サウスバウンド の商品レビュー
以前、購入していたのだけど、長編ということもあって、読む気になれていなかった。今回、読んでみたら、思ったよりもどんどん読み進められた。 小学生の長男の気持ちの流れや、成長が感じられ、心地よく読めた。
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二郎の父は元革共同の有名な闘士だったが 集団でいることに意味を見出せなくなり脱退した過去を持つ。 しかし精神はそのままで昔の仲間を居候させたり 二郎の先生に詰め寄ったりとかなり迷惑。 ついに居候させていたおじさんが殺人事件を起こし 一家はあてもないまま西表島に引っ越すことに。 そ...
二郎の父は元革共同の有名な闘士だったが 集団でいることに意味を見出せなくなり脱退した過去を持つ。 しかし精神はそのままで昔の仲間を居候させたり 二郎の先生に詰め寄ったりとかなり迷惑。 ついに居候させていたおじさんが殺人事件を起こし 一家はあてもないまま西表島に引っ越すことに。 それまでのぐーたらな父ではなく自給自足に精を出す姿を見て 父を見直す二郎だったがここでも一悶着が。 前半は不良グループと戦って友情を深める二郎の、 後半は自分の正義を守るために戦う父の物語。 国や政府のあり方について考えさせられる本。 かといって小学生の視点だから小難しい話ではない。 東京みたいな利益の争いが絶えないところでは必要だけど 法や警察がどうにもしてくれないところもあって、 西表みたいなみんな協力して暮らしているところでは 必要ではないような気もしてしまう。 そもそもの仕組みをちゃんと理解していないから何ともいえないけれど。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「真夜中のマーチ」「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」に続いて読んだ、奥田英朗4冊目。いずれもコメディタッチの作品であり、そのノリで手に取ったこの本の冒頭からこれでもかと現れる『左翼』『革共同』『過激派』の文字には大いに面食らった。 官の支配を嫌い、国民の義務に抗って生きる父親は"伝説の過激派"。そんな父に家族共々振り回される小学六年生・二郎の目に、父は、そして日本は、どう映るのだろうか。 第一部では、二郎は悩める少年として描かれる。 思春期を迎え、型破りな父を恥じるようになる二郎。次々に現れる、出生の秘密、姉の秘密、両親の秘密。降って湧いた、いじめという災難。そして彼の家に現れる一人の居候、アキラおじさん…二郎の日常は段々と崩れてゆく。 反抗ばかり口にする父を二郎は相手にしていなかったが、そんな父の言葉も一つの真実を捉えているということを、自らの受けるいじめにより身をもって実感することになる。大人など、子供の世界では無力だ。国や警官も自分のことを助けてはくれない。国とは何のためにあるのだろうか? 次第に自分の意思と思想を持ち始めた二郎。アキラおじさんはその自我の芽生えを突くように、とある計画の片棒を担ぐよう二郎に持ちかける。 この辺りまで来ると、父の素顔がようやく見えてくる。 彼は既に"組織"を抜けた身で、本気で共産革命を起こそうなどという考えは持っていない。むしろ、マルクス主義の敗北を堂々と認めるほどである。だが、それでも彼の根本は揺らぐことがない。誰かと群れず、しかし自らの考えは貫き通す。 これが、また、かっこいいわけである。かっこよく書く上、過激派や共産主義を否定もしないので、もしや奥田英朗はアカなのか…?などと半ば警戒しながらカタくなって読んでしまう。 しかし後に述べるが、どうやらそうでもないようだ。単に作者自ら登場人物や思想を否定も肯定もしないというスタンスらしい。政治的要素をあまり気にせず、とにかくは気軽に気楽に読んだ方がよい。 第二部では、東京を逃げるように飛び出し西表島へと移住する二郎一家を描く。 「ユイマール」の言葉の下に、お互い助け合って生きる人々。ここでは"誰かのもの"などない、すべては"みんなのもの"。この場所に国家など、統治など必要だろうか。リゾート開発を目論む企業に立ち退きを命じられる一家、それに抗う父。そこから生まれる強い絆。そこから見える汚い社会。二郎は一段と大人になってゆく。 第二部ではがらっとトーンが変わり、後半など、まさに活劇!といった様相になる。島の人々の会話もテンポが良く、特に謎の外国人ベニーが出てきてからはもはやコント状態。ポンポンと交わされる会話に自然と笑いが…と、この辺りで、「あれっ、共産主義の話はどこ行った?」となる仕掛けだ。 全て読み終わってやっと、あぁ、これは親父に振り回される家族の話、あるいは二郎の成長ストーリーが書きたかったのだな、と気が付いた。 少なくとも共産主義云々はその手段であって、目的ではない。突如としてコメディ路線に走った時にはかなりの戸惑いを覚えたが、それに気付いた後には、なるほど、これもアリかな?と思えるようになった。 政治思想に関係のない、気軽に読むべき作品だと先に気が付いていれば、もっと気持ちよく読めたに違いない。それがなんとも残念だが、ものは捉えようだ。 もう一度全く新しい気持ちで読み直すことのできる作品だと考えれば、実におトクな話である。
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こういう生き方もアリかなあ……と思いますが、安保もキューバもろくに知らんので、多くは語れません。 お父さんの生き方がうらやましいような迷惑なような……。
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夏になると必ず読み返す本。 クーラーつけずに汗だらだら流して、ミンミン読むのがおすすめ◎ 疲れたら昼寝。 暑さに耐えられなくなったらアイス。 あ~よいのう~・・・ 是非8月に。
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東京から沖縄へ。 私はどちらも、それぞれの味がありとても楽しめました。 ちょっとクサいですが「生きるてるって素晴らしい」と思え、元気をいただいた作品です。
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お父さんのハチャメチャっプリに、「こんなお父さん嫌だなぁ」と思いつつも、 読み進めていくうちに、このお父さんの魅力が伝わってくるから不思議だ。 それは登場人物も同じなようで、色々なところで父親に振り回せれるのに、 子供たちは段々と父親に惹かれていっている。 劇中深く語られてはいな...
お父さんのハチャメチャっプリに、「こんなお父さん嫌だなぁ」と思いつつも、 読み進めていくうちに、このお父さんの魅力が伝わってくるから不思議だ。 それは登場人物も同じなようで、色々なところで父親に振り回せれるのに、 子供たちは段々と父親に惹かれていっている。 劇中深く語られてはいないが、特に主人公のお姉さんの描写が非常に興味深かった。 この変な家族愛に溢れた青春系、という設定が非常に爽やか。 特に物語後半、家族が沖縄に移り住んでからの描写は、非常に快活。 既存の枠にとらわれない生活と家族を、あっけに見ていると同時に、密かな憧れも抱いてしまった
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すごく爽快な気分になった。 こんなお父さん持ってたら人生変わりそう。 夫にどこまでもついていく妻も素敵。 沖縄に住みたい。
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破天荒な父ちゃんもつと大変だな・・・・ いきなり沖縄へ移住って 父ちゃん過激過ぎて振り回されっぱなしの家族。
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すんごいハチャメチャなお騒がせ父さんやけど こういう“自分”っていうのがしっかりある人ってかっこいいわ。 最後の決戦の前に、二郎に父が自分の腹の虫について話すところは 思わずホロッときてしまった。 実はこの話の中で一番重要な人物は21歳のお姉ちゃんやったのかも。 年齢的には大人や...
すんごいハチャメチャなお騒がせ父さんやけど こういう“自分”っていうのがしっかりある人ってかっこいいわ。 最後の決戦の前に、二郎に父が自分の腹の虫について話すところは 思わずホロッときてしまった。 実はこの話の中で一番重要な人物は21歳のお姉ちゃんやったのかも。 年齢的には大人やけど時には子ども側やったり、大人の世界と子どもの世界を繋ぐ存在やったんちゃうかな。 お姉ちゃんの「食べさせてあげる」のひと言。かっこいいなぁ~。
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