白い巨塔(第5巻) の商品レビュー
まさかの終わりかたでした。 それまでの内容もすごく面白かったです。これが当時の日本で反響を呼んだのもよく理解できます。 小説を書くまでの下調べにかけた時間は計り知れないなと思いました。 ものすごい人間ドラマでした。 とにかく、一度は読んで欲しい作品です。
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判決を言い渡されるあたりはドキドキしながら読みました。 最後100頁ほどはあんなに憎かった財前が可哀想になりました。 そして何よりケイ子さんのいい女っぷりが素敵でした。 泣けました。 読み終わりもよく、久しぶりに面白い長編が読めました。
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最後の展開は読めなかった。 けど、財前五郎が最終的には医者の使命を全うしていたのは感動した。 財前五郎を囲んだ人間模様も最後の方のが味が出ている。 本当に良い作品でした。
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いやぁ~。ほんとうに時間がかかった。最近加齢のせいか(なんでも加齢のせいにする悪い年の取り方の例)集中力が持続せず、しかも、集中できる数少ない環境である通勤電車に乗らなくなり、チビリチビリ。途中全く読まない日が何日も続いたり、学術会議選挙の票読みや難解な〇▲教授の見解のあたりは斜...
いやぁ~。ほんとうに時間がかかった。最近加齢のせいか(なんでも加齢のせいにする悪い年の取り方の例)集中力が持続せず、しかも、集中できる数少ない環境である通勤電車に乗らなくなり、チビリチビリ。途中全く読まない日が何日も続いたり、学術会議選挙の票読みや難解な〇▲教授の見解のあたりは斜め読みであったがとにもかくにも読み終えた達成感はほかのどの小説よりも高かった。テレビドラマ(唐沢バージョン)と重なる場面は映像が浮かび脚本も難しかっただろうなぁなどとよこしまなことを考える。 作者自身のあとがきにもあったが、これほどの小説を完成させるにどれほど綿密で膨大な取材と時間を要したことであろうか。まったくすごい小説である。 ラスト、財前自身が手の施しようのないガンに侵され決死の大河内教授宛手紙で目が潤む。 「なお自らがん治療の第一線にあるものが早期発見できず手術不能のがんで死すことを恥じる」 ドラマでは黒木瞳演ずるケイ子との情愛の場面が小説よりももっと深いもののように思えていたけど、5巻、五郎のガンを悟ったケイ子がひとりで思い出の場所に行き嗚咽を漏らす描写がより訴えるものがあった。 また、ドラマで財前危篤を知って病院に向かう里見に妻が「財前さんはあなたの親友ですものね」と送り出すシーンがやたら印象的だったが小説にはなかった。 それよりも小説最後に里見がなんとしてでも「親友」財前の命を永らえようと苦悩する姿がしみた。 傲慢で嫌な奴としか見えない財前に、ケイ子の前でだけ垣間見せる弱さや故郷の母へ仕送りするときだけがささやかな楽しみであるというあたりに、全くの悪ではないのだと、ホッとする。 なんだろう、人間の「業」とは。 また当時の東ドイツの情勢、黒部ダムなどの自然も丁寧に描かれていておのずと引き込まれた。
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大学病院を舞台にして繰り広げられた権力闘争、医療過誤の法廷闘争の幕が降ろされる最終巻。あとがきによると本当は三巻までで終わっていたはずが、読者からの反響の大きさにより続編として書かれたのが四、五巻に当たるという。前半だけで終わっていたら、これほど静かな読後感があったかどうか。 法...
大学病院を舞台にして繰り広げられた権力闘争、医療過誤の法廷闘争の幕が降ろされる最終巻。あとがきによると本当は三巻までで終わっていたはずが、読者からの反響の大きさにより続編として書かれたのが四、五巻に当たるという。前半だけで終わっていたら、これほど静かな読後感があったかどうか。 法廷闘争第二審の最中、あまりの財前の横暴ぶりにそれまで偽証を繰り返していた証人が自分の言を撤回する。しかし物証がないため信頼性に欠けるとされた時、「シヨウコアル」との電報が届くシーンは心揺れた。 悪逆を尽くした財前だったが、最後の最後は医者としての本分に立ち戻る。あらゆる面で遅かったのだけれど。 初読時は、医療過誤についても財前が絶対的に悪いと感じていた。でも読み返してみると、これで医者が悪いとされたらやりきれないかも、と思うことも。 もしも財前が手術後に一回でも患者に面会し、家族にも優しい言葉を掛けていれば訴えも起こらなかった気もする。実際家族も、「患者に対して不誠実な、人間味のない診察しか」しないことを一番問題視していたわけだし。 第二審結審後からの急展開、最後のページまでは他の用事が一切できないほど夢中に読んだ。名作。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
白い巨塔1ー5巻を読んで。 最後のシーンは泣けた。無念すぎて泣けた。もしかしたら、財前は患者を疎かにした、その報いを受けた。みたいな感じで捉える捉え方もあるかもしれないけど、正直それでも日本の医学会が失った人材の大きさ、これから財前が成し遂げられたはずのこと、財前の親のことを考えると無念で仕方がなかった。 やり方に問題はあっても、財前の実力を認める人はたくさんいたし、結局人の死はどんな形であれ悲しい いろいろと感情がごっちゃになって泣いてしまったけれど、どうして泣いたのか要素分解できてないからまた反芻しようと思う作品だった。
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Kindleのprime readingにて一巻が無料であったため、よく聞くタイトルでかつ医学についての知識がつきそうだな、ということから読み始めた。読むのが遅い私だが一巻は思いの外スラスラと読めてしまった。2巻からは有料となるがAmazonの思う壺だとわかりながらも、この最終巻...
Kindleのprime readingにて一巻が無料であったため、よく聞くタイトルでかつ医学についての知識がつきそうだな、ということから読み始めた。読むのが遅い私だが一巻は思いの外スラスラと読めてしまった。2巻からは有料となるがAmazonの思う壺だとわかりながらも、この最終巻まで読み終わる事に購入していった。 昭和45年たりの話という事で、私にとって2世代昔の大阪での医療政治の話という風に捉えて作品を見た。 特に、最終巻での裁判後の急展開には非常に驚かせられ、最終章はまさに5巻分のフィナーレを飾るような見事な結末であった。特に最後、夏の打ち上げ花火のようにクライマックスで上手く輝く作品であるという点において、ここまで人気で訳が頷けた。
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読了。 全巻を通じて、財前と里見という、物語の二人の主人公とも言うべき人物の正反対の生き様が描かれている。 方や、権力の座を上り詰め、あらゆるものを手に入れようと権謀術数を巡らす、それとは真逆のたとえ名門国立大学の助教授という地位を失っても、医者としての信念を貫き通す。 財...
読了。 全巻を通じて、財前と里見という、物語の二人の主人公とも言うべき人物の正反対の生き様が描かれている。 方や、権力の座を上り詰め、あらゆるものを手に入れようと権謀術数を巡らす、それとは真逆のたとえ名門国立大学の助教授という地位を失っても、医者としての信念を貫き通す。 財前は悪、里見は正義と、表面的にはそう捉えられるかもしれないが、実際にはそう単純ではない。財前には財前なりの正義があったことは、物語を読めばよく分かる。 改めて正義とは何か、何が正しいのかを考えさせられた。
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全五巻の感想。 人を蹴落としてでも野心剥き出しで叶えていく人、身の回りにいると思うので、登場人物を身の回りの人間に当てはめて読むと、感情移入の度合いが変わります。 里見のように生きていきたいものです。
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1審が始まって以降、財前の腐敗ぶりが描かれていたが この第5巻では財前の言い分も理解できるような書き方がされていた。作者はどんなを使ったのだろう。 そう考えていた矢先、突如の財前の死。 やりきれなさが残るラストでした。 それにしても「先生」と呼ばれる職業は難しいなと感じました...
1審が始まって以降、財前の腐敗ぶりが描かれていたが この第5巻では財前の言い分も理解できるような書き方がされていた。作者はどんなを使ったのだろう。 そう考えていた矢先、突如の財前の死。 やりきれなさが残るラストでした。 それにしても「先生」と呼ばれる職業は難しいなと感じました。 勘違いしやすいのでしょうね。 医者、弁護士… 教員をテーマにした作品も山崎豊子さんに書いていただきたかった。
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