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切れない糸 の商品レビュー

3.9

149件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    2

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2011/12/28

他の坂木作品にちらほらと姿を見せる「アライクリーニング店」。 和也のバカっぷりは、「ワーキングホリデー」のヤマトに匹敵する。こういう主人公の方がストーリーをひっぱりやすいんだろうな。 沢木のキャラクターが実はいちばん謎だったりする。結局彼も「街の生物委員」であるところの和也の前に...

他の坂木作品にちらほらと姿を見せる「アライクリーニング店」。 和也のバカっぷりは、「ワーキングホリデー」のヤマトに匹敵する。こういう主人公の方がストーリーをひっぱりやすいんだろうな。 沢木のキャラクターが実はいちばん謎だったりする。結局彼も「街の生物委員」であるところの和也の前に現れた、行き場のない生き物だったのかも。 伊坂幸太郎さんの小説もそうだけど、登場人物がゆるくつながっているという作りはすごくなごむ。本の中にもうひとつの世界がある、と思えるのは読書の醍醐味のひとつだと思うから。 私の街にもアライクリーニングみたいなクリーニング店があればいいのに。「シンデレラ・ティース」でも感じたことだが、シゲさんのような腕前の持ち主はそんなにはいないだろうし、「シンデレラ・ティース」に出てくるような歯医者なんてどこにもないと思う。理想の存在を読むのは幸せではあるが、現実に戻ったときに悲しくなる。

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2011/11/10

俺、新井和也。家は商店街によくある町のクリーニング屋さ。新井と洗いをかけた「アライクリーニング店」が屋号。年じゅうアイロンの蒸気に包まれて育った俺は、超寒がりときている。大学卒業をひかえたある日、親父が急死した。就職も決まっていない俺は、しかたなく家業を継ぐことに。おおざっぱな性...

俺、新井和也。家は商店街によくある町のクリーニング屋さ。新井と洗いをかけた「アライクリーニング店」が屋号。年じゅうアイロンの蒸気に包まれて育った俺は、超寒がりときている。大学卒業をひかえたある日、親父が急死した。就職も決まっていない俺は、しかたなく家業を継ぐことに。おおざっぱな性格の母親、アイロン職人のシゲさん、そして長年パートとして店を盛り立ててくれている松竹梅トリオの松岡さん、竹田さん、梅本さんに助けられ、新たな生活がスタートしたんだ。目下のところクリーニング品の集荷が、俺の主な仕事。毎日、お得意さんの家を訪ねては、衣類を預かってくるというわけ。ところが、あるお得意さんから預かった衣類は……。

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2011/11/04

主人公の和也(親父の死後のクリーニング店を引き継ぐ)ではなく、沢田が推理して行くというのは、なかなかタネが見えなくて面白い。 ただし、トリック自体はあまり驚くようなものではなかった

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2011/12/03

ポジティブで(単純な)主人公に親近感を感じつつ(笑) 商店街を舞台に起こる不思議な出来事を解決していく連作ミステリ。 悪者が一人も出てこず、不幸になる人もいない顛末、 商店街の人々のあったかい人柄。 未来への希望にあふれる、とても素敵な作品だった。

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2011/10/23

坂木さんのお話はこういう人間構成が多いなぁ。 でも、キライじゃない。 日常の中にある事件を爽やかに描いてあります。 切れない糸の意味すら、爽やか。 でも、シンデレラ・ティースに引き続き、 引きこもり探偵の方が好きだったので、星4つ。

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2011/08/22

2011.8.22 初読 市立図書館 面白かった。クリーニング屋さんの話。 「きれない糸」

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2011/07/27

クリーニング店の二代目に就任した主人公が、大学時代の同級生の助けを借りて、商店街の小さな謎を解いていく心温まる物語。話の折々に、商店街に住む人たちの強い結びつきと、スーパーには負けない専門家集団としての姿が垣間見えた。

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2011/07/13

坂木 司 東京創元社 (2005/5/30) (創元クライム・クラブ) シャッターを下した商店街が多くてさびしい今 これは下町の人情が残る商店街のクリーニング屋さんのお話し ミステリーといっても特に事件が起こるわけではない 切れそうで切れない 細いけれど確かな糸があるんだ...

坂木 司 東京創元社 (2005/5/30) (創元クライム・クラブ) シャッターを下した商店街が多くてさびしい今 これは下町の人情が残る商店街のクリーニング屋さんのお話し ミステリーといっても特に事件が起こるわけではない 切れそうで切れない 細いけれど確かな糸があるんだね そんなことを感じながらゆったりと本を閉じた ≪ 脱いだ服 心も一緒に 洗濯を ≫

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2011/07/06

クリーニング屋の親父が亡くなってその跡を継いでいくストーリーかと思いきや実際はミステリーというギャップ。こういう作品は面白い!

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2011/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時間をたっぷりとって、陽の当たる窓辺でのんびり読もう。 "お決まりのような展開"がわかってきて思わず微笑んでしまう。 重くなって、地に足をつけて、生きていけたらと思う。 それにしても、沢田くんのような友達が欲しい!笑 -余談- iPhoneのアプリ、「ドキドキ郵便箱」という、何処からメッセージが来るかわからない、誰に届くかもわからないという何とも不思議な媒体から、何処の誰とも知らない誰かが私に勧めてくれた本。 この人に、とても面白かったよ、ありがとうと伝えたいけど、もう一生そのチャンスはないんだろう。 それでもたぶん、切れない。私の人生と、この本が出逢ったから。 こうして糸はつながっていく。何とも不思議な時代だ。

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