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おぞましい二人 の商品レビュー

3.8

108件のお客様レビュー

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2019/01/04

新年明けまして、まずはゴーリー連発から読書はじめ。去年のうちに買ってあったものなので、まあ確信犯的に。まずは実際の殺人鬼を元にした本作から。動機もいまひとつハッキリしない殺人者の異常性が、ゴーリーの不気味な絵とよく調和していて、えもいわれぬ余韻を残す。いわゆる大人の絵本ですね。

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2018/10/30

1965年に明るみに出た「ムーアズ殺人事件」。イギリスで二人の男女が4年にわたり5人の子供を残虐に殺して荒野(ムーア)に埋めていた事実が明らかとなった。「もう何年も本の中で子供たちを殺してきた」と自ら言うエドワード・ゴーリーが、この現実に起きた悲惨な事件によって心底動揺させられ、...

1965年に明るみに出た「ムーアズ殺人事件」。イギリスで二人の男女が4年にわたり5人の子供を残虐に殺して荒野(ムーア)に埋めていた事実が明らかとなった。「もう何年も本の中で子供たちを殺してきた」と自ら言うエドワード・ゴーリーが、この現実に起きた悲惨な事件によって心底動揺させられ、描いたのが本書である。(アマゾン紹介文) こういう形で吐き出さざるをえなかったのか。表紙も裏表紙も、ぞっとするようなイラストです。 事実のみを淡々と描写し過激な表現はほとんどないにもかかわらず、頭がくらくらと痛くなりました。

Posted byブクログ

2018/10/29

表紙の大人は半分が男で半分が女。 手をつないでいるのは幼き頃のハロルドとモナ。 荒野(ムーア)の地の下に埋められているのは自分。 読後感がハンパなく悪いこの本。 絵本であることを忘れるのは、これが現実に起こったことだということ。

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2018/02/27

読み終えた後、物悲しさで心が一杯になる。二人の男女が子供を殺し、普段通りにすごす話が淡々と描かれると。どんな気持ちで読めばいいのだろうか。

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2017/12/04

相変わらずなんの救いもない後味の悪いお話だったけど あとがきで 子供を殺した翌日の朝ごはんを何度も悩んだって書いてて そのこだわりすごいな…と思った どこからどこまで実際の事件を元にしてるんだろう

Posted byブクログ

2017/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨日は、 「誉田哲也」さんが2002年に実際にあった、 北九州凶悪監禁殺人事件に触発されて書いたとされる「ケモノの城」の感想を書きました。 それで、 ふと思い出したのね。 最近書いてないねエドワード・ゴーリーさんの絵本の感想な。 つか、 感想を書くのが難しいのよねエドワード・ゴーリーさんの絵本って。 なにしろ、 ナンセンスで不条理な内容に理解はできない。 そもそも、 理解しようと思うのがナンセンスって絵本なんですもの! エドワード・ゴーリーさんの、 「おぞましい二人」という絵本があります。 こちらは、 1965年ムーアズ殺人事件と呼ばれる、 「イアン・ブレイディ」と、 「マイラ・ヒンドリー」という男女が4年に5人の子供を殺した事件です。 エドワード・ゴーリーはこの事件を知って、頭から離れなかった! 資料を読み漁って、 それを物語にせずにはいられなかった! 描かずにはいられなかった絵本が「おぞましい二人」なんですね。 かなりこだって描かれた絵本らしくって、 2人が初めて殺人を犯した翌朝に食べた食事について、 何度も何度も感が抜いてこだわって書いたらしいの。 ぶっちゃけ、 そんなのなんだっていいじゃないか! と、 思うけど、 そのこだわりが作品の、 二人が生きてきた世界の空気をリアルに捉えようとしたからなのではないかと推測される。 そもそもわからないのは、 そういった、 痛ましい事件を物語にする意味なんですね。 まだ、 誉田哲也さんのはそれを知って自分の中に何かを落として、 そうそうないだろうけど、 そういったことがあったらどうするっていう空想をすることで、 ある意味の覚悟と、 価値観を自分の中に創ることができるという意味があるのではないかと思うのね。 でも、 絵本ですよエドワード・ゴーリーのおぞましい二人は。 基本、 子供が読むであろう絵本でそれをやるか? つか、 読者を子供に設定してないのかもしれないね。 ならば、 どういう意味があるのだろう? それは、 ナンセンスな絵本なんで考える意味はないのかもしれない。 しかし、 果たして本当にそうなのか? 「愛」か。 おぞましい二人を読んでて思うのは「愛」か。 「愛」があったかなかったかなのか。 埋め合うことができなかったゆえにそういう行動にでたのか? 「ケモノの城」を読んだからこそ、 「愛」なのかって思うが、僕の答えはまだ出てはいない。。。

Posted byブクログ

2017/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

噂に聞いていたゴーリー初体験。これは凄い。 素敵ポッドキャストハンニバル・レクチャー博士で取り上げられてもおかしくない話題だ。 現実の事件が題材だとか。 とにかく淡々と、冷徹に、黙々と、描く。 彼らサイコパス男女の内面の寒々しさ(果たして内面など存在するのか?)を裏打ちするかのような筆運びだ。 愛し合う喜びを感じられないふたりが、なんとかもがいて愛の証を残そうとした挙げ句が、幼児殺害へと。 「俺たちに明日はない」の裏返しとも。 @@@@@ ムーアズ殺人事件(ムーアズさつじんじけん)は、1963年7月から1965年10月にかけて、イギリスのサドルワース・ムーア(en)(今のグレーター・マンチェスター)で起きた連続殺人事件。 犯人はイアン・ブレイディとマイラ・ヒンドリーであり被害者の遺体をサドルワース・ムーアと呼ばれる荒野に埋めていたことから、この一連の殺人事件は「ムーアズ殺人事件」と呼ばれる。 概要 イアン・ブレイディは読書家の青年でありアドルフ・ヒトラーの『我が闘争』をドイツ語で読みこなし、マルキ・ド・サドの著書も好んでいた。職場で出会ったヒンドリーとはやがて恋人となり、殺人を繰り返すようになった。 殺害されたのはポーリン・リード、ジョン・キルブライド、キース・ベネット、レスリー・アン・ダウニー、エドワード・エヴァンズの5名で、いずれも10歳から17歳の少年または少女であった。また、彼らのうち少なくとも4名は性的暴行を受けていた。3人の遺体は1966年の2人の裁判から20年以上も経過した1987年の調査で発見されたが、4人目の被害者キース・ベネットの遺体は未だ発見されていない。 殺害が発覚したのはヒンドリーの妹モリーンの夫デヴィッド・スミスが、ブレイディに呼ばれてエドワード・エヴァンズの殺害を目撃したことからである。スミスとモリーンは警察に通報し、ブレイディとヒンドリーは逮捕された。 警察は当初エドワード・エヴァンズ、レスリー・アン・ダウニー、ジョン・キルブライドの3名の殺害についてしか把握していなかったが、1985年に、ブレイディがポーリン・リード及びキース・ベネットの殺害について供述したことが報道されたのちに捜査を再開した。ブレイディとヒンドリーは2人別々にサドルワース・ムーアで実況見分を行い、ともにポーリン・リードとキース・ベネットの殺害を認めた。 「全英最凶の女」とも呼ばれたヒンドリーは、「自分は既に更生している」「社会に仇なす存在ではない」として幾度となく終身刑という判決に対して訴えていたが生涯釈放されることなく、獄中にて2002年に60歳で死亡した(死因は心臓疾患及び気管支肺炎)。 ブレイディは1985年に精神異常との診断を受け、それ以来アシュワース高度保安病院に入院している。ヒンドリーとは対照的に、彼は「絶対に釈放されたくはない」「死なせてくれ」と繰り返しているという。 世界中の英語圏の新聞上で取り上げられてきたこの殺人事件は、「『幼い頃から暴力というものにさらされ続けて屈折した女』と『サディスト嗜好のサイコパス』によって起きた『悪い要因の連鎖』によるものだ」とカーディフ大学法精神医学部教授のマルコム・マクロッチが語っている。 場所 イギリスの旗 イギリス イングランドの旗 イングランド グレーター・マンチェスター 標的 未成年 日付 1963年7月 – 1965年10月 概要 10歳から17歳の少年または少女5名が殺害される。少なくとも4名は性的暴行を受けていた。 攻撃手段 拷問 攻撃側人数 二人 死亡者 ポーリン・リード、ジョン・キルブライド、キース・ベネット、レスリー・アン・ダウニー、エドワード・エヴァンズ 犯人 イアン・ブレイディ マイラ・ヒンドリー 動機 犯人のサディズムを満たすため 謝罪 マイラ・ヒンドリーは謝罪したが、イアン・ブレイディは拒否

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2016/12/31

“ムーアズ殺人事件”をわざわざ絵本にしたヤツがいるのか、と思ったら、エドワード・ゴーリーだった…さすがだ。 散々ブラックユーモアとして絵本の中で子供達を面白可笑しく殺してきた作者が、現実に子供達を面白可笑しく殺した犯罪者について沈黙することなく作品にしたのは、作家のさがなのだろう...

“ムーアズ殺人事件”をわざわざ絵本にしたヤツがいるのか、と思ったら、エドワード・ゴーリーだった…さすがだ。 散々ブラックユーモアとして絵本の中で子供達を面白可笑しく殺してきた作者が、現実に子供達を面白可笑しく殺した犯罪者について沈黙することなく作品にしたのは、作家のさがなのだろうな。 絵本ではあるが子供向けでは決してないし、二人の朝食の描写や決着にユーモアを感じられるかどうかは読者を選びそう。

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2016/07/29

実際にあった話をもとに作られた作品。 子どもをさらって殺害していく二人が描かれています。 たんたんと進んでいくからこそ怖いですね。 おぞましいのは、この二人なのかな。 本当は二人が育った環境や触れた思想なのかもしれません。

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2016/06/13

読後感が悪すぎて、人を不安定にする作品。この作品に嫌悪感でいっぱいになる人の方が多数派だと思う。私が二人の主人公を嫌悪しないのは、どこか通じるものがあるからだ。虐げられた者は、どうやって愛を学ぶのだろうか。醜いハリネズミたちの選択はおぞましく、歩む道はかなしい。

Posted byブクログ