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真珠の耳飾りの少女 の商品レビュー

4.2

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    13

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2014/10/08

少女の恋心を描く。 感情移入させられて、他者の優しさに期待し、主人公の少女と同様の裏切りに似た感覚を読者は受ける。 なぜか谷崎潤一郎の春琴抄に似たものを感じた。 他人にオススメできる良書だが、気持ちよく読み終われるものではない。

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2014/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」から創作した小説。絵のモデルを女中に設定して一人称で語らせる。主人公を引き立たせるためにしようがないのだろうけど、フェルメールのパトロンや奥さんがかなりダメな感じに描かれている。『デルフトの眺望』を読んだ直後だったからか、人物設定が表面的に感じられて楽しめなかった。

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2014/05/25

TEDで作者がプレゼンしてたのを観て、作者に好感が持てたので読んでみた。フェルメールについては有名な絵しか知らないけどこんな感じだったのかなと面白かった。図書館で画集が見たくなった。

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2013/05/03

フェルメール家に女中として入った16歳の少女が語る絵が描かれるまでの話。実際のモデルは謎らしいが、時代背景や家族構成等は史実に基づいているらしい。16歳とは思えない強い意志を持った女性として描かれているところは現代視点か。

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2012/10/11

*ネタバレます* 小説は少女の一人称で物語りが進む。 フェルメールが本当はどう思っているのか、わからない。 少女の片思いかもしれないし、少女の妄想が当たっているかもしれない。 恋愛小説は苦手(全然読まない)だが「とうとう叶わなかった恋」は好きだ。 人生なんて思うようにいかないも...

*ネタバレます* 小説は少女の一人称で物語りが進む。 フェルメールが本当はどう思っているのか、わからない。 少女の片思いかもしれないし、少女の妄想が当たっているかもしれない。 恋愛小説は苦手(全然読まない)だが「とうとう叶わなかった恋」は好きだ。 人生なんて思うようにいかないもの。 この小説がグッと自分に近づいてきて、摑み掛かってくるような感覚がたまらなく好きなのだ。

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2012/10/01

この時代を感じさせる空気が とても鮮明。 猥雑、清廉、嫉妬、秘密、 そして、それらを内包する 官能。

Posted byブクログ

2012/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

誰もが一度は目にしたことがあるあまりに有名なフェルメールの“真珠の耳飾の少女”。この絵の中で大きな眩い真珠の耳飾を付け、こちらを振り返っている少女フリートを主人公とした物語である。少女は家族を支えるために16歳で奉公に出ることに。行き先は、絵描きフェルメールの家だった。家族と離れ、見知らぬ家庭に懸命に仕えるフリートには特別な仕事があった。それは、フェルメールのアトリエの掃除である。アトリエはフェルメールの妻ですら立ち入ることができない場所だ。フリートはやがてフェルメールの絵に関心を持ち、フェルメールにも好意を抱くようになる。女中として働くフリートには決して許されないことであったのだが。 物語に登場するフェルメールの絵は全て実在する。フリートがモデルとなった絵“真珠の耳飾りの少女”はどのように描かれたのだろうか。実在する絵と共に物語を楽しんでみてはいかがか。

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2012/08/05

ちょっと気になっていたあの少女。フェルメール…いや芸術全般詳しくないので大丈夫かなと思いながら読んでみたけど、とてもおもしろかった。どこまでが史実で創作なのかわからないが、一枚の絵からこれだけの素晴らしい物語を生み出せるとは凄いものだ。読みながら表紙の絵を見てはの繰り返しで、物語...

ちょっと気になっていたあの少女。フェルメール…いや芸術全般詳しくないので大丈夫かなと思いながら読んでみたけど、とてもおもしろかった。どこまでが史実で創作なのかわからないが、一枚の絵からこれだけの素晴らしい物語を生み出せるとは凄いものだ。読みながら表紙の絵を見てはの繰り返しで、物語が進んで行く内に、あの絵の表情は、あのまなざしはこういうことなのねと解説してくれるようで。芸術を介しての2人の恋とも云えぬ慕情というか描写がとてもよかった。フェルメールがフリートに真珠の耳飾りを着ける場面がとても美しかった。

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2011/12/09

 すごく女性性について考えさせられる作品だった。    フェルメールの作品の中で特に有名な「真珠の耳飾りの少女」に描かれている少女のお話。絵画を元に、その絵が作られた背景を書く小説というのは珍しい。もちろんフィクション。    主人公のフリートは父が失明して働けなくなったため、フ...

 すごく女性性について考えさせられる作品だった。    フェルメールの作品の中で特に有名な「真珠の耳飾りの少女」に描かれている少女のお話。絵画を元に、その絵が作られた背景を書く小説というのは珍しい。もちろんフィクション。    主人公のフリートは父が失明して働けなくなったため、フェルメールの家に奉公にいくことになる、というのが簡単なあらすじ。    フリートはとても「目がいい」。作中で何度も目が大きいとも言われる。色に対する感覚も優れいている。そのせいかはわからないが、フェルメールに気に入られるようになる。そして、新人女中が旦那に気に入られると、奥様や先輩女中から反感を買うのは当然の流れ。  そして、仕事で買い物へ行く肉屋の息子もフリートに心を寄せている。両親からは身分が釣りあって、なおかつ肉という贅沢品を手に入れることができる息子との結婚するようにしむけられる。  フリートは17歳で、ちょうど自分の女性性を意識し始める年頃。道行くおじさんに好奇の目で見られたり、門番の兵士から情報を聞き出そうとすると体を要求される。  さらに、フェルメールのお得意様からも目をつけられてしまう。そのお得意様は隙あらばフリートにちょっかいをだそうとする。そして、フェルメールにフリートの絵を描くように要求する。お得意様からの頼みを断ることも出来ず、フェルメールはフリートの絵を書き始める。  フェルメールにモデルになれと言われれば、女中のフリートはモデルになるしかない。奥様を一度も絵に描いたことがないフェルメールが、フリートを描くとどんなことになるか分かっているのに。  さらに、肉屋の息子との関係も順調にすすんでいるのに、その絵のことが世間に知れたら大変なことになる。色々な人間の仲でフリートは板挟みになっていく。  フリートは父のせいで奉公にだされ、フェルメールに気に入られたため他の人からの風当たりは強くなり、家のために肉屋の息子とくっつくようにしむけられる。女だから、自分で物事を決めることも文句をいう事もできずに流される。そして誰もフリートのことを考えてはくれやしない。  また、フェルメールはフリートを気に入っていて肉屋の息子やお得意様に嫉妬をするが、だからといってフリートの味方にはなってくれない。  そんな周囲に耐えながらひっそりとフェルメールを思い続けるフリートの姿がいじらしい。  フリートは髪を見せることが自分の女性性を解放することだと考えている。まわりから不埒な娘、と疑われながらも絶対にフェルメールと一線を越えようともしない。しかし、フェルメールに髪を見られてしまったあとは、肉屋の息子を一線を越える。彼女の中で守るべきものが失われたのだ。

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2011/10/13

「フェルメール」という画家も、「真珠の耳飾りの少女」という絵画も、聞いたことがあるくらいの知識で読み始めました。 当時の生活の様子が思い浮かぶような丁寧な運びですが カトリックとプロテスタントの宗教観の違いや、オランダの地名などは ある程度知識がないと少しイメージしにくい部分も...

「フェルメール」という画家も、「真珠の耳飾りの少女」という絵画も、聞いたことがあるくらいの知識で読み始めました。 当時の生活の様子が思い浮かぶような丁寧な運びですが カトリックとプロテスタントの宗教観の違いや、オランダの地名などは ある程度知識がないと少しイメージしにくい部分もあります。 物語としては平坦ですが、心の機微を上手く表現されている作品だと思います。 画家フェルメールに恋心を抱く女中フリート。 しかしそれは恋ではなく、芸術を理解し合えるものだけが感じ合う、心の交流だったのかもしれない。 静かな中で、ときに激しく、ときに官能的に物語は進む。 クライマックスにむけた物語の緊張はページをめくる手が止まらなくなりました。 それだけに終章はちょっと語りすぎていて、蛇足のような感があるのが残念です。

Posted byブクログ