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カラマーゾフの兄弟(下) の商品レビュー

4.4

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    103

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2023/02/01

基本的に登場人物は殆どがプライドが高い。誇り高いとは別で、侮辱や屈辱をなによりの怒りとしている印象。 農奴制度による格差や権利の問題を、カラマーゾフという卑劣漢たちの欲で包んだ濃い本でした。 一読しただけでも価値ある経験になった。 再読するときは、「大審問官」の部分を掘り下げた...

基本的に登場人物は殆どがプライドが高い。誇り高いとは別で、侮辱や屈辱をなによりの怒りとしている印象。 農奴制度による格差や権利の問題を、カラマーゾフという卑劣漢たちの欲で包んだ濃い本でした。 一読しただけでも価値ある経験になった。 再読するときは、「大審問官」の部分を掘り下げたい。 ラスト意外な展開でお気に入りの章、心温まり愛に溢れて読んで嬉しくなった。 カラマーゾフ、万歳。

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2023/01/22

裁判シーンが白熱。丁寧な人物書き込み。法廷小説としても面白い。結局イワンが真の犯人でドストエフスキー本人と重ねたのか。スメルジャコフが本当に良い役回りをしている。アリョーシャとコーリャの第二部が書かれなかったのが残念でならない。

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2022/10/12

・ここまでが第一部で未完だったとは…たしかに「これだけ期待をもたせてここで終わるの?」とは思ったけど。 解説によると「書かれなかった第二部では、アリョーシャ・カラマーゾフが修道院を出て、リーザとの愛に傷つき、革命家になって皇帝暗殺の計画に加わり、断頭台にのぼることになっていたとい...

・ここまでが第一部で未完だったとは…たしかに「これだけ期待をもたせてここで終わるの?」とは思ったけど。 解説によると「書かれなかった第二部では、アリョーシャ・カラマーゾフが修道院を出て、リーザとの愛に傷つき、革命家になって皇帝暗殺の計画に加わり、断頭台にのぼることになっていたという説もある」とのことで、第二部、読みたかったなぁ…。 ・私にはキリスト教的世界観は一生理解できないわけだけど、「キリスト教的世界観を外から見て感じ入る」という体験も貴重ではあるのかな、とも思う。「愛のむきだし」に感じたのと同種の静かな興奮・気持ちの昂りを覚えるし、語られる言葉の熱量に思わず涙する。この種の感情をおそらく「敬虔な」と表現するのだろうけど、これは古典日本文学からは得難い貴重なものだと思う。

Posted byブクログ

2022/09/23

 読み終わってうれしいような悲しいようなところが正直なところですが、未完で終わるののがよかったようにも思えます。

Posted byブクログ

2022/08/16

「少年たち」の章、続編への布石か。「兄イワン」の章、「神がなければすべてが許される」という自身の思想にイワン本人が押し潰されている。スメルジャコフの悪意、憎悪は彼を指導したイワンを圧倒して立場が逆転。彼が首を吊るのはご都合主義的、そんなタマじゃない。悪魔との対話は何言ってるのかわ...

「少年たち」の章、続編への布石か。「兄イワン」の章、「神がなければすべてが許される」という自身の思想にイワン本人が押し潰されている。スメルジャコフの悪意、憎悪は彼を指導したイワンを圧倒して立場が逆転。彼が首を吊るのはご都合主義的、そんなタマじゃない。悪魔との対話は何言ってるのかわからず退屈。「誤審」の章、くるみの挿話は感動的。カテリーナの言動に人間の不可解さを見る。結局、フョードルとカテリーナが事態をややこしくした張本人のような。論告は長すぎ。最後のアリョーシャの演説の場面はこの小説の締めくくりに相応しい。この小説を読むたび、真人間になろうとの思いが湧いてくる。

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2022/06/13

約2ヵ月半かけて、全作部読み終わった。長かった。また数年後に読もう。きっとその時は、さらに理解して気づけることもあると思うから。とにかく今は、世界の傑作と言われている作品を、全て読み終えた自分を褒めてあげようと思う。

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2022/04/14

15年越しの積読を歯を食いしばって乗り越えたが、私の教養レベルでは最後まで評価不能だった。読後に100分de名著の力を借りて、ようやくその奇書ぶりを理解。 カネはカラマーゾフ兄弟に憑依して父を殺し、スメルジャコフとしてロシアを殺し、大審問官の姿を借りて神をも殺す。 それらの闘...

15年越しの積読を歯を食いしばって乗り越えたが、私の教養レベルでは最後まで評価不能だった。読後に100分de名著の力を借りて、ようやくその奇書ぶりを理解。 カネはカラマーゾフ兄弟に憑依して父を殺し、スメルジャコフとしてロシアを殺し、大審問官の姿を借りて神をも殺す。 それらの闘争の和解が第二部の構想にあったはずで、だからこそ第一部のラストはコーリャという歪で消化不良なキャラクターを交えた不穏な大団円で締められている。その不気味さくらいは私にも感じ取れた。 このラストを「感動のフィナーレ」と呼ぶ人とは分かり合えないし、世の中のカラマーゾフ読みの大半は「カラマーゾフを面白いと言えてこそいっぱしの教養人」という結論ありきで読んでいるに過ぎないと思う。

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2022/04/10

「カラマーゾフの兄弟を読破した側人間になりたい」というだけの極めて不純な動機で読み始めた本作だったがその初期衝動だけでこれだけの大著を読み通せるわけがない。単に面白かったから読んだ、それだけのこと。 不死がなければ善行もない、ゾシマ長老の説法、大審問官、フョードルとドミートリィの...

「カラマーゾフの兄弟を読破した側人間になりたい」というだけの極めて不純な動機で読み始めた本作だったがその初期衝動だけでこれだけの大著を読み通せるわけがない。単に面白かったから読んだ、それだけのこと。 不死がなければ善行もない、ゾシマ長老の説法、大審問官、フョードルとドミートリィの確執、スメルジャコフとイワンの不思議な絆、フョードルの死をめぐるミステリー、ドミートリィとカテリーナ、グルーシェニカの三角関係、少年たちとアリョーシャの掛け合い、法廷での危機迫る証言、検事と弁護士の白熱の舌戦。これら全てが単独のテーマとして10本の小説が書かれていてもおかしくはない。まさに総合小説。 キリスト教のあり方をテーマとして扱っている点が現代を生きる日本人には馴染みにくいとされがちだがそんなことは全くないと感じた。同じ宗教を信仰していない分、切実さが少し異なるだけでドストエフスキーのメッセージはひしひしと伝わってくる。信仰の対象を持っていようといまいと罪を携えて神の前に立つ人間の心中がどうあるかをこの小説を読むことで追体験できる。 エピローグのアリョーシャが子供たちにかけた言葉には思わず涙がこぼれた。少年時代から大切に保たれた神聖な思い出をたくさん集めて人生を作り上げればその人は救われる。今この瞬間の素晴らしい出来事がずっと続くことなんてあり得ない。でも、大切に取っておいた思い出のひとつひとつが優しく、同時に強く燃える炎となってその人の心を温めてくれる。 結論。世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。

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2022/04/08

通勤電車でちまちまと読み進め、上巻から半年くらいかけて読み終わった。取り掛かっている時間が長かっただけに、読み終えた際の喪失感も一入だった。 半年近くかけて読んでも面白さが持続する長編小説、なんていうのはそう多くないのではないか。小説は時間をかければかけるほど、感情の揺さぶりが希...

通勤電車でちまちまと読み進め、上巻から半年くらいかけて読み終わった。取り掛かっている時間が長かっただけに、読み終えた際の喪失感も一入だった。 半年近くかけて読んでも面白さが持続する長編小説、なんていうのはそう多くないのではないか。小説は時間をかければかけるほど、感情の揺さぶりが希釈され、感動が小さくなるものだと思っている。だから、時間をかけると飽きとの戦いになったり、話の粗探しを始めたりしてしまう。しかしながら、この本に関していえば、感情の揺さぶりが薄まってもなお十分なパワーを持っている。半年の間、この話を読んでいて退屈な時間は少しもなかった。 ひとつの長編小説としてもすばらしいけれど、場面場面を切り取っても、それぞれが完全なものとなっており、短い話の寄せ集めとして見たとしても、すべてが面白い。というか、細部が完全だからこそ、その総体としての一個の長編小説が、まったく間伸びしたところのない素晴らしいものになっている、ということかもしれない。 その長さや、ドストエフスキー特有の、捲し立てるような文章の熱量から、勢いでどんどん読み進めてしまいそうなものだけれど、毎朝通勤電車の10分くらいの時間でゆっくりちまちま読む、というのもありだと思う。

Posted byブクログ

2022/03/11

タイトルを回収する衝撃的な結末、ミステリーとしての面白さは然る事ながら、様々な角度から作品を楽しむ事が出来る濃密さがある。作者は二部作のつもりで書いていたようだが、続編はどの様な物語になっていたのか興味深い。

Posted byブクログ