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まぶた の商品レビュー

3.6

171件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    56

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

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2023/03/18

8話短編の小川ワールド!どの物語もラストはちょっと切なかったり悲しかったりするんだけど、決して悲劇ではない。この人たちの人生は、これからも続いていくんだって終わり方が素敵。「バックストローク」「リンデンバウム通りの双子」がお気に入り。

Posted byブクログ

2023/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不思議な世界観すぎて置いてけぼりになった 解説と最後の話でエモさあふれた . たとえ身体が居間とキッチンに分かれたとしても、影だけは離れず、二つぴったりと寄り添い合い、一続きの輪郭を成しているようだった。

Posted byブクログ

2023/02/19

どこにでもあるふと立ち止まることのない人たちの瞼の裏にしかないような強烈な景色が、日常や普遍的な平凡さとミルフィーユみたいに重なって、なんともいえない感動を覚える。 「リンデンバウム通りの双子」は静けさで溢れていて、強い言葉も表現もないのに、まぶたの裏に焼きつきそうな衝撃と強さが...

どこにでもあるふと立ち止まることのない人たちの瞼の裏にしかないような強烈な景色が、日常や普遍的な平凡さとミルフィーユみたいに重なって、なんともいえない感動を覚える。 「リンデンバウム通りの双子」は静けさで溢れていて、強い言葉も表現もないのに、まぶたの裏に焼きつきそうな衝撃と強さがあった。 著書を翻訳してくれている人であるにせよ、それだけだった人。でもその双子には、瞼を閉じるたびにきっと浮かぶ苦しみや地獄があって、平坦で本当はきっと1日1日が長い日々があって、戻らない幼い日々があって。 美味しいスープの香り、病院に差し込むあたたかい日、可愛い妹とのいたずら、父が大事にした顕微鏡。。。 まばたきするたびに、美しい風景が、悍ましい風景が、人からしたら大したことのない風景が、カメラのシャッターのように見え隠れする。 人生は一回しかなく、その日、その一瞬を、一本の道のように生きてるはずなのに、その人は1人しかいなくて、誰でもどこにでもいるはずなのに、その中には、そのまぶたの中に、さまざまな景色が、時間が、風景が重なって時は進み、苦しさと優しさと、暴力とあたたかさが、荒廃と永遠が、ぱちりぱちり、と層を重ねていて。 そういうミルフィーユの時の中で、複雑な時空の中で、私たちは生きている。 あの人もこの人も、わたしも、大したことがなくて、つまらないものに見えるけれど、本当はもつと複雑でやさしくて物語と心のミルフィーユがあって。 その人たちの生き方にも日々にも誰にも文句も手出しもできる筋合いなんてなくて。 どうして小川洋子さんは、どんな物語にもとりあげられないような片隅にいる人をこんなふうにそっと掬って、なぞることができるんだろう。 そこに愛が感じられるのはどうしてなんだろう。 どうしたら、こんなことができるんだろう? そんなことを感じました。 小川洋子さん、大好きだなぁ。

Posted byブクログ

2022/10/30

「飛行機で眠るのは難しい」を初めて読んだのは高校の授業。教科書に載っていた。 静かな雰囲気、淡々と描かれる死、生々しい人間の見栄、人生、さみしいような、切ないような、 ずっと忘れられなくて、本を買った。 この話が小説の中で一番好きな私のたからもの。

Posted byブクログ

2022/08/05

図書館で借りて読んだ。 短編集。物語の舞台は異国。そしてストーリーはどれもリアリティのない不思議系。レビューが良くて借りたと思うのだが、読み終わって、私の頭の中はクエスチョンマークだらけ。もっと深く読めば、何か意味が見つけられるのか?少なくとも1回読んだだけの私では無理。

Posted byブクログ

2022/03/01

小川洋子 著 久しぶりに、小川洋子さんの本を読んだ。 (ブクログさんの本棚に見つけ、久々に読む  きっかけをもらって感謝してます!) この小説は8編の短編集として仕上がっている。 1編目の「飛行機で眠るのは難しい」まるでエッセイのようなタイトルで始まる、この物語…、、 ふぅ〜(...

小川洋子 著 久しぶりに、小川洋子さんの本を読んだ。 (ブクログさんの本棚に見つけ、久々に読む  きっかけをもらって感謝してます!) この小説は8編の短編集として仕上がっている。 1編目の「飛行機で眠るのは難しい」まるでエッセイのようなタイトルで始まる、この物語…、、 ふぅ〜(´∀`*)最初から小川洋子さんの世界に引き込まれて、心持っていかれてしまいましたよ。 もう、やっぱり好きだなぁって思う⁎ˇ◡ˇ⁎ 抗うことの出来ない、小川洋子さんならではのこの空気感、ずっと、浸っていたいような気分になる。 最初、隣り合わせた飛行機の中で、見知らぬ男の人に話かけられ、わたしは嫌な予感がした…読み始めたこちらの方も胡散臭い感覚を覚えながら…、 なんと作品の中の彼女と同じような感覚で男のお喋りに対し、さほど不愉快に感じてないことに戸惑い、それどころか、だんだん興味が湧いて、思わず耳をそばだてて聞いてしまう。(主人公は飛行機の中で、私は本の中で。) なんと、一編目の物語の終わりから、すでに名残り惜しくて、もっとこの話しの中に留まり続けて読みたいのに…って気分になった。(短編集であるが故に短く、集中して物語の世界にいて、気づくとあっという間だった) 2編目 「中国野菜の育て方」 3編目 「まぶた」 4編目 「お料理教室」 5編目 「匂いの収集」 6編目 「バックストローク」 7編目 「詩人の卵巣」 8編目 「リンデンバウム通りの双子」 上記、この8編の短編作で構成される。 どの物語も、空気感というか喩える色合いは同じように伝わってくるのだけど、どれも違うお話で、何処かの外国を背景にしているよう…ドイツの国であったり、ウィーンだったりもする(何にせよ、私にとっては行ったこともない国や土地で頭の中の映像で、それを捉えてるわけだけど(^_^;) それでも、そこは見知らぬ土地で彷徨う感覚。 少し暗くて、時々陽が射す。 ホラーのような怖い感覚でもある、 不思議な場所に迷い込んだような不安な気持ちと何だか落ち着くような違和感。 一つ一つの物語のレビューをするのは難しいので、省きますが、どの物語も面白いです。 すべての物語がどこか共通点を持って現れる そして、物語の主人公は独りで何かと対峙しようとしている。 小川洋子さんの作品は、登場人物の顔ははっきりと見えないのだが、体躯と骨に至る繊細な部分まで、その表情を描くのが、とても上手だと思う。 こちらにその人物像というか一つ一つの表情が伝わってくるような気がする。  少し触れた瞬間にふと、体温を感じて、ビクッと驚いてしまうような感覚がある。 どの編の物語りも味わいがあり、どれも好きな作品集です。 この物語について表すなら、 解説の堀江敏幸さんの言葉が、ぴったり当てはまり、刺さったので記しておきます。 “まぶた。小川洋子は、この薄い膜の開閉ひとつですべてが決まり、すべてが終わってしまうはかない劇を見つづけてきた書き手だが、まぶた、という言葉を作品集全体に冠したことによって、一遍一遍の切なさのかたちがより明確になったと思われる。” ー小川洋子さんが語っておられたある記事を   思い出したのでそれも引用しますー 「“強固な殻の中で、自分とは何かを問いかけ、それを 表現し、自己を高めていったのです。一旦閉じこもるこ とによって、外の世界と適度な距離を取り、自分と一対 一で向き合うことによって、孤独を手に入れる。その孤 独が人を成長させるのだと思います”」 正反対で矛盾する概念を共存させるための、役割を持つ登場人物たちが、色んな場所に現れ、それぞれの事情を抱えているにも拘らず全ての人がある一点を通して紡がれているように感じてしまいます。 そして、この作品の中にも、何故か小川さんの創作活動に強い影響を与えているホロコーストと「アン ネの日記」を彷彿してしまう。 人間に極限の体験を強いたものから生まれでたもの、その行為とその結果…を感じるとることが僅かながら出来るような気がした。 特に「バックストローク」には…その強い思い入れを感じ心に響いた。 久しぶり開いた小川洋子さんの世界観溢れる作品に堪能しながら、短編集でもひとつひとつの話しはそこで終結しているのだけれど、 もっとながく浸っていたいので、次はまた、長編作品を読みたいなぁと思ってしまった。

Posted byブクログ

2022/02/28

不思議な本だった 現実では有り得ないことなのに、読んでいるのは日常の1場面ですごい不思議な感じになった。 【バックストローク】って国語の教科書に載ってるのかな? この話が個人的には1番好き こちらの1冊を教えてくださったブクトモ様に感謝☆

Posted byブクログ

2022/01/29

様々な視点からのまぶたの連想は、時として切なく影を感じながらも光に近づくような何処かそんな感覚を思わせるものがありました。 外国でのストーリーも幾つかあり、海外に夢を置く自身にとって一期一会の旅の中での出来事に、日常離れしたまた違ったワクワクもありました。

Posted byブクログ

2021/11/20

不思議な空間。良かった。 堀江敏幸さんの解説が完璧なので、ほかに書くことがない。 どれも印象的だけど、『まぶた』『お料理教室』が特に。

Posted byブクログ

2021/11/09

2021年11月9日読了。 ・ 8編の短編集。 『飛行機で眠るのは難しい』 『中国野菜の育て方』 『まぶた』 『お料理教室』 『匂いの収集』 『バックストローク』 『詩人の卵巣』 『リンデンバウム通りの双子』 『博士の愛した数式』で有名な小川洋子氏による短編集。 著者の作品は...

2021年11月9日読了。 ・ 8編の短編集。 『飛行機で眠るのは難しい』 『中国野菜の育て方』 『まぶた』 『お料理教室』 『匂いの収集』 『バックストローク』 『詩人の卵巣』 『リンデンバウム通りの双子』 『博士の愛した数式』で有名な小川洋子氏による短編集。 著者の作品は初めてだったが… 所謂、小川洋子ワールドと呼ばれるこの感性が自分には合わなかった…。 読後のモヤモヤを解消出来る程の、読解力と想像力の無さを痛感させられた。 ・ しかし 『お料理教室』のカオス具合 『匂いの収集』の狂気さ 『リンデンバウム通りの双子』のなんだか心温まる感じは好き。 ・ 折を見て、再読したらまた何か感じ方が変わるのかもしれない。

Posted byブクログ