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サウスバウンド の商品レビュー

4.1

338件のお客様レビュー

  1. 5つ

    122

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2014/11/12

元過激派の両親(44歳)を持つ小6男子の視点から書かれたエンターテイメント小説。 前半は中野サンプラザ周辺、後半は石垣島と西表島。不良中学生、母子家庭の同級生、小学校教師、校長、アパートの大家、母の実家の親戚たち、公安警察、左翼の他セクトの活動家、など多様な人物が登場するが、明確...

元過激派の両親(44歳)を持つ小6男子の視点から書かれたエンターテイメント小説。 前半は中野サンプラザ周辺、後半は石垣島と西表島。不良中学生、母子家庭の同級生、小学校教師、校長、アパートの大家、母の実家の親戚たち、公安警察、左翼の他セクトの活動家、など多様な人物が登場するが、明確なキャラ設定がされており、物語がスムーズにすすむ。主人公の父の台詞は、大人の誰もが心のどこかで思っている「納税に対する嫌悪感」「国家に対するうざさ」をズケズケ言って痛快。前半よりも後半のほうが物語の展開が早い。 同僚Tさん→Kさんからの回し読み。

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2015/03/21

2006年本屋大賞2位 普通に暮らしたい小学6年生。だが破天荒な父親が起こす数々の騒動に巻き込まれ、「西表島」の廃墟となった村に移住することに。 そこでもまたトラブルに巻き込まれるという痛快ストーリー。 公安にもマークされるという元過激派の父。「げっ、そういう話!?」と思いき...

2006年本屋大賞2位 普通に暮らしたい小学6年生。だが破天荒な父親が起こす数々の騒動に巻き込まれ、「西表島」の廃墟となった村に移住することに。 そこでもまたトラブルに巻き込まれるという痛快ストーリー。 公安にもマークされるという元過激派の父。「げっ、そういう話!?」と思いきや、いい感じで裏切られ痛快。 「これ平成の話か?」と思えるほど、昭和の香りがする小学生のアホな話もまた笑えた。 西表島に移住した後も、沖縄独特ののんびりとした「なんくるないさぁ魂」が会話で表現されていて、これまた笑える。 後半に行くにつれ、父親の言葉がだんだんとカッコよくなっていきます。 最後の最後には『お話』を通じて、父親の今までの言動のタネあかしとなり、非常に素敵でした。

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2014/09/08

東京編と沖縄編での、上原一家の変化ぶりが面白い。これから親になる身としては、色々と考えさせられる事が多かった。

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2020/11/24

学生運動だとか、右翼左翼革命もろもろ…そういうことに関しては勉強不足だから何だかんだ言えないけれど。 国家にも権力にも属さないし屈しない、破天荒でいかした父親(そして母親もまた…)を持つ小学生・二郎くんと家族の物語。 どこにも属さない自由な人間のつもりでいても、誰もが国家に、...

学生運動だとか、右翼左翼革命もろもろ…そういうことに関しては勉強不足だから何だかんだ言えないけれど。 国家にも権力にも属さないし屈しない、破天荒でいかした父親(そして母親もまた…)を持つ小学生・二郎くんと家族の物語。 どこにも属さない自由な人間のつもりでいても、誰もが国家に、都道府県に、市に、町に属していて、住む家さえも誰かの所有物だったりして、それに対して納めるものを納めないと普通に暮らすことさえ出来ない。 よくよく考えてみると不思議なシステムだし、正直おかしいと思うシステムもけっこうある。 そのシステムがあるからお金が循環してうまいこと回る、とか言われてしまえばそれまでだけど。 だからそういう団体や権力に一切屈しない二郎くん父・一郎に少し憧れるのかもしれないと思う。自分はそうは生きられないことをどこかでわかっているから。 所属するかしないかを自分で選べるものもあるけれど、ほとんど強制的に、産まれた時点で所属することが決まってるものもある。家族だってそう。 選べないから迎合するのか、努力するのか、それともあくまで逆らうのか。それを選択するのは自分次第ってことなのか。 東京編での暮らしは楽しいこともありつつどこか鬱屈しているけれど、沖縄編に移った途端それが一気に解放される。 どこにも属そうとしない二郎くんの父は、果たしてどこへ向かうのか。 一部が東京編、二部が沖縄編、500頁超の厚い本だけど、長さを感じず一気に読めておもしろかった。

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2014/09/04

ああ、何で今まで読んでなかったんだろ。面白かったー。良かったー。「夏の100冊」のおかげです。 思えば、「家族小説」っていうのを毛嫌いしてた頃があって、とにかくそのテの惹句がついてるとパスしてたのだった。大震災以降あからさまに連呼されているけれど、家族のつながりとか絆とか、そう...

ああ、何で今まで読んでなかったんだろ。面白かったー。良かったー。「夏の100冊」のおかげです。 思えば、「家族小説」っていうのを毛嫌いしてた頃があって、とにかくそのテの惹句がついてるとパスしてたのだった。大震災以降あからさまに連呼されているけれど、家族のつながりとか絆とか、そういう言葉が無反省に使われていると、拒否反応が起こるんである。 ずいぶん前だが、田辺聖子先生が「大家族の良さとか、したり顔で口にするおっさんを見ると、とびかかって首を絞めてやりたくなる」と書かれていて、そうそう!と拍手したことがある。幼い頃や、カモカのおっちゃんと結婚してからの、慈愛に満ちた大家族の暮らしを心から愛おしんで書いている田辺先生にして、この発言。家族は(とりわけ大家族は)大なり小なり、誰かが我慢を強いられている上に成り立つものだと思う。そこをちゃんと見ないで、家族を描くのは欺瞞だ。 この小説で、語り手の小学生二郎の父親は、かなり極端に「自分を犠牲にしない人」だ。第一部では、いくらなんでも…とウンザリしてくるくらいに。二郎もウンザリしているのだが、父を怖がってはいない。父親が、自分の意に染まない二郎の行動にも、最後には「見て見ぬふりをして」認めてくれることを知っているからだ。子どもに対して、自分の考え方を貫くことも、また、最終的にグレーゾーンで歩み寄ることも、どっちもなかなか難しいものだけど。 この二郎がしばしば、自分が子どもで無力であることを悔しく思う場面があるが、これはかつて子どもだった人はみんな身につまされるのではないだろうか。子どもってほんとに「自由」がない。誰かにご飯を作って(あるいは買って)もらわなくちゃならないし、夜になったら家に帰らなくちゃいけない。家出したって、外を普通に歩けるのは午後三時から八時くらいまでの間だ。ああ、もう早く大人になりたい!と思ったことのない人っているんだろうか。(イマドキの子どものことはわからないけど) でもね、二郎君、あなたが先生たちを見てて気づいたように、大人だって大して自由じゃない(あなたのお父さんは除く)。そして何より、その不自由さの中に「自由」の芽は大事に育まれている。そう言ってあげたくなる。二郎君はとっくに知っているだろうけど。

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2014/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終始痛快な作品でした。「過激派」という言葉の意味を知らない時期に読み始めた小説でしたがおもしろかったです。 映画も見てみたいと思います。

Posted byブクログ

2014/06/26

学生時代の過激派思想を今も持ち続ける父親、そんな父親となぜ母親は結婚したのか?と疑問を持つ12歳の息子。息子目線で東京・沖縄での生活を書いたドタバタコメディ。伊良部先生シリーズは大好きだがこの作品はイマイチ。

Posted byブクログ

2014/06/22

映画は、あまり良い印象じゃなかったんだけど、読んで感動! 父さんも母さんも姉さんも妹も友達も先生も周りの人も、みんないいヒトすぎる! 父さんの一途なカッコよさに、皆の心が一つになる!

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2014/04/19

アナーキーなろくでもない父親。 ありがちですが、元革命家でめっぽう口が立つ所がキャラクターに深みを与えていますよね。 その父親と家族を通した少年のビルドゥクスロマンとして、とっても良い話です。 対抗勢力がお粗末なのはお約束として、それを差し引いても爽やかでちょっと泣ける。 バラ...

アナーキーなろくでもない父親。 ありがちですが、元革命家でめっぽう口が立つ所がキャラクターに深みを与えていますよね。 その父親と家族を通した少年のビルドゥクスロマンとして、とっても良い話です。 対抗勢力がお粗末なのはお約束として、それを差し引いても爽やかでちょっと泣ける。 バランスが良いです。 14.04.16

Posted byブクログ

2013/12/17

東京、沖縄編の二部構成。 どちらも面白かったです。 東京編はテンポよく、読んでて楽しいものでした。 沖縄編を読んだのは、石垣島、西表島へ旅行した後だったこともあり、東京編とはまた違った愛着が湧きました。 どちらも奥田英朗さんの作品が好きな人ならば、楽しめると思います。

Posted byブクログ