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嘘つきアーニャの真っ赤な真実 の商品レビュー

4.4

374件のお客様レビュー

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    101

  3. 3つ

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2022/06/06

卒論には役立たないがおもしろい。チェコ、ユーゴスラヴィアが舞台だが、それ以外の国についても書かれているので、東欧を旅行する前に読むことをぜひ勧める。

Posted byブクログ

2022/05/28

「米原万里」のノンフィクション作品(エッセイ?)『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を読みました。 2002年度第33回「大宅壮一」ノンフィクション賞受賞作品です。 -----story------------- ユーモラスに、真摯に綴られた、激動の東欧を生きた三人の女性の実話!...

「米原万里」のノンフィクション作品(エッセイ?)『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を読みました。 2002年度第33回「大宅壮一」ノンフィクション賞受賞作品です。 -----story------------- ユーモラスに、真摯に綴られた、激動の東欧を生きた三人の女性の実話! 一九六○年、プラハ。 小学生の「マリ」はソビエト学校で個性的な友だちに囲まれていた。 男の見極め方を教えてくれる、ギリシア人の「リッツァ」。 嘘つきでもみなに愛されているルーマニア人の「アーニャ」。 クラス1の優等生、ユーゴスラビア人の「ヤスミンカ」。 それから三十年、激動の東欧で音信が途絶えた三人を捜し当てた「マリ」は、少女時代には知り得なかった真実に出会う!  第三十三回「大宅壮一」ノンフィクション賞受賞作。 ----------------------- 小学生時代(プラハのソビエト学校)の級友三人の過去と現在について、それぞれ一篇ずつ物語が綴られています。  ■リッツァの夢見た青空  ■嘘つきアーニャの真っ赤な真実  ■白い都のヤスミンカ 東欧の歴史や文化、民族、宗教等に関する知識が乏しいので、なかなか頭の中でイメージを膨らませることができませんでしたが、読みやすい文体で、街並みや風景から心理状態までが巧く描写してあり、異性の物語にも関わらず、意外と感情移入できました。 ドキュメンタリー作品として映像化したいなぁ… と思われる感じでしたね。 そして、著者の鋭い人間観察力に脱帽しました。 東欧のことについての知識があれば、もっと愉しめた作品だと思います。 祖国ギリシャの空を「それは抜けるように青いのよ」と自慢し、勉強が苦手で性的知識が豊富なおませな少女だった「リッツァ」、、、 実は奥手で晩婚、苦手な勉強を克服し、絶対にならないと言ってた医者になり、ドイツで開業医として活躍。 平気で嘘をつくけど、愛されるキャラクターで、共産主義の理想を主張しながら、自分は特権階級として豪華な邸宅に住んでいるという矛盾をもつルーマニア人の「アーニャ」、、、 理想としていた共産主義の国を捨て、イギリス人と結婚し、イギリスで旅行雑誌の副編集長として活躍。 クラス一番の優等生で、美人で、絵画の才能も備え、いつも冷静沈着なユーゴスラビア人「ヤスミンカ」、、、 自国に戻り、サラエボで民族紛争に巻き込まれたかと思われたが、ベオグラードにいて戦火を免れ、外務省で活躍。 (その後、ベオグラードもアメリカとNATOに爆撃されるのですが… ) それぞれ、波乱万丈な人生を歩み、居住地もバラバラですが、著者の粘り強い捜索に運も加わり、無事、三人に再会できたというのは、なかなか感動的でしたね。 でも、最も印象に残ったのは、「ヤスミンカ」の父親が語る、十五歳でパルチザンに加わった経緯… 愛する生徒を守るために、自らが犠牲になった「ボグダーノビッチ」先生の思い出話に心を打たれました。 平和な日本に暮らしていると、なかなか気付くことのない、切実な思いが感じ取れる作品でした… 平和ボケになっちゃいけませんね。

Posted byブクログ

2022/07/11

チェコのプラハ・ソビエト学校。マリの同級生、ギリシア人リッツア、ルーマニア人アーニャ、ユーゴスラビア人ヤスミンカは個性的。プラハの春、ソ連の軍事介入など、社会情勢は激動し、3人は思ってもみなかった道へ進む。ノンフィクションとは思えない読み応え。

Posted byブクログ

2022/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノンフィクションエッセイだとは思っていなかったので、 ずっと小説の棚を探していた 共産主義が台頭していた時代にソビエト学校に通っていた当時のエピソードと、ソビエト学校時代の友達に会いに行く現在の話が交互になっている 三つの章に分かれていて、三人の友達それぞれに会いに行ってるけど、同じような時期に会いに行ったのかな?おそらくそうらしい それぞれの友達が違うタイプの人だから、 読んでいて退屈しなかった こんなに身近に政治的思想を感じることってあるんだなぁと、 この本を読んで思った 戦争とか、イデオロギーとか、日常にめり込んでると感じた わたしは生まれた時から戦後で資本主義社会だったから、なんの違和感もなく過ごしてきたけど、 いまも違和感を持って暮らしてる人はいるんだろうなと思った 日常に溶け込んでいるから、 とても読みやすかったし、少しだけ当時の雰囲気を知ることができたような気がする 難しいところは飛ばし飛ばし読んだけど… ただ、表題になっているアーニャに対する作者の気持ちはマイナスな部分が多いのかなぁという印象を持った

Posted byブクログ

2022/04/24

米原さんのノンフィクションですが、まるで良くできた物語のようです。もちろん良い意味です。 東欧の共産主義社会と日本とのつながりや歴史もまったく知りませんでしたが、旧友との再会、そして再会までのそれぞれの人生が心に響きます。 どんな物語なのかまったく知らずに手を取った私には嬉しいサ...

米原さんのノンフィクションですが、まるで良くできた物語のようです。もちろん良い意味です。 東欧の共産主義社会と日本とのつながりや歴史もまったく知りませんでしたが、旧友との再会、そして再会までのそれぞれの人生が心に響きます。 どんな物語なのかまったく知らずに手を取った私には嬉しいサプライズ的に面白い本でした。ぜひ一度読んでみていただきたい一冊。オススメ!

Posted byブクログ

2022/04/07

やっぱり米原さんの本は面白い!! 「面白い」というのは読み物としてという意味で、内容は、切ない様な、心温まるような、そんなかんじ。 離れ離れになった友人を必死に探す米原さんの思いがひしひしと伝わる。 今のウクライナ情勢もあり、考えさせられる。 東ヨーロッパは個人的に全然馴染みがな...

やっぱり米原さんの本は面白い!! 「面白い」というのは読み物としてという意味で、内容は、切ない様な、心温まるような、そんなかんじ。 離れ離れになった友人を必死に探す米原さんの思いがひしひしと伝わる。 今のウクライナ情勢もあり、考えさせられる。 東ヨーロッパは個人的に全然馴染みがないけど、1960-70年代?の激動の東ヨーロッパのリアルな事情を知れる本でもあると思う。 文章ももちろん良いし、3人の友人それぞれを扱った3章立てだが、各章のタイトルに、青、赤、白の色の名前が入ってる。彼女らが共に過ごしたチェコの国旗はこの3色なのね。

Posted byブクログ

2022/11/01

高校生の頃、東欧史に興味を持っていろいろ話していたら父親から渡された1冊。今まで読んだ中で一番好きなノンフィクションの1つです。いろいろな地域や人々の歴史を学んだり、多様な言語を学んだりするなかで、年々米原さんの書いたことがじんわり身体に沁みてきます。 「誰もが、地球上の具体的...

高校生の頃、東欧史に興味を持っていろいろ話していたら父親から渡された1冊。今まで読んだ中で一番好きなノンフィクションの1つです。いろいろな地域や人々の歴史を学んだり、多様な言語を学んだりするなかで、年々米原さんの書いたことがじんわり身体に沁みてきます。 「誰もが、地球上の具体的な場所で、具体的な時間に、何らかの民族に属する親たちから生まれ、具体的な文化や気候条件のもとで、何らかの言語を母語として育つ。どの人にも、まるで大海の一滴の水のように、母なる文化と言語が息づいている。母国の歴史が背後霊のように絡みついている。それから完全に自由になることは不可能よ」

Posted byブクログ

2022/02/11

文体はとても読みやすく面白かったのですが 自分の知識不足を痛感させられた。 当時の歴史、時代背景にあまりにも疎く、理解できない 部分も多数ありました。 ただ民族感情が、人間の根本に必然的に存在し、これが 様々な紛争の原因ではないかと思わされました。

Posted byブクログ

2022/02/05

ナショナリズムの感情って、どこから、どうして育つのだろうか。そしてそれがもたらすもの。[東]という言葉の意味するところ、感じさせてしまうニュアンス。 著者のような視点を持って、2022年以降を読み解いていきたい。

Posted byブクログ

2022/01/28

1960年代、在プラハ・ソビエト学校に通っていた少女期の著者。その小中学校は、40カ国から子どもたちが通う学校。その後、ソ連崩壊、チェコスロバキアの分離独立、ルーマニアなど中・東欧諸国は激動の時代を迎える。1990年代、著者は、かつての在プラハ・ソビエト学校時代の友人を探す旅に出...

1960年代、在プラハ・ソビエト学校に通っていた少女期の著者。その小中学校は、40カ国から子どもたちが通う学校。その後、ソ連崩壊、チェコスロバキアの分離独立、ルーマニアなど中・東欧諸国は激動の時代を迎える。1990年代、著者は、かつての在プラハ・ソビエト学校時代の友人を探す旅に出る。

Posted byブクログ