煙か土か食い物 の商品レビュー
とりあえずタイトルの意味が謎だったけど、それは分かってみれば何てことはない話。ひたすら四男の独白形式でストーリーが進み、勢いに任せて書きまくりました的ニュアンスは十分に伝わってくるけど、それ即ち逸品を意味しない。やっぱり自分的には、練りこまれた長編作品をじっくり味わう、っていう読...
とりあえずタイトルの意味が謎だったけど、それは分かってみれば何てことはない話。ひたすら四男の独白形式でストーリーが進み、勢いに任せて書きまくりました的ニュアンスは十分に伝わってくるけど、それ即ち逸品を意味しない。やっぱり自分的には、練りこまれた長編作品をじっくり味わう、っていう読み方のほうが好きかも。トリック的にもそこまで絶品ってことはなかったし、これを読んで、もっともっとこの作者の作品を!とは思わなかったです。
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今更ながら舞城王太郎の処女小説。 確かにいつか死ぬのなら生きていく意味は無いんじゃないかと思うことは無いことはない。 それでも、どこかで生きていく意味はきっとあると思っている自分もいるわけで、推理小説ではあるけど、「生きるとはなんぞや」っていうのを軸にした物語でもあるのかなと思う...
今更ながら舞城王太郎の処女小説。 確かにいつか死ぬのなら生きていく意味は無いんじゃないかと思うことは無いことはない。 それでも、どこかで生きていく意味はきっとあると思っている自分もいるわけで、推理小説ではあるけど、「生きるとはなんぞや」っていうのを軸にした物語でもあるのかなと思う。 独特の文体だし、文字も多いから人によっては忌避するだろうけど、でも読んでくれと思う。
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読み返すと、やはり評価が上がる舞城。 石狩鍋を諦める兄弟の部分とか、なんで口語でこんなリアルなんだろう、下手するとペラッペラな描写になるのに。 14.09.10
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『好き好き大好き超愛してる』を読んで以来。饒舌だな…というのがストレートな感想。最初は読みにくかったが、慣れたらスイスイ読めた。 文中で他の小説や文学の話が始まったりして、ひねくれてるなぁと思う。でも、やっていることはものすごく直截的で、直截的すぎてかえってひねくれて見える、...
『好き好き大好き超愛してる』を読んで以来。饒舌だな…というのがストレートな感想。最初は読みにくかったが、慣れたらスイスイ読めた。 文中で他の小説や文学の話が始まったりして、ひねくれてるなぁと思う。でも、やっていることはものすごく直截的で、直截的すぎてかえってひねくれて見える、そんな感じだろうか? 家族愛、という言葉が浮かんだが、思えば以前読んだ『好き好き~』も、”愛”というものにストレートに切り込んだ小説だった(気がするが、正直あまり覚えてない)。身近にありながら曖昧とした”愛”という概念に対して、ひねくれた、直截な著者の語り方がベストマッチしているような気がした。終盤の疾走感が特に好き。
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※このレビューにはネタバレを含みます
怒涛の勢いに「ああもう! 舞城さん! 好き!」と悶える。これは何? 恋? (←違) 血と呪いと愛がやばい。甘々バイオレンス疾走エンタメ(※ただしヤンデレではない)。 私は特に、血縁ならではの閉じたドメスティックな愛憎の描き方が絶妙だと思った。特に二郎と丸雄の関係がそうだ。「自分を捨てないで」「いい子にするから」「自分が悪かった」という二郎に対し、「お父さんが悪かった」「お父さんを許してくれ」「これからいいお父さんになる」と言う丸雄。愛の負の連鎖、そして依存。 そんな中、やがて目覚める二郎の圧倒的とも言える超暴力。吹き荒れる力とカリスマ性。それなのに、丸雄と二郎の関係は変わらず、どんどんエスカレートしていく。何も変わらない、どうにもならない。家族だから、というその事実にぞくぞくする。血まみれになっても愛はそのまま。傷つけあっても呪いは絆。死ぬまで一緒だよ、ベイビー。 この前に読んだのが『阿修羅ガール』だったため、この作品では「エンターテイメントを意識しているなぁ」という印象が強かった。あまりミステリー関係ないなと思うし、トリックや暗号も一体何だったんだ? と思うけれどオールオッケー。そうですいいんです、マイジョーさんだから(私は一体何様なんだ)。 キャラもハチャメチャでよかった。特に主人公のケンカ強くて頭良くて、眠れないハイテンションスーパー外科医の四郎は最高。笑。すっげぇなー。彼が最後の最後でその腕を発揮するところは、やっぱお医者さんってすごいんだな……と素直に感動した。 なので、彼の最後の一言が私はとても好きだ。そうだね、ゆっくりお休み、と言いたくなった。 (ところでこのラスト、私は村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』のラストととても被るのだが、同じ意見の人はいないだろうか……?)
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一つ一つの文章が、一息で読み切れそうな口語体で構成されてて、テンポが良かった。 多分、作者を隠されて文章だけ読んでも正解することができる。それくらい個性的な文章だった。あと、スムーズに読み進めていく中で、ちらほらと「良いなぁ」と思う表現がさりげなく混ぜ込まれてある。口語体中心で、...
一つ一つの文章が、一息で読み切れそうな口語体で構成されてて、テンポが良かった。 多分、作者を隠されて文章だけ読んでも正解することができる。それくらい個性的な文章だった。あと、スムーズに読み進めていく中で、ちらほらと「良いなぁ」と思う表現がさりげなく混ぜ込まれてある。口語体中心で、方言や物騒で下品な言葉がバンバン出てくるけど、不意に現れるその美しい表現が文章にメリハリを与えていると感じた。 内容は、僕は家族についてだと思いました。作品のテーマだのなんだのは、読み手が好き勝手に受け取ればいい話であって、とりあえず僕は家族愛だと。 僕自身は三人兄弟で真ん中、言ってしまえば、人数は少ないながら二郎のポジションにいることになる。次男っていうのは一般的にも少し不遇な立場なのかなと考えている。一人目はもちろん初めての子どもだから当然可愛がる。二人目は言っちゃ悪いけど、こ慣れ感が出ちゃうと思う。可愛がられる。それは可愛がられるけど、やっぱりちょっと違うのかなと感じる。三人目は最後の子だから可愛くてしょうがないよね。 まぁ、大体これが兄弟についてのおおまかな意見です。二郎は反発して反発して、親からの愛情を感じる機会が少なかった。かと言って、丸雄と母が二郎を愛して無かったということはなくて、愛してるのに、上手く行かない家族を見てるのは辛かったです。 ただ、クライマックスで丸雄が発した言葉を聞いて、僕も四郎と一緒で丸雄を許そうという気になりました。 気が付いたら僕もまた、四郎で二郎で一郎で三郎で丸雄だったんですかね。 よく分かりません。 しかし、ミステリーとしては特に驚きはなかったかなという印象でした。 強引すぎると思うようなこじつけ(四郎自身も言ってますけど)が多々あり、そんなの知らん!と言っちゃうかもしれないです。だから、ミステリーとして読むことはオススメしないです。
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たしかに多くの方が指摘するようにテンポが良い。口語的な文体はそのうえを滑るように読む感覚がある。特徴的で癖のある文章、その序盤で僕はアラン・シリトーがピカレスクを目指した『土曜の夜と日曜の朝』を思い出す。主人公、奈津川四郎の態度が何処と無くアーサー・シートンみたいな“80年代英国...
たしかに多くの方が指摘するようにテンポが良い。口語的な文体はそのうえを滑るように読む感覚がある。特徴的で癖のある文章、その序盤で僕はアラン・シリトーがピカレスクを目指した『土曜の夜と日曜の朝』を思い出す。主人公、奈津川四郎の態度が何処と無くアーサー・シートンみたいな“80年代英国の怒れる若者”のように映る。ただし、四郎が故郷に戻り福井弁で会話しだすとまた違った個性が確立されて魅力的になってくる。
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色々破綻してるんだけど、それがそのまま破天荒な面白さに直結してる。 もの凄い情報量なのにそれを感じさせないのも凄い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
【読了日】 2014.07 【タグ】 小説 【経緯】 脱「舞城」童貞のため ---------------------------------------------- 即物的なタイトルが冠された家族の情愛の物語。 構成上やや稚拙なのではないかと思われる箇所もありましたが、読後には「おもしろいものを読んだ」という満足感がありました。 方言で語られ、短い会話をつなぎあわせていくリアルな台詞の数々が、この作品に大きな魅力を与えているのは確かだと思います。 よく言われる独特のスピード感やドライブ感については、そんなに強く印象に残ったわけではありませんでした。
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面白い。 家族愛の話だった。泣けそうだったけど泣かなかった。 改行がないくせに文章が口語体だから疾走感がすごい。 っていうかルンババ出てきてビックリした!笑 こっちがデビュー作だから「世界は〜」の方がスピンオフ作品なわけね! トリックもいちいち凝っていて楽しかったけど、やっぱり家...
面白い。 家族愛の話だった。泣けそうだったけど泣かなかった。 改行がないくせに文章が口語体だから疾走感がすごい。 っていうかルンババ出てきてビックリした!笑 こっちがデビュー作だから「世界は〜」の方がスピンオフ作品なわけね! トリックもいちいち凝っていて楽しかったけど、やっぱり家族、兄弟の絆を一段と強く強調した作品だと思うし、そこが良かったと僕は感じた。 あと、陽子が丸雄とどうして結婚したのか知りたかった。
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