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おぞましい二人 の商品レビュー

3.8

102件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2017/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

噂に聞いていたゴーリー初体験。これは凄い。 素敵ポッドキャストハンニバル・レクチャー博士で取り上げられてもおかしくない話題だ。 現実の事件が題材だとか。 とにかく淡々と、冷徹に、黙々と、描く。 彼らサイコパス男女の内面の寒々しさ(果たして内面など存在するのか?)を裏打ちするかのような筆運びだ。 愛し合う喜びを感じられないふたりが、なんとかもがいて愛の証を残そうとした挙げ句が、幼児殺害へと。 「俺たちに明日はない」の裏返しとも。 @@@@@ ムーアズ殺人事件(ムーアズさつじんじけん)は、1963年7月から1965年10月にかけて、イギリスのサドルワース・ムーア(en)(今のグレーター・マンチェスター)で起きた連続殺人事件。 犯人はイアン・ブレイディとマイラ・ヒンドリーであり被害者の遺体をサドルワース・ムーアと呼ばれる荒野に埋めていたことから、この一連の殺人事件は「ムーアズ殺人事件」と呼ばれる。 概要 イアン・ブレイディは読書家の青年でありアドルフ・ヒトラーの『我が闘争』をドイツ語で読みこなし、マルキ・ド・サドの著書も好んでいた。職場で出会ったヒンドリーとはやがて恋人となり、殺人を繰り返すようになった。 殺害されたのはポーリン・リード、ジョン・キルブライド、キース・ベネット、レスリー・アン・ダウニー、エドワード・エヴァンズの5名で、いずれも10歳から17歳の少年または少女であった。また、彼らのうち少なくとも4名は性的暴行を受けていた。3人の遺体は1966年の2人の裁判から20年以上も経過した1987年の調査で発見されたが、4人目の被害者キース・ベネットの遺体は未だ発見されていない。 殺害が発覚したのはヒンドリーの妹モリーンの夫デヴィッド・スミスが、ブレイディに呼ばれてエドワード・エヴァンズの殺害を目撃したことからである。スミスとモリーンは警察に通報し、ブレイディとヒンドリーは逮捕された。 警察は当初エドワード・エヴァンズ、レスリー・アン・ダウニー、ジョン・キルブライドの3名の殺害についてしか把握していなかったが、1985年に、ブレイディがポーリン・リード及びキース・ベネットの殺害について供述したことが報道されたのちに捜査を再開した。ブレイディとヒンドリーは2人別々にサドルワース・ムーアで実況見分を行い、ともにポーリン・リードとキース・ベネットの殺害を認めた。 「全英最凶の女」とも呼ばれたヒンドリーは、「自分は既に更生している」「社会に仇なす存在ではない」として幾度となく終身刑という判決に対して訴えていたが生涯釈放されることなく、獄中にて2002年に60歳で死亡した(死因は心臓疾患及び気管支肺炎)。 ブレイディは1985年に精神異常との診断を受け、それ以来アシュワース高度保安病院に入院している。ヒンドリーとは対照的に、彼は「絶対に釈放されたくはない」「死なせてくれ」と繰り返しているという。 世界中の英語圏の新聞上で取り上げられてきたこの殺人事件は、「『幼い頃から暴力というものにさらされ続けて屈折した女』と『サディスト嗜好のサイコパス』によって起きた『悪い要因の連鎖』によるものだ」とカーディフ大学法精神医学部教授のマルコム・マクロッチが語っている。 場所 イギリスの旗 イギリス イングランドの旗 イングランド グレーター・マンチェスター 標的 未成年 日付 1963年7月 – 1965年10月 概要 10歳から17歳の少年または少女5名が殺害される。少なくとも4名は性的暴行を受けていた。 攻撃手段 拷問 攻撃側人数 二人 死亡者 ポーリン・リード、ジョン・キルブライド、キース・ベネット、レスリー・アン・ダウニー、エドワード・エヴァンズ 犯人 イアン・ブレイディ マイラ・ヒンドリー 動機 犯人のサディズムを満たすため 謝罪 マイラ・ヒンドリーは謝罪したが、イアン・ブレイディは拒否

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2016/12/31

“ムーアズ殺人事件”をわざわざ絵本にしたヤツがいるのか、と思ったら、エドワード・ゴーリーだった…さすがだ。 散々ブラックユーモアとして絵本の中で子供達を面白可笑しく殺してきた作者が、現実に子供達を面白可笑しく殺した犯罪者について沈黙することなく作品にしたのは、作家のさがなのだろう...

“ムーアズ殺人事件”をわざわざ絵本にしたヤツがいるのか、と思ったら、エドワード・ゴーリーだった…さすがだ。 散々ブラックユーモアとして絵本の中で子供達を面白可笑しく殺してきた作者が、現実に子供達を面白可笑しく殺した犯罪者について沈黙することなく作品にしたのは、作家のさがなのだろうな。 絵本ではあるが子供向けでは決してないし、二人の朝食の描写や決着にユーモアを感じられるかどうかは読者を選びそう。

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2016/07/29

実際にあった話をもとに作られた作品。 子どもをさらって殺害していく二人が描かれています。 たんたんと進んでいくからこそ怖いですね。 おぞましいのは、この二人なのかな。 本当は二人が育った環境や触れた思想なのかもしれません。

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2016/06/13

読後感が悪すぎて、人を不安定にする作品。この作品に嫌悪感でいっぱいになる人の方が多数派だと思う。私が二人の主人公を嫌悪しないのは、どこか通じるものがあるからだ。虐げられた者は、どうやって愛を学ぶのだろうか。醜いハリネズミたちの選択はおぞましく、歩む道はかなしい。

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2016/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

月イチ絵本。 前々から気になっていた作品。 しかしまあ、子供が死ぬのが当たり前なゴーリー作品ではあるが、これは少しゴーリーらしからぬといった感じだな。 だいたい他の作品では子供が死ぬにもかかわらず、ちょっと笑っちゃうような不謹慎な感じがあって良いのだが、これはちょっと違う。 まあ、解説を読んだらなんとなくその理由もわかりましたけど。 悪くはないんですけど、ゴーリーらしさを求めて読むとちょっと期待とは違う感じかな。 などと書きましたが、実は結構好きです。 コレ。

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2015/12/07

学校の図書室にてのレンタル正直学校でリクエストして買ってくれるとは思ってませんでしたがうちの学校懐がでかいなと感じました。内容はタイトルの通りとてもおぞましかったですが起こった出来事が淡々と描かれていてあくまでも中立的な視点から描きこの不謹慎な題材をここまであっさりかける事が凄い...

学校の図書室にてのレンタル正直学校でリクエストして買ってくれるとは思ってませんでしたがうちの学校懐がでかいなと感じました。内容はタイトルの通りとてもおぞましかったですが起こった出来事が淡々と描かれていてあくまでも中立的な視点から描きこの不謹慎な題材をここまであっさりかける事が凄いなと感じました。

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2015/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

静かに、淡々とした空気がほかの作品と一線がちがう。本来こちらが現実のサイコパス・シリアルキラーの姿かもしれない。 もしかしたら、二人にとって殺人は自分たちが愛し合った、人間らしさを感じた証を残したい思いからきたものかと思う。

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2015/09/02

かつてイギリスで起きた「ムーアズ殺人事件」という、男女で4年にわたり5人の子供を殺したという実話。いかにも作者らしく「おぞましい」ことが淡々と描かれており、かなり怖い絵本に仕上がっている。作者の挿絵も見事にマッチしており、「アート」であると感じる。ただ、それだけにリアルすぎて、嫌...

かつてイギリスで起きた「ムーアズ殺人事件」という、男女で4年にわたり5人の子供を殺したという実話。いかにも作者らしく「おぞましい」ことが淡々と描かれており、かなり怖い絵本に仕上がっている。作者の挿絵も見事にマッチしており、「アート」であると感じる。ただ、それだけにリアルすぎて、嫌悪感を抱く人は多いだろうな。

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2015/09/13

ゴーリーのファンタジー感やユーモアがある他の「黒い本」とは明らかに趣が違う。 次々と子供を誘拐して殺した「精神異常」のハロルドとモナ。 「愛し合おうとして長時間懸命に頑張っても、成果はなかった」 序盤のこのページが薄ら寒い。 2人の抱える人生における欠落。 その欠落を埋め...

ゴーリーのファンタジー感やユーモアがある他の「黒い本」とは明らかに趣が違う。 次々と子供を誘拐して殺した「精神異常」のハロルドとモナ。 「愛し合おうとして長時間懸命に頑張っても、成果はなかった」 序盤のこのページが薄ら寒い。 2人の抱える人生における欠落。 その欠落を埋めるように行われるその後の行為(=誘拐殺人)は世にもおぞましい。 でも読まなきゃ良かった、と思わないのは、この本の毒で埋めなきゃならない欠落が私の中にもあるからかもしれない。

Posted byブクログ

2015/01/27

実際の事件をもとに書いているだけあって、すごく不気味だった。 ゴーリーの本で一番読み応えがあるかも。

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