日本はなぜ敗れるのか の商品レビュー
本書は「虜人日記」(フィリピンでアルコールの製造に携わって、敗戦を迎えた小松真一氏の記録)と著者自身の体験をもとに、なぜ日本は太平洋戦争に負けたのか、そして、戦後日本にも受け継がれている日本の弱点は何かを論じている。 「虜人日記」に挙げられている敗因は21か条あり、本書は12章...
本書は「虜人日記」(フィリピンでアルコールの製造に携わって、敗戦を迎えた小松真一氏の記録)と著者自身の体験をもとに、なぜ日本は太平洋戦争に負けたのか、そして、戦後日本にも受け継がれている日本の弱点は何かを論じている。 「虜人日記」に挙げられている敗因は21か条あり、本書は12章構成となっているが、まとめとして挙げられているのは「日本には自由がない」ということである。つまり、「建前」が「現実」を支配しており、皆がおかしいと思っていてもそれを口に出せないことが、戦前戦後の日本を貫く欠点だと述べられている。
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日本という国の戦時中から現在に至るまでの体制について冷酷且つ客観的に書かれていると思う。 そして読破後、この国特に政権の進歩の無さを改めて認識することになった。
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小松真一著「虜人日記」を目にした著者が感銘を受け、自らの体験及び持論に絡めて解説した著作。 南方にて大戦を経験した両氏は、同じことを感じ、同じことを考えているのだが、その考えが戦後日本に活かされていないことを憂えている。一次資料としての「虜人日記」の高い評価と著者の力強い論理的...
小松真一著「虜人日記」を目にした著者が感銘を受け、自らの体験及び持論に絡めて解説した著作。 南方にて大戦を経験した両氏は、同じことを感じ、同じことを考えているのだが、その考えが戦後日本に活かされていないことを憂えている。一次資料としての「虜人日記」の高い評価と著者の力強い論理的な意見は、説得力があり、まさに正論といえよう。 内容が発散せずに、一人の戦争体験に一点集中的に焦点を当てて詳細に分析・論述しているところがすばらしい。
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【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・
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戦時中に書かれたある兵士の手記を著者の体験を織り混ぜながら解説している。 これまで一般的に普及しているステレオタイプの戦争体験や戦争観を払拭するものである。内から感じとったものと外から見聞したものとは一線を画するが、内から感じ取ったものを丁寧に説明しているところが感銘を受けた。日...
戦時中に書かれたある兵士の手記を著者の体験を織り混ぜながら解説している。 これまで一般的に普及しているステレオタイプの戦争体験や戦争観を払拭するものである。内から感じとったものと外から見聞したものとは一線を画するが、内から感じ取ったものを丁寧に説明しているところが感銘を受けた。日本人としてぜひとも多くの人に読んで欲しいと感じた。
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この本もう何度読み直しただろうか。10年以上も本棚に置いてあり折に触れ読み返している。小松真一著「虜人日記」を紹介しつつ、山本七平氏が解説を加えていく体で構成されているこの本を読めば、日本人というものがどんなものなのか、よくわかる。太平洋戦争末期の状況下における日本人たちの振る舞...
この本もう何度読み直しただろうか。10年以上も本棚に置いてあり折に触れ読み返している。小松真一著「虜人日記」を紹介しつつ、山本七平氏が解説を加えていく体で構成されているこの本を読めば、日本人というものがどんなものなのか、よくわかる。太平洋戦争末期の状況下における日本人たちの振る舞い。 時折「日本の軍備は実はどこそこの国よりも凄いから、日本人が戦争をしたとして弱くはないのだ」というような物言いを見かけるが、ハード重視ソフト軽視な日本人らしい見方だと思う。この本に示されている「出鱈目な人たち」は、まんま、昨今会社で見るあの人や電車で見掛けるあの人らと、何ら変わらない。今日本が戦争に参戦したとして、どんなことになるのかは、この本を読めば火を見るより明らかだ。 そして戦争に限らず、外交や諸々の政策において、日本のダメさというのは、小松真一氏が敗因二十一ヵ条としてまとめたうちのひとつ「日本文化に普遍性なき為」これが非常に大きいのだと、思わざるを得ない。
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今も、戦前と変わらない日本人の思考様式を再発見することができる。 ・いきあたりばったりの思考 ・量だけ増やして同じ方法をやめれない ・ネガティブな事実をニュートラルな言葉に置き換えて、真実か目をそらす気質 ・思想的貴族の、真の貴族の不在。 ・押し着せられた、思考や組織を採用して...
今も、戦前と変わらない日本人の思考様式を再発見することができる。 ・いきあたりばったりの思考 ・量だけ増やして同じ方法をやめれない ・ネガティブな事実をニュートラルな言葉に置き換えて、真実か目をそらす気質 ・思想的貴族の、真の貴族の不在。 ・押し着せられた、思考や組織を採用して、うまくいかなないときにどうにも動けない日本人 ・芸の絶対化。職人礼賛的な思考様式が、結局は、その職人を成立させている前提条件が変わっても、それを認めようとせずに、それを貫きとうし、最後に崩壊するまで続ける ・思想的不徹底さ。。。 書ききれないが、すべてが現代の日本にも通じている。
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名著、著者の体験と軍属の化学者の(きわめて客観的な)記録を下に、日本が第二次世界大戦で敗れた理由について、全11章に渡って述べている。戦争と言う極限状態において起きた悲惨な事実から、日本人の本性とそれ故に抱える問題を指摘する。さらに筆者は「日本は反省力なき」故に戦後30年経ても、...
名著、著者の体験と軍属の化学者の(きわめて客観的な)記録を下に、日本が第二次世界大戦で敗れた理由について、全11章に渡って述べている。戦争と言う極限状態において起きた悲惨な事実から、日本人の本性とそれ故に抱える問題を指摘する。さらに筆者は「日本は反省力なき」故に戦後30年経ても、それらが改善されていないと続く。戦後70年経った現在はどうであろうか?書の後半で述べられる日本の将来に向けた提言は現代でも一読の価値がある(一読の価値があることが問題であるが、反省力なきゆえ仕方ないのか)
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いちいち、つくづく、七平さんの指摘のとおりだと思いました。 以前に太平洋戦争の本を読んだときには、あの戦争は、現在の自分とは無関係の、過去の、主に男の人たちのやったことと思っておりましたが、これを読んで、今の自分の中にあるものと痛感したことが多かったです。 七平さんはこの日本人の...
いちいち、つくづく、七平さんの指摘のとおりだと思いました。 以前に太平洋戦争の本を読んだときには、あの戦争は、現在の自分とは無関係の、過去の、主に男の人たちのやったことと思っておりましたが、これを読んで、今の自分の中にあるものと痛感したことが多かったです。 七平さんはこの日本人の特徴は、明治以来続いている、と書いていましたが、私は薩摩藩が関ヶ原で正面突破したときにすでにあらわれていたように思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本が第二次世界大戦でなぜ負けたのか? 戦前・戦中・戦後を生きた著者山本氏(戦時中軍人→捕虜→帰国)が、戦後からの視点・思い出で語られた分析・批評ではない、一国民・一文官(陸軍付き)として戦争を体験した小松真一氏(戦時中軍属文官→捕虜→帰国)の記した「虜人日記」(山本氏曰く現地性・同時性をもった目撃者の記録)を元に、日本の敗因について記述。 小松氏の挙げた敗因21ヶ条や山本氏の解説分析する出来事(バシー海峡の悲惨であまりに知られていない出来事、員数と実数、ルソンでの日本軍・軍属の出来事、山での出来事、pw・収容所での出来事、現実と虚構等々)は、現在の日本でも当てはまることが多いと痛感。 ・・・戦争を経ても真の意味の反省ができておらず、あまり変わっていないかも。。。 あとがきより・・・ 兵士であるのに戦場にも着けず、海の中に消え、餓死し、住民に虐殺され、人肉を喰らうところまで追いつめられ、また食われた人々。 彼らに「安らかに眠れ」とは言えない。・・略・・ 敗戦の、原因と責任者の究明は、いまだ終わっていない。しかしそれをしなければ、また地獄を見る日が来るのではないか。・・・平成16年イラク報道に接しながら・・横山氏 明るい希望もある。「無一物中無尽蔵」
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