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嘘つきアーニャの真っ赤な真実 の商品レビュー

4.4

374件のお客様レビュー

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2019/04/27

共産圏に過ごした子ども時代を振り返りながら、また再び友に会いに行ったノンフィクション。共産圏で実際に過ごした方の話を聞いたのは、私にとって初めての経験であり、共産圏の国に住む人、特に子どもたちがどのような考え方をしているのかに触れることができて、新鮮な驚きを感じた。

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2019/04/13

最初は下ネタがすごいと思いましたが、1960年代の幼少期の記憶を、周りの友人やその家族の思想まで含めて思い出して書けるのは圧倒的な才能だと思いました。今まで共産主義下の人々について身近に感じることはありませんでしたが、この本を読んでます中・東欧に行ってみたくなりました。

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2019/04/03

米原さんがこんな過去を持つ人だとは知らなかった。ロシア語通訳で面白い文章を書く人、と言うことしか知らなかった。 共産党とか赤旗とか聞くと、ちょっと避けて通る感じがあるのだけれど、米原さんは堂々とご自身のことを書かれている。 幼少期のプラハでのこと、その同級生との話、困難を極めた再...

米原さんがこんな過去を持つ人だとは知らなかった。ロシア語通訳で面白い文章を書く人、と言うことしか知らなかった。 共産党とか赤旗とか聞くと、ちょっと避けて通る感じがあるのだけれど、米原さんは堂々とご自身のことを書かれている。 幼少期のプラハでのこと、その同級生との話、困難を極めた再会。 物凄い記憶力!私は小中学生の勉学の内容なんて全く覚えていない! それだけでも目が回りそうなほどなのに、彼女はその年頃でしっかりと同級生の話に対し意見を持ち、なあなあですませずに大人になってからでも、再会の感動に紛れさせずにドンと言うべきことは言う。 読みながら、涙を浮かべながらも凄いなぁ〜と感動した。 そんな友人がいることにも感嘆しかない。

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2019/03/12

1960年代の少女時代をプラハのソビエト学校で過ごした著者。それから30年後、大人になった著者がソビエト学校時代の同級生3人を探しに行ったノンフィクション。 ノンフィクションではあるけど、信じられないくらいに劇的な展開をする。文章の強さも有るだろう。とにかく、最後までページをめ...

1960年代の少女時代をプラハのソビエト学校で過ごした著者。それから30年後、大人になった著者がソビエト学校時代の同級生3人を探しに行ったノンフィクション。 ノンフィクションではあるけど、信じられないくらいに劇的な展開をする。文章の強さも有るだろう。とにかく、最後までページをめくるのを止められない。 リッツァ、アーニャ、ヤスミンカ。3人の友達の思い出と現在を追う話なのだけど、30年の月日にはいろいろなことが有る。特に所謂、"東側"に分類された国をルーツに持つのだから、この30年の激動は想像するのも難しい。 米澤穂信『さよなら妖精』を読んで、ユーゴスラヴィアに興味を持ったのをきっかけに手に取った本だけど、読んでよかった。

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2019/03/11

大宅壮一ノンフィクション賞、解説:斎藤美奈子 リッツァの夢見た青空◆嘘つきアーニャの真っ赤な真実◆白い都のヤスミンカ

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2019/01/12

すごい本。これまで日本で教育を受けてきて、歴史とかも日本とか資本主義目線でしか勉強したことなかったけど、世界が広がる本。 ソ連での生活を子どもの目を通して日本語で残してるすごく貴重な話。 中欧での人種差別の話とか国を転々とした同級生の話とか、祖国に憧れ続けた友人の話とか、海外に行...

すごい本。これまで日本で教育を受けてきて、歴史とかも日本とか資本主義目線でしか勉強したことなかったけど、世界が広がる本。 ソ連での生活を子どもの目を通して日本語で残してるすごく貴重な話。 中欧での人種差別の話とか国を転々とした同級生の話とか、祖国に憧れ続けた友人の話とか、海外に行ったことのないわたしにはすごくキラキラした話だった。明るい話が多いわけではないのに。

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2018/11/11

共産主義時代の東欧諸国それぞれの国の大まかな雰囲気を感じられた。歴史すべてや、またそれらの国の人々それぞれの受け止め方を全て理解するのは難しいけど、理解しようと努めることの大切さを感じられた。共産主義も平和と平等を目指した高い理想のままに進むことができたなら現在の世界はどんな風に...

共産主義時代の東欧諸国それぞれの国の大まかな雰囲気を感じられた。歴史すべてや、またそれらの国の人々それぞれの受け止め方を全て理解するのは難しいけど、理解しようと努めることの大切さを感じられた。共産主義も平和と平等を目指した高い理想のままに進むことができたなら現在の世界はどんな風に変わっただろう?

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2018/10/21

今現在、アフリカからヨーロッパに難民が押し寄せ世界的な問題となっている。民族や宗教で争いが起きている。そうだった。ソ連崩壊に伴い東欧では民族紛争があったんだとこの本で改めて思い出す。自分の属性に囚われず友人隣人達を一人の人として仲良くすることが大切と米原氏は教えてくれたような気が...

今現在、アフリカからヨーロッパに難民が押し寄せ世界的な問題となっている。民族や宗教で争いが起きている。そうだった。ソ連崩壊に伴い東欧では民族紛争があったんだとこの本で改めて思い出す。自分の属性に囚われず友人隣人達を一人の人として仲良くすることが大切と米原氏は教えてくれたような気がします。

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2018/10/17

メモ。米原さんがプラハ・ソビエト学校で学んだのは10歳から15歳の1960〜64。約50カ国もの国籍を持つ子供たちが学んでおり、子供たちはそれぞれに自国を愛する気持ち強くを持っていた。チェコにおけるプラハの春は米原さん帰国から4年後の1968年。ワルシャワ条約機構軍の戦車がチェコ...

メモ。米原さんがプラハ・ソビエト学校で学んだのは10歳から15歳の1960〜64。約50カ国もの国籍を持つ子供たちが学んでおり、子供たちはそれぞれに自国を愛する気持ち強くを持っていた。チェコにおけるプラハの春は米原さん帰国から4年後の1968年。ワルシャワ条約機構軍の戦車がチェコを占領し改革派を弾圧。各共産国の中でチャウシェスク政権初期のルーマニアはソビエトと距離を取り始めており、プラハの春弾圧にルーマニアとアルバニアだけは加わらなかった。当時アルバニアは中国寄りであり、当時日本共産党はソ連、中国との関係が最悪になっていたので東欧諸国の兄弟等の中でルーマニア労働者党は日本共産党にとって唯一おつきあいの成り立つ党であった。しかしその後チャウシェスク政権による独裁と国家の私物化により混乱、1995年に米原さんがルーマニアを訪れた時の国の荒廃ぶりは1989年に終わりを告げたチャウシェスク政権の名残りであった。チャウシェスク後も共犯の証拠隠滅のためチャウシェスク夫妻を急いで処刑し、党幹部は特権を持ったまま。1989年12月21日の建国記念日の大集会がチャウシェスク政権打倒の暴動に変わった。ビロード革命。 イディッシュ語は、ユダヤ人のもともとの母語であるヘブライ語と彼らが住み着いた中部ヨーロッパの言葉を融合させてできたとされる。 ユーゴスラビア連邦初代大統領はチトー。1960〜63まではソ連は反ユーゴ。「ユーゴは社会主義を騙るほとんど資本主義国である」という理由。 本文はもちろんのこと、斎藤美奈子さんの解説がとても良かった。

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2018/10/11

中欧での激動に揉まれた青、赤、白の3人の友達の昔と現代が、米原万里本人の経験からミステリーのように解き明かされていく。民族とは、普段日本にいる限りではあまり考える事がないテーマだが、この本を通じて大きく考えさせられた。 軽快な語り口を通じて、普段触れる事がないテーマにたくさん触...

中欧での激動に揉まれた青、赤、白の3人の友達の昔と現代が、米原万里本人の経験からミステリーのように解き明かされていく。民族とは、普段日本にいる限りではあまり考える事がないテーマだが、この本を通じて大きく考えさせられた。 軽快な語り口を通じて、普段触れる事がないテーマにたくさん触れることができ、非常に心に残った名著であった。 あとがきの、「我々に求められているのは、具体的に生きる誰かに対する想像力」と言う文章はまさしく、対立の世界を和らげるために重要な事だと感じた。

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