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アフターダーク の商品レビュー

3.3

392件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    166

  4. 2つ

    52

  5. 1つ

    11

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2013/12/30

この小説を読んで、自分がヤマもオチもないストーリーが苦手なんだ気づかされた。 闇に生きる人間たち。 謎は謎のまま。

Posted byブクログ

2013/11/22

こういう感じかぁ。 はじまりもなく、終わりもなく、なんだか果てしなし宇宙の中の、ほんとにほんとに一部だけを切り取ったみたいな感じ。 そのほんの一部は、日常ではなく、でも非日常でもなく、日常から一歩下がったところにある薄暗い路地裏にある世界観のように思えた。

Posted byブクログ

2013/10/30

最初に言わなきゃいけないのが、 私は村上春樹という作家をものすごく苦手としている、ということ。 どのくらい苦手かというと、 いろんな本にチャレンジしては、いつも半分もいかずに諦めるくらい。 私が人生の中で読了できない本は、村上春樹くらいです。 どんなに難解でもつまらなくても読め...

最初に言わなきゃいけないのが、 私は村上春樹という作家をものすごく苦手としている、ということ。 どのくらい苦手かというと、 いろんな本にチャレンジしては、いつも半分もいかずに諦めるくらい。 私が人生の中で読了できない本は、村上春樹くらいです。 どんなに難解でもつまらなくても読めるんだけど、どうしてかだめ。 ときどき訪れる、「でも村上春樹ムーブメントに乗りたいじゃない?克服してみませんか?」という自分の中の勝手なフェスティバル(「トマトを嫌いなんてもったいない!食べてみませんか?意外と大人になったからおいしいかもしれないし」と思う感じととてもよく似ている) に、 乗って、するっと図書館で借りてみました。 というわけで、村上春樹が好きではない人物による 『アフターダーク』の感想です。 結論からいうと、最後まで読み切れました。 おなじ夜を歩く、まじわりきらない人々の時間を記号的にとらえて、 ちょっと斬新な小説的技法をとりいれて、 スタイリッシュに仕上がっております、こちらのエスプレッソいかがですか。 って感じですかね。 がんがん出てくる執拗なほどの服装やブランドの描写! 音楽の描写!漂わせようとするサブカルチャー臭! ふらふら漂う視点! 外国語にしてもう一度日本語にしましたか? というくらい、ぶつぶつ切れる日本語。 かと思いきや、「不条理演劇を目指したんですか?」と言いたくなるような片鱗があったり。 いやあ、特徴的ですね。 深夜のファミレス(村上的にたぶん「ガスト」でも「スカイラーク」でもなく、「デニーズ」であるということが重要)で本を読んでいる女の子・マリに、 昔彼女と出会ったことがあるという高橋という男が声をかける、 というところから物語が始まります。 中国語ができるという彼女のことを高橋から聞いたラブホのオーナーと関わったり、そこで出会った中国人の女の子と話をしたり。 一方の視点ではその姉、エリが眠っている部屋が延々と描写されて、 そこでは何かが起こっている。ように見えるんだけれども 正直このへん「カメラは私たちの意図を汲んだかのようにクローズアップする。」みたいな描写にむかむかして全然内容が入ってこなかったですすみません かと思ったら次の行では「ここはどこなんだろう。(エリのモノローグ)」ですからね。 ふつうの書き手が意識するような、主体と客体、語り手の最低限のルールすら地の文で混ざり合っていて、気持ち悪いったらありゃしません。 この悪酔いみたいな感覚が、「これは夜のいわゆる悪夢の部分だからいいんだよ!」というなら、ああそうですか、という感じですが。 さて最後にもう一方、中国人の女の子を暴行した白川が会社で働いたり、ローファットの牛乳を買ったり、エクササイズしながらバッハが素敵だよ。 すみません。 やる気がないわけじゃないんです。 ただ話をまとめようとそうなるんです。 あまりにも「朝」と「夜」、「昨日」と「明日」、「暗い」と「明るい」、 「醜い」と「美しい」など、二項対立的な書き方も辟易しましたね。 語彙が豊富ともとても思えないし。 なにもかもが中途半端ですよね。 小説としての実験作が読みたいなら筒井康隆を読むし、 ギャング含めた闇の世界を読みたいなら大沢在昌とか?(読まないのでわからないな) 喪失と再生の物語を描くならよしもとばななの作品を読んだほうが よほど洗練されていると思いますが。 一言でいうなら「思わせぶりな、何かあるようで何もない本」ですね。 ただ、読みやすいは読みやすいんじゃあないですか。

Posted byブクログ

2013/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

晩秋のある日のmidnightから次の日の始まりまでを描く、都会の夜の文学。バーテンダーは言う「真夜中には真夜中の時間の流れ方があるんだ」。みんなはそれぞれに孤独で、そして中国人のマフィアは不気味だ。また、名前を捨てたコオロギには奇妙なリアリティがあるが、村上春樹はもともとは関西人だったことを思い出した。

Posted byブクログ

2013/09/05

『予兆』の物語。孕み、膨れ、満ち。その後の「そして」は描かれず、咲くのか爆ぜるのか潰れるのかは宙にそっと浮かべられて。それを手に取るも見送るも、読者に委ねられて終わる。またその中にモノローグはなく、ほとんど第三者視点でドライに無機的に、まるで劇の台本や映画にされた映像をそのまま描...

『予兆』の物語。孕み、膨れ、満ち。その後の「そして」は描かれず、咲くのか爆ぜるのか潰れるのかは宙にそっと浮かべられて。それを手に取るも見送るも、読者に委ねられて終わる。またその中にモノローグはなく、ほとんど第三者視点でドライに無機的に、まるで劇の台本や映画にされた映像をそのまま描写したかのように綴られる『僕』不在の春樹でもあり。故にかさらりと読んでしまった。ぼくが春樹を好きなのはつまり、『僕』に負う部分が意外に大きな割合を占めていることを知った。

Posted byブクログ

2013/09/04

徹夜して読みたい作品である。 いわゆる やおい(ヤマなし、オチなし、意味なし)文学慣れていない人間にはおもしろさが見いだせない作品だろう。 中途半端な終わり方ではありるかもしれない。 さまざまな人の、 この『アフターダーク』の感想を読んだのだが、続編を望む声がけっこう多か...

徹夜して読みたい作品である。 いわゆる やおい(ヤマなし、オチなし、意味なし)文学慣れていない人間にはおもしろさが見いだせない作品だろう。 中途半端な終わり方ではありるかもしれない。 さまざまな人の、 この『アフターダーク』の感想を読んだのだが、続編を望む声がけっこう多かったのに驚いた。 この話は、この「中途半端さ」こそが重要で、それは「余韻」のようなものなのだ。「物語には続きがあるけど、明示されない」からこそ、読んだ側には印象に残るに違いない。 皆さん。是非一度、村上ワールドへ。

Posted byブクログ

2013/08/27

何度読んでも、他の村上春樹さんの作品とは、違うなーと思う。 中立で客観的な視点から語られる物語。 でも、冷たくなくて。強くならないと と思う

Posted byブクログ

2013/08/05

【真夜中から夜明けまでのあいだ、複数の人間に起こる不思議なストーリー】 舞台は深夜の都会。深夜から夜明けまでの時間のあいだに、複数の人間に起こる不思議なストーリーが描かれている。この作品では、『海辺のカフカ』や『1Q84』のような違う人間のストーリーがどこかで繋がり、新たな不思議...

【真夜中から夜明けまでのあいだ、複数の人間に起こる不思議なストーリー】 舞台は深夜の都会。深夜から夜明けまでの時間のあいだに、複数の人間に起こる不思議なストーリーが描かれている。この作品では、『海辺のカフカ』や『1Q84』のような違う人間のストーリーがどこかで繋がり、新たな不思議を生むということはない。繋がりはするが、それまでである。 ストーリーは非常に分かりやすく、読みやすい。私が読み取った作者の伝えたいことは以下の通り。 「人はひとりひとり、どんな人でも闇を持って生きている。人はその闇を認識し、時にそれから逃げる。しかし闇から逃げても、決して闇が消え去るわけではない。闇は闇のまま自分の中に存在し、心のどこかで闇と向き合わなければいけないと理解している。しかし、闇と向き合える人もいれば、向き合えない人もいる。向き合えない人は、無論闇を背負ったまま生きていかなければいけないが、それはとても辛いことである。 深夜零時、漆黒の闇が我々を包み込むが、その漆黒の闇はいずれ朝が訪れることで、どこかへ行ってしまう。人も同様で、人間が向き合わなければいけない闇も、しっかりと向きあえばいずれ朝が訪れ、光が差し込む。だから、目の前にある闇と、向きあって欲しい。」 村上春樹の小説を読んでいて、すげぇなと思うのは、自分のメッセージをフィクションの世界に置き換え、そして読者をワンダーランドに巻き込めることだ。ただのワンダーランドを描いて終わってしまう小説家もいるし、自分のメッセージをノンフィクションで書く執筆家もいる。しかし、彼ら以上に難しいことを成し遂げているのが、村上春樹のような本当の「小説家」であるのだと感じる。 「小説」を英語にすると「novel」であるが、元々の語源は「新しい」という意味がある(「nov」には「新しい」というラテン語である)。つまり「novel」とは、読者に新しい価値観や世界観を与える書物であると考えられる。そう考えるとき、この世の中に本当の意味で「小説(novel)」と呼べるものはどれ程あるのだろうか。私自身、これからどれだけ本当の「小説」に出会えるのか楽しみである。

Posted byブクログ

2013/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「色彩をもたない…」の後、勢いあまって、積読だったこれも読破。 実験的な印象の本作、テーマらしきテーマもあまり見えてこないし、謎は謎のままだし、視点が誰やら、眠っている姉はどうなったやら、簡単に言うと「よくわからない1冊」ではあるものの、好きか嫌いかで言うと、好き。 闇が街を包む。 明るく活動している場所…コンビニやラブホテルなどのこうこうとした灯りの隙間から、夜の混沌が忍び寄る。灯りの側はかえって闇は深い。 夜の闇の圧迫感、原始的な畏怖、現代犯罪的な恐怖…。 なんだか得体のしれない作品であっただけに、夜の混沌がリアルに感じられて、好みだった1冊。

Posted byブクログ

2013/07/25

今回はエグい下ネタもなく、不快にならずに読めた。 なんかすっきりしないというか、「私たちの視点」がなんだったのか、何を表現したいのか分からなかった。 すらすら読めたけど、いろいろ考えさせられるとかはなかった。

Posted byブクログ