魔笛 の商品レビュー

野沢尚(著者)

2009/10/04

＜内容＞
白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ!二千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔は実行犯の照屋礼子を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。

2009/10/04

この野沢尚って人はすごいよ！

たぶんすごすぎたんだよ。

『魔笛』は他の野沢作品よりちょっと難しかったかなぁ。

でもスリル満点！

どんどん読めちゃいます！

もうね説明の必要ない！

2009/10/04

分厚い小説だったけど一気に読んじゃった。
宗教、爆弾テロ、殺人者の心理…
緻密な心理描写に引き込まれました。
頭の中でこれを全部考えて、
大きな物語の中で繋がっていく感じが野沢。

こわかった。ほんとこわい。

2009/10/04

渋谷のスクランブル交差点での爆破テロ。
犯人が獄中で綴ったという形式で書かれています。
地下鉄サリン事件を思い浮かべさせられる作品。

2020/07/15

渋谷のスクランブル交差点で実行された爆弾テロの犯人と、それを追う刑事の物語。話しは犯人の側の視点から書かれており、逮捕後に、犯人が刑事にインタビューした内容を元に書いた手記という形式になっている。
江戸川乱歩賞の候補になっていたというけれど、実在する、特定の新興宗教団体を想起させる内容のために、取り下げになったらしい。
現役の刑事が服役中の囚人と結婚をしたり、新興宗教の幹部が元公安の人間だったりと、ちょっと設定が現実離れしすぎな感じはあるし、爆弾処理班の人も、実際にはあり得ないぐらいの勇敢さなので、あまりリアルさは感じられないけれど、展開や人間関係がドラマチックで、物語としての面白さは充分にある作品だと思った。

無思想とは、思想をゼロにすることではない。思想を取り替え可能な技術にすぎないものとして扱う態度である。日本人が、仏教やキリスト教やマルクス主義を本来の思想としてではなく、組み換え可能な技術として受容してきたのは、神道という「たたずまいの美意識」というマナーを持っているからだ。(p.102)

私と同じように出家した信者は、どれも同じ顔に見えた。
彼らは一様に「純粋病」にかかっていた。不純な世の中を自分の手で立て直したい。こうした欲求を引き受けてくれたのが、かつてはファシズムや左翼イデオロギーだった。純粋なるものがこの世の宝石であると信ずる病気に、誰でも青年時代に一度はかかるものだが、いつまでたっても純粋病患者を卒業できない人間とは、本人は自覚していなくても、実は裏返しの権力主義者なのだと私は思う。(p.123)

2009/10/04

人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉
白昼の渋谷を襲った無差別爆弾テロ！爆風を背に立ち去ったのは、公安が過激な教団に送り込んでいた女だった。何が彼女を変えたのか？
白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ！2千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔（なるおりょうすけ）は実行犯の照屋礼子（てるやれいこ）を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。
（著者からの内容紹介）

管理人：
これはねー。重い。“犯罪”というものに対してもつ人の心理。人というコインがあるなら、表は正義でも裏は悪かもしれない。 なーんてね♪

読む価値あり。

2009/10/04

東京のど真ん中でテロが起きる話。
警察に捕まりたい犯人。
犯人に指名された警察官。
新興宗教の仕業か！？
宗教について少しだけ興味を持てた。

2009/10/04

オウムを思わせるカルト教団に潜入した元公安捜査員が、テロリストへ変貌。書き出しの、渋谷交差点爆弾テロの迫力で一気に読まされた。新幹線での暇つぶしのつもりでキオスクでこの本を手に取ったのが、野沢作品にはまるきっかけに。

2009/10/04

読み終わりました　なんか深いですね内容が...　ストーリーよりも物事の説明の文章が多いと読んでいて思ったのですが、最終的にはそれも良しという感じ　人の心の奥には人それぞれ隠された何かがあるんですね

2009/10/04

遺作になってしまった作品。この人は呼人あたりからとても反体制側の人をメインにした話が多かったけど、そのあたりもなんか思うところがあったのかしら。。。なにわともあれ合掌。