まぶた の商品レビュー
3.5 博士の愛した数式の小川さんってこんな感じの作風なのか。。 少し世間ずれした不思議な人たちのお話たち。 でもどの人たちもありありと想像できる なぞの野菜売りのおばさんの話印象的だなぁ
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どの作品も良かったけど、私が特に気に入ったのは、「リンデンバウム通りの双子」と「匂い収集」です。「匂いの収集」は素敵な恋の話かと思って読んでいたら・・・・。 怖かったです。「リンデンバウム通りの双子」は最後の2行がいいですね。すごーく主人公の気持ちがわかりました。
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まぶた。 ひらがな3文字だと、なんか間抜けな感じ。 目蓋。目の蓋のような役割。 その目で見えているものも、蓋をすれば見れなくなる。 良いものも、悪いものも。 蓋をされた目でも、観えるものは人それぞれだろう。 闇をただ感じるのか、虚飾の世界に埋没するのか、過去失敗したオムレツのとん...
まぶた。 ひらがな3文字だと、なんか間抜けな感じ。 目蓋。目の蓋のような役割。 その目で見えているものも、蓋をすれば見れなくなる。 良いものも、悪いものも。 蓋をされた目でも、観えるものは人それぞれだろう。 闇をただ感じるのか、虚飾の世界に埋没するのか、過去失敗したオムレツのとんとんを思い返すのか、 未来に待ってる壁一面の本棚に囲まれた部屋を作りたい夢なんかを。 そう、考えると、目蓋って奥が深いな。
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小川洋子ワールドがなんとも言葉にできないけれど、心地よい。リンデンバウム通りの双子が個人的に大好きだった。
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8つの作品が収録された短篇集で、幻想的で奇妙な出来事を交えながらも、人間という愛らしい存在を感じられたのが、印象的でした。 また、奇妙な出来事を体験した後で、自らの人生を見つめ直すような展開が多いことに、人生とは、何をきっかけにして突然変わるか、分からないものだなとも思えました...
8つの作品が収録された短篇集で、幻想的で奇妙な出来事を交えながらも、人間という愛らしい存在を感じられたのが、印象的でした。 また、奇妙な出来事を体験した後で、自らの人生を見つめ直すような展開が多いことに、人生とは、何をきっかけにして突然変わるか、分からないものだなとも思えました。しかし、不自然さは感じずに共感できたのは、小川さんの、上品でいて飾らない文体にあるのかもしれません。 こういった上品な奇妙さと、私の人生観には、精神的な距離を隔てているのを感じ、逆に、読んでいて気楽な心地良さがあって、何となく旅行時に持って行きたい本だなと思いました。
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2021年 4冊目 まぶたを巡る短編集 1 飛行機で眠るのは難しい 「飛行機は時間の迷路」 飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。 30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。 ...
2021年 4冊目 まぶたを巡る短編集 1 飛行機で眠るのは難しい 「飛行機は時間の迷路」 飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。 30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。 2 中国野菜の育て方 光る野菜なんてあったら、すぐ手放すでしょう。夫婦はもうそれが食べられるかどうかなんてどうでもよく、捨てることができなくなった。 はぐくむ、という字に違和感をもった。夫婦が中国野菜に「飼育」されているような感じ。 3まぶた いつからか、少女はNの家から出なかったのだろうか。歪んだ関係がいいですね。 4お料理教室 軽快な感じと、若干の後ろめたさがあって結構好き。 5匂いの収集 「薬指の標本」と似た感じだけど一番気に入った。枇杷は人肉の味だと昔母から教わった気がする。小川洋子の分かりやすいメタファーが好き。センター試験に出てきそうだなぁなんて度々邪推する。 自分を「保管」したあとは、昔の恋人の欠片は捨ててほしいな。 6バックストローク 肩を手放したことで、弟は解放されたのだろう。家族の絆とは引き換えに。 7詩人の卵巣 8リンデンバウム通りの双子 二人の老人の、静寂とぬくもりを感じた作品。
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「まぶた」なのは表題作だけかとおもったら、収められている短編ぜんぶまぶただった、と解説を読んで気が付いた。すごい。 静かなヨーロッパを感じる話が多かったように思う。
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「えっ ここで終わるの?」と思ってしまった話がいくつかあった。雑踏の中である人物の後を頑張って追っていたら途中で見失ってしまって、追いかけるのに必死だったもんだからふと周りを見たら自分が今どこにいるのか分からなくなっていて、急に孤独を感じて戸惑う、みたいな。勝手についていって...
「えっ ここで終わるの?」と思ってしまった話がいくつかあった。雑踏の中である人物の後を頑張って追っていたら途中で見失ってしまって、追いかけるのに必死だったもんだからふと周りを見たら自分が今どこにいるのか分からなくなっていて、急に孤独を感じて戸惑う、みたいな。勝手についていって勝手に置いてけぼりになったくせに、「こんなところにひとりで置いていくなよ」と思ってる、みたいな。 『博士の愛した数式』のイメージでこの本を読むとちょっと難しいかもしれない。 「あれ?これ前の話にもあったような?」と思う箇所がいくつかあった。(野菜売り、身を小さくしていれば、ナチス、などなど)坂木司の『短劇』みたいだなと思った。 全部よかったけど、「飛行機で~」「まぶた」「匂いの収集」が特によかった。
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短編集です。 えっ?という終わり方や、怖い、怖い!という終わり方や、やっぱりそうなるよね。という話があります。
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不可解な事象を体験しながらも人は誰も不幸だと認識しなければ十分に幸せなのだと感じさせてくれた小川洋子さんの心奪われる8編の物語。『飛行機で眠るのは難しい』嘘は己の内面を着飾る服で愛とも言えるでしょうね。『中国野菜の育て方』光る野菜と謎のおばあさん。『まぶた』少女はハムスターの二の...
不可解な事象を体験しながらも人は誰も不幸だと認識しなければ十分に幸せなのだと感じさせてくれた小川洋子さんの心奪われる8編の物語。『飛行機で眠るのは難しい』嘘は己の内面を着飾る服で愛とも言えるでしょうね。『中国野菜の育て方』光る野菜と謎のおばあさん。『まぶた』少女はハムスターの二の舞から救われたのかもね。『お料理教室』一刻も早く帰りなさい!『匂いの収集』五体満足な内に逃げなさい!『バックストローク』弟よ!あなたを捨てたわけじゃない。『詩人の卵巣』さあ、眠りなさい。『リンデンバウム通りの双子』家族を大切にね。
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