知的生産の技術 の商品レビュー
人類学者の書いた、情報の整理のアイデアと、「情報」に対する考えの本。 これもだいぶ前に買っていて、「日記」と「読書」の章だけ読んでいた。あらためて読もうと思って鞄に入れたその日、著者の訃報をニュースで知った。こんなこともあるんだと思った。 かなり昔の本であるが、考えた方はこのパソ...
人類学者の書いた、情報の整理のアイデアと、「情報」に対する考えの本。 これもだいぶ前に買っていて、「日記」と「読書」の章だけ読んでいた。あらためて読もうと思って鞄に入れたその日、著者の訃報をニュースで知った。こんなこともあるんだと思った。 かなり昔の本であるが、考えた方はこのパソコンの時代にもマッチする。カードを著者はかなり押しているが、それは”ファイル”の概念そのものだ。ひらがなタイプライターに触れる節があるが、今のパソコンが生まれるなんて、当時は思いもよらなかっただろう。私たちは情報という面において、この数十年で本当に大きな現実的変化をくぐったのだ。彼がこの後書いた本も確か持っていた。彼自身はこの情報変化をどのように見ていたのか、知りたいと思う。
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梅棹忠夫氏は、文化人類学者として多方面に研究の食指を伸ばし、そしてそれを散漫になることなく、一つの体系として様々な要素を紡ぎ合わせた方です。梅棹氏が、断片的な知識や情報を、モザイク模様に組み合わせていくことができたのは、梅棹氏が考案したといってもいい“知的生産の技術”にあります。...
梅棹忠夫氏は、文化人類学者として多方面に研究の食指を伸ばし、そしてそれを散漫になることなく、一つの体系として様々な要素を紡ぎ合わせた方です。梅棹氏が、断片的な知識や情報を、モザイク模様に組み合わせていくことができたのは、梅棹氏が考案したといってもいい“知的生産の技術”にあります。文房具屋さんに行きますと、様々なサイズの厚手のカードが置いてありますが、このカード式の情報整理術の体系を作ったのが梅棹氏です。梅棹氏は、66歳のときに視力を失いますが、視力を失っても、カードによって情報を丹念に整理していたために、どこに必要な情報があるかすぐにたどり着けたといいます。 現在であれば、これだけパソコンが使いやすくなっておりますので、パソコンに同じような情報整理方法を応用していくことも可能と思います。また逆に、パソコンに入力していく手間を考えると、手書きで記入した方のが、柔軟性もあり、応用範囲も広いので、この梅棹氏の情報整理術は現在にも十分活用できる内容だと思います。この部分はパソコンやスマートフォンに任せようと思いながら読むと、本書の内容は、時代を超えた価値があると思いますので、星5つの評価をさせていただきました。
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ノート術とか読書術とか整理術とかその他いろいろ、今時のビジネス本に書かれていそうな多くのことが、1969年出版のこの本にすでに書かれている。 これを読む限り Evernote とかは最高のツールだなあと思うわけだが、もし著者が知ったらどれほど驚き喜ぶだろう(まだ亡くなってないけど...
ノート術とか読書術とか整理術とかその他いろいろ、今時のビジネス本に書かれていそうな多くのことが、1969年出版のこの本にすでに書かれている。 これを読む限り Evernote とかは最高のツールだなあと思うわけだが、もし著者が知ったらどれほど驚き喜ぶだろう(まだ亡くなってないけど)。 工学部に情報工学科、高校の教科として情報科を提案するなど、この時代から考えていたとは感心する。 書いてある内容は今時のビジネス本にも書かれているので、内容を仕事に生かしたいなら今時のビジネス本を読めばいいと思う。 -- 学校では知識は教えるが知識の獲得のしかたは教えてくれない 神々の復活のダ・ヴィンチは常にログっていた 整理と整頓はちがう。整頓は整えるだけ。
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古い著書ですが、現在多くの仕事術や知的生産関連の本の原点として用いられていることが分かる1冊でした。この中でユビキタス・キャプチャー(全てを手帳、カードに記録する)については面白く、早速手帳を買ってここ数週間続けてみました。日々の出来事、思考などを全て書き残していくことで、点であ...
古い著書ですが、現在多くの仕事術や知的生産関連の本の原点として用いられていることが分かる1冊でした。この中でユビキタス・キャプチャー(全てを手帳、カードに記録する)については面白く、早速手帳を買ってここ数週間続けてみました。日々の出来事、思考などを全て書き残していくことで、点であった項目が線で繋がり新しいアイデアへと変化していくという考え方を実感しつつあります。頭の中だけで思考を巡らせると堂々巡りに陥りやすいですが、書き出して頭を空にする、文字にして具体化することでアイデアのポジションや相関関係が見えてきます。その他、カードによる整理方法などは、現代では例えばEvernoteなどの電子ソフトなどに応用され、検索機能などより高度に整理能力が向上されていくでしょう。
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この本の初版が1969年なのだが、内容に古さを感じない。むしろ、この時代のために書かれたと言っていいくらいかもしれない。 これまでいろんな整理術の本を読んでいたけれど、これほどシンプルで分かりやすいものはなかった。 整理術や知的生産を上げたいなら、まずはこの本から読んでおくの...
この本の初版が1969年なのだが、内容に古さを感じない。むしろ、この時代のために書かれたと言っていいくらいかもしれない。 これまでいろんな整理術の本を読んでいたけれど、これほどシンプルで分かりやすいものはなかった。 整理術や知的生産を上げたいなら、まずはこの本から読んでおくのが良いと思う。
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古い本である。 途中、日本語タイプライターは総ひらがなだったりカタカナだったりすることに 言及するくだりなどは全く時代が違いすぎてそこだけ古典になっている。 だが、古典になっているのは「そこだけ」なのだ。 他の部分、資料のまとめ方や文章の書き方、本の読み方にいたるまで 知的...
古い本である。 途中、日本語タイプライターは総ひらがなだったりカタカナだったりすることに 言及するくだりなどは全く時代が違いすぎてそこだけ古典になっている。 だが、古典になっているのは「そこだけ」なのだ。 他の部分、資料のまとめ方や文章の書き方、本の読み方にいたるまで 知的生産の初歩がこれでもかと詰め込まれている。 時代の違いもあり、全てを著者の言うとおりにすることは無いだろうが 考え方の基礎を作るにあたっては大変参考になる。 「京大メモ」をPCに置き換えればいくらでも現代に応用可能だ。 古臭い本ではなく、現代でも十分活用できる研究者必携の書だろう。 もちろん研究者でなくとも日常生活でも十分活用できる。 自分のあまりにも不合理な情報整理に恥じ入る次第である。
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内容(「BOOK」データベースより) 学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない。メモのとり方、カードの利用法、原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は、長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて、創造...
内容(「BOOK」データベースより) 学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない。メモのとり方、カードの利用法、原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は、長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて、創造的な知的生産を行なうための実践的技術についての提案を試みる。 目次 まえがき はじめに 1 発見の手帳 2 ノートからカードへ 3 カードとそのつかいかた 4 きりぬきと規格化 5 整理と事務 6 読書 7 ペンからタイプライターへ 8 手紙 9 日記と記録 10 原稿 11 文章 おわりに
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<感想> 本書は知的生産の方法の基礎を記述しており、生活の参考になる点も多々あった。ただ、現在の知的生産活動ではITは欠かせないが、本書にはITとの関わりは書かれていない。 また、本書の思考は知識創造モデルのSECIモデルに通ずるところもあるだろう。 個人的には私の教授の口癖...
<感想> 本書は知的生産の方法の基礎を記述しており、生活の参考になる点も多々あった。ただ、現在の知的生産活動ではITは欠かせないが、本書にはITとの関わりは書かれていない。 また、本書の思考は知識創造モデルのSECIモデルに通ずるところもあるだろう。 個人的には私の教授の口癖である「記憶より記録」が登場した。 ただ、1969年に発行された本書では、すでにITで解決できている点を問題視している点がある。 <要点> ■受け身では学問はできない。学問は自分がするものであって、誰かに教えてもらうものではない。 ■現在の教育は知識は教えるが、知識の獲得のしかたはあまり教えない。 ■発見はできることなら即刻その場で文章にしてしまう。 ■カード(発見メモのようなもの)は忘れるためにつけるものである。カードに書いてしまったら、安心してわすれていいのである。そこで、カードを書くときには、忘れることを前提にしてかくのである。 ■カードの規格化・単位化は分類、整理、保存の基礎である。 ■データの分類は徹底的に細分化しなければ、じっさいには役に立たない。細分化をすすめていくと、結局は固有名詞が単位になってしまうが、それでいい。 ■知的生産のために必要な部分空間は、4種類。 「仕事場」は執筆や読書など知的生産活動のもっとも創造的な部分 「事務所」は仕事場の成果物を世に出すための事務を行う部屋 「資料庫」はフィルターを通した後の資料の保存場所 「材料置き場」は一括収集しフィルターを通していない資料の一時保存場所 ■知的生産の技術は能率とは無関係であり、精神衛生も問題である。人間からいかにしていらつきを減らすかというような問題なのだ。 ■本は初めから終わりまで読むものである。そうしなければ著者の考えを正確に理解できない。 ■本は一気に読んだほうがよい。 ■本は印をつけながら読む。次に再読し、なぜそこに印をつけたのかを考え、本当に価値のあるものをメモする。 ■印の確認は読破後、数日あけて行うべきである。 ■日記は自分自身のための業務報告。 ■日記を書きやすくする工夫の一つに二段構えにすることがある。はじめに記述すべき内容、事件、経験をあらすじだけ書く。それから時間があれば、それについて詳しい記述を書く。 ■物事は記憶せずに記録する。 <実践> ○受け身の学習は効果がないから、やりたいことだけ学ぶ。いろんなことを学びたいという精神状態にもってく人間的成長が重要なのだろう。 ○発見はどうせ忘れてしまうのだからその場で記録する。記憶より記録。記録すれば忘れられる。 ■知的生産の技術は能率とは無関係であり、精神衛生も問題である。 ○心身ともな健康の維持に努める。 ○本はまず、読む価値があるか否かを判断し、価値あらばすべて読み、著者の思考を理解する ■本は一気に読んだほうがよい。 ■本は印をつけながら読む。次に再読し、なぜそこに印をつけたのかを考え、本当に価値のあるものをメモする。 ■印の確認は読破後、数日あけて行うべきである。 ○あまり日数をあけても、その印の前後の記憶がなくなり、印の本当の意味を理解できない可能性がある。 ■日記は自分自身のための業務報告。 ■日記を書きやすくする工夫の一つに二段構えにすることがある。はじめに記述すべき内容、事件、経験をあらすじだけ書く。それから時間があれば、それについて詳しい記述を書く。
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あらゆる知的活動をする際の基本となる整理や読書、文章の書き方などについて書かれている。1969年に出された本だが、この本の中で主張されている多くの技術には、現在のコンピューターによる情報管理に通じるところがいくつもある。今日のコンピューターの進歩やありがたさとともに、著者の偉大さ...
あらゆる知的活動をする際の基本となる整理や読書、文章の書き方などについて書かれている。1969年に出された本だが、この本の中で主張されている多くの技術には、現在のコンピューターによる情報管理に通じるところがいくつもある。今日のコンピューターの進歩やありがたさとともに、著者の偉大さにも気づいた。。
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<レビュー> 今、現在も知的生産の技術研究会というものがり、著名な方が所属されている。そのはじめを築いた梅棹忠夫氏の著書である。 梅棹氏の技術は、「創造的」知的生産だと考えている。カードの手法によってメモすることからはじまり、整理・整頓の技術、読書や日記・原稿の書き方まで言及...
<レビュー> 今、現在も知的生産の技術研究会というものがり、著名な方が所属されている。そのはじめを築いた梅棹忠夫氏の著書である。 梅棹氏の技術は、「創造的」知的生産だと考えている。カードの手法によってメモすることからはじまり、整理・整頓の技術、読書や日記・原稿の書き方まで言及している。 それは、今現在も使える技術が多いことに関心する。いい技術は誰にでもできるもので、脈々と受け継がれるものなのだろう。 この技術は、今現在も様々な人の手によって発展している。特に、パソコンやインターネットによる情報技術の革新によって現状のビジネスの現場の声が反映されているのだろう。 <目次> はじめに 1発見の手帳 2ノートからカードへ 3カードとそのつかいかた 4きりぬきと規格化 5整理と事務 6読書 7ペンからタイプライターへ 8手紙 9日記と記録 10原稿 11文章 おわりに
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