新釈 遠野物語 の商品レビュー
マウンテンバイクが流行るずっと以前、山の中を走り回っているか、部活のテニスの何れかで時間の殆どが過ぎて行った。結果、当時あまり本を読まなかった。そんな高校時代、同級生に薦められて読んだのがこの本だった。何故、読む気になったのかは、思い出せない。けれど、同級生の薦められ方に、その気...
マウンテンバイクが流行るずっと以前、山の中を走り回っているか、部活のテニスの何れかで時間の殆どが過ぎて行った。結果、当時あまり本を読まなかった。そんな高校時代、同級生に薦められて読んだのがこの本だった。何故、読む気になったのかは、思い出せない。けれど、同級生の薦められ方に、その気になったことを、ぼんやりと思い出す。物語の設定と、そこに描かれた場所に、当時とそれまでの暮らしと経験から、すんなりと入り込めたのかもしれない。井上氏の描く物語と表現が、今でも独特の像を結ぶだけでなく、その空気や湿度、匂いや感触まで伴った世界として、自分の中に残っている。だから今も、大好きな、そして大切な本(作品)の一つとして在る。
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言うまでもなく柳田國男の『遠野物語』へのオマージュですが、元本よりはるかに面白いです。というか全くの別ものです。 もう本当にこの人は天才です。稀代の作家です。 いろんな話がある中でも特に河童の話が好きでした。 『吉里吉里人』とか長すぎて手に取れない人は、この薄い本か...
言うまでもなく柳田國男の『遠野物語』へのオマージュですが、元本よりはるかに面白いです。というか全くの別ものです。 もう本当にこの人は天才です。稀代の作家です。 いろんな話がある中でも特に河童の話が好きでした。 『吉里吉里人』とか長すぎて手に取れない人は、この薄い本から読み始めるといいと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
そのオチは……読めたかも。 お話自体は楽しめたんだけど、遠野物語ではないなあ……って印象でした。タイトルでそういう方向に期待をしすぎてしまったのかな。
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面白かった。 話し自体に新鮮味はないが、著者持ち前の軽快な文章で気軽にスラスラ読める。大人のための昔話。 遠野物語を再読しよう・・・
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とてつもなく面白い本を読んだとき、あるひとは「鼻血が出る度おもしろい」と言った。だから僕もそれに習おう。同題は柳田國男のものが有名であろうが、現在では仮名づかいのところで読むには少しばかりの忍耐と慣れが要る。その点、この書物に収められた9つの短編は読む度にわれわれをあれよあれよと...
とてつもなく面白い本を読んだとき、あるひとは「鼻血が出る度おもしろい」と言った。だから僕もそれに習おう。同題は柳田國男のものが有名であろうが、現在では仮名づかいのところで読むには少しばかりの忍耐と慣れが要る。その点、この書物に収められた9つの短編は読む度にわれわれをあれよあれよという間にお伽の世界へ連れて行ってくれる、まるで安眠枕のような存在である。あの山を越えれば現実にそんな世界があるのに、われわれは気付かぬ振りをしているだけなのかもしれない。そう思いながら何時も目が覚める。
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悲劇的な作品が多い。ハッピーエンドの話は少ないし、何か教訓めいたものでも、自分の妻を殺してしまうなどの悲しい話が多い。 民話とは口伝によるものであり、文章化されたものは意味がないという主張がある。本来民話というのは語り部さんによって、明文化された形ではなく、語りという音声に...
悲劇的な作品が多い。ハッピーエンドの話は少ないし、何か教訓めいたものでも、自分の妻を殺してしまうなどの悲しい話が多い。 民話とは口伝によるものであり、文章化されたものは意味がないという主張がある。本来民話というのは語り部さんによって、明文化された形ではなく、語りという音声によって伝えられてきたもので、それを文章化するということは民話の本質を損なう恐れがある。それを避けるためにこの小説では、洞穴に住むお爺さんに主人公が話を聞くという形をとっているらしい。語り部さんに話してもらっている感じをできるだけ再現している。 遠野に行きたいと思った。テレビで柳田國男の遠野物語が百周年を迎えることを知ってこれを読もうと思ったわけだが、実際にこのような民話の舞台となった地を訪れてみたいと思った。 馬、キツネなど、動物と人間が交わる話が多い。おそらく現在よりも、昔は動物と人間の距離が近く、心が通じているような感覚が大きかったのだろうと思う。 安吾が言う、モラルがない、アモラルな話も多い。特に河童の話は非常に悲しい話だった。 最後の締めくくりがあまり気に入らない。お爺さんに話を聞いていた主人公はキツネに騙されていたという話で、俗にいう夢オチに近い。確かにこのような話の締めくくりは難しく、このような形でしか終わらせることはできないかもしれないが、あまりにもありがちな終わらせ方で、面白くない。
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老人が青年に昔話を語る形の物語。山深い遠野の風景を思い描きながら楽しく読めた。 よくよく考えると、エッチな話も盛り込まれてたりして、それもまた日本の古い風景だったりするのかなと思う。
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井上ひさし版遠野物語。 語り部の犬伏老人と聞き手の「ぼく」 の会話の中で、老人の奇妙な体験談が語られる形式。 ユーモアあり、ブラックありで なかなか読み応えがあった。 最後のオチは良いとは思うけど おぉっ!と驚くほどでもない。
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遠野にブラブラ行って本家のルーツ探しながら歩きたい気持ちになりました。リアルにはそんな楽しいことはないのを知りながら…
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著者の訃報に接して読んでみた。 井上ひさしの遠野物語オマージュ作品。決してパロディーでは無い。柳田・遠野物語に敬意を払いつつ、笑いあり、涙あり、エロあり、妖怪ありの著者独自の味付けが成されている。さながら日本昔話風の怪異譚と云った処か。たかが妖怪、されど妖怪。妖怪の描写にも作家さ...
著者の訃報に接して読んでみた。 井上ひさしの遠野物語オマージュ作品。決してパロディーでは無い。柳田・遠野物語に敬意を払いつつ、笑いあり、涙あり、エロあり、妖怪ありの著者独自の味付けが成されている。さながら日本昔話風の怪異譚と云った処か。たかが妖怪、されど妖怪。妖怪の描写にも作家さんの個性が出るもので、井上ひさしの描く妖怪は、ちょっと風変わりなお隣さん。人間と妖しがごく普通に共存している世界。素朴な味わいの中に郷土・東北と人間に対する深い愛が溢れている様に感じる。河童や座敷童子が住まう地が永く守られていく事を祈念すると共に、著者のご冥福をお祈り致します。
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