ダンス・ダンス・ダンス(下) の商品レビュー
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ハワイのシーンが好き。 ゆったりのんびりしてて、読んでるだけで旅した気分。しかも経費で落ちている。。 まるで夢のような日々。 下巻は上巻に比べて夢の描写が多かった気がする。幻想的というのかな。 いるかホテルで羊男と会ったのも僕が見た夢なのか? でもユミヨシさんも遭遇してるしな。 6体見た骸骨のうちもう1体は誰? ユキやアメ、五反田くん、ディック・ノースといる時の僕はまるで夢でも見ているかのような、ふわふわと浮かんでいる感じがしたけれど、最後ユミヨシさんを通して現実に戻ってきたような気がする。 “現実だ、と僕は思った。 僕はここにとどまるのだ。” ユミヨシさんと一緒に北海道で 幸せになって欲しい。 村上春樹作品は謎が多いけれど、それでも好きだし引き込まれる。まだ終わらないでと思いながらいつも読んでいる。終わったらまた読み直せばいい。そしてまた村上ワールドにどっぷり浸るのだ。
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雰囲気、文体全てが良い。ユキがとても魅力的。 「文化的雪かき」のような仕事、私は良いと思った。 ハワイに行きたくなる。
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著者の、微細な表現に心惹かれる。 主人公が『ステップ』を踏み続ける事で、何かを獲得し、それとは対照的に喪失していく。そして、獲得していく。 ステップ、それが唯一の現実なのだ。 明日も頑張ろう!
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心の再生をテーマとして物語は続く。五反田君、ユキといったキャラクターの印象が強く、ラストで鍵を握るユミヨシさんの内面描写がもう少しあって欲しかった。いかなる状況であれ、音楽が流れる限りは踊り続けなければならない。足を止めてはならない。「踊るんだよ」
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いつにも増して村上春樹構文でなかなか進まない上巻。主人公こんなにぐるぐるした人だっけ?よく喋る。でも下巻になると冗談も冴えるし物語も回り出す。それだけにラストがサラッとしていて弱く感じた。でも一場面ズバリその通りだと感じるシーンがあったから、読んで良かった。
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あたしだって、ユミヨシさんになりたい 求められるのが好き 服畳むか迷ったの覚えてる、はじめてのとき 畳めばよかった ピニャコラーダをのみたい 飲まなきゃことしの夏おわんないことにした セックスが救いだったり、確認作業だったり、雪かきだったりするの、くやしいけど、そのとおりだとおも...
あたしだって、ユミヨシさんになりたい 求められるのが好き 服畳むか迷ったの覚えてる、はじめてのとき 畳めばよかった ピニャコラーダをのみたい 飲まなきゃことしの夏おわんないことにした セックスが救いだったり、確認作業だったり、雪かきだったりするの、くやしいけど、そのとおりだとおもう あたしが村上春樹よんでるとき苛々してるしムラムラしてるからあんまり近寄らない方がいい
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何だか、終わってしまった、という感想。尻切れトンボ、謎が謎のまま。いや、それとも。まだどこかに繋がっていくからこそのエンディング、か。時間が許したこもあるが、一気に読み終えてしまった。
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明確な結末はなく、読み終わってもなお謎が多い。理解できないことも多い。いろんな出来事が起こり、それが巧みな表現で語られる。そんな感じだった。また読み返すと違う発見がありそう。
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4部作読み切った達成感とまだどこかでこの物語が続いていそうな感じがとても不思議。 p.210からのディック・ノースの死についてユキと僕との会話の場面は心打たれた。 鼠、ジェイズバー、ピンボール、双子、イルカホテルの支配人、キキ、メイ、ジューン、五反田君、ユキ、アメ、ディック・ノース、ユミヨシさん、羊男、僕…思い出せるだけの登場人物を挙げてみるとそれぞれ個性しかない。 まだまだ読みたい村上作品を1冊1冊大事に読みたい。
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これまで読んでこなかった村上春樹をたまに読んでおり、その流れで読んだ。タイトルと装丁から気になっていた1冊。なんとなくリアリストだと思っていたけど、本著は長尺ということもあり色んな要素がてんこ盛りで楽しかった。 34歳の男が主人公で彼の周りで起こる奇妙な出来事をメインに話が進んでいく。いつもどおりスノッブな感じでそこはブレないのだけども、羊男をめぐるファンタジー要素や人が死にまくるサスペンス要素が加わることで物語に幅が出て比較的親しみを持ちやすかった。見ず知らずの13歳の女の子と友達関係になる34歳はちょっとキモいなと思うけど、著者の文体とキャラ設定で不思議とバディ感のあるものとして読めた。互いに種類の違う孤独を抱えていて、それを埋め合う様が擬似親子でもあり擬似カップルでもある。主人公が子どもに諭す形で人生に対するアプローチの話が展開するので、そこは興味深かった。孤独に苛まれている時期に読むとめちゃくちゃ刺さると思う。 今まで春樹と龍で比較されるのがよく分からなかったけど、本著を読むとプロットの材料が龍と似ている。ただアウトプットは再生と破壊くらいベクトルとしては真逆であり各人のオモシロさがあることにやっと気づけたかも。春樹の淡みの良さを理解できるようになったというか。 厭世的なふるまいを繰り返しながらも踊るしかないという、タイトルにある「ダンス」のメタファーがオモシロい。自由に踊るというよりも決まった振り付けを踊るダンスを意味しており、つまり決まったルーティンをこなしていければ事態はなるようになるだろうということ。全体に主人公が受動的なのが特徴的だと思う。物語の婉曲的な雰囲気が海外の人にとっての日本人のイメージに当てはまるから海外で人気なのかなと邪推した。(そもそも相対的に見れば日本人は実際に婉曲的なのだろうけど)村上春樹を読んで毎回感じる高いリーダビリティは読書の楽しさを思い出させてくれるのでこれからも定期的に読みたい。
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