パラレル の商品レビュー
最初から惹きこまれたわけではなく、気がついたらすごくすごく好きになってた。 不安定なようで、実はしぶとくて強いな、と思う。 絆とか人間としての強さとか、全部。 社長の津田とゲームデザイナーの七郎。彼の元妻、友人のサオリ、部下や後輩。 ただ平行に同じ世界でそれぞれ生きてる。 その中...
最初から惹きこまれたわけではなく、気がついたらすごくすごく好きになってた。 不安定なようで、実はしぶとくて強いな、と思う。 絆とか人間としての強さとか、全部。 社長の津田とゲームデザイナーの七郎。彼の元妻、友人のサオリ、部下や後輩。 ただ平行に同じ世界でそれぞれ生きてる。 その中でいつのまにか距離感が遠くなったり、ふと近くなったり。 それってなんか、すごいね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
元ゲームデザイナーで今は失業中の七郎。 離婚した妻からは今もたまに連絡がくる腐れ縁のような関係のなか 起業して順調に会社を成長させ、女遊びの激しい社長である学生時代からの友人津田とつるむ日々で 他の適当な女と関係を持ったり昔の仕事仲間から復帰しないかと何度も言われながら いきつけの美容院の人には離婚したことは今だに言っていなかったり 著者特有のなんてことない日々が淡々と書かれている。 でもこれは正直内容いまいちで読むのに時間が掛かりすぎた。 著者だから読んだけど、著者が書いたものじゃなかったら残念ながら絶対読まないであろう)^o^(
Posted by
恋は落ちるものなのか落ちてくるものなのか分かります? あくまでも僕自身の感想ですが、長嶋有の諸作品の中ではあまり評価の高くない作品。最後のエピソードが出来過ぎというか、彼に求めているのはウェルメイドやハッピーエンドじゃないんですよ。新刊即購買というわけにはいきませんが、本屋さんに...
恋は落ちるものなのか落ちてくるものなのか分かります? あくまでも僕自身の感想ですが、長嶋有の諸作品の中ではあまり評価の高くない作品。最後のエピソードが出来過ぎというか、彼に求めているのはウェルメイドやハッピーエンドじゃないんですよ。新刊即購買というわけにはいきませんが、本屋さんに寄ればこれ読んでいなかったけなあ、という具合にいつの間にやら手にしている日本の現代作家なんですから、おのずと高い期待値が付与されているんです。 『パラレル』と表題にあるように、本書はいくつものパラグラフが時系列に関係なく余白と共に並べられています。もちろん本書は一つの作品で、実験とか前衛にはおそらく接点のない?長嶋有にしては比較的長めの中篇、長らく友人関係にある30代の男二人、ぼく(=七郎、バツイチ)と津田(社長、女の出入りが激しい独り者)、そして女たちの日常が、最初のページから終わりまで、グダグダとそれでいてひょうひょうとした作者特有のキャラクター形成、および語り口ははいつもながらうまいと思うし、ところどころにハッとするようなセリフもちりばめられているのだけれど、読み終えた後のいつまでも余韻を引きずるようなひょうびょうとした風景(これを噛みしめたいがために僕は彼の作品を求めるのです)が本書では断ち切られしまったんです。
Posted by
こういう話ってきっと結構あるもんだろうなあと思いながら、その一方で自分とは無縁の世界の話みたいだなあと思いながら読んだ。この本に限らないけど、今の自分に近い年齢の登場人物が多い物語というのは、ものすごく現実感がある場合と、全く現実感を持てない場合がある、つまり両極端なと最近よく思...
こういう話ってきっと結構あるもんだろうなあと思いながら、その一方で自分とは無縁の世界の話みたいだなあと思いながら読んだ。この本に限らないけど、今の自分に近い年齢の登場人物が多い物語というのは、ものすごく現実感がある場合と、全く現実感を持てない場合がある、つまり両極端なと最近よく思う。この本については、どちらかというと現実感はあるのだけど、ここに出て来るような人が自分の周囲にはほとんどいないために、何となくぼんやりとした印象になったと思う。
Posted by
パラで走らせるのもラクじゃないっしょ。 なべてこの世はラブてジョブ。 韻もばっちり、ノックアウトでしょ。 私はこれで、長嶋有にハマりました。
Posted by
ぱちぱち と瞬きしながら思いを馳せる癖がある人がいます。 一緒にその場にいても、その瞬間はそこにいないような。 読んでいてそんな人を思い出しました。 何気ない風で やっぱりうまいです。
Posted by
長嶋有氏の初の長編だそうです。 「なべてこの世はラブとジョブ」 恋愛と仕事が関心事のすべて、 というちょっとふざけた人生観(でも本音?)で貫かれた小説で、 主人公も親友の津田も不真面目で不謹慎だし、 あんまりいい印象は持たない導入だったんですが、面白かったです。 妻に不倫されて...
長嶋有氏の初の長編だそうです。 「なべてこの世はラブとジョブ」 恋愛と仕事が関心事のすべて、 というちょっとふざけた人生観(でも本音?)で貫かれた小説で、 主人公も親友の津田も不真面目で不謹慎だし、 あんまりいい印象は持たない導入だったんですが、面白かったです。 妻に不倫されて離婚に至った主人公。 映画で観た「ジャージの二人」でも 似たような状況設定があったけど、 草食男子全盛の世の中、もう珍しくない話なんでしょうか? 文章は良い意味で平坦です。 ところどころにどきっとするような洞察があります。 テトリスとか、「トレインスポッティング」とか、 懐かしいアイテムの使い方もうまいし。 特に盛り上げようともせずシンプルに日常を綴っていくだけなのに、 別に劇的な展開があるわけでもないのに、 妙に胸に迫ってくるものがあります。 積み重なっていく乾いた文体の行間から何かがにじみ出てきて、 終盤はなんでか不思議な感動に襲われて泣けてしまった。 長嶋有さんにはやっぱりセンスを感じます。 書こうと思って書ける小説ではないなと。
Posted by
バツ一男の日常の話。バツ一になるまでの色々とかバツ一になってからの色々とかが、時間を今→昔→今って感じで交差して(秩序だってはいない)書かれている。男性からの視点で女性を見て描いているので読んでいて面白かった。 離婚前の妻への「お前が悪い悪い」(実際妻が不倫していたから悪いの...
バツ一男の日常の話。バツ一になるまでの色々とかバツ一になってからの色々とかが、時間を今→昔→今って感じで交差して(秩序だってはいない)書かれている。男性からの視点で女性を見て描いているので読んでいて面白かった。 離婚前の妻への「お前が悪い悪い」(実際妻が不倫していたから悪いのだけど)みたいな気持ちとか女々しさが男の人っぽいって思った。 この人のエッセイの中のにもあった「ポンポン板井」的エピソード(弟子的話)が読んでいて笑えた。相撲ゲームの中の「金輪際」という力士とか。ププって。 ありきたりの日常なのに、これだけ退屈させないように描けるってすごいって思う。
Posted by
過去と現在が入れ替わり立ち替わり。 軽いタッチで、しつこさがなくて良いです。さっぱり味。 ただ、それだけに印象薄めかなあ…。 名久井さんの装丁は好き。
Posted by
淡々とした文章のなかは人間臭さでいっぱい。 男も女もたがわぬ繊細さとたくましさを持っている、はず。
Posted by