ローマ人の物語(12) の商品レビュー
カエサリアン・オペレ…
カエサリアン・オペレーションといえば帝王切開のことですが、カエサルの頭の中では共和政ローマを帝政ローマへと移行する、つまりは地中海一帯とガリア全体を支配するにふさわしい国家へと大手術することこそが、それだったように思います。
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改革が言われる今だか…
改革が言われる今だからこそ。権力を手に入れた人は多いですが、これほど巧くそれを使った人は少ない。そんな風に思います。
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主にガリア戦役を書い…
主にガリア戦役を書いた一冊。戦争には軍事力だけでなく、外交能力がより必要なのか…と思いました。対戦相手からも信頼を得ること、今現在できている政治家はいない、としみじみ思ってしまいます。
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政治も武将でも最高レ…
政治も武将でも最高レベルのカエサル。共和制から帝政に変える改革が始まる。
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歴史上有名なクレオパ…
歴史上有名なクレオパトラとの恋愛。年齢を重ねながら魅力を増すカエサルの姿に惹きつけられます。
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戦の天才が政治の天才…
戦の天才が政治の天才っぷりをふんだんに披露してくれる一冊!!
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部下の失敗により、少…
部下の失敗により、少しけつまずくも、カエサルは改革を進行していきます。未来から見返せば、確かにそれは納得できる事ばかりですが、その当時からすれば不安いっぱいだった事でしょう。その違いを感じられます
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改革で大忙しのカエサル。それにしても、戦ってばかり。今で言ったら、働きっぱなしのカエサル。部下の失態に感情的にならず、常に俯瞰でみて、冷静に対処。カエサルが来れば、全てが丸く収まる。「来た、見た、勝った」はかっこよすぎだ。
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紀元前47年、エジプトから小アジア、ギリシアを経由してローマに戻ったカエサルは独裁官に任命される。続いて北アフリカやスペインでポンペイウスの残党を破り最高権力者となった後に「終身独裁官」に任命され帝政への道を開いたカエサルは種々の改革に着手するが、紀元前44年にブルータスらの手に...
紀元前47年、エジプトから小アジア、ギリシアを経由してローマに戻ったカエサルは独裁官に任命される。続いて北アフリカやスペインでポンペイウスの残党を破り最高権力者となった後に「終身独裁官」に任命され帝政への道を開いたカエサルは種々の改革に着手するが、紀元前44年にブルータスらの手によって暗殺される。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ユリウス・カエサル壮年期その2。ポンペイウスを打倒してもまだまだ状況は落ち着かず、アフリカに行ってヌミディア王朝を滅ぼしたり、ポンペイウス派の残党を処理したり、それらの功績をもってカエサルの人生で初の凱旋式をローマで挙行したりと、この巻もイベント盛りだくさん。ヘタな小説やドラマだったら「こんなにいろんなイベントを盛り込みまくったら話が破綻する。プロっと書き直せ」とか言われてしまうのかもしれないが、これが史実なのだから、やはりカエサル統治時代のローマはすごい。 この巻の後半は、カエサルによる様々なローマ統治の成果物について触れられている。ローマ世界で共通する暦であり、以後1600年近く使い続けられることになるユリウス暦の制定、貨幣鋳造のシステム化、ローマ世界での共通言語の設定、医師と教師という職業への重視姿勢の打ち出しなどを通じ、他民族をまとめる帝政、すなわち「皇帝」が誕生していく経緯が語られ、カエサルという人は着実に古いローマを解体し、新しいローマを創り上げていった人だったのだ、ということが分かる。 敵を殺さずローマに取り込んでいくことで、旧態依然とした元老院の力を削いだカエサルは、しかし敵対者に憎まれ、狙われることになった。 この時代の権力者であれば、敵対者は殺し、憎悪されないようにすることのほうが、恐らく楽だっただろうし、安全でもあったのだと思う。 そうしなかったのは、偏にカエサルという人の人格によるものであり、寡頭政ローマから帝政ローマに生まれ変わるために必要なプロセスでもあったためなのだが、そのためにカエサルは命を落とすことになる。 この巻の最後、ごく簡潔に「カエサルはパルティア遠征の前に元老院議場で暗殺される」とだけ記されている。 詳細は次巻以降。 単行本の構成としては、いい幕引きのしかたである。
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