会を逸した月光仮面の仮面が入っているのである。》

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2019/02/26

初読み寺山修司。すっごくおもしろかった!増田セバスチャンさんの影響で手を出した寺山だが、ここまでおもしろいとは。太宰を読んだのもアラサーのときだったが、アラフォーにして寺山にかぶれる。読書人生どんな楽しい落とし穴が待っているかわからないもんだ。 一読して思ったのは、寺山修司はぽ...

初読み寺山修司。すっごくおもしろかった!増田セバスチャンさんの影響で手を出した寺山だが、ここまでおもしろいとは。太宰を読んだのもアラサーのときだったが、アラフォーにして寺山にかぶれる。読書人生どんな楽しい落とし穴が待っているかわからないもんだ。 一読して思ったのは、寺山修司はぽっかり空いた穴を埋めてくれるタイプの作家ではなく、よりその穴をえぐるような扇動を仕掛けてくる挑発的な作家だということ。左翼的に思われがちな彼だが、私が感じたのは左翼も右翼も「体制」「反体制」というなんらかの体制に縛られているのに対して、寺山は「体制(スタイル)には属していない」ということ。そんな言葉があるかわからないが無体制か?ある意味アナキズムに近い気もするが、寺山はカテゴライズされることは嫌うだろう。アングラの代名詞の劇作家なので、もっと読みにくい代物かと思っていたが抜群におもしろかった。無思想足り得ることは難しいが、現代の大人にこそ寺山の挑発にのって踊っていただきたい。踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損損。血が沸き立ちますよ。

Posted byブクログ

2018/12/23

原作のエッセイを読んで、いまいち分かりにくかったのだが、年配の友人に寺山修司ってどういう人?って尋ねたら、映画の方が面白いよと言われて読後に鑑賞もしてみた。 確かに面白かった。原作で読んだ言葉たちが繋がった。「書を捨てよ町へ出よう」とは「町そのものを書物のように読むべし」ことだ...

原作のエッセイを読んで、いまいち分かりにくかったのだが、年配の友人に寺山修司ってどういう人?って尋ねたら、映画の方が面白いよと言われて読後に鑑賞もしてみた。 確かに面白かった。原作で読んだ言葉たちが繋がった。「書を捨てよ町へ出よう」とは「町そのものを書物のように読むべし」ことだそうだ。町とはそこに生きている人間、光の当たらない人々の言葉なんだろうなと思った。主人公とその家族、人力飛行機で祖国へ帰ろうとする在日朝鮮人、ゲイの文通欄の言葉、娼婦、尋ね人の言葉、犯される少女の叫び、姥捨山に送られる老婆、街中の落書き、看板、街頭インタビュー、悪態をつく若者、気持ちの吐き出せないさまざまなマイノリティの言葉が出てくる。それが町の言葉なんだろうなと。 今の時代でも彼らの言葉は街中に、そしてネットの中に溢れている。でも、ないものにされてしまっている。そして眉をひそめて批判する人々があまりにも多いことに、何も変わってないんだろうと思ってしまう。

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2018/09/23

20180313 寺山修司で初めて読んだ作品。啓蒙的なエッセイである。 自分の生活を楽しむために、一点豪華主義がだいじである。バランス型マンネリズムでは、モチベーションの持ちようが無い。その通り。 「レジャーとしてではなく、思想としてとらえることに、時代閉塞からの突破口を見出そう...

20180313 寺山修司で初めて読んだ作品。啓蒙的なエッセイである。 自分の生活を楽しむために、一点豪華主義がだいじである。バランス型マンネリズムでは、モチベーションの持ちようが無い。その通り。 「レジャーとしてではなく、思想としてとらえることに、時代閉塞からの突破口を見出そうとしているのである。」 書を持って町へ出ている自分に向けて。 派手さと自信が足りない?自分に自信を持つために。

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2018/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 そういえば最近読んだのだった、と書き忘れていたのを追加。寺山修司である。  僕が読んだのは緑色のカバーに朱色で印字されたシンプルなやつ。最近デザインが変わったらしい。  タイトルが好きで、いつか読みたいとずっと思っていたのだけど、折よく機会に巡り合うことができた。表題作、君もヤクザになれる、ハイティーン詩集、不良少年入門の四章構成で、さらにそれぞれ細かく中身が分かれているので、時間のないときでもちょこちょこ読み進められる。内容は、まあ面白いかな、という感じ。残念ながら寺山修司は僕を虜にするには至らなかった。読めば文学少年ぶれるかな、と軽い気持ちで読みだしたのだけど、ふたを開けてみれば詩集でも戯曲集でもなく、虚実入り混じった持論とエッセイのごった煮だった。八割は女と博打の話で占められているし。現実なんてこんなものだ。  でも、収穫がなかったわけではない。僕はまだニワカなので、彼の文章がどうとか細かい分析なんて望むべくもないけれど、三章「ハイティーン詩集」に収められた「一本の木のなかにも流れている血はある」から始まる短い詩は味わい深く思えたし、四章「不良少年入門」は面白く読んだ。後者はプレイボーイならざる「ブレイボーイ」になるべきだなどと、難しく考えずとも、肩の力を抜いて楽しめる文章だったので、是非一読を勧める。  また、読んでいて寺山修司の教養の豊かさに唸らされることも多々あった。非常に様々な分野への造詣が深い人物だったのだなぁ、などと感心しながら僕は読んでいた。氏が有しただろう、演劇や詩にまつわる知見がつまびらかにされることはほとんどなかったけれど。

Posted byブクログ

2017/05/20

博打の話はおもしろかったけど、競馬のくだりは冗長で興味をそそられなかった。 『書を捨てよ、町へ出よう』は、もう少しわくわくさせられるような『深夜特急』らしいイメージがあったので、残念。

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2017/04/12

1ページめくると筆者がまるで変わったかのような考え方の転換に、自分の感性を付いていかせるのに必死だった。 寺山修司という人は同じ人なのに 何人もの人間を体の中に住ませていて、その一人一人の訴えを書として 、戯曲として、そしてアートとして排出することで 成り立っていたのだなと 自分...

1ページめくると筆者がまるで変わったかのような考え方の転換に、自分の感性を付いていかせるのに必死だった。 寺山修司という人は同じ人なのに 何人もの人間を体の中に住ませていて、その一人一人の訴えを書として 、戯曲として、そしてアートとして排出することで 成り立っていたのだなと 自分の普段感じていることも、触れたことのない考え方も 寺山修司を通して触れられてすごく楽しい読書でした

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2016/06/18

安定、バランス、保守、平凡、そうじゃない世界に生きたいと思うけど、無理ですよ。もうすっかり骨の髄まで習慣の虜。自殺する資格さえ持てないわ。 寺山修司さん初めて読んだ。さらっと読めるのに意味がまったく頭に入ってこないのはなぜ?私の想像力では追いつかない!!

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2016/04/27

《ノック(30時間市街劇)》という演劇の存在を知り、興味が湧いたので読んでみた。寺山修司という人が、天井桟敷や、映画や、詩などを通して何をやりたかったのか少しだけ分かった気がした。当時はあらゆる人間が、とにかく何か動かしてみること、行為を起こすこと、を求めていたのかも。私は今、あ...

《ノック(30時間市街劇)》という演劇の存在を知り、興味が湧いたので読んでみた。寺山修司という人が、天井桟敷や、映画や、詩などを通して何をやりたかったのか少しだけ分かった気がした。当時はあらゆる人間が、とにかく何か動かしてみること、行為を起こすこと、を求めていたのかも。私は今、あした何が起こるかわからない日々を生きている。何をすべきか。 『これは、決して進歩のすすめではなくて、むしろ移動のすすめに過ぎないのだが、座標軸を決めてかかった移動には、常に新鮮な視野がひらける。社会閉鎖と「あした何が起るかわかっている状況」への挑戦には、こうした休みなしの運動が必要な時代なのではないか、というのが私の考えである。』(本文より)

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2016/04/27

街には沢山の発見と知識があるから本を読むより経験を積め~をつらつら書いてある自己啓発本かと思っていた。が、読み進めていくうちにハッとしてしまったり、寺山修司さんの考えに疑問をもったり、私にとって難しく感じたり、かなり頭を使った本だった。若者へ反社会精神の必要性を提示し、世をいじく...

街には沢山の発見と知識があるから本を読むより経験を積め~をつらつら書いてある自己啓発本かと思っていた。が、読み進めていくうちにハッとしてしまったり、寺山修司さんの考えに疑問をもったり、私にとって難しく感じたり、かなり頭を使った本だった。若者へ反社会精神の必要性を提示し、世をいじくってほしいように感じた。一点○○主義が軸なのかな。 年上には負けたくない青く攻撃的なのが私はとても好き。本当に昔の本なの?笑

Posted byブクログ