スイートリトルライズ の商品レビュー
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なぜ、夫が妻がありながら、人は恋に落ちてしまうのか。 外から見れば、何の問題もなさそうな夫婦なのに。 瑠璃子と聡もそんな夫婦だ。 子供はいないが、料理のできる妻と温厚な夫。 経済的にも問題はない。 調和のとれた生活、会話。 しかし、どこか調和が「とれすぎている」。 本心は言葉には出さず、聞きたいことも聞けない。 強く責めるようなことではないけれども、少しずつ生じた埋められない思い。 相手が埋めてくれない、自分の欲求。 そこに、恋が入り込む隙間があるのだと思う。 やがて瑠璃子は春夫と、聡はしほと恋に落ちる。 それは必然のようだった。 お互いの求めていたものを埋めてくれる相手に出会ったのだから。 瑠璃子は、飢餓感を持っていた。 ふと気がついた。愛ではなく飢餓だ。そして、春夫とのむさぼるような関係で、その思いを満たしていく。 聡は、瑠璃子との生活に閉塞感を持っていた。 秘密のない瑠璃子との生活。そこに息苦しさを覚えはじめる。 しほとは気楽に接することができ、一緒に好きなゲームをして楽しく遊ぶことで、ほっとした時間をすごせるようになっていく。 言えないことが一つある方が、他のことを話しやすいと思った。 しかし、瑠璃子も聡も夫婦であることを捨てない。 恋をしているのは、夫婦生活を守るためだと、お互い自覚しているのだ。結局、瑠璃子は春夫に別れを告げ、聡はしほとの関係を続けていく。 この小説が語られるとき、瑠璃子の狂気じみた嫉妬にスポットがあたりがちだ。 でも、私はあえてこの話を誰にでも起こりうる話としてとらえたい。 春夫やしほは、飲み込んだ言葉や気持ちの向かう先なのだ。 「この相手でなくてはいけなかった」という存在ではない。 恋に落ちるのなんてこんなに簡単だと教えてくれている。 だから、気持ちと行動を分け、行動を自制することでしか防ぎようがないのだと。
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別の映画を観に行ったときに偶然見たCMで気になって、原作読んでみました。すっと入ってくる平易な文章で、読みやすいです。全体的な雰囲気も、好きな感じ。江國さんの本を読み始めたきっかけになった本です。
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「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」 不倫や浮気の理由で、こんなことを言われたとしたら、 なんて返事をしたらいいんだろう と考えてしまった。 この言葉はざんこくだ。笑 夫がすごく嫌だったなぁ。笑
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罪悪感があるなら、 浮気なんてしなければいいのに! 結局は、相手よりも 自分の幸せが大事だから 浮気するんじゃないだろうか、、、 なーんて感じた。 恋愛は個人の自由だけど、、 やっぱ一人の人をできる限り大事にしたいし、 大事にされたいよね。 読み終わってそう思った。いい恋...
罪悪感があるなら、 浮気なんてしなければいいのに! 結局は、相手よりも 自分の幸せが大事だから 浮気するんじゃないだろうか、、、 なーんて感じた。 恋愛は個人の自由だけど、、 やっぱ一人の人をできる限り大事にしたいし、 大事にされたいよね。 読み終わってそう思った。いい恋愛しよう。
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ある夫婦の話。 奥さんと旦那さんの両方の視点から描かれている。 それぞれが相手に秘密しながら、不倫を続ける。 結婚生活、不倫、浮気… 結局、不毛じゃない恋愛なんてないのかなって思った。 端から見ればすごく幸せそうな家庭も、とても仲良しな夫婦も、実際はどうだかわからない。 それなのに不倫をしてからの方が夫婦はスムーズな関係を築けるっていうのは不思議。 罪悪感?心の余裕? 幸せって何なんだろう。 この家にあるのは愛ではなくて「飢餓」だ。 全く逆なものだと思うけど、なんかわかる。 結局、みんな寂しいんだ。
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図書館にて読了。 私はこういうタイプの作品は あんまり好きじゃないので予想通りの読後感。 映画が中谷美紀だから観てみたいなと 思ってたけど、これじゃぁ観る気がしない。
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2012年19冊目。 212頁。 京橋図書館で借りる。 ≪本文引用≫ p.184 「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」
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順風満帆に見える夫婦でも、なにかしらの嘘や偽りはあるのでしょう…、お互いの不倫のお話です。 愛しているのに、不満があるわけではないのに…嘘は大切なものを守るためのもの。 わかるようなわからないような、甘い嘘を知らない私も、この先知ってしまう感情なのでしょうか。
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ちぐはぐでアンバランスな夫婦の間にある、甘くて空しい嘘の話。要するに不倫の話。それもダブル不倫。 よって、江國香織の文体を受け付けない方、不倫を受け付けない方には推奨できない一冊。 この本を一番最初に読んだのは、確か高校生の頃だったと思う。本屋で見かけて、衝動買いしたんだっけ。...
ちぐはぐでアンバランスな夫婦の間にある、甘くて空しい嘘の話。要するに不倫の話。それもダブル不倫。 よって、江國香織の文体を受け付けない方、不倫を受け付けない方には推奨できない一冊。 この本を一番最初に読んだのは、確か高校生の頃だったと思う。本屋で見かけて、衝動買いしたんだっけ。 当時は若かったというか、世の中の不正を受け付けない潔癖な面もあって、不倫の恋が気持ち悪くて仕方なかった。「夫婦って一体何なんだ」という疑問を持ち始めたのは、思えばこの本がきっかけかもしれない。 それでも、瑠璃子が料理研究家、兼ベア作家としてお仕事してる部分と、装丁にグッと来たから処分はしなかった。またいつか、手に取りたくなると思っていたし。 で、今日、改めて読み直してみた。 すると、なんだかとても寂しい気持ちになった。 「この物語の夫婦は、どことなく不器用で。けれど、その不器用さに立ち向かうだけの気力があるわけでもなく。ただ時と状況の流れるままに、なんとなく毎日を過ごしている」そんな印象を持ったからだと思う。それは江國香織さんのふわふわした文体のせいかもしれないし、流れるままで何一つ抵抗しない夫の性格のせいかもしれないし、私の思い込みかもしれないし、よくわからないのだけれど。
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素敵素敵。そうそうこういうの。 って思ってたら、これも映画になってたの!?ふむ。 こっちの本は第1刷だけど、これはたまたま第1刷なだけなのかな。 この夫婦が結局どう思ってるかわからない、っていうような感想みかけたけど・・・(そしてこうやって書いてしまってすみません) こんだけ正直...
素敵素敵。そうそうこういうの。 って思ってたら、これも映画になってたの!?ふむ。 こっちの本は第1刷だけど、これはたまたま第1刷なだけなのかな。 この夫婦が結局どう思ってるかわからない、っていうような感想みかけたけど・・・(そしてこうやって書いてしまってすみません) こんだけ正直にありありと書かれているのに、分からないの?ほんとう?? ふしぎ。 主人公の瑠璃子はアスペルガーだと思う。 わたし、よく分かるんだもの>< 夫婦ってなんなのかなぁ~ 夫婦って多かれ少なかれ、こうゆう要素あるでしょ? 男はしたいことだけしたいし、女は男が結婚前みたいに求めてくれるのを待つばっかりでしょ? 前はそうじゃなかったのに。 既婚者がとおる道だと思うのだけど・・・世間の人は違うのかなぁ あ! 結局、どっちも自分のことしか考えてない・考えられない ってことかな やっぱり女も男も自分を曲げなれないってことなのかな 何年後かに読み直して、このあと結局こうなったんだよね~ と、 今の自分話しかけたいです。
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