夜這いの民俗学・夜這いの性愛論 の商品レビュー
確かにそういった話はなかなか聞けるものではないからこそ貴重な話だというのは分かるが、あの頃はよかったといった論調で柳田国男を始め多くの人物をdisっているのはいただけないし、読んでいて不愉快。 これではただの上から目線の老害。 ただ一つ分かったのは、昔の日本の村がよく言えば性に...
確かにそういった話はなかなか聞けるものではないからこそ貴重な話だというのは分かるが、あの頃はよかったといった論調で柳田国男を始め多くの人物をdisっているのはいただけないし、読んでいて不愉快。 これではただの上から目線の老害。 ただ一つ分かったのは、昔の日本の村がよく言えば性に寛容、悪く言えば権利も人権もへったくれもない状態だったということ。 筆者からすれば現代の私たちも教育勅語に汚染された人々(作中の表現より)と大して変わらないつまらない人物のように思うのかもしれないが、それでも襲われた襲ったのような話を楽しげに語るのを当然と思っている人と同じ時代に生まれなくてよかったと思った。 男尊女卑的な考え方に基づいて考えているような気がするし、万年発情期というか生涯発情期ということが当たり前という考え方が気持ち悪い。 それに、「保健の授業で習うばかりで実践しないなんてかわいそう(本文より意訳)」だなんて余計なお世話。 貴重な経験談だとは思うが、文化として調べる対象としてはあまりにも下品すぎて遠慮したい。 わざわざ民族“学”として調べるようなものでもないし、独断と偏見に基づいたものが多すぎる。 これほどにも読むのが苦痛だった作品は中々ないと思う。 二冊を一冊にした都合とはいえ、同じ部分を何度も読まされるのにはイラついた。 個人的にそういった知識に乏しいために、四分の三くらい何言ってるかよく分からなかった。 ただ、自分の地元の祭も祖母曰く乱交状態の祭りだったものが現代では普通の祭となったものもあり、資料をあさって調べても出てこないことを鑑みると、筆者の言い分も分からなくはない。 作中の主題とは逸れるが、奉公人が本名ではなく仮名?のようなものを名乗っていたというのは千と千尋の神隠しのようで興味深かった。 個人的には解説者も散々作中でdisられていたのが面白かった。
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これまでの民俗学がまともに扱って来なかった「夜這い」という文化を説明した本。昔の方が今よりも性が解放されており、それが村の若者の成長の過程に位置付けられていたことがわかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昔の日本人は性に対してとても開放的であったのだなと思う。夜這い然り。混浴も然り。でも、田舎ではどこでもそんなに頻繁に夜這いが行われていたのかと驚いてしまう。赤松氏は民俗学の泰斗である柳田國男は夜這いを知っていながら、いっさい触れることのなかったことを「農政官僚だった柳田が夜這いをはじめとする性習俗を無視したのも、彼の倫理観、政治思想がその実在を欲しなかったからであろう」非難している。また、赤松氏は夜這いを肯定的に捉えているが、この風習の悪影響は多々あったと思われる。世の変化とともに消滅して良いのだと思う。
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童貞や処女のいない昔の村社会…ファンタジーのような理想郷ではないか。少なくとも男性には(笑)。近所のお姉さんやおばさんの性教育で15の辺りの若衆には包茎もいなかった(驚愕)。眉に唾付けても読む価値あるよという上野千鶴子の解説も面白い。赤松先生晩年のブレイクは大月隆寛さんが仕掛けた...
童貞や処女のいない昔の村社会…ファンタジーのような理想郷ではないか。少なくとも男性には(笑)。近所のお姉さんやおばさんの性教育で15の辺りの若衆には包茎もいなかった(驚愕)。眉に唾付けても読む価値あるよという上野千鶴子の解説も面白い。赤松先生晩年のブレイクは大月隆寛さんが仕掛けたってあのBSマンガ夜話の?
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本書は「夜這いの民俗学」と「夜這いの性愛論」が一緒になったものであるが、そのため内容が少々かぶっており、先ほど読んだ内容とほとんど同じ内容がまた繰り返されるということがある。その点が非常に煩わしかった。 しかし内容については非常にためになり、少し低俗な民俗学にも見えるかもしれな...
本書は「夜這いの民俗学」と「夜這いの性愛論」が一緒になったものであるが、そのため内容が少々かぶっており、先ほど読んだ内容とほとんど同じ内容がまた繰り返されるということがある。その点が非常に煩わしかった。 しかし内容については非常にためになり、少し低俗な民俗学にも見えるかもしれないが、実際フィールドワークを通じての事実であり、過去の日本の民衆の生活を知る上で非常に効果的だ。 夜這いというタイトルだが夜這いだけにとどまらず、実際の当時の民衆の生活模様が詳細に描かれている。 農村から都市への人口流出などの原因、当時の様々な職業の方々の生活など、セックス文化と生活が密接に関わりあっていることが少し読みにくい日本語で書かれている。 教育勅語を否定するなど、少々論争のタネになりそうな表現もあるが、実際日本人は一夫一婦制の貞操観念など田舎には無く、性に関しても寛容であるなどの内容は非常に興味深かった。 日本人のセックス論について、この本は非常に価値のある研究書となっている。 ただやはり途中の説明などが非常に読みにくい部分もあった。
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昔の農村は男女ともセックスしまくりの時代だったという著者の聞き取り調査+体験の話。刺激的でおもしろい。爆笑しながら読んでいた。
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夜這いということが現実のものとして、ムラでは、わりと近年まで(昭和に入っても)行われていたという事実は、別の本で読んで知っていた。今回、「セックスレス亡国論」を読んで、本書の紹介があったので著者の本を初めて読んでみた。同じ話が何度も、しかも数ページおくだけで登場するのは、ちょっと...
夜這いということが現実のものとして、ムラでは、わりと近年まで(昭和に入っても)行われていたという事実は、別の本で読んで知っていた。今回、「セックスレス亡国論」を読んで、本書の紹介があったので著者の本を初めて読んでみた。同じ話が何度も、しかも数ページおくだけで登場するのは、ちょっとどうかと思うけど、しかしまあ、こんなことがあったとは。放送禁止用語もいっぱいで、ここではくわしく説明しないけれど、とにかく、今からすると恐ろしく性的には解放されていたようだ。誰の子どもだかわからないような子を産んでもいる。イエがどうだとか、あるいは遺伝子がどうだとか、なんだか、そんなことはとってもちっぽけなことのように感じられる。しかし、今でも性に目覚める、12,3歳の男の子が、人妻や未亡人に性の手ほどきを受ける。うらやましいんだか、なんだかなあ。さて、本書を読んでいると、大正から昭和初期にかけての話が主なわけだけれど、経済格差なんていうのは、今とは全く比べものにならないほど、ひどいものだったと言えよう。まあ、時代が変わってしまったと言えばそれまでだけど、貧しいのは貧しいなりに楽しい人生を送っていたのだろう。
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いやぁ面白いわ。小説ではなく事実。それも昔の話じゃない。ヤノマミかと思ったわー。このくらい大らかだと性犯罪もないかもね。がしかし自分ならいいが(いいのか)娘を差し出すのはヤですね。やっぱり。 ブログにまたもや感想文(長い)書いた。 http://zazamusi.blog103....
いやぁ面白いわ。小説ではなく事実。それも昔の話じゃない。ヤノマミかと思ったわー。このくらい大らかだと性犯罪もないかもね。がしかし自分ならいいが(いいのか)娘を差し出すのはヤですね。やっぱり。 ブログにまたもや感想文(長い)書いた。 http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-992.html
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平成生まれの道徳観念に浸かりきった私からすれば、これが本当に明治〜昭和の話!?という感じ。でも昔のことを調べるうえでは避けては通れない話なので、こういうことが本になっていると助かる。
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現代日本からは想像できない、びっくり日本史でした。 昔は性に対してオープンで、みんなわりとやりたい放題だったんだなあ、と。 読後最も強く感じたのは、この時代に生まれなくてよかったということと、この人柳田國男が嫌いなんだなということでした。 柳田批判をしつこく書いていて、笑えました...
現代日本からは想像できない、びっくり日本史でした。 昔は性に対してオープンで、みんなわりとやりたい放題だったんだなあ、と。 読後最も強く感じたのは、この時代に生まれなくてよかったということと、この人柳田國男が嫌いなんだなということでした。 柳田批判をしつこく書いていて、笑えました。 また、単なる聞き取りではなく、自ら実践したもんね、と言い切る辺り、ある意味すごい人だと感じました。 後半の商家の序列や仕組みについては興味深く読むことができました。
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