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白い巨塔(第5巻) の商品レビュー

4.4

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    77

  2. 4つ

    38

  3. 3つ

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2021/10/27

選挙の勝利。 裁判の敗北。 柳原にも、里見にも正義はある。 それが実った結果と言えるが、大学教授という多忙な中で、どこまで診察しなくてはいけないのか、ものすごく重たい投げかけだと思う。 僕はエンジニアなので、開発中はバグがよく出る。たくさんバグが出た時、納期が短ければ顧客と交...

選挙の勝利。 裁判の敗北。 柳原にも、里見にも正義はある。 それが実った結果と言えるが、大学教授という多忙な中で、どこまで診察しなくてはいけないのか、ものすごく重たい投げかけだと思う。 僕はエンジニアなので、開発中はバグがよく出る。たくさんバグが出た時、納期が短ければ顧客と交渉してできる範囲で行う。 だが、医者はそれができない。治るか死ぬまで、全力でみることを求められる職業。 そして、患者が来るときはすでに何らかの症状が出ている負け戦であることが多い。 とても過酷な仕事だと思う。

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2021/10/03

文庫本5冊目。思ったより早くたどりつけた。 医者として天才的な才能があるし野心もある財前。大学病院でのし上がるには政治力と金が必要。 医者として患者を救うため病気の研究に力を注ぐ里見。対照的な二人が信頼しあってるところがいいと思う。 裁判では、権力に負けそうになるがお金や圧力に気...

文庫本5冊目。思ったより早くたどりつけた。 医者として天才的な才能があるし野心もある財前。大学病院でのし上がるには政治力と金が必要。 医者として患者を救うため病気の研究に力を注ぐ里見。対照的な二人が信頼しあってるところがいいと思う。 裁判では、権力に負けそうになるがお金や圧力に気づいた人が証言するところがスッキリする。 時代が変わっても共通するところは多くあると思う。

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2021/09/15

結末のバックにベートーヴェンの『荘厳ミサ』が湧き上がるように書き込まれてあり、救われた気がした。 解説にもあるようにそこに作者の意思もあるのだろう。 一人の人間として悪者といえども心の震えはあり、いつ滅びるかと不安にさいなまれている生き物なのだと。 当時(「白い巨塔」が連載...

結末のバックにベートーヴェンの『荘厳ミサ』が湧き上がるように書き込まれてあり、救われた気がした。 解説にもあるようにそこに作者の意思もあるのだろう。 一人の人間として悪者といえども心の震えはあり、いつ滅びるかと不安にさいなまれている生き物なのだと。 当時(「白い巨塔」が連載されていた頃)、社会派小説は流行っていて私は松本清張氏を多く読んでいて共感や憤りを経験していたにもかかわらず、今回はまいった、あまりの臨場感に。 どろどろした人間関係に憤慨して読んでいると、胃がん手術のリアルさ、医師の頭の下がるような執刀の様子。かと思と法廷の緊迫したやりとり。大阪の商人のドラマチックな展開。 悪人の代表のような財前五郎、ヒューマニズムの、あるいは神のような存在の里見脩二。わかりやすい描きかたに舌を巻く。うーん、その他の登場人物もしかり。 「生み坊主のようにぬるりと頭をひからせた」財前の舅の又一。「鶴のような痩身」の解剖の大河内教授などなど。まるでアニメのようといってもいい。 しかし、作者山崎豊子氏は取材、予習と大変苦労された。だから内容に齟齬がないのだろう。また、一旦、第一審までで筆をおき、二年後続編を書いたということは、読者の反響、社会的影響によるという。 やはりすごい小説だ。大反響だったことは知っていたが、やっと私が読めた感。

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2021/08/29

医事裁判では、新しい証言が語られ、徐々に真実に迫っていく。患者の家族が苦労を乗り越えて戦う姿を通して、命を蔑んだ医者に対する家族の怒りが伝わってくるようだった。 庶民こそ、命の重さを知っているのかもしれない。白い巨塔の後半は「生命の尊厳」が大きなテーマだと感じた。 しかし、患者の...

医事裁判では、新しい証言が語られ、徐々に真実に迫っていく。患者の家族が苦労を乗り越えて戦う姿を通して、命を蔑んだ医者に対する家族の怒りが伝わってくるようだった。 庶民こそ、命の重さを知っているのかもしれない。白い巨塔の後半は「生命の尊厳」が大きなテーマだと感じた。 しかし、患者の命が失われた後の争いだということが切ない。家族が裁判に勝ったとしても、真実が認められたとしても、患者の命は戻ってこない。 命の重さを、存在の大切さを、本当の意味で知ることができるのは失った後なのかもしれない。

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2021/08/11

なかなか読み進みるのが厳しい展開でしたが、最後はさすがの読み応え。白い巨塔、というと、医者に対する悪イメージが先行しがちですが、そんなのではない人間の生き様、プライド、色んなものが迫ってくる、そんな読書体験でした。

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2021/08/01

他の本と並行しながらですが、2ヶ月弱もかかって読みました!もう全ての語彙力を圧倒的という言葉に置き換えたい所存でございます。去年五話連続でやってたドラマのキャストでイメージして読んだので、財前は岡田くん。里見は松山ケンイチ。ケイ子は沢尻エリカ。東佐枝子は飯豊まりえちゃん。などなど...

他の本と並行しながらですが、2ヶ月弱もかかって読みました!もう全ての語彙力を圧倒的という言葉に置き換えたい所存でございます。去年五話連続でやってたドラマのキャストでイメージして読んだので、財前は岡田くん。里見は松山ケンイチ。ケイ子は沢尻エリカ。東佐枝子は飯豊まりえちゃん。などなどが頭の中で物語を展開してくれました! 人間の命の尊厳さと地位や権力への欲望の共存する「白い巨塔」。この白い巨塔に敗北したのは里見や地方へ飛ばされた医局員ではなく財前だった。本当に圧巻。実際医学会がここまでのものかは分かはないけど、少なからずこういう風潮はあると思う。 全ての登場人物がこの物語を考えさせるのに必要な人物で、こういう人間がいたらどうだろうと思うキーパーソーンが本当に全て揃ってるなぁと。里見先生がなんだかんだ財前を尊敬してるところがめちゃくちゃ良くないですか?? 個人的に1番好きなのはケイ子。最後の方でこの人花森って名字だったんだとかしょうもないこと思ったのはさておき、結局財前のことを一番理解してたのがこの人。自分の語彙力でこのケイ子の凄さを文字で表現できない笑。とにかく聡明で物事の本質を見抜いていた感じがしてカッコ良かった。 あとは里見と東佐枝子の関係。佐枝子があの両親に染まらず純粋で真っ直ぐな里見に惚れるのがいい。でも友人によってできた壁をお互いが意識して、最後は佐枝子の方から会わないと決意するところが切ないけど意志の強さを感じてとても良かった。普通あんな両親に育てられたら、無理してでも地位を築きたいと思うけどなー。意志が本当に強い証拠だと思った。ここもあっぱれ。 またこの小説、里見が財前と正反対で焦点当てられがちだけど、関口弁護士もなかなか逸材というか憧れるべき人だと思った。患者の泣き寝入りを防ぐために、医学に素人な弱い立場にもかかわらず佐々木家族のために、むちゃくちゃ勉強して国平弁護士に立ち向かうところとか。里見が医者としてのあるべき姿を見せつけたなら、関口は弁護士としてのって感じがした。というか、財前側に立たずに証言した方々皆すごいよ。柳原くんもよくがんばったよ。運が悪かったねー。 この小説では医学という人を救うための学問においても人間のいろいろな欲望が絡まり合って、プロとしてのあるべき姿を見失ってしまう設定だけど、医学界以外にももちろん通ずるものがあると思いました。やはり人間。技術があっても人情がなければダメ。逆も然り。本当の意味で敬われる存在になるためには両方兼ね備えないとなと!医学の基礎知識に加えて、医療裁判の難しさ、人間のあり方など多くを学べた最高の小説でした! 里見先生目指します! 

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2021/07/31

最後はなんかやるせなかった。 良い人も悪い人も必死に生きているということを伝えている。 この小説の時代では富と権力が人間の幸福であるという背景が濃い。今の時代では幸福とはなんだろう。 医療は神の祈りである。

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2021/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何も知らずに、ベートーベンのミサ・ソレムニスを(初めて)聴きながら、最終章を読んでいたら、ラストで里見にこの曲が聞こえてきたとの描写があり、驚いた。 財前のことは好きになれないが、あらゆる手段を講じて名声を得ようとし、裁判に勝とうとする姿勢は、欲望に素直とも言え、憎み切れない。 それにしても、この裁判は多くの人を巻き込んで誰も幸福にしていない。関口弁護士も罪な人だ。

Posted byブクログ

2021/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドラマは観たのでストーリーは全て分かっていましたが、それでも十二分に面白かったです♪全部で2000ページ以上ありましたが思いのほかすんなり読む事が出来ました☆

Posted byブクログ

2021/03/11

まさかの終わりかたでした。 それまでの内容もすごく面白かったです。これが当時の日本で反響を呼んだのもよく理解できます。 小説を書くまでの下調べにかけた時間は計り知れないなと思いました。 ものすごい人間ドラマでした。 とにかく、一度は読んで欲しい作品です。

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