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日本はなぜ敗れるのか の商品レビュー

4.3

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/05/27

先の大戦の考察を通して、日本人の物事の考え方の「癖」を指摘した本。 原発のことがあって思い出した。 多分日本人は昔からあまり変わっていない。 そう思うからもう一度読み直してみようかなぁとおもっている

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2012/05/14

例外状態によって照らし出された日本人の(自らを危機におとしめる)性質を丁寧に書き出している。原発事故に対する政府の対応を見ると、本質は何も変わっていないのではないかと薄ら寒くなる。自分もそんな日本人の一人として自己認識をし、悪しき習慣・思想から脱却したい。

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2012/05/14

太平洋戦争時にフィリピンに赴いた小松氏が記した敗因二十一ケ条を元に、日本軍の限界、日本人が元々もっている精神構造の問題点から、太平洋戦争の敗戦の原因を分析した本。 さすが山本七平だなあと思わせる分析力で、唸ることが多かった。元は1975年から76年の野性時代に載せたものだが、ま...

太平洋戦争時にフィリピンに赴いた小松氏が記した敗因二十一ケ条を元に、日本軍の限界、日本人が元々もっている精神構造の問題点から、太平洋戦争の敗戦の原因を分析した本。 さすが山本七平だなあと思わせる分析力で、唸ることが多かった。元は1975年から76年の野性時代に載せたものだが、まだまだ古さを感じさせなかった。

Posted byブクログ

2012/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1.精兵主義の軍隊に精兵がいなかったこと、2.物量・物資・資源、3.日本の不合理性・米国の合理性、4.将兵の素質低下、5.精神的に弱かった、6.日本の学問は実用化せず、7.基礎科学の研究をしなかった、8.電波兵器の劣等、9.克己心の欠如、10.反省力なきこと、11.個人としての修養をしていない、12.陸海軍の不協力、13.一人よがりで同情心がない、14.兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた、15.バアーシー海峡の損害と、戦意喪失、16.思想的に徹底したものがなかった、17.厭戦気分、18.日本文化の確立なきこと、19.日本は人命を粗末にしたこと、20.日本文化に普遍性なきこと、21.指導者に生物学的常識がなかったこと 以上が敗因21箇条であり、一見すると戦争の敗因を示しているようであるが、現代にも共通する貴重な教訓を含んでいる。とりわけ反省力がないこと、文化の確立がない、不合理性、思想的に徹底したものがない、といった点は現在の政治の混迷を見ていて納得できる。日本人としてどこへ向かい、何をすべきなのか、考えさせられる一冊です。

Posted byブクログ

2012/03/21

――――――――――――――――――――――――――――――○ 小松氏にはゲリラとも話し合いができた。そして結局、ゲリラとの話し合いのできる人間だけが、対日協力者とも話し合いができ、相互に納得できる了解に達しうることができたわけである。147 ――――――――――――――――――...

――――――――――――――――――――――――――――――○ 小松氏にはゲリラとも話し合いができた。そして結局、ゲリラとの話し合いのできる人間だけが、対日協力者とも話し合いができ、相互に納得できる了解に達しうることができたわけである。147 ――――――――――――――――――――――――――――――○ だれ一人として、「彼らには彼らの生き方・考え方がある。そしてそれは、この国の風土と歴史に根ざした、それなりの合理性があるのだから、まずそれを知って、われわれの生き方との共通項を探ってみようではないか」とは言わなかった。従って、一切の対話はなく、いわば「文化的無条件降伏」を強いたわけである。148 ――――――――――――――――――――――――――――――○ もし許されないことがあるなら、自己も信じない虚構を口にして、虚構の世界をつくりあげ、人びとにそれを強制することであると思う。簡単にいえば、日本の滅亡より自分の私物が心配なら軍人になるのをやめ、日本の運命より家作が心配なら、はっきりとそう言ってその言明にふさわしい行動をとればそれで十分だということである。307 ――――――――――――――――――――――――――――――○

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2011/11/03

ほかの新書とちがって、「速読」が難しい本。 筆者の危機感が、「今に通じる」点が多く、読みながら考え込んでしまって、なかなか前に進めなかった。 涙や感情に訴えるのではなく、論理的にドライに、「戦争というのが割に合わないこと」と納得できたし、戦争=戦闘ではなく、ロジスティクスやマネ...

ほかの新書とちがって、「速読」が難しい本。 筆者の危機感が、「今に通じる」点が多く、読みながら考え込んでしまって、なかなか前に進めなかった。 涙や感情に訴えるのではなく、論理的にドライに、「戦争というのが割に合わないこと」と納得できたし、戦争=戦闘ではなく、ロジスティクスやマネジメントも全部ひっくるめての戦いなのだということもよくわかった。

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2011/10/13

太平洋戦争時にアルコール醸造技術者としてフィリピンに赴いた小松真一氏が収容所で記した「虜人日記」の敗因二十一ケ条を元に、太平洋戦争の当時の日本軍の実態、日本人の精神構造から敗因を分析。 著作は1975年なのに古さを感じさせなず、日本の現状にもそのまま当てはまる普遍性が怖い。

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2011/10/11

戦争の敗因を分析しながら、日本人はどんな思考の癖があるのかを痛いほど教えてくれる。過去を振り返ると、思い当たる節がある。こういう思考の癖を知っておくのは大事だと思う。  ・精兵でないとできない仕事ばかり要求  ・不合理  ・精神論でごまかす  ・思想的に徹底したものがない  ・戦...

戦争の敗因を分析しながら、日本人はどんな思考の癖があるのかを痛いほど教えてくれる。過去を振り返ると、思い当たる節がある。こういう思考の癖を知っておくのは大事だと思う。  ・精兵でないとできない仕事ばかり要求  ・不合理  ・精神論でごまかす  ・思想的に徹底したものがない  ・戦略は気合を示すためのもの  等

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2011/11/05

現代の日本の組織にもあてはまる反省事項が満載。こうやって書き留められていても忘却されてしまう。 ~ 再読。小松真一氏の指摘は、どれも現代日本の組織の問題としてもあてはまる。敗因二十一カ条はどれも暗唱できるほどに頭に入れるべき。『精兵主義に精兵がいなかった事』など、笑えないほど現実...

現代の日本の組織にもあてはまる反省事項が満載。こうやって書き留められていても忘却されてしまう。 ~ 再読。小松真一氏の指摘は、どれも現代日本の組織の問題としてもあてはまる。敗因二十一カ条はどれも暗唱できるほどに頭に入れるべき。『精兵主義に精兵がいなかった事』など、笑えないほど現実そのままである。

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2011/04/18

日本研究者であり、陸軍少尉として南方戦線に立っていた著者が戦争の敗因について考察し、その考察からは日本人と言うものが見えてくる。 日本の敗因は、アメリカが圧倒的な物量を持っており、日本が少なかったからではない。 敗因は日本人のなかにこそある。そして、敗因を反省しないので、この...

日本研究者であり、陸軍少尉として南方戦線に立っていた著者が戦争の敗因について考察し、その考察からは日本人と言うものが見えてくる。 日本の敗因は、アメリカが圧倒的な物量を持っており、日本が少なかったからではない。 敗因は日本人のなかにこそある。そして、敗因を反省しないので、この日本人としての特性は戦後も全く変わっていないということも指摘している。 例えばその一つ。戦中日本を取り巻いていた「或る力」に拘束され、明言しないことが当然しされてきた。みな、心にもない虚構しか口にしない。これは戦前戦後を通している原則である。 このことは、昨今の自粛という言葉が日本を覆っていることに共通性を見出してしまうのだ。

Posted byブクログ