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畑村式「わかる」技術 の商品レビュー

3.5

39件のお客様レビュー

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2013/05/12

 ものづくりとそれに伴う「失敗」についての研究者が、「わかる」ということがどういう営みなのか、「わかる」ためにはどうすれば良いのかということを、独自の枠組みで説明したもの。  頭の中の「テンプレート」の話や、「形式論理」についてなど、「わかる」プロセスを理解するための概念が色々と...

 ものづくりとそれに伴う「失敗」についての研究者が、「わかる」ということがどういう営みなのか、「わかる」ためにはどうすれば良いのかということを、独自の枠組みで説明したもの。  頭の中の「テンプレート」の話や、「形式論理」についてなど、「わかる」プロセスを理解するための概念が色々と説明されるが、正直、わかりにくい。もちろん具体例も豊富だし説明も的確なので著者の説明すること自体はよくわかるのだけれども、それがわかったところで何をすればよいのかが見えなかった。例えば「(話し上手な人は)聴衆の反応で、どんな話をすれば聴衆が理解できるかを探りながら、みんながほっしている知識なり知見を、欲している形で示している」(pp.137-8)と書いてあるが、そんなことは当然のことで、この文言を読んだ時点で「そうか!」と思って本当にそうできれば誰も苦労しない。じゃあどうするんですか、と言うとテンプレートがどうのこうの、という話になって、それも別に言われなくても当然のことじゃないかと思う。やっぱり見えてこない。ここに書かれていることがわかった上で、じゃあどうわかりやすく人に説明しよう、とかを日々考えている訳で、どうも物足りないというか、あまり読んで勉強になったという感じがしなかった。「畑村式」と銘打っているように、おおよそ著者の自己満足ではないかとさえ思ってしまう。ただ、「暗記だって意味がある」(pp.94-6)の部分は、とてもよく共感できた。(13/05/12)

Posted byブクログ

2013/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本文より・・・現代社会で必要とされているのは、自分で課題設定できる人です。なぜなら、企画を立てるにも、製品をつくるにも、何か新しい問題が発生したときにも、まず最初にすべきことは、「自分が解決すべき課題はどういったことか」と自分で問いを立てることだからです。・・・大きな問題を課題として解決すれば、自分の目の前にある問題だけではなく、共通点を持った問題もすべて解決できることになります。課題解決でいちばんに目指すべきは、上位にある大きな問題を課題だと設定することです・・・ ―― この考え方は、ブレイクスルー思考に似ています。ブレイクスルー思考では、ボールペンの課題を解決しようとする時、ボールペンの目的を追求します。ボールペンは、文字や絵などを書く(描く)道具であり、その目的は、誰かに何かを伝えるためであると遡ります。そこまで遡ると、道具は、ボールペンにこだわる必要はなく、スマートフォンでも良いわけです。また、商品やサービスを開発する目的は、付加価値を持ち差別化できる商品やサービスで利益を上げることによって企業を存続することが目的ですから、自社の強みが活かせるからといって、衰退するカテゴリーに固執するのは愚かな戦略と言えます。 「目的を達成するために、どのような課題、目標を設定するか」この問いを検討するのは、「目標を達成するための手段を検討する」よりも遥かに高度な知恵が必要です。この問いに取り組むのは、自社で最も優秀な人材を充てる必要があるのです。

Posted byブクログ

2013/04/25

「わかる」について具体的に書かれた本。「わかる」は楽しい。「わかる」をもっと自分のものにするために身につけたい習慣、考え方などが学べる本。理系的な考え方から「わかる」を分析しているのがおもしろかった。

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2012/03/22

わかるとはなにかを考察した第1章の内容は、僕もそうだろうと思い今まで実践してきた内容でした。しかしその後の活用の段階を読んで、「この人はこんなに普段から考えているんだ」とびっくり。まだまだ僕は思慮が足りないなあ。

Posted byブクログ

2011/12/16

2011/12/16読了。 ものごとが「わかる」ということのプロセスを教えてくれる本。真新しい発見があったわけではないが、もっと「わかる」ということを意識して生活する必要は感じることができた。あるものごとをある程度正確に理解しているのか、それとも不完全な理解(分かったつもり)な...

2011/12/16読了。 ものごとが「わかる」ということのプロセスを教えてくれる本。真新しい発見があったわけではないが、もっと「わかる」ということを意識して生活する必要は感じることができた。あるものごとをある程度正確に理解しているのか、それとも不完全な理解(分かったつもり)なのか、それをはっきりさせることで行動にメリハリをつけていければベター。

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2011/10/26

分かるとは何だろうか? この本では、ものごとを構成要素に分解し、それぞれの要素の関係を理解することと読んだ。 因数分解、そしてその後の関係性把握。これは意識すれば誰でもできる。ポイントは、多忙な日常の中で無意識にこの境地に辿り着くこと。

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2011/07/27

この本は、何ら具体的なものを呈示してはくれない。まずそこに注意。 書中で述べられているのは、物事が「わかる」ために常駐坐臥、旨とすべき事柄についてである。図解も豊富であり、内容自体の理解が難しいという事はないと思う。 しかし一番疑問なのは、「じゃあ、具体的にはどうすりゃいい...

この本は、何ら具体的なものを呈示してはくれない。まずそこに注意。 書中で述べられているのは、物事が「わかる」ために常駐坐臥、旨とすべき事柄についてである。図解も豊富であり、内容自体の理解が難しいという事はないと思う。 しかし一番疑問なのは、「じゃあ、具体的にはどうすりゃいいのよ?」が判らない点である。筆者は「経験で補うべし」という主旨のことを述べているが、それを言っちゃお終い。 もちろん、内容自体が特に間違っているとは感じない。広く浅い理解が深まるので良いと思います。 あと、筆者の手前味噌な傾向が鼻につく。 質の悪いビジネス本とかでも見かけますが、「私はこうして成功した」ということが他者に対しても有効であるというのは既に「わかっていない」ですね。

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2010/09/16

比較的読みやすい文章です。 「課題設定能力」と「話が立体的かどうかを意識する」の2点が印象に残りました。

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2010/06/01

[ 内容 ] なぜ「わからない」のか、どうすれば「わかる」のか。 『失敗学』『直観でわかる数学』の著者によるまったく新しい知的生産の技術。 [ 目次 ] 第1章 「わかる」とは何か(「わかる」とはどういうことか 『直観でわかる数学』を書いた理由 学校の教科書や授業はなぜわかりに...

[ 内容 ] なぜ「わからない」のか、どうすれば「わかる」のか。 『失敗学』『直観でわかる数学』の著者によるまったく新しい知的生産の技術。 [ 目次 ] 第1章 「わかる」とは何か(「わかる」とはどういうことか 『直観でわかる数学』を書いた理由 学校の教科書や授業はなぜわかりにくいのか ほか) 第2章 自分の活動の中に「わかる」を取り込む(まず身につけておくべきもの 「わからない」けどつくりだす 自分でテンプレートをつくる) 第3章 「わかる」の積極的活用(「面白い話」をする人は何がどうちがうのか 絵を描くことの意味  「現地・現物・現人」が、わかるための基本 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/02/14

『はじめに』 ・私が長年考えてきたのは,「創造の方法」です.そしてその中から「失敗学」が生まれてきましたが,それは創造の過程で,失敗の扱いがいかに大切であるかに気付いたからです.ところがさらに考えを進めていくと,創造であれ失敗であれ,まず,事象をしっかりと理解することから始める必...

『はじめに』 ・私が長年考えてきたのは,「創造の方法」です.そしてその中から「失敗学」が生まれてきましたが,それは創造の過程で,失敗の扱いがいかに大切であるかに気付いたからです.ところがさらに考えを進めていくと,創造であれ失敗であれ,まず,事象をしっかりと理解することから始める必要がある.「わかる」仕組みをきちんと知っておくこと,積極的に利用することが創造や失敗を扱う上で大きなプラスになることがわかってきたのです. 『第1章 「わかる」とは何か』 ・「わかる」とは何か?世の中のすべての事象は,いくつかの「要素」が「構造」を,「構造」が「全体構造」をつくりだしている.「全体構造」は何らかの「機能」を持つ.自らの頭の中のテンプレートが見つかったときにそのことが「わかる」と感じる. ・順番で考える考え方を「逐次思考」,一気に飛ぶ考え方は「飛躍思考」と呼ぶ.「直観でわかる」のは後者.過去に徹底的にそのことについて考え,演習をして答えあわせまでおこなう経験をしているから.最初から思考のショートカットに依存してはいけない. ・「直感」は,「直観」と異なり,過去の経験という判断基準があるが論理的な証拠がない.経験もない場合の判断を,「勘」と呼ぶ. ・詭弁の論理.(イ)という条件下ではA→Bが成り立つ事象.(ロ)に変わっているにもかかわらず,A→Bが成り立つと言って説得してしまうこと.だまされないためには,前提条件,成立する範囲を聞く必要がある. ・「わかる」という頭の中で新しい考えを構築する構造には二つある.①自分の力で新しいテンプレートを頭の中で作り上げていく方法.②新しいテンプレートを,ひたすら頭の中に詰め込んでいく方法. ・「課題設定」から始めないと,創造をすることはできない.「課題解決人間」には敬意をはらわなくなっている.いまは何よりもWHATが社会で必要とされる時代.企画を立てるにも,製品をつくるにも,「自分が解決すべき課題はどういったことか」と自分で問を立てることが大事. 『第2章 自分の活動の中に「わかる」を取り込む』 ・暗記とは,わかるために必要最低限の知識を準備するためのもの. 『第3章 「わかる」の積極的活用』 ・聞き上手.相槌をうちながら,話し手にテンプレートを作ってあげている. ・私は,自分の考えを人に伝えるとき,意識して文章だけでなく,図を書くことにしている.一度に伝達できる情報量が圧倒的に多い.補完しあいながら使用する.注意すべきことは,伝えたい内容をどうやって強調するかということだ.ポイントを整理して言葉や絵で説明する「定式化」から,何を学ぶかという「知識化」の作業が始まる. ・「逆演算の思考」.規格,設計,計画などはすべて順演算でおこなわれる.まず目標を決めて,それを分析し,一つひとつやらなければならない課題に落とし込んでいくという作業.順演算に必ず付随する「想定漏れ」が後々事故や失敗の要因になっていく. ----------以下感想---------- 畑村洋太郎先生の本は,「そういうことだったのか」と感じる言葉の定義が必ず出てくる.本書では,「わかる」という言葉の定義・行為の成り立ちについて知ることが出来た. 「わかる」という行為の成り立ちを理解することによって,「わかる」作業がよりよいものに変わる. 問題を指摘されたときは,目的・目標は何なのかを明確にしなければならない.目標が無い船は,効率的な経路をたどれない.

Posted byブクログ