アジアンタムブルー の商品レビュー
『パイロットフィッシュ』以前の話だが、それを読まないと主人公に感情移入し辛いかも。 山崎がR.Y.になった時と、また山崎に戻ったときの感情のくだりがよかったかな。
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人の死を扱う物語をきちんと直視して、真正面から読むことがなかなかできない。今回も同じ。死の意味を考えることは昔からよくあったけれど、中学生の頃とはあたりまえだけど全く違う思考になる。変わらないのは正面から受容することはなかなかできないということだけ。それでもこの物語の主人公が抱え...
人の死を扱う物語をきちんと直視して、真正面から読むことがなかなかできない。今回も同じ。死の意味を考えることは昔からよくあったけれど、中学生の頃とはあたりまえだけど全く違う思考になる。変わらないのは正面から受容することはなかなかできないということだけ。それでもこの物語の主人公が抱えている問題というか意識は僕のそれと類似していて、救いがどこかにあるのだという安心感が得られることはありがたいことではあった。
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読みながら、ぼろぼろ涙を流してしまった本。 恋人・葉子が早期癌で死んでしまう話。 これだけなら巷によくありふれている切ない恋愛小説で終わるのだが、 本書はその括りを軽く超えている気がする。 それはおそらく、生前の葉子の、子供のように無邪気で純粋で生き生きとした姿と、自分の死を...
読みながら、ぼろぼろ涙を流してしまった本。 恋人・葉子が早期癌で死んでしまう話。 これだけなら巷によくありふれている切ない恋愛小説で終わるのだが、 本書はその括りを軽く超えている気がする。 それはおそらく、生前の葉子の、子供のように無邪気で純粋で生き生きとした姿と、自分の死を覚悟して死ぬことを受け入れる姿、 普段は方向音痴で軟弱な主人公・山崎が、葉子の死に際して葉子の生の証を、葉子の幸せな最期を必死に残そうとする姿・・・ 葉子の癌が発覚する前後での二人の変化が、この小説に甘美な感傷さを加えているのではないかと思う。 あと、(自分の立場から)医者の存在についても考えさせられた。 「本当はこんなんじゃ駄目なんです。彼女が生きる可能性を探るための医学じゃなきゃ」(山根) 「私に誇りをくれて本当に本当にありがとう。 心から、愛しています。」(葉子)
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ボルシチ作りました(笑)ピロシキはムリでした。読んだのは大学2年頃ですが、20の若造の心に響きました。 あれから10年近く経過しましたが、今でも読み返したくなる本の一つです。
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恋人を失った主人公が、過去を回想しつつ、すこしづつ癒されていく話。 阿部寛と松下奈緒で映画化されてます(2006年11月18日公開) だもんで、本の表紙が映画バージョンになっていて、阿部寛の顔や松下奈緒の顔があるので……イメージ違うんですけどね。映画は映画でいいんだけど...
恋人を失った主人公が、過去を回想しつつ、すこしづつ癒されていく話。 阿部寛と松下奈緒で映画化されてます(2006年11月18日公開) だもんで、本の表紙が映画バージョンになっていて、阿部寛の顔や松下奈緒の顔があるので……イメージ違うんですけどね。映画は映画でいいんだけど、こうやってイメージを無理矢理刷り込むのはどうかと思います。映画のイメージそのままに読みたい人はいいんだろうけど、違和感を覚えるものには拷問のようだ。 ま、こういうのいれると売り上げが違うから、やってるんだろうけどさ。 で、中味。 大崎善生は「ドナウよ、静かに流れよ」がよかったので、「孤独か、それに等しいもの」読んで、はまりました。 ちょっと、村上春樹を思わせる文体で、淡々としてて、押し付けがましくないところが好ましい。 でもって、アジアンタムブルーでも泣かせていただきました。 人を失うということは、一つの空白を抱えることなんだと思う。大崎善生は、その空白をきちんと、エッジがわかるように描くことが出来る作家なのだと思います。 脇役も効いてます。 映画、やっぱり見たいなぁ。
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自分ができること。自分にしかできないこと。何もしてあげられないこと。 愛あるがゆえに苦しくて、愛しているから受け入れないといけなくて。 受け入れ、育ち、アジアンタムの憂鬱と、ともに 過ぎていく時間の中で、今すべき愛ある行動とは何かを深く考えさせられました。 溢れんばかりの心の...
自分ができること。自分にしかできないこと。何もしてあげられないこと。 愛あるがゆえに苦しくて、愛しているから受け入れないといけなくて。 受け入れ、育ち、アジアンタムの憂鬱と、ともに 過ぎていく時間の中で、今すべき愛ある行動とは何かを深く考えさせられました。 溢れんばかりの心の優しさを☆
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主人公の心情に共感することが多かった。 あいまいな気持ちを言葉にすることができる、 作家さんってすごいと思った。 話が行ったりきたりするけど、 ややこしくない大崎さんの文章。 けっこう好みです。他の作品読みたい。
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パイロットフィッシュの世界から 紡ぎだされた、新たなストーリー。 話の重要なポイントかどうかは別として 「恋人のどちらかが意識をなくした瞬間、 その二人が恋人同士であるという証明ができなくなってしまう」 っていうようなことを言ってるシーンがあって それが私にとって一...
パイロットフィッシュの世界から 紡ぎだされた、新たなストーリー。 話の重要なポイントかどうかは別として 「恋人のどちらかが意識をなくした瞬間、 その二人が恋人同士であるという証明ができなくなってしまう」 っていうようなことを言ってるシーンがあって それが私にとって一番衝撃的でした。 もし、重大な病魔に侵されてしまったとき 夫婦や、婚約済みの場合は 医者はその病状を伝えることができるけど 「ただの恋人」である場合、そして 一方の意識がなくて、恋人であることを証明できないとき 相手の病状の説明を受けることすらできない… なんてこと!!って思った。 なんだか凄く衝撃的じゃない?? * 生きるということ、 その命をなくしてしまった後も この世界に残せるものは何かってこと、 必ず死ぬ運命の、でも確実に生きている 今この瞬間の自分の意味、 考える価値は、あると思う。
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最近2回目を読みました。 初めに読んだ時よりよかった! 『パイロットフィッシュ』と繋がってるんだか繋がってないんだかよくわからない…。 ラストで泣けました。 泣いてないけど。 よく泣くわりに、本ではあんまり泣きません。 赤い月の話が切なかった。 知らない方...
最近2回目を読みました。 初めに読んだ時よりよかった! 『パイロットフィッシュ』と繋がってるんだか繋がってないんだかよくわからない…。 ラストで泣けました。 泣いてないけど。 よく泣くわりに、本ではあんまり泣きません。 赤い月の話が切なかった。 知らない方が幸せでも、気付いちゃう人は気付いちゃうんだよね。 気付かない人は、きっと最期まで知らないままなんだろうけど。 葉子みたいな生き方は、それも理想な気がします。 ああいう、強くて勝ち気で優しい人が好き。 (2006.04)
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悲しいのかなんなのか、 不思議な読み心地だった。 いまいちすっきりできず、、、 でも、綺麗でした。 水溜りの写真、見てみたいな。
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