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歴史学ってなんだ? の商品レビュー

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37件のお客様レビュー

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2014/04/01

これはなかなかに興味深かった。学問としての歴史学を歴史小説から区別し、では如何に違うのかを紐解いていく。○○年に何があった、って授業で習うけど、果たしてそれは事実なのか、っていう疑問立てから学問が始まる。そこに至るまでに色々検証された結果が、現在一般に理解されている史実だろうから...

これはなかなかに興味深かった。学問としての歴史学を歴史小説から区別し、では如何に違うのかを紐解いていく。○○年に何があった、って授業で習うけど、果たしてそれは事実なのか、っていう疑問立てから学問が始まる。そこに至るまでに色々検証された結果が、現在一般に理解されている史実だろうから、それが簡単にひっくり返ることはまああまりないだろうけど、それを細かく調べて検証し直すっていう部分に向く興味は、歴史好きの自分にも理解できるものでした。

Posted byブクログ

2014/03/30

 名著級です。歴史を「学問」とするものは何か? 歴史学と歴史小説とはどこが違うのか? 歴史学は社会に何を貢献できるのか? そういう素朴にして巨大な疑問に正面から立ち向かった本。  そもそも「歴史学は史実を明らかに出来るか」という疑問がある。現在から過去を推し量ることはどこまで可...

 名著級です。歴史を「学問」とするものは何か? 歴史学と歴史小説とはどこが違うのか? 歴史学は社会に何を貢献できるのか? そういう素朴にして巨大な疑問に正面から立ち向かった本。  そもそも「歴史学は史実を明らかに出来るか」という疑問がある。現在から過去を推し量ることはどこまで可能か? 本当に正しいことにたどり着けるのか? 本著は構造主義のインパクトも織り込んだ新しい解釈で、この疑問に立ち向かっている。  さらに、「歴史がなんの役に立つのか?」という疑問についても真摯に追究している。「従軍慰安婦論争」を例に取り、「新自由主義史観」の主張なども交えて、「役に立つってどういうことなのか」という課題にじょじょに迫る手際は、木訥とした味わいながら、非常に納得できるものだった。  歴史を学ぶ、ということは、実は非常に現代的な課題をクリアにしない限りできない営みである。「自虐的な歴史ばかり教えるな、日本人として誇りを持てる歴史こそが必要なんだ」という立場もあるだろう。「当事者の数だけ真実があるのだ」という立場もあるだろう。その中で、自分はどんな「歴史」を語れるのか。どうすれば、自分なりの問題を設定でき、自分なりの結論にたどりつけるのか。「歴史学」を学ぼうとする者は、常に揺れ動き、ひんぱんにつまずくのだ。この本は、初学者にとっての頼れる足場を提供してくれるだけでなく、歴史学に迷いさすらうときの灯台としても、必ず役に立ってくれることだろう。  壮大な課題に対して、きちんと考えるための枠組みを与えてくれるばかりか、希望を与えてくれる本は初めて。しかもわずか、200ページの新書でそれを達成しているところがすごい。歴史学の読書ガイドとしても素晴らしいので、すべての人におすすめ……としたいところだけど、せめて大学で歴史を学ぶ人は絶対必読。

Posted byブクログ

2013/11/11

しゃべり口調で書かれているから、読みやすかったけど、内容は少し抽象的なことも多くて、とっつきにくい。 でも、歴史学に関して書いてある本を一度読みたかったから、所々なるほど!という文に出会えたかな。

Posted byブクログ

2013/07/04

今月の1冊目。今年の88冊目。 歴史学の入門書。分かりやすかったし、文体もかたい感じではないので、歴史を学ぶことについて、その意味を考えたり、疑問を持ったりしている人は、読んでみた方がいいと思います。

Posted byブクログ

2013/05/08

高校(中学)時代、歴史の授業は好きだった。歴史学、歴史を科学するとは? 問題 1歴史学は歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか。 2歴史を知ることは役に立つか、どんな時、どんな形で。 3そもそも歴史学とは何か。 27 歴史の資料を史実ととらえるか、作り話ととらえるかは作者...

高校(中学)時代、歴史の授業は好きだった。歴史学、歴史を科学するとは? 問題 1歴史学は歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか。 2歴史を知ることは役に立つか、どんな時、どんな形で。 3そもそも歴史学とは何か。 27 歴史の資料を史実ととらえるか、作り話ととらえるかは作者(小説家、著者)の考え方次第、自分の信ずる通りの方法で良いだろう。史実を証明できるほど、人生は長くないだろう。 40 歴史学での定義、過去に本当にあった史実を明らかにすることを「認識」、認識した史実に意味を与え、連想させイメージを描く「解釈」 99 歴史学の対象は1つしかない「事実」ではなく各各の「現実」 170 既存の歴史学は「文書資料中心主義」「口承の歴史および口述証言」は用いない。 183 ”自分の身近にあり,真偽を問わずとも役に立ちそうな過去は、「記憶」と呼ぶことができます”歴史は記憶である。

Posted byブクログ

2013/01/04

歴史学は「社会の役に立つか」という問に対しては、割合さっくり「役に立つ」と言いきっているので、へぇ、と思い、ふと自分の専門を振り返ったりもしたが、「社会の役に立とうとするべきか否か」とは別問題だというのに、いろいろ感じるところがあった。

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2013/01/02

歴史学入門兼ブックガイドでありつつ、史実を知ることは可能か、歴史学は社会の役に立つのか、という二つの問題を巡る論考でもあり。パラダイム論を用いた前者の議論はやや物足りない面もあるが、あとは自分で考えろ、ということか。 紹介されている本の中では『現代史を学ぶ』、『青きドナウの乱痴気...

歴史学入門兼ブックガイドでありつつ、史実を知ることは可能か、歴史学は社会の役に立つのか、という二つの問題を巡る論考でもあり。パラダイム論を用いた前者の議論はやや物足りない面もあるが、あとは自分で考えろ、ということか。 紹介されている本の中では『現代史を学ぶ』、『青きドナウの乱痴気』が気になる。

Posted byブクログ

2014/02/10

何回か読み直しましたが、その都度考える機会をあたえてくれる是非ともお勧めしたい書籍です。あまりしないことですが、知人に何冊かお配りしました。 かつて、大塚久雄、丸山眞男、内田義彦などが文化系大学入学者の登竜門でした。色々な著作を読み、ゼミなどで自分の専門分野を深めていくいくにつれ...

何回か読み直しましたが、その都度考える機会をあたえてくれる是非ともお勧めしたい書籍です。あまりしないことですが、知人に何冊かお配りしました。 かつて、大塚久雄、丸山眞男、内田義彦などが文化系大学入学者の登竜門でした。色々な著作を読み、ゼミなどで自分の専門分野を深めていくいくにつれて、これらの書かれた啓蒙書の意味などがわかってきたように思われます。本書はいきなり理解できます。 本書は、タイトルのように歴史学とはいったいどういうものであるのか、あらねばならないのかを解説しています。だが、深いですね。社会、人文科学というものは科学たりえるのかという考察をしています。言葉の定義づけもしっかりされていて、齟齬,破綻もみうけられません。 歴史学の仕事の重要な要素として認識と解釈をあげらています。とっかかりとして、小説と歴史書の違いから始まります。それにまつわる具体的な話と抽象的な話をうまく関連づけされていて非常にわかりやすく書かれています。 歴史を学びたいが、小説ではと思っている方、学術書では大変だなと思っている方は、本書をお読みになって自分の学ぶ道筋をつけるのには絶好だと思います。 構造主義やポストモダンをわかりやす説明されていているので不勉強な私にとっては大変助けになりました。 「大きな物語は終わった」ということを知りたかった私は、とても収穫がありました。 従軍慰安婦問題を通して坂本多加雄、吉見義明、上野千鶴子の論争の話がでてきますが、学問のありかた、論争の意味など内容もりだくさんです。 一つの問題を考えると、また新たな問題がでてきますね。それをどのように処理していくのか、又、問題はどのような姿勢で考えていくべきなのかという重要なヒントがいっぱい詰まっている新書ですね。 蛇足ですが、出版社は、このような啓蒙書を新書としてだして欲しいものですね。それが、自分達の生き残りにつながると思うのですが。

Posted byブクログ

2012/07/15

他の新書に比べると平易な言葉と 口語表現によって論理展開がなされる本書は とても理解しやすいものであった。 歴史学ってなんだ? というタイトルからもあるように 歴史学の入門書として良書を探していた著者が 無いなら自分で書こうと至った作品 歴史学の入門書ということもあり 歴史学...

他の新書に比べると平易な言葉と 口語表現によって論理展開がなされる本書は とても理解しやすいものであった。 歴史学ってなんだ? というタイトルからもあるように 歴史学の入門書として良書を探していた著者が 無いなら自分で書こうと至った作品 歴史学の入門書ということもあり 歴史学者が研究を行うプロセスを より具体的に説明しようという姿勢が見て取れた。

Posted byブクログ

2012/03/08

講義の参考図書で、最終レポートを書くのに読んだ。歴史を学ぶのって義務的だなと思ってたところがあったけど、ちょっと意識が変わったかも。またちゃんと歴史学ぼうと思った。

Posted byブクログ