ダンス・ダンス・ダンス(下) の商品レビュー
基本的に平坦な展開だけど何故か読み進めたくなる。また読み返したい。丁寧に時間を確かめるような、よい時間の使い方をしてるように感じられる。
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最後の方はこっちまでドキドキしながら読んだ。いろんな人が出てきて絡み合い、最後につながっていく。謎は謎のまま。
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『ダンス・ダンス・ダンス』を読むまでの過程を上巻の方に書きました。 さて、こちらでは下巻を読み終えての感想ということになります。むずかしいです。長文になります。やってみます。 うーん 「“現実”というものがどこにあるのか」と「“世の中のすべてがくだらない”をどう乗り越えるの...
『ダンス・ダンス・ダンス』を読むまでの過程を上巻の方に書きました。 さて、こちらでは下巻を読み終えての感想ということになります。むずかしいです。長文になります。やってみます。 うーん 「“現実”というものがどこにあるのか」と「“世の中のすべてがくだらない”をどう乗り越えるのか」の話を書いていたのかなと個人的には解釈します。 主人公の「僕」の仕事がフリーランスのライターで「文化的雪かき」をしてるという感じが終始出てきますが、どういうことなんだろう、おもしろいと思っているわけじゃないけど、お金になるある種の文章を職業的に生産しているだけみたいな虚無感がずっとあって、その生活には現実味がなくて、どう生きていけばいいのかわからなくなった時の内面の変化を追っている作品だと思います。 羊男だったり、俳優をしている五反田くんだったり、娼婦のメイだったり、耳(=聴くための器官)のモデルをしてる幻のような恋人のキキだったり、詩人の恋人と暮らすクレイジーな写真家のシングルマザーの娘で13歳で無垢だがアンニュイで大人びていて霊感のあるユキだったり、そしてホテルのフロントをしてる真面目かつある種の闇を同じように共有できる現実的なユミヨシさんだったり、がいて。 それぞれが「僕」の精神を投影しているキャラクターだと思うのですけど(本文中にもそのようなセリフがあった)、最終的にユミヨシさん(現実)と繋がっていくラブストーリーだと思います。 『ノルウェイの森』では緑が現実からこっちこいってずっと呼んでいてそれに答えていく感じだった気がするのですけど、『ダンス・ダンス・ダンス』ではユミヨシさんのところへ自分から辿り着こうとしている感じがラブストーリーの方向性として違うかなと思います。 いろんな登場人物が死んでしまいましたが、それは自分の中にあったものの投影を落とす冒険だったのだと思います。 そして一周回って「現実」に戻って来る。そこには強い欲望が生まれていて、その欲望を受け取ってリラックスしてくれる相手がいる。そのバランスに「留まろう」とする「僕」がいてお話は終わる。 この感じにはとても共感します。 今なんてSNSがあるおかげで現実というのがどこにあるのかよりわからなくなっていて、人と人が実際に繋がるまでには長い長い冒険がお互いに必要なのかもしれないし、その冒険は困難になっていっている感じもする。 それはとても孤独で、虚無感に包まれてしまいそうになりますが、そういったものに対する混乱をゆっくり解きほぐし、不思議な栄養をたくさんもらえる現実的なファンタジーだと思いました。
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少し難しかったし中だるみもすごい けどやっぱりこの人の表現方法、出てくる言葉が、小説がとっても大好きだー ユキが元気にしてくれてたら嬉しいなあ 読み終わった後もなかなか最後の一言が忘れられない
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いつもながら、文章そのものに惹きつけられる。映像にも話し言葉にも置き換えれないような美しさ。登場人物の会話も、美しい。きれいな風景を眺めているときのような感覚。本当に凄い。 羊をめぐる冒険、のときのように、次何が起こるのか、先々読み進めたくなるストーリー。展開が想像できない、不...
いつもながら、文章そのものに惹きつけられる。映像にも話し言葉にも置き換えれないような美しさ。登場人物の会話も、美しい。きれいな風景を眺めているときのような感覚。本当に凄い。 羊をめぐる冒険、のときのように、次何が起こるのか、先々読み進めたくなるストーリー。展開が想像できない、不思議な世界。死や孤独について考えさせられる場面が多く、“僕”の立ち位置が自分に当てはまるような部分もあって苦しくなった。孤独って、考えすぎるととても怖くなる。本当の意味のひとりぼっちには、なりたくないな。
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2022. 16 (上下で1冊とする) 東京旅行中に読んだ ハワイで飲むピナ・コラーダ 朝食のドーナツとコーヒー 札幌のホテル 本の中でも旅をしている気分だった 人が死ぬこと 消えること 孤独であること 本当のこと、そうでないこと 暮らしていくこと について考える メモ ...
2022. 16 (上下で1冊とする) 東京旅行中に読んだ ハワイで飲むピナ・コラーダ 朝食のドーナツとコーヒー 札幌のホテル 本の中でも旅をしている気分だった 人が死ぬこと 消えること 孤独であること 本当のこと、そうでないこと 暮らしていくこと について考える メモ ----- P17 調整の為の一日だった。やらなくてはならないことが沢山あった。そういう一日がある。現実的になって、現実的な現実と正面から取り組まねばならない一日。 P237 「〜ねぇ、いいかい、ある種の物事というのは口に出してはいけないんだ。口に出したらそこで終わってしまうんだ。身につかない。」 P239 「〜人の生命というのは君が考えているよりもずっと脆いものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔するような人間を好まない。個人的に。」 P314 本当だ、君の言うとおりだ、と僕は思った。僕はたしかに月に帰った方がいいのかもしれない。ここの空気は僕にはいささか濃すぎる。ここは重力は僕にはいささか重すぎる。 P317 僕はたまらなく孤独だった。僕は何かにつかまりたいと思った。しかしまわりを見回してもつかまるべきものは何もなかった。つるりとして捉えどころのない氷の迷宮の中に僕はいた。闇は白く、音はうつろに響いた。僕は泣きたかった。でも泣くことさえできなかった。 P327 僕はどうかしている。〜疲れている。そして絶望している。絶望的に絶望している。 P344 僕はベッドの上で世界を憎んだ。心の底から、激しく、根源的に、世界を憎んだ。世界は後味の悪い不条理な死で満ちていた。僕は無力であり、そして生の世界の汚物にまみれていた。人々は入口から入って来て、出口から出ていった。出ていった人間は二度と戻ってこなかった。 P352 時間というのは腐敗と同じなんだ。思いもよらないものが思いもよらない変わり方をする。誰にも分からない。 P403 非常に完全に死んでいる。 P407 誰かが僕の為に涙を流していた。僕がなけないもののために誰かが涙を流しているのだ。 P407 僕は彼女ほ体をつつみこむようにそっと抱きつづけていた。時々声を出さずに泣いた。僕は失われたもののために泣き、まだ失われていないもののために泣いた。でも実際はほんの少し泣いただけだった。 P408 僕のメッセージはうまく現実の空気を震わせることができるだろうか?
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踊りに踊って戻って来たのは元のイルカホテル。800ページも使って優柔不断な30代男性の狂言を描いている。それでも読ませるのが村上春樹の実力だと思った。
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キキを殺したのは五反田くんなの? アメとユキは大丈夫そうだね 羊男は僕?ユミヨシさんは起きてくれるの?
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物語の舞台は多彩に移り変わり(まさかのハワイ)、登場人物も興味深く、読んでいる間まったく退屈しない。 が、読後感が冗長に感じられる。何を描きたいのか、そのテーマもシャープに伝わってくる感じもなく、整理が行き届いていない印象。タイトルの由来となる『踊り続ける』というのも、あんまり...
物語の舞台は多彩に移り変わり(まさかのハワイ)、登場人物も興味深く、読んでいる間まったく退屈しない。 が、読後感が冗長に感じられる。何を描きたいのか、そのテーマもシャープに伝わってくる感じもなく、整理が行き届いていない印象。タイトルの由来となる『踊り続ける』というのも、あんまりピンとこない。高度資本主義だの、経費で落ちるだのってのがやたらと出てくるのがバブル期っぽい(小説の舞台はバブル前だけど)が、まさかそんなことが書きたかったわけではないよね。 ハワイでキキにいざなわれる件りだとか、五反田くんとの会話だとか、サスペンス描写はさすがだなと思った。
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドを思い出しますね。 ゆっくりとあがっているのかさがっているのかわからないエレベータ。 なるほどね、と強く思わされる。。。 羊男が出てきたときもゾワっとしたけど、片想いとマセラティの繋がりが見せられた時にも色々感じるものがありました。。。
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