詩のこころを読む の商品レビュー
昔から詩というものが苦手だった。意味が全然分からないし、授業で詩を書けと言われて全く筆が(鉛筆かw)動かなかった記憶もある。ではなぜこの本を手に取ったかと言えば、突然触れた茨木のり子さんの詩が心に残ったからだ。しかしこの本は彼女の詩集ではなく、茨木さんが選んだ詩を解説するもの。 ...
昔から詩というものが苦手だった。意味が全然分からないし、授業で詩を書けと言われて全く筆が(鉛筆かw)動かなかった記憶もある。ではなぜこの本を手に取ったかと言えば、突然触れた茨木のり子さんの詩が心に残ったからだ。しかしこの本は彼女の詩集ではなく、茨木さんが選んだ詩を解説するもの。 なるほど。詩とはこんなふうに鑑賞し、自由に受け止めるものなのか。 石垣りんの詩を見て思った。Twitterみたい•••だなと。もちろん、そこにはすぐれた言葉選びや行間に含まれた思い、そして叫ぶような炎のような熱い思いが込められたりする。 結局はこころのまま、心のままなのだ。 しかし勉強になったのは、作者の背景を知る事で詩の見え方は全然違うという事。何も知らずに字面だけを追っていた無知な子供の私に分かろうはずもなかった。当たり前でしょと言われそうだけど。 解説を読みまた詩を読み•••と繰り返していたらものすごく読むのに時間がかかった。 そしてなにより、茨木のり子さんの語彙の豊富さ!スマホ辞書を引きながら読んだので本当に時間がかかったw この本は買って良かった。借りてたらとても読み終わらなかったし、何度も読みたい。
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あまり読んだことも書いたこともなかった詩ですが、何となく惹かれて読んでみました。 茨木のり子さんが選んだ傑作ばかりが載っていて、どう読んだか、どこが良いのか、などをこれまた素晴らしい文章で教えてくれます。独特な漢字の使い方が、その言葉の意味を熟知して使っているんだなと感心さ...
あまり読んだことも書いたこともなかった詩ですが、何となく惹かれて読んでみました。 茨木のり子さんが選んだ傑作ばかりが載っていて、どう読んだか、どこが良いのか、などをこれまた素晴らしい文章で教えてくれます。独特な漢字の使い方が、その言葉の意味を熟知して使っているんだなと感心させられることもありました。 読みどころを教えてもらうと、一層その詩が唯一無二の、とても力を持ったものに感じられて、読むのが面白くなってきます。 淡々と、情景描写や経験したことが書かれた後に、ふと最後の数行で、作者自身の中に入り込んでくる言葉があると、その詩は一気に飛翔して、作者の処から読み手の処へとやってきます。その瞬間、その詩がとても愛しく感じられるから不思議です。 メモしていなかったので、正確な言葉を覚えてないのですが、「人間として上等でなければ、良い詩が描けない」といったことを茨木さんが書いていました。確かに心打たれる詩を読んでいると、作者の人間性に惹かれ、私もこんな風に生きてみたいと思うことが何度もありました。 心に残った詩と、茨木さんの文章 ※生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ(吉野弘) ※「その夜」から 私を横に寝かせて起こさない 重い病気が恋人のようだ。(石垣りん) ※自分の中に1人の一番厳しい教師を育てた時、教員はなれり、という気がします。 ※浄化作用(カタルシス)を与えてくれるか、くれないか、そこが芸術か否かの分かれ目なのです。 この他、特に好きだった詩は、 石垣りんさんのものと、 新しい刃 安西均 助言 ラングストン・ヒューズ(木島 始訳) などがありました。 詩が好きな人はもちろん楽しめますし、私のようにあまり触れてこなかった人は特に、詩を読む面白さを知ることができる、かなりの良書だと思います。この本に出会えて良かったです。
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面白かった いままであまり詩には触れてこなかったけど 詩の読み方、触れ合い方が丁寧に記されていて入り込みやすい 一読してはてなと思った詩も、解説を読むとなるほどとなり読み方・感じ方が変わっていくのが面白い
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茨木のり子さんの詩を見る度、ストレートかつ個人主義であるカッコ良さが伝わります。 そんな方が、大事になさった他の詩人の詩の解説 なんて贅沢な一冊なんだ。 特に、石垣りんさんの詩の選詩と解説は、感情が豊かになりました。 岩波ジュニア新書、あざす。
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詩のこころを読む 著作者:茨木のり子 発行者:岩波書店 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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迷った末の年初の一冊は、作年末のWEB記事「人生を変える“言葉” 韓国で出会った茨木のり子」 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211228/k10013406381000.html がとても良かったので、高校時代から何度が読み返しているこの...
迷った末の年初の一冊は、作年末のWEB記事「人生を変える“言葉” 韓国で出会った茨木のり子」 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211228/k10013406381000.html がとても良かったので、高校時代から何度が読み返しているこの本の再読にした。 その時々で気になる箇所や好みも変ってきたけど、今回は詩の作者の年齢も気になった。 そして、この本、茨木さん50過ぎに書いたんだ。 #詩のこころを読む #茨木のり子 #岩波ジュニア新書
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卒業以来久しぶりに詩に触れた。 学生の頃にはただ暗唱させられ、深く味わうということもなかったが、詩とはかくも力強く、日本語は美しいものだったのだと感心した。 これまで詩の読み方がわからなかったが、他の詩も読んでみたいと思った。
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高等学校とかで「国語」の時間に習う(?)詩というものがあるのですが、さて、どう読めばいいのでしょう。そんな疑問がわいたときに手にとられるのがいいのではないでしょうか。 40年前に教室で高校生相手にすすめた本です。読み直して、古びてなさに感心しました。率直で、正直な茨木のり子さ...
高等学校とかで「国語」の時間に習う(?)詩というものがあるのですが、さて、どう読めばいいのでしょう。そんな疑問がわいたときに手にとられるのがいいのではないでしょうか。 40年前に教室で高校生相手にすすめた本です。読み直して、古びてなさに感心しました。率直で、正直な茨木のり子さんが、ここにもいます。 ブログにも書きました。覗いていただけると嬉しい。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202111030000/
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こころにひっかかって取れない詩歌 人のそういうのを知れるってとても素敵で、私にはこうなんだよって対話をしたくなって、古本屋で迎えたこの本に引かれていた赤線と、お話をしている気分になった。 なんとも、素敵でわくわくする時間を久しぶりに過ごせて、有難いなと思ったし、私には必要なんだ...
こころにひっかかって取れない詩歌 人のそういうのを知れるってとても素敵で、私にはこうなんだよって対話をしたくなって、古本屋で迎えたこの本に引かれていた赤線と、お話をしている気分になった。 なんとも、素敵でわくわくする時間を久しぶりに過ごせて、有難いなと思ったし、私には必要なんだと何度でも再確認する。きっとこれからも。
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詩はわからないと思っている人におすすめ。 もちろん、詩が好きな人にも。 実は歌詞なんかで、 現代人も詩には触れているはず。 詩の一つ一つももちろん素敵なんだけど、 案内人である茨木のり子が本当に素晴らしいと思う。 茨木のり子が、恋の歌、人生の歌、労働の歌、老年の歌…さまざまな...
詩はわからないと思っている人におすすめ。 もちろん、詩が好きな人にも。 実は歌詞なんかで、 現代人も詩には触れているはず。 詩の一つ一つももちろん素敵なんだけど、 案内人である茨木のり子が本当に素晴らしいと思う。 茨木のり子が、恋の歌、人生の歌、労働の歌、老年の歌…さまざまな詩の世界に導いてくれる。 年代的には自分が生まれる前の本だったらしく、 奥付を見て驚いている。 それくらい古びない。 なんて綺麗な言葉だろう。 茨木のり子の美しい言葉で詩を紹介されるのだけど、 さすが詩人としかいえない着目点。 詩を読んでいたときに、なかなかその感覚やイメージって言葉にしにくい。 茨木のり子は比喩を巧みにつかいながら、詩から受ける「何か」をすらすらと読者に伝えてくれる。 詩を読みながらときに男女の恋愛のイメージの違いについて考えたり、 ときに人生の寂しさについて考えたり…。 人間力が総合的に上がりそうなお話が随所に見られる。 詩の力としかいいようがないけれど。 詩人って、美しいものを美しいまんま切り取らないんだ。 私たちが見逃していた細部を切り取って、 ハッとさせることができるんだ。 それが心のあり方でも、 社会のあり方でも、 生命のあり方でも。 詩人って本当にすごいな、とめちゃくちゃ感激した。
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