進化しすぎた脳 の商品レビュー
おもしろかった。脳への更なる興味が湧いたし、わかりやすかった。脳が曖昧であることの説明も明解で、納得させられることが多かった。脳が複雑で曖昧ということに、どこかしら安心感を覚えた私です。これからの人工知能の発展や、進化をやめた人間の今後を考えたくなった。ただ、この本が9年前のもの...
おもしろかった。脳への更なる興味が湧いたし、わかりやすかった。脳が曖昧であることの説明も明解で、納得させられることが多かった。脳が複雑で曖昧ということに、どこかしら安心感を覚えた私です。これからの人工知能の発展や、進化をやめた人間の今後を考えたくなった。ただ、この本が9年前のものなので、最新の研究された本を読む必要があるかな。
Posted by
色は三原則に分けられるモノなのではなく、人間が三色に分けて感知しているから三原則に分けてしまった、との記述、なんか分かります。人間の都合で分けただけの原則を、森羅万象に当てはまるような錯覚してしまいがちなあたり。 全体として秩序が生まれる、「複雑系」のシステム。最適解にたどり着け...
色は三原則に分けられるモノなのではなく、人間が三色に分けて感知しているから三原則に分けてしまった、との記述、なんか分かります。人間の都合で分けただけの原則を、森羅万象に当てはまるような錯覚してしまいがちなあたり。 全体として秩序が生まれる、「複雑系」のシステム。最適解にたどり着けなくても、ハズレを引く可能性が引くくなるような脳の仕組み。民主主義の仕組みに良く似ているが、きっと人間が意識下で自分の脳と同じような仕組みを求めていた結果なのでしょう。どちらも、現代の変化の早さについて行くのがやっとか遅れ気味なのに、代わりのソリューションが見つかっていないところも、良く似ているように思えます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
僕たちは脳の解釈から逃げることができない。 人間は傲慢にも自分の生きている世界のほとんどが意識で行われていると思っているが、おそらく人間の行動のほとんどは無意識、脳の奴隷にすぎない。脳の性能は、人間の身体によって決められちゃっているわけだ。 僕たちが考えている思考パターンは自由のようでいて自由ではない、言語に縛られていたりするわけだよね。つまり思考は体に縛られている。 思考についても、人間はたぶんわからないことを勝手に想像して埋め込むんだ。何かわかんないと思ったら、きっとこうなっているんだろうと勝手に思い込む。
Posted by
” まず世界がそこにあって、それを見るために目を発達させた、というふうに世の中の多くの人は思っているけど。本当はまったく逆で、生物に目という臓器ができて、そして、進化の過程で人間のこの目ができあがって、そして宇宙空間にびゅんびゅんと飛んでいる光子(フォトン)をその目で受け取り、そ...
” まず世界がそこにあって、それを見るために目を発達させた、というふうに世の中の多くの人は思っているけど。本当はまったく逆で、生物に目という臓器ができて、そして、進化の過程で人間のこの目ができあがって、そして宇宙空間にびゅんびゅんと飛んでいる光子(フォトン)をその目で受け取り、その情報を解析して認識できて、そして解釈できるようになって、はじめて世界が生まれたんじゃないか。”>この部分にはしびれたわー
Posted by
脳について絶対に知っておいた方がいいことだらけ。 これが2004年に分かってたことなんて… じゃあ今はきっともっと研究が進んでるはず。 自分の情報弱者っぷりが恥ずかしくなる。 もっと色々知りたいと思わせてくれる良書。
Posted by
非常に判り易く書かれた大脳生理学の本。とにかく面白くて一気に読んでしまいました。人間は身体の方の進化が脳のキャパシティについて行けてない、身体の進化よりも環境を進化させる生きものであるというくだりが印象的でした。まさに脳の奴隷。
Posted by
イラストがかわいい 後半話が難しすぎてよくわからんでした 視覚の半交叉はびっくりした てっきり交叉してるもんだと思ってた
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校生対象の講義のような形式なので非常に分かりやすく、面白いです。 (1)脳の表面積と知能は、厳密にいえば比例していない。 (2)刺激するだけで生物の意志を操ることのできる神経系がある。 (3)身体が脳に及ぼす影響とは。 (4)意識・感情・感覚の関係。 (5)記憶の曖昧さ=高度な脳の機能。などなど… 高校の生物で習った内容もぽつぽつあって、今さらながらその面白さに気づきました。 勉強って、どの切り口から掘り下げていくかで、全然見え方が違うものだなあと思いました。 幅広い年齢層の人にお薦めできます。
Posted by
大学の頃に読んだときには全然理解できなかったことが、少しは理解できるようになった気がした。 第一章、人間は脳の力を使いこなせていない 第二章、人間は脳の解釈から逃れられない 第三章、人間はあいまいな記憶しかもてない 第四章、人間は進化のプロセスを進化させる という...
大学の頃に読んだときには全然理解できなかったことが、少しは理解できるようになった気がした。 第一章、人間は脳の力を使いこなせていない 第二章、人間は脳の解釈から逃れられない 第三章、人間はあいまいな記憶しかもてない 第四章、人間は進化のプロセスを進化させる という四部構成で、著者が中高生相手に講義をおこなうというもの。内容は高度でもわかりやすく、ときにはうまいたとえを用いていて、非常に読みやすかった。 印象に残ったのは、脳は人間の身体という限界があるからこそ全ての能力を使いきれておらず、まだまだ脳自体には多くの余裕があること。そして、自由意志というものは根本的には存在せず、ほとんどの行動や意識自体を無意識に支配されていること。これに関しては著者の別の著書で、「なにかを行うという自由意志というものはなく、あるとすればなにかを《拒絶》する自由」というようなことを記していた。 フランクルの『夜と霧』あたりに書かれている《真の自由》という概念も、これに通じるものがあると思う。ある入力があって出力がなされるとする。その《入力》と《出力》のわずかな間に、《行動を選択する自由》が存在するとすれば、それは自由意志なのかもしれないが、それは、なにかを選ぶ自由というよりは、【何かを選ばない自由】なのだろう。何かを選ばないというのはつまり、他人に自分のすべてを支配させないということであり、それは、自分の人生に責任をもつということだ。 著者は終章で、「現代の科学は逆進化である」と語る。自然の淘汰に抗い、肉体の進化の逆へ向かおうとしている、と。そして、人間の肉体の外側、つまり《環境》を進化させようとしているのだと。 この言に、『愛と幻想のファシズム』の鈴原冬二の思想を重ねた。あの小説の中で描かれいたザ・セブンは、単に生き物のように成長する資本主義だけでなく、科学技術も含めた人間の欲望そのものなのではないか。鈴原冬二は、《逆進化》を拒絶する象徴的な人物として描かれ、彼を通して、自由とはなにかというテーマにつながっていく。「小説は解答など与えてくれない。本質的な問題提起をするだけだ」みたいなこと言ったのは著者の村上龍だが、そういう意味で言えば、この『進化しすぎた脳』は、とても小説的な、あるいは文学的な科学の本だったといえると思う。
Posted by
図書館で借りました。 脳の中には、手の指一本づつに対応する部分があるそうです。 指をよく使うとぼけないというのはこういう理由なのかと分かりました。
Posted by