幸福な食卓 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
あたたかくてふわふわしたストーリーかと思えば悲しい展開に衝撃を受け、読後はずっしり重い気持ちになった。感情の振れ幅は大きかったが、文章が淡々としているのでスイスイ読める。 父の自殺(未遂)後、母は自分を責めて心を壊し、直ちゃんは「なぜ」を気にして、佐和子は父の命を救った。家族それぞれの行動に個性があらわれてるなぁと感じた。 家族の在り方はさまざまであって、家庭における規則や役割といった枠組みに囚われすぎるのは良くない。だけど、時にはそういう拠り所のようなものも必要なんだな。
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2013年6月6日 不思議な家族の話。 自殺未遂をしたお父さん。 別居中(でも仲は良い)のお母さん。 進学校のトップの成績なのに大学に行かずに農業の仕事をする兄の直。
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それぞれに悩みを抱えながら、それとうまく付き合っている家庭のお話。大浦くんの事件のところでは涙が出た。それでも残されたものは生きていかなければならない。
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たった1ページで、暗転。みたいなのが2度ほど起きる(2度目はすこし、立ち上がれないかとさえ思った)。でも現実というのはだいたいこんなものだし、それでもみんな眠って、食べて、それでも生きてゆくのだということはよく知りながら、どうしても肌に合わない。死んでしまいたいほどにくるしい傷の...
たった1ページで、暗転。みたいなのが2度ほど起きる(2度目はすこし、立ち上がれないかとさえ思った)。でも現実というのはだいたいこんなものだし、それでもみんな眠って、食べて、それでも生きてゆくのだということはよく知りながら、どうしても肌に合わない。死んでしまいたいほどにくるしい傷の痛みは、そう簡単に、飲み下せるものではないのだ。飲み下さなければ、生きてなどいけないことはいくら、分かっていても。
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終盤の展開には著者を嫌いになりかけましたが、読み終わってみればすっきりしました。 会話が多いのか登場人物の特性か、淡々と話が進んでいく感じがして、読みやすかったです。 シュークリーム食べたい。
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この人の本はなぜか読めない。ベストセラーだしおもしろそうだなーと思って読みかけるんだけど、なぜか読めない。 そういう本ってあるよね。
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切なくて、不思議な家族の物語 タイトルから「壊れかけた家族が仲良くなって最終的には同じ食卓を囲めるようになる話」なのかなって思ってたけど、ちょっと違った 佐和子の家族は最初っから穏やかな、「いい家族」だった。 でもその家族には少しの違和感があった。 「父さんをやめる」と言い出した父。 優秀だが何にも異様に固執しない兄。 別居をしているが家事だけをしに来る母。 それらの違和感はすべて、過去の「あるできごと」が原因で生まれたものだった。 そしてそんな家族の中で育ってきた佐和子。佐和子を好きになった「大浦くん」 佐和子の家庭内や学級で起こる様々な問題。 そんなときに佐和子の心の支えになってたのが大浦くん。 その大浦くんがいなくなってしまった時のショックは尋常じゃない。 そこから佐和子が自分の家族や友人、大浦くんの家族と接することで最後には前を向いて歩いていけるようになる。 人生は何が起こるかわからない。 大切な人を突然失ってしまうかもしれない。そんなときに自分を責めて、後悔してもしきれないこともある。 でも時間は無情にもすぎていく。 だから、なくなったものより「今」あるものを大切にしていきたい。 幸せは掴み取るものじゃなくて気づくものなのかな? 例えばいつも家族と食べる朝ごはんとか
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幸せは普段過ごしている日常の中にきちんとありますよ。幸せの形は決まっておらず、人それぞれですよ。辛いことがあっても、きっと乗り越えていけますよ。っていうお話。
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「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」 春休み最後の日、朝の食卓で父さんが言った。 主人公・中原佐和子の父親が仕事の教師を辞め、そして父親も辞めると宣言する。 これが物語の始まり。なかなかインパクトのある出だしに、少々、父親の無責任さに苛立つ。 当然ながら『お父さんを辞める...
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」 春休み最後の日、朝の食卓で父さんが言った。 主人公・中原佐和子の父親が仕事の教師を辞め、そして父親も辞めると宣言する。 これが物語の始まり。なかなかインパクトのある出だしに、少々、父親の無責任さに苛立つ。 当然ながら『お父さんを辞めるなんて、なんて無責任な父親なんだ!』と思ってしまう。 しかも兄・直は、憤りも動揺もなく「いいんじゃない?」の一言を発したのは、この兄の思考は?と疑ったのち、学年トップの成績で英検1級、漢検1級であることを知ると『そうなんだ』と逆に落ち着いた思考だと感心してしまう。(すごい先入観だ) 自殺未遂の父、夫の自殺未遂に病んでしまい家を出た母(家を出た後は生き生きしているようだ)、天才児で大学を中退し農業をする兄、父の自殺未遂のショックから梅雨時期に具合が悪くなる佐和子。これが中原家である。 「うちの家庭って崩壊してるのかな?」 私がプリンにスプーンを突き刺しながら言うと、母さんが目を丸くした。「どうして?恐ろしく良い家庭だと思うけど」「父さんが父さんを辞めて、母さんは家を出て別に生活してる」 (中略) 「でも、みんなで朝ご飯を食べ、父さんは父さんという立場にこだわらず子どもたちを見守り、母さんは離れていても子どもたちを愛している。完璧。」 良い家庭の基準はその家族が決めるものである。側から見ていて崩壊していても(笑)、その家族がいいと思っていれば、これが普通だと思っていれば、それでいい気がする。 仮に中原家が崩壊していたとしても、私がこの家族を良い家族だなぁと思えたのは、家族が家族のことを考えていることだ。 佐和子が高校になってつき合った大浦君が、亡くなった時、佐和子を支えたのは家族であった。直ちゃんが、小林ヨシコに振られそうになった時に一緒に悩んだのは佐和子だった。 「幸福な食卓」の定義、この本を読んで、タイトルの意味がわかる。家族が揃って食事ができることが何よりの幸福ではなかろうかと同意する。少なくとも中原家においては…
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予想外に、読み終わったあとの、ずどんって感じがすごい。 タイトルの「幸福な」っていうのが、救われる気持ち。
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