アフターダーク の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2019.10.05 読了。 多分この作品は長編と言ってもそんなに長くはない作品なので、1回で読み切るか、分けたとしても1日で読みきらねばならない作品だと感じた。 自分の場合、時間の都合で2日空いて読むことが2回重なり、大体1週間くらいかかったんだけど、どんな話だったかサッパリ思い出せない。 で、少し前に戻って読んでもサッパリ。 初期作品のように、読んでいてふと気付いたら終わってた。という感じ。 もう評価すら不能なくらい面白いも面白くないも無い。 なんでコンビニに携帯電話置かれてるんだったっけ?だけど、読み返す気にもならない。 そんな作品。
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驚くべきは実際に読んでいる時間、つまりページ配分がリアルタイムに近かったこと。いや6時間はかかっていなかったが、章ごとに休憩などいれたら結果そうなった。さらには同じ時間で追っていくこともできたと思い悔やんだ。 春樹作品としては異色といえる。どう考えても新宿だし、デニーズもならば初...
驚くべきは実際に読んでいる時間、つまりページ配分がリアルタイムに近かったこと。いや6時間はかかっていなかったが、章ごとに休憩などいれたら結果そうなった。さらには同じ時間で追っていくこともできたと思い悔やんだ。 春樹作品としては異色といえる。どう考えても新宿だし、デニーズもならば初台店だ。香川県だの作中に示されてもどこか別世界のそれとし読ませられてきたのだが、今作は実にリアル。分かり易いヴィランも設定して、いつもと違う感が大きかった。でもやはりその軽さの中にも読後感の充実ははずさない。
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なんとも言えないお話でしたが、映画を観ているような不思議な作品でした。 それはそれで嫌いではないので、好きです。 一晩のお話にしては濃すぎる、と思いましたが、映像的です。 白川のその後が気になります…組織に押されてしまうのか。。 他の登場人物のその後も気になりますし、余韻の残る作...
なんとも言えないお話でしたが、映画を観ているような不思議な作品でした。 それはそれで嫌いではないので、好きです。 一晩のお話にしては濃すぎる、と思いましたが、映像的です。 白川のその後が気になります…組織に押されてしまうのか。。 他の登場人物のその後も気になりますし、余韻の残る作品でした。 眠れない夜中にゆるゆる浸るのに良さそうな世界です。 そして読み始めてから気付いたのですが、多分「アンダーグラウンド」と思ってこちらを借りてきている…今度は間違えません。
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正直、難解です。 本作は中編小説なのでボリュームはあっさりしてますが、その分あっちこっちでエピソードは納得の形では回収されません。読んでて、あの話どこいった?となってしまいます。 でもやはり一気に読み終えてしまう、ある意味魔力がある文章ですね。 深夜の23:56〜6:52まで...
正直、難解です。 本作は中編小説なのでボリュームはあっさりしてますが、その分あっちこっちでエピソードは納得の形では回収されません。読んでて、あの話どこいった?となってしまいます。 でもやはり一気に読み終えてしまう、ある意味魔力がある文章ですね。 深夜の23:56〜6:52までの出来事ですが、個人的にささったのは、夜明け前の早朝の情景の描かれ方です。夜の帳から輝く朝が混ざった空気の中、深夜に生きる人と朝に動き出す人が混じり合う時間帯。徹夜明けの新宿駅前を思い出します。
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一気に読み終わるので、筆致は好きなんだと思う。読んでる最中の世界観も嫌いではない。でも、毎回読了感に悩まされる。2004年になにも思って筆者はこの作品を書いたんだろう。世紀末からの夜明けを表現したかったのかしら??いずれにせよ、何か通り過ぎていった。。
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誰も着眼しないようなモノ?概念のようなものに生を与え、かつ組織があるような描き方に衝撃と、もう一つページをめくる手を止めなかった要因が展開が見えなすぎたこと。希望的観測がギリギリで叶わなかった!! 1晩で読んでしまった…。おもしろかった! 読み終わった後の余韻も心地よい。 まさに...
誰も着眼しないようなモノ?概念のようなものに生を与え、かつ組織があるような描き方に衝撃と、もう一つページをめくる手を止めなかった要因が展開が見えなすぎたこと。希望的観測がギリギリで叶わなかった!! 1晩で読んでしまった…。おもしろかった! 読み終わった後の余韻も心地よい。 まさに深く暗い夜が明けた感じです。
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何らかの落ちのない話。 マリと高橋のやりとりは面白かった。若い2人が知り合って、いろいろあって、これからどうなるのかというところ。マリの姉・エリについても、これからどうなるのか。落ちはない。希望らしきものはある。それぞれに。中盤から出てきた白川とは何者なのか。これも落ちはない。ラ...
何らかの落ちのない話。 マリと高橋のやりとりは面白かった。若い2人が知り合って、いろいろあって、これからどうなるのかというところ。マリの姉・エリについても、これからどうなるのか。落ちはない。希望らしきものはある。それぞれに。中盤から出てきた白川とは何者なのか。これも落ちはない。ラブホテル・アルファヴィル、マネージャーのカオルと、従業員のコムギ、コオロギ、独特の良い味。
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海辺のカフカで村上作品デビューし、全くのちんぷんかんぷんで、以来、村上作品にはまったく手が伸びなかったんです。 しかも「本は読まないなー。あっでも村上春樹は好きだよ。」って人が多い(ような気がする)上に、「俺、案外イケる口なんで(ドヤ顔)。」みたいな空気を感じ、分かる人には分かる...
海辺のカフカで村上作品デビューし、全くのちんぷんかんぷんで、以来、村上作品にはまったく手が伸びなかったんです。 しかも「本は読まないなー。あっでも村上春樹は好きだよ。」って人が多い(ような気がする)上に、「俺、案外イケる口なんで(ドヤ顔)。」みたいな空気を感じ、分かる人には分かるオーラが鼻についちゃって、ものすごく足が遠のいてたのです。 でも、世間の異常なほどの春樹熱を見てると、そんなにみんなが面白いと言ってるものが分からないって、なんかみんなずるい!悔しい!と思ってしまって(ちなみにスターウォーズにも全く同じこと思ってるところです)。 ようやくようやく、再チャレンジしてみようと。 すると、なんとまあ、なかなかおもしろかったのです。すいすい読めてしまった。しかも、もっと読んでみたいとさえ思っている。驚き! いや、でも、海辺のカフカを読んだ頃の私が読んだら、たぶん、やっぱりつまんなかったと思う。 自分の好みとか、マイブームとか、自分が一番よくわかってるし。 なんか、大人になったな〜って思った。だいぶ前に成人してるけどね。 これだけ語っておいてなんですが、中身については、語りません。知ったか感が出ちゃう気がして、恥ずかしいので。笑 まだまだですね。
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デニーズで村上春樹の『アフターダーク』を読了した。なかなか面白い小説だった。 この本で僕は、読んでいる僕のこの現実の文脈と、小説世界がリンクし、錯綜して「読まれる」という特異な読書体験をした。思い出される新宿の夜の街と、デニーズの店内で机の上に置かれたコーンスープ。それらが僕の...
デニーズで村上春樹の『アフターダーク』を読了した。なかなか面白い小説だった。 この本で僕は、読んでいる僕のこの現実の文脈と、小説世界がリンクし、錯綜して「読まれる」という特異な読書体験をした。思い出される新宿の夜の街と、デニーズの店内で机の上に置かれたコーンスープ。それらが僕の記憶と小説を結び付け、そうしてはじめてこの作品は意味を帯びるかのように僕には思われた。 新宿であの日起きたことと、幼い頃によく母親がつくってくれたコーンスープ。前者について、朝の光によって更新された言葉を用いては、僕は説明を加えることはできない。それはどちらかというと、背後に過ぎ去ってしまった、古い時間性のなかで、太古の言葉として語られるべき性質のものである。後者は幼き日の僕の安心の象徴であり、目の前に置かれたデニーズのコーンスープとは似ても似つかないものだ。そしてそれは、マリが姉のベッドの中で感じた安心と、おそらくどこかで繋がっている。 このような個人的な体験を作品の解釈に持ち込むことは、作品の読み方として正しい方法だろうか。 僕はこのような小説の場合、そうした読み方こそがふさわしいのだという気がしている。 三人称的な視点から俯瞰されたその小説世界には、読み手自身の存在や経験をそこに置いて、「その世界と共に読む」という体験を可能にさせてくれるだけの余地が与えられている。 むしろ、そのように自らの実存を投げ入れることによって、読者は自ら小説の断片を繋ぎ合わせ、それによって意味を紡ぎ出さなければならない。そうして意味の連環は、読者の存在によって閉じられる。それを読む主体の背景に広がる、テクスト外の現実と繋がることによって。 このような小説は、確定的な意味を求めて読んではならない。おそらくは、このように曖昧で、意識化することすらできない自己の内面の真実に照らして、読まれなければならない。
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心の闇と現実社会の闇、自然界の物理的暗闇。闇をどう見るか、どう見えるかは我々ひとりひとりの心の中のフィルター次第ではないか、ということを考えてみた一冊。
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