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脳男 の商品レビュー

3.3

371件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    114

  3. 3つ

    164

  4. 2つ

    42

  5. 1つ

    2

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2019/12/29

第46回江戸川乱歩賞受賞  小さな爆弾があちこちに置かれついに死者が出た。アジトをつきとめ逮捕に向かったが、倉庫の中に二人の男がいて争っていた。一人は捕まえたが主犯は逃がしてしまった。 共犯と見られたのは鈴木一郎と言う青年だった。彼は無口で協力的でなかった。精神科医の鷲谷真梨子が...

第46回江戸川乱歩賞受賞  小さな爆弾があちこちに置かれついに死者が出た。アジトをつきとめ逮捕に向かったが、倉庫の中に二人の男がいて争っていた。一人は捕まえたが主犯は逃がしてしまった。 共犯と見られたのは鈴木一郎と言う青年だった。彼は無口で協力的でなかった。精神科医の鷲谷真梨子が担当になって鈴木の精神鑑定をする。  身体検査ではかすかな傷が二箇所あるだけで、過去の手がかりがない。彼は過去の記憶をなくしていた。  真梨子は彼について調べる。  頭蓋骨の形から、鈴木一郎と入陶大威と言う人物が同一人だと分かる。  脳に障害を持って生まれた上に、両親は亡くなり、火事にあって祖父も亡くす。重度の火傷から生き延びた入陶倫行(いりすのりゆき)の孫入陶大威(いりすたけきみ)は皮膚移植の後祖父の知人に預けられて育った。  鈴木一郎が検査入院している病院に爆弾が仕掛けられる。幼児に仕掛けられた時限爆弾の解除に、彼は警察に協力しようとする。  これが完成された作品なら時間を惜しんで読んだかも知れない。  作者が作り上げた「脳男」鈴木一郎が、生まれたときには、言語も行動も自由にならない脳障害をもち、その上感情がない、それが見かけは普通人と代わりがないような鈴木一郎になった。  SFホラーという分野に近い作品に仕上げているが、読んでいて素人ながら腑に落ちないところがある。  鈴木一郎として再生する過程が、難しい感情の分野で、いかに人間離れした知能でも、人の感情の動きをゼロから学習できるものだろうか。お話なので難しいことは抜きにして、新聞社を経営したり、痛覚を制御したり出来るのだろうか。  火傷した後、皮膚移植の跡を残さない天才医師はいるのだろうか。途中で作者の意図も分かってくる。設定が面白いので最後まで読んだが、私の気持ちのどこかに抵抗感があって、なかなか進まなかった。  張り巡らされた時限爆弾装置につながる細いワイアーをすり抜け、幼児を救出するところは、トム・クルーズの「MI」や「エントラップメント」で赤外線をくぐる、キャサリン・ゼタ・ジョーンズを思い浮かべたし、犯人がヒントにした「ヨハネ黙示録」ではあの「セブン」を思い出した。  なんだか「アイ,ロボット」を裏返したような気分で読んだ。 人間に奉仕する目的で作られたロボットが、感情を持つようになる。競演のウイル・スミスは一部分を改造されたサイボーグだった。ラストシーンで丘の上に建つ開放されたロボット「サニー」は綺麗だった。 そういった映画を思い出すということは、興味深い作品ではあった。 超人「脳男」を創り出した作者なら、又今後、面白い作品でお目にかかるかもしれない。 映画になったと言うが、そちらの方は劇画風で面白かったのではないだろうか.

Posted byブクログ

2019/11/05

あらすじ 連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが…。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱...

あらすじ 連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが…。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。

Posted byブクログ

2019/06/14

映画化で平積みされていて手に取りました。容疑者鈴木一郎を過去の彼を探すことで解き明かしていく過程はドキドキしたし、その後の展開も一気に読まされてしまいました。正直ものすごくうまいとは思いませんし、突っ込みたいところは山ほどあるのですがそれでもよくできていると思います。ミステリとい...

映画化で平積みされていて手に取りました。容疑者鈴木一郎を過去の彼を探すことで解き明かしていく過程はドキドキしたし、その後の展開も一気に読まされてしまいました。正直ものすごくうまいとは思いませんし、突っ込みたいところは山ほどあるのですがそれでもよくできていると思います。ミステリというよりSFを読んでいるような気がしてしまいました。鈴木一郎はもちろんですが、他のキャラの背景をもう少し書き込んでくれるともっと読みやすかったと思います。どうも最後が回収不足と思ったら続編があるのですね。読んでみようと思います。

Posted byブクログ

2019/05/21

変なタイトルがずっと気になっていたので、ジャケ買いならぬタイトル買いの1冊。乱歩賞? 中部地方の愛宕市という架空の都市で、連続爆弾魔が出現し、電気系に強い緑川という人物が容疑者として浮かび上がる。緑川のアジトに踏み込んだ茶屋警部は、そこにいたもうひとりの人物、鈴木一郎を捕まえる...

変なタイトルがずっと気になっていたので、ジャケ買いならぬタイトル買いの1冊。乱歩賞? 中部地方の愛宕市という架空の都市で、連続爆弾魔が出現し、電気系に強い緑川という人物が容疑者として浮かび上がる。緑川のアジトに踏み込んだ茶屋警部は、そこにいたもうひとりの人物、鈴木一郎を捕まえるが、経歴も行動も謎ばかりのため、愛宕市の巨大病院で精神鑑定を試みる…。 架空の都市をでっち上げてきたあたりで「おや?」となり、頭に入りにくい名字ばかりの中に「鈴木一郎」というのを混ぜてきたあたりで悟った。漫画の原作系だ。 漫画の原作系小説とは、1. 背景がほとんど描かれない(作画家に丸投げ) 2. キャラクターで先行し、読者そっちのけで進む 3. 複雑な行動の描写がなげやり という特徴があるが、まったくもって同じ。架空の愛宕市というところには、病院以外にどういう特徴的なスポットがあって、店があってということが一切描かれず、スーパーマン警部とスーパーウーマン精神科医師、人間離れした謎の男、狂気の爆弾魔(あまり出てこない)という4人だけしかほとんど登場しない。複雑な行動に関しては、後半クライマックスあたりが支離滅裂である。 まあ傾向はわかったところで、内容と文章のほうだが、読み始めでいきなりアジトに踏み込むあたりから、はて?となることが多かった。原因としては、茶屋なる人物の現在の行動なのか、過去にあった話なのかが、文章が混乱させられる書き方(現在形、過去形の使い方がランダムにしか見えない)が原因でわかりにくい。 また、それ以降も視点が医師になったり爆弾処理になったりするあたりで毎回戸惑うというのは、読者は辛い。 あげくに爆弾処理の黒田さんとやらが(略)はないんじゃないの? 登場するキャラクターも、読者に馴染みがないというか、全く接点のないようなキャラクターばかりで感情移入も何もできず。全体に、これまで良い小説を読んでこなかった作者なのかなあ?という印象で、イマイチ。気になって手に取らせるタイトルで☆+1。

Posted byブクログ

2019/03/26

前から読みたいと思っていた作品が親父の書棚にあり勝手に拝借した。 思っていたより面白く、物語にグイグイ引き込まれていった。 最近読書スピードが遅くなってきたが、久しぶりに2日で読了し、読書の勘も少し戻せたような気がする。 続編も読んでみたい。

Posted byブクログ

2019/01/21

感情がない男をどう描き出すのかと思ったら、外部からは感情があるように見せる術を身につけた後のおはなし。つまらん。

Posted byブクログ

2019/01/20

表紙から想像してたものより、案外アッサリとしてたかなぁ。な、名前が読みにくい!(笑)感情を持たない男って言う感じも、あんまり無かったし、ちょっと期待し過ぎたかも(^^;;

Posted byブクログ

2019/01/09

当たり前が当たり前でない世界 兵士は殺人マシンと化す為に感情を殺すが、この物語の主人公は生まれながらにして感情を持たない。そんな男が取る行動は果たして正義なのか悪なのか。文章の荒々しさゆえか場面展開に多少ついていきづらい印象はあるが、それを越えて読みたいと思わせる力あり。映画も...

当たり前が当たり前でない世界 兵士は殺人マシンと化す為に感情を殺すが、この物語の主人公は生まれながらにして感情を持たない。そんな男が取る行動は果たして正義なのか悪なのか。文章の荒々しさゆえか場面展開に多少ついていきづらい印象はあるが、それを越えて読みたいと思わせる力あり。映画も続編も気になるところ。

Posted byブクログ

2018/11/18

読んでみたいなぁと思っていた本。ようやく読了。 首藤瓜於さん、この脳男が処女作なの?そして江戸川乱歩賞受賞ってすごいなぁ。 何をしてどう生きてたらこのような作品を思いつき書けるのか。 これは映画化するにはちょいと難しい設定な気がする。観てもがっかりしてしまいそう。 終わり方から...

読んでみたいなぁと思っていた本。ようやく読了。 首藤瓜於さん、この脳男が処女作なの?そして江戸川乱歩賞受賞ってすごいなぁ。 何をしてどう生きてたらこのような作品を思いつき書けるのか。 これは映画化するにはちょいと難しい設定な気がする。観てもがっかりしてしまいそう。 終わり方からも続編の香りがプンプンすると思ったらやはりあるのね。これは読まないと。 心を持たない鈴木一郎を精神鑑定する鷲屋真梨子。鷲屋真梨子の勉強、研究してきたことの話はとても興味深かった。

Posted byブクログ

2018/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

脳男/首藤瓜於:第46回大賞受賞。2000年。 再読なんだよね。前回はこんなつまらない話はない、クソだ、のが感想。 生まれつき感情のない人間が感情を得るまで、というか、得始めるまで。見ていないわけではない、理解していないわけではない、でも何もしない。興味深く読めたんだよね。 仕事以上に鈴木一郎に興味を持ち、冬の長野の山まで出かけるまりこには違和感あるが。たいしたことではない。 続編読みたくなっちゃったもん。感想は変わるもんだ。

Posted byブクログ