おぞましい二人 の商品レビュー
1.おすすめする人 →大人が読んでも楽しめる絵本が読みたい、 猟奇的な話が好き 2.内容 →ある2人が出会い、殺人を繰り返す。 本当にあった殺人事件をベースに描かれていく。 完全に大人向け、文字数が少ない分、 絵の表現力がすごい。
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ムーアズ殺人事件を元にした本作。 細部は違えども、当時の記事をプロファイリングされたような描写が数多くあり興味深く拝読。食事よ様子や映りの悪い写真の話など。 殺人を犯した人の動機や目的などが生い立ちなどの境遇に影響されるように思われていますが、結局はわからないことが多いです。書...
ムーアズ殺人事件を元にした本作。 細部は違えども、当時の記事をプロファイリングされたような描写が数多くあり興味深く拝読。食事よ様子や映りの悪い写真の話など。 殺人を犯した人の動機や目的などが生い立ちなどの境遇に影響されるように思われていますが、結局はわからないことが多いです。書いたところで、調べたところで完全に理解を得られるわけでもありません。 なぜこんなことをしたのか、というのを起因に作家らしい衝動のもと完成された作品でした。意味を求めての表現というより、異常性の中にある日常的なシーンが(それでもズレてはいるものの)際立っており、曰く描かずにはいられなかったのかもしれません。
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「その結果、自作のうちで『どうしても書かずにいられなかった』のはこの本だけだ、と本人も述べている本が出来上がった。」 -訳者あとがきより 表紙の折り返しの部分に、「ゴーリー最大の問題作?」と書いてあります。 淡々と繰り返される日常の中に、淡々と狂気が入り込んでいる様が異様さを引き立たせています。 「二人とも無関心に沈んだまま、裁判はえんえんと続いた」 誰かが腐りかけた鼠を投げても彼らの反省を促すことはできないのでしょう。
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陰湿な性格をもって生まれた、似た者同士の二人(ハロルドとモナ)。 愉悦のために犯し続けた<子ども殺し>。 犯行の翌朝、何事もなかったように〝二人は食卓について、コーンフレ-クと糖蜜、カブのサンドイッチ、合成グレ-プソ-ダの朝食をとった・・・〟カルト絵本作家のエドワ-ド・ゴーリ-が...
陰湿な性格をもって生まれた、似た者同士の二人(ハロルドとモナ)。 愉悦のために犯し続けた<子ども殺し>。 犯行の翌朝、何事もなかったように〝二人は食卓について、コーンフレ-クと糖蜜、カブのサンドイッチ、合成グレ-プソ-ダの朝食をとった・・・〟カルト絵本作家のエドワ-ド・ゴーリ-が、1965年に明るみに出た「ムーアズ殺人事件」と呼ばれるイギリスであった現実の事件を題材に、おぞましき人間社会の救われない世界が描かれた大人の絵本。
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中田あっちゃんがYouTube大学でおすすめしていた本を読んでみました。 絵本にしていいのか?と思えるほどのおぞましい内容ですが、独特の世界観に引き込まれますね。 普段真面目な本を読んでいることが多い方や、刺激的な絵本を読みたい方はぴったりの絵本だと思います。本って無限大のパ...
中田あっちゃんがYouTube大学でおすすめしていた本を読んでみました。 絵本にしていいのか?と思えるほどのおぞましい内容ですが、独特の世界観に引き込まれますね。 普段真面目な本を読んでいることが多い方や、刺激的な絵本を読みたい方はぴったりの絵本だと思います。本って無限大のパワーが眠っていますよね。
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罪の意識、慈悲の心などが欠如し、四人の子供を殺め、精神異常を理由に一生を収監された病院で過ごした人間の話。まるでそうすることが運命であったかのように、淡々と経緯が記される。一体邪悪な心は何の為に人間に用意されているのだろう、この二人が全く異なる環境で生育していたら、邪悪とは無縁の...
罪の意識、慈悲の心などが欠如し、四人の子供を殺め、精神異常を理由に一生を収監された病院で過ごした人間の話。まるでそうすることが運命であったかのように、淡々と経緯が記される。一体邪悪な心は何の為に人間に用意されているのだろう、この二人が全く異なる環境で生育していたら、邪悪とは無縁の人生を送ることができただろうかと、ふと思った。
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ゴーリーが唯一どうしても書かねばならないとしたムーアズ殺人事件をもとにした作品。 ハロルドとモナが4人の子供を殺害する絵本だが、狂気な内容のはずが淡々と書かれることで、不愉快ではあるがこれもまたわれわれと同じ人間なのだと思った。(精神疾患となっているがどうだろう) 1人目を殺害し...
ゴーリーが唯一どうしても書かねばならないとしたムーアズ殺人事件をもとにした作品。 ハロルドとモナが4人の子供を殺害する絵本だが、狂気な内容のはずが淡々と書かれることで、不愉快ではあるがこれもまたわれわれと同じ人間なのだと思った。(精神疾患となっているがどうだろう) 1人目を殺害した翌朝の朝食は細かく描かれ、ことが済んだ無音?寂々?な雰囲気を印象付けられた。 人殺しはもっと狂った感情を持ち、一般とは異なる奇怪な人間というレッテルもなく、その静かさに恐ろしさを感じた。 226冊目読了。
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実際にあった事件を元にした、エドワード・ゴーリーの絵本における代表作品。ハロルドとモナの人生を非常に淡白に追いかけていくだけである。 ゴーリーはどのような心境でこの作品を作ったのだろうか。誘拐や殺人を糾弾し、戒めるためにこの絵本は生まれたのだろうか。……そうではないような気がする。ゴーリーは恐らくこの2人に、何か私たちとは違った別の感情を抱いたのだと思う。それは憧憬かもしれないし、畏怖かもしれない。ただ分かることは、この残酷な絵本が世界中で評価され、今日まで残っているということは、私たちの深層心理に、ゴーリーが殺人に抱いものと同じ感覚が宿っていて、一見おぞましく思われるそれが、不思議な懐かしさを含んでいるという事実だろう。
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肉に埋もれて泣く子供 自ら望んだわけでなく 誰が望んだわけでもない 肉欲の稀有な落し物 腐りゆく肉の中 時空の螺旋に押し込まれ 訳も分からず泣き喚く あやすものは現れず 枯れた喚きは嗚咽にかわる 潰れた喉を捻りとも 喘ぎ声にかき消され 誰かに届くことはない 看守はあんよが上手な不...
肉に埋もれて泣く子供 自ら望んだわけでなく 誰が望んだわけでもない 肉欲の稀有な落し物 腐りゆく肉の中 時空の螺旋に押し込まれ 訳も分からず泣き喚く あやすものは現れず 枯れた喚きは嗚咽にかわる 潰れた喉を捻りとも 喘ぎ声にかき消され 誰かに届くことはない 看守はあんよが上手な不精者 鍵はいつでも差し通し うつろな音を携えて 気まぐれながらも配給を 娼婦に、薔薇の花束を 女衒に、銀の勲章を 泣く子に、愛の叱責を 破獄者に、死の賞賛を
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淡々と、狂気は日常に棲んでいるのかもしれない。 1コマ毎の静かな空気とテンポが美しくもある。 目を背けたくなる事実・人生をそのまま描こうと、苦心した様子がとれる。
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