日本語練習帳 の商品レビュー
ベスト・セラーになった日本語トレーニング本です。うろ覚えなのですが、齋藤孝の『声に出して読みたい日本語』が一世を風靡した「日本語ブーム」の頃の著作なのではないかと思います。 著者が編纂した『岩波古語辞典』は大胆な語源解釈が提出されていることで知られていますが、一般向けの著作であ...
ベスト・セラーになった日本語トレーニング本です。うろ覚えなのですが、齋藤孝の『声に出して読みたい日本語』が一世を風靡した「日本語ブーム」の頃の著作なのではないかと思います。 著者が編纂した『岩波古語辞典』は大胆な語源解釈が提出されていることで知られていますが、一般向けの著作である本書でも、日本語の謎をどこまでも深く追求していく著者の姿勢は変わらないように思います。有名な「は」と「が」の使い分けのほか、文章の要約のトレーニングや敬語の使い方などが扱われています。
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何の番組かは忘れたが、テレビのバラエティ番組でかつてのベストセラーとして紹介されていた。ずいぶん前に出版されていたのに知らずにいた。最近の自分の趣味に合ったので読んでみることにした。ただ読ませるだけでなく、タイトル通り練習問題を多用し解説しているので、最後までとても興味深く読み...
何の番組かは忘れたが、テレビのバラエティ番組でかつてのベストセラーとして紹介されていた。ずいぶん前に出版されていたのに知らずにいた。最近の自分の趣味に合ったので読んでみることにした。ただ読ませるだけでなく、タイトル通り練習問題を多用し解説しているので、最後までとても興味深く読み進めることができた。 また学生のトレーニングとして読書感想文ではなく、既存の文章の縮約訓練を推奨している。著者が言うように読書感想文にあまり訓練効果が無いなら、これまで世の国語学者たちは何をしていたのかと言われても仕方がないだろう。これは早急に結論を見いだし、教育現場に反映させるべきではないのか。 中でも面白いと思ったのは敬語の使い方だ。一般に敬語については、それだけでひとまとめの本になっているようだが、このように国語の解説の一部として取り上げでいるのはあまりなさそうだ。その中で太宰の「斜陽」に使われている敬語を批判している。確かに「斜陽」の敬語にはずいぶん違和感を持った。太田静子の日記を丸写ししたからそんな表現になったらしいが、そもそも太宰は津軽弁ばかりしゃべっていだろうから、正しい敬語や標準語など解らなかったのではないだろうか。 志賀直哉が戦後の国語改革にあたり、日本語を廃してフランス語なり先進外国語を採用すべきと主張していたとは驚いた。そんなことにならずに良かった。いかに愚かなことか隣国を見ればわかる。漢字を廃してハングルのみにした半島の人々は、自分たちの古典さえ読めなくなってしまったという。わが国の国語も危うくローマ字や英語などにされるところを回避して本当に良かったと思う。
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今さらながら読みました。名著だなあ。なんで今まで読んでなかったんだろう。 単語のニュアンスの微妙なちがい、やまとことばから生まれた敬語、漢語から生まれた敬語などを、語源にまでさかのぼって説き起こす。目からうろこの連続でした。が、こうやってまとめて書こうとしても何一つおぼえていな...
今さらながら読みました。名著だなあ。なんで今まで読んでなかったんだろう。 単語のニュアンスの微妙なちがい、やまとことばから生まれた敬語、漢語から生まれた敬語などを、語源にまでさかのぼって説き起こす。目からうろこの連続でした。が、こうやってまとめて書こうとしても何一つおぼえていないので(^_^;) もう一度読み返さなくちゃだめですね。
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かなりのベストセラーのはずですが、そんなに興味もなく読んでいませんでした。それが、たまたま図書館のリサイクル市で見つけて、読み始めました。おもしろい。日本語の文法は、中学や高校で教わったもので出来上がっているのだと考えていましたが、どうやらそういうわけでもなさそうです。「は」と「...
かなりのベストセラーのはずですが、そんなに興味もなく読んでいませんでした。それが、たまたま図書館のリサイクル市で見つけて、読み始めました。おもしろい。日本語の文法は、中学や高校で教わったもので出来上がっているのだと考えていましたが、どうやらそういうわけでもなさそうです。「は」と「が」の使われ方などは、「目からうろこ」でした。日本人だからふつうに何の気はなく使い分けていますが、きっと外国人には難しいことでしょう。難しいなあ、と思いながら読んでいる本などは、話題を提供する「は」が来てから、その結論に至るまでの文章がきっと長いのでしょう。「考える」と「思う」、「最善」と「最良」、「通る」と「通じる」、「大丈夫」と「しっかり」など、使い分けもあらためて考えると難しいものです。「です」と「ます」の使い方も考えてみるとおもしろい。また、敬語の使い方も難しいなあと感じました。時代によって使われ方も変わってきていると言うから、なおさらです。新聞の社説を「縮約」する(要約とは違う)なんていう作業はとてもいまさらできないのですが、学生時代にでもそういう課題が出ていたら、大変だけど、やりがいがあっただろうなと思います。もし、大野先生に質問する機会があったなら、文章を書くときに、漢字とひらがなをどう使い分けていらっしゃったのかを聞いてみたかったです。
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「言葉とは何か」や「変わりゆく日本語の成り立ちと特徴」を知った。私が使っている日本語について、多くの例を用いてわかりやすく教えてくださった。敬語の成り立ちや尊大語など、学校では深く教えてくれないことも多かった。知ったかぶった言葉は、私が今まで出会ってきたものによって作られた意味で...
「言葉とは何か」や「変わりゆく日本語の成り立ちと特徴」を知った。私が使っている日本語について、多くの例を用いてわかりやすく教えてくださった。敬語の成り立ちや尊大語など、学校では深く教えてくれないことも多かった。知ったかぶった言葉は、私が今まで出会ってきたものによって作られた意味で、認識している。大変だけれども、それを組み立て直したい。
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その時々にぴたっとある美しい表現を、一生に一度しか 訪れない瞬間にも適確に使うことができるということ。 文章を書くには一度使った単語や言い回しを使わないという美意識。そういうものに適応するために、普段から辞書をめくる作業をすることが良いのだそう。 言葉とは主体的で能動的なもので...
その時々にぴたっとある美しい表現を、一生に一度しか 訪れない瞬間にも適確に使うことができるということ。 文章を書くには一度使った単語や言い回しを使わないという美意識。そういうものに適応するために、普段から辞書をめくる作業をすることが良いのだそう。 言葉とは主体的で能動的なものであり、規範に従うことを通して成り立つという箇所に納得しました。
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これも積ん読になってた本ですが、もっと早く読めばよかったです。途中、志賀直哉についてのかなり手厳しい批判が出て来るところなど、興味深い点がたくさん。
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寝る前に飲んだコーヒーがいけなかったのか。眠れなくなってしまい、こんな時間に読み終わることに。 以前読もうとしたときは、最初の「単語に敏感になろう」で挫折。おいおい、こんなちまちました細かい話で、日本語の練習になるのかよと、ごめんなさい。 「文法なんか嫌い」のハとガの話...
寝る前に飲んだコーヒーがいけなかったのか。眠れなくなってしまい、こんな時間に読み終わることに。 以前読もうとしたときは、最初の「単語に敏感になろう」で挫折。おいおい、こんなちまちました細かい話で、日本語の練習になるのかよと、ごめんなさい。 「文法なんか嫌い」のハとガの話は実に面白い。 「二つの心得」は、普段私も気をつけていることで、「文章の骨格」は、いろいろ考えさせられました。 残念なのは「敬語の基本」。何しろ読んだのがこの時間ですので、私の理解力が相当下がっていると思われます。それに、敬語は難しい。 全体的に見て、日本語の練習帳をこれだけの薄さでまとめあげるのは、さすがです。 この本を読みながらつくづく思うことは、本当の意味で日本語を読む、書く訓練が、義務教育ではされてないんじゃないかということ。大野さんも、感想文について触れていますが、今までの国語教育に少しダウトをかけてみる必要があるのかなと感じました。
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「は」と「が」がどう違うかとか、単語に敏感になろうとか、文章の要約とか……たしかに基礎的な「国語力」の問題がいっぱい並べられてはいる。著者、さすが国語学の重鎮というべきか。学校の国語ができた人には「べっつにー」だし、苦手だった人には「いまさらねぇ」だしという本のような気がする。 ...
「は」と「が」がどう違うかとか、単語に敏感になろうとか、文章の要約とか……たしかに基礎的な「国語力」の問題がいっぱい並べられてはいる。著者、さすが国語学の重鎮というべきか。学校の国語ができた人には「べっつにー」だし、苦手だった人には「いまさらねぇ」だしという本のような気がする。 つまりはぶっちゃけ「おもしろくない」わけだが、敬語表現の違いを扱う最後の章はちょこっと興味深かった。たとえば「亡くなる」「おいでになる」「ごらんになる」……こういった尊敬語の表現の「なる」(「らる」や「ある」も)は、「寒くなる」「木の実がなる」のような、作為によらず自然の推移の結果としてある状態に至ること。ある一つの行為を成り行きのままとして扱うということは、恐ろしい自然のそのままの状態のことと扱うことで、それが尊敬へと展開した……というのは、このところの自分の「日本語問題」的にぴったりくる説明だったし。 基本的には、昔から国語がよくできて、「うんうん、オレはできる」というのを納得したい人には悪くない本かなと思うが。さして「発見」とか「驚き」とかが期待できる本ではなかった。『日本語に主語はいらない』(講談社選書メチエ・金谷武洋)を読んで、「これまでの正統的な日本語論」はどうだったのかと興味がわいて手に取ったので、目的は達した。
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2013/11/10 単語の把握 文法について(はとが) 文章の心得 のであるのだを使わない がをつかわない 文章の骨格 要約 敬語について 文章の心得、文章の骨格あたりはすごく参考になった。社説の要約はやっていきたい。 単語をたくさ...
2013/11/10 単語の把握 文法について(はとが) 文章の心得 のであるのだを使わない がをつかわない 文章の骨格 要約 敬語について 文章の心得、文章の骨格あたりはすごく参考になった。社説の要約はやっていきたい。 単語をたくさん知っていることも文章を書くには重要。単語をしらないと結局、子供っぽい文章になってしまう。
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