蒼穹の昴(1) の商品レビュー
再読。 大好きな小説。 これを読むまで清朝末期のことなんて興味もなかったし、その頃の清国から日本がどう見えていたのかも考えたことがなかった。 西太后にも怖い女傑のイメージぐらいしかなかった。 文庫版1巻ではまず、物語の担い手である梁文秀と李春雲がそれぞれ都に出るまでが描かれてい...
再読。 大好きな小説。 これを読むまで清朝末期のことなんて興味もなかったし、その頃の清国から日本がどう見えていたのかも考えたことがなかった。 西太后にも怖い女傑のイメージぐらいしかなかった。 文庫版1巻ではまず、物語の担い手である梁文秀と李春雲がそれぞれ都に出るまでが描かれている。 文秀が受ける科挙の試験、春雲が受ける過酷な「浄身」、どちらも事細かに書き連ねてあり、その気の遠くなるような凄まじさに慄然とする。 そしてなぜか120年ほど時代をさかのぼって、高宗乾隆帝・弘暦とヨーロッパから布教に来ていた宣教師、ジュゼッペ・カスチリョーネの交流が描かれる。 なぜ今清朝は滅びようとしているのか。 西太后の中にいかなる思いが渦巻いているのか。
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「昴はどこにあるの?」 自分に与えられた途方もない予言を信じて、極貧の少年が運命に立ち向かっていきます。 中国の歴史文化に馴染みの薄い日本人にも読みやすい文体になっています。必死に生きる春児の姿に感動しました。 <全四巻>
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本屋さんで、祝・吉川英治文学賞という帯を見て、思わず購入しました。 浅田次郎さんの書くものは、古き良き時代の貧しくても心豊かな日本人が登場することが多く、読後に胸が熱くなるので、大好きなんです。 今回のお話は、末期の清朝、西太后の時代の中国での話です。 貧しい農村で、兄弟のよう...
本屋さんで、祝・吉川英治文学賞という帯を見て、思わず購入しました。 浅田次郎さんの書くものは、古き良き時代の貧しくても心豊かな日本人が登場することが多く、読後に胸が熱くなるので、大好きなんです。 今回のお話は、末期の清朝、西太后の時代の中国での話です。 貧しい農村で、兄弟のようにして育った、 地主の子・梁文秀(リアンウエンシュウ)と貧民の子・季春雲(リイチュンユン)別名春児(チュンル)が、それぞれの立場で、紫禁城の西太后を取り囲む、陰謀渦巻く世界で生きる姿が描かれています。 この1巻では、文秀が科挙の試験に合格し、権力の頂上近くに上り詰めるまでと、春児が、性を捨てて、貧しさからの脱却を試みる所までが描かれています。 世界史の教科書に登場する人達が出てきて、様々な思惑が入り混じり、展開していく内容に引き込まれます。 でも世界史の先生は教えてくれなかった、例えば、性を捨てオカマとなった人達が宮廷で西太后を初めとする皇室や貴族に遣えていたとかいう事に、絶句する場面も多かったんです。 中国って、纏足のように、人間の尊厳をないがしろにするような事を、平気で行ってきた歴史があるのですね。 弱いものをいたぶるみたいな感情って、人間の本能なのでしょうか。 目を背けながらも、チラッと覗きたくなるというような… 2巻はどうなるのかなあ…
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読書マラソンを続けます。もう1月6日だってのに、、、涙の繰り上げスタートをしたいとこだけど、自分の意識的に気持ち悪いんで最後までやります。 <本の紹介> 汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試...
読書マラソンを続けます。もう1月6日だってのに、、、涙の繰り上げスタートをしたいとこだけど、自分の意識的に気持ち悪いんで最後までやります。 <本の紹介> 汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつべストセラー大作。 ----- この本は、料理教室の先生が「私の読書友達絶賛!」って貸してくれて読んでみました。 この作品は、この正月から全25回でドラマにもなるので見る人もいるのかな、と思います。 (今調べたら第1回1/2に終わってんじゃん!…2回目から見ることにします。) はっきり言っておもしろかったです。歴史小説、特に中国ものが好きな人は読んでみて損はないと思います。日本の歴史もおもしろいし知ってるとこがたくさん出てきて旅行に行きたくなる気分を煽ってくれるけど(自分だけ?)、中国のそれは大河的というか、スケールが大きいなと本当に思います。科挙も宦官も独特な文化で「ありえね~」とか思いながら読むような部分もあるけど、基本的には人と人との中での話。 守りたいもの、超えられない壁、同じ世界に生きている人達同士のルールがあって、そのルールの中で自分はどうしていくのか。家族を思いながら、従いたくない奴に頭を下げながら、それでも力になってくれる仲間を増やしながら、自分の夢に向けてそれぞれが必死で、命をかけて自分の人生に戦いを挑んでいく。 「もっとも大切なボランティアは、自分自身が一生懸命生きること。」と話す池間哲郎さんじゃないけど、一生懸命生きていく生き方には惹かれるものがある。 話の展開もおもしろくて、読んでて飽きませんでした。 中でも、うまいなーと思った表現が一つあった。 「簡単なことを難しく述べるのは簡単だが、難しいことを簡単に言うのは難しい。」 これにどれだけ考えさせられたか。。。頭の切れる人には簡単なことなんだろうけど、僕は過去に相当考えたことでない場合は、やっぱり伝えるのが難しいと思うことが多いです。ちゃんと伝えようと思うと、どうしても長くなるし、結論だけ言うと、「全然わかんない」って言われるし、、、ほら、こういう風に書いてるとどんどん文字数がかさんでいく。。。この表現は覚えておこうと思いました。 ドラマ見てからでもいいと思うんで、おもしろかったら読んでみて下さい。
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西太后=悪人。 子供の頃テレビで見た残虐な姿があまりに印象的で、そんなイメージを持っていたけど、この作品では優れた政治家で、優しい心をもった女性として描かれていてビックリした。 皆一生懸命生きていてどんどん引き込まれていって、4巻はボロボロ泣きながら読んだ。あー面白かった!
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■泥臭いど根性物が好きな私にとっては、序盤が面白くて面白くて、一気に読み進めました。(あと、終盤の王逸のあたりも好きです) 先の展開を知らずに読んでたので、科挙の描写には「どどど、どうなっちゃうんだろう」とドキドキハラハラ。凄みがありました。 中国の古典とかでも、科挙で現実との境...
■泥臭いど根性物が好きな私にとっては、序盤が面白くて面白くて、一気に読み進めました。(あと、終盤の王逸のあたりも好きです) 先の展開を知らずに読んでたので、科挙の描写には「どどど、どうなっちゃうんだろう」とドキドキハラハラ。凄みがありました。 中国の古典とかでも、科挙で現実との境界がわからない夢を見たって話は多いですね。切羽詰りすぎて白昼夢を見てしまうほどの受験ってどんな受験なんだろう。そこまで人生に追い込まれたことがない、ぬるい生き方の私には未知の世界です。さすが中国、受験戦争もスケールが違うね。 ■スケールの大きさと、それに比例する人間のちっぽけさと、それでいて繊細な内面の綾にひきつけられます。 ただ、西太后とミセス・チャンをどう登場人物として受け止めればいいのかわからないまま、読んでるうちに最後まで来ちゃったのは残念。自分の詠み方の問題なんですけど。北方謙三の小説とかでもそうなんですけど、女性キャラがちょっと読んでてきつかった。
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大号泣。 歴史ものなのに、読み終わった直後に思ったのは、 なんで、こんなにも愛がすれ違うんだろう…ってこと。 やるせない。
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『珍妃の井戸』を読んで、急いで買いに走りました。 春児の運命。清王朝の運命。西太后の運命。 何が歴史の真実なのか。中国の文化に、当時の列強の浸食、満州民族、宦官、科挙などなど、凄いコトになってます。 誰もが懸命に生きているのでございます。
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「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう」 極貧の少年に与えられた途方もない予言、そこに「希望」が生まれた。 舞台は中国清朝末期。 貧家の子「李春雲(春児)」と、彼の兄の義兄弟の「梁文秀(史了)」。 春児は浄身し宦官となり西太后に、史了は科挙の試験を主席で卒業...
「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう」 極貧の少年に与えられた途方もない予言、そこに「希望」が生まれた。 舞台は中国清朝末期。 貧家の子「李春雲(春児)」と、彼の兄の義兄弟の「梁文秀(史了)」。 春児は浄身し宦官となり西太后に、史了は科挙の試験を主席で卒業し光緒帝に仕え 滅び行く清朝の中で、2人は敵味方に分かれてしまう事になる。 感想としては、どんどんのめり込んで行けます。 全4巻は長いけど、すぐに読めてしまうぐらい面白い。 ただ会社帰りの電車の中で、泣きそうになったのには困りました。 全4巻
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0321 ドラマを観て触発されて再読。 ドラマってこんなに原作と違うかったのねーと、驚きました。 ミセス・チャンと文秀の関係は原作ではあり得へんけどドラマ版も意外と好きです。切なくて。
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