アジアンタムブルー の商品レビュー
大崎善生は孤独と(愛に溢れた)セックスを捕らえるのが巧い。 そしてそれを押し付けがましくなく、読んでいる内に読者の心の隙に入り込ませる文章力や展開力はただただ感嘆。 大崎作品は短編集などを除いては、「パイロットフィッシュ」以来2作品目だけど、今作もぐさっとやられた。 前作でも言...
大崎善生は孤独と(愛に溢れた)セックスを捕らえるのが巧い。 そしてそれを押し付けがましくなく、読んでいる内に読者の心の隙に入り込ませる文章力や展開力はただただ感嘆。 大崎作品は短編集などを除いては、「パイロットフィッシュ」以来2作品目だけど、今作もぐさっとやられた。 前作でも言っていたけど、人は孤独や弱さを埋めるために相手を欲し、そして結ばれようとする。 どんなに好きで、好きすぎて。同化したい!って思っても、それは叶わないからセックスをして心と身体の隙間を埋めようとする。 または隙間を埋めあうことで凍えてしまった心や身体をこれでもかってくらいに擦り合って熱を持たせて、ある種の安心感を持とうとする。 これが人間の弱さで、実は弱さってのは時に人間の美しさでもあるんだろうなーって思った。 弱さがあるからこそひとつになることが出来るんだからね。 あとあれだ。 毎日CDを入れ替え続ける。 このある種の小さな優しさで君を愛しているということを伝える。 何気ない行為ってのはシンプルでよいね。 僕はどうやって愛する人に、小さな優しさを示し続ければいいのだろうかね。 最後に、困難や後悔はこれからも沢山あると思う。 だけど、たゆたうことなく歩み続けたい。 生きてることを謳歌したい。
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最愛の人を喪ってしまう けれど救う術を見つけられない そんなとき、 どんな道を選ぶのが最善なのでしょう。 大崎さんの著書で一番気に入ってる作品です*^^*
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「パイロットフィッシュ」の続編?(話自体は過去の話) 恋人の死をテーマにしているのでこういう作品が苦手な人は多そう。 さらに、性描写が多いのでそのあたりも好き嫌いが分かれるかも。 でも、大崎さんの文章はきれいで澄み渡っている。 僕はやっぱり大崎さんの文章が好きなのだろう。 こ...
「パイロットフィッシュ」の続編?(話自体は過去の話) 恋人の死をテーマにしているのでこういう作品が苦手な人は多そう。 さらに、性描写が多いのでそのあたりも好き嫌いが分かれるかも。 でも、大崎さんの文章はきれいで澄み渡っている。 僕はやっぱり大崎さんの文章が好きなのだろう。 この作品を読んだ後、もう一回「パイロットフィッシュ」読むと印象が変わるのかな? 今度は大崎さんのノンフィクション作品を読んでみたい。
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阿部寛主演・映画化作品原作。 大崎さんの透明な文章を世に知らしめた作品。 デビュー作からずっと似たようなテーマを描いているが これが一番ストーリにまとまりがある。 中年雑誌編集者と若い女性の恋。 女性は病に蝕まれており、発覚した時にはすでに末期。 確実に死に近づいて衰弱して...
阿部寛主演・映画化作品原作。 大崎さんの透明な文章を世に知らしめた作品。 デビュー作からずっと似たようなテーマを描いているが これが一番ストーリにまとまりがある。 中年雑誌編集者と若い女性の恋。 女性は病に蝕まれており、発覚した時にはすでに末期。 確実に死に近づいて衰弱していく愛する人を前にした時、 いったい人は何ができるだろう。 それを問い、探し続ける男の物語。 映画は実に忠実に再現されており、 三枚目の阿部寛がここまでシリアスになれたか、と 見直してしまった。 ヒットしたかは怪しいが、心に残る映像はなかなか貴重な存在である。 名言「本は死んだ人間ではなく生きている人間にこそ必要なものである」
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哀しいのだけれど、静かに 心に伝わってくる優しいお話。 話の中に、宇宙がどこに向かって膨張していくのか? って会話があるんだけど 私はその答えがすごく好き。 「宇宙以外」 確かにそうだなぁって思う。 広がり続ける宇宙の事を考えると頭が痛くなるけれど この答えにすごく納得する...
哀しいのだけれど、静かに 心に伝わってくる優しいお話。 話の中に、宇宙がどこに向かって膨張していくのか? って会話があるんだけど 私はその答えがすごく好き。 「宇宙以外」 確かにそうだなぁって思う。 広がり続ける宇宙の事を考えると頭が痛くなるけれど この答えにすごく納得する。 本当に明快ですばらしい答えだ。 『アジアンタムが憂鬱の中から蘇っていくように、 そして蘇ったアジアンタムこそが強く根を張り巡らすように。 憂鬱の中からしか、掴めないものがある。 それを、この手にしっかりと掴むのだ。』
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花屋さんでアジアンタムを見かけて再読。 水溜り越しに世界を見てみたい。 「指輪のお引越し」が好きだなー
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「パイロットフィッシュ」の主人公山崎のお話。 時系列からいったらこちらのほうが先のようだけど、それぞれ独立した話なのでどちらから読んでも良さそう。 恋人を失い、デパートの屋上をさまよう山崎。 自分に影響を与え続ける思い出を回想しながら、ゆっくり回復してゆく。 ...
「パイロットフィッシュ」の主人公山崎のお話。 時系列からいったらこちらのほうが先のようだけど、それぞれ独立した話なのでどちらから読んでも良さそう。 恋人を失い、デパートの屋上をさまよう山崎。 自分に影響を与え続ける思い出を回想しながら、ゆっくり回復してゆく。 「優しさ」というものの正体を、透明な文章が深く掘り下げていく。 喪失感を消化したその先には何があるのか、読んだ後も考えさせられた。 ただ、高校時代の先輩の事件はかなり大げさというかやりすぎな感じがして、いらなかったのでは、と思った。
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その場所は、孤独というものが自分の周りを月のように周回していることを確かめるためにあるような空間だった。
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2009年3月 春だし緑のブックカバーが似合いそうってことで買ってみた。 今まで読んだことない世界観が広がっていてはまりそう。 写真展に行ってみたいし、 水溜りの写真を撮ってみたい。
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【「私が死んでも…」そう言って、葉子は声を詰まらせた。そして、声を振り絞るようにして続けた。「優しい人でいてね」愛する人が死を前にした時、いったい何ができるのだろう】 悲しく切ない話でした。 先に「パイロットフィッシュ」を読んでいたのですが、 こちらを先に読んでいた方が良かった...
【「私が死んでも…」そう言って、葉子は声を詰まらせた。そして、声を振り絞るようにして続けた。「優しい人でいてね」愛する人が死を前にした時、いったい何ができるのだろう】 悲しく切ない話でした。 先に「パイロットフィッシュ」を読んでいたのですが、 こちらを先に読んでいた方が良かった気がします。 それでも主人公の過去の傷や、 その後、彼がどう立ち直ったかの両方が知れて良かったです。 >「愛する人が死を前にした時、いったい何ができるのだろう」 私の答えはみつかりません。 映画化されました。2006年公開 http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id325998
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