ブレイブ・ストーリー(下) の商品レビュー
2003年9月30日読了。以下、過去の日記から抜粋。 宮部女史版ドラクエといったほうがいいかな。 現実でつらい思いをした少年が、その現実を変えるため、 「運命の女神」がいる「運命の塔」を目指し、 「幻界」と呼ばれる異世界を仲間の力を借りながら旅する。 その中で少しずつ大人への階...
2003年9月30日読了。以下、過去の日記から抜粋。 宮部女史版ドラクエといったほうがいいかな。 現実でつらい思いをした少年が、その現実を変えるため、 「運命の女神」がいる「運命の塔」を目指し、 「幻界」と呼ばれる異世界を仲間の力を借りながら旅する。 その中で少しずつ大人への階段を上りだした少年は、 自分が何を「運命の女神」に願うべきかを悟る。 本当に現実を変えたいと強く願うならば、 他人に頼るのではなく、自分自身を鍛えねばならないのだ。 かつて、幼い頃にドラクエにはまりにはまった時期がある。 当時は私もあの世界を旅したいと本気で思っていた・・・ いや、今でもぽっかりと異世界へ通ずる道が開いたら、 私は少しの躊躇をともないながらも飛び込むだろう。 ただ、まぁ、そんなことは無理だよね。 人生とは自分探しの旅だ、とはよく言ったものだ。 今はこの現実を必死で旅しなさいということなのだろう。 そのわりにはあまり夢のない世界だけれども・・・
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幻界の厳しい自然、さまざまな怪物たち。立ちふさがる困難を乗り越え、辿り着いた「運命の塔」。ワタルの願いはかなえられるのか?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子供向けファンタジーの金字塔というには血腥い事件が多すぎる。 血が流れること自体がファンタジーらしからぬ、と言うつもりはない。 『はてしない物語』ではバスチアンがアトレーユを刺したし、 『ゲド』でもテナーは血腥い儀式をしていた。 『指輪物語』でもフロドの指は食い千切られる。 でも、これらの物語は、それでもファンタジーだ、と思う。 幻界に現界のものを持ち込んではいけない、なんて言いつつ、 一番持ち込んでいるのはこのストーリーの組み立て方じゃないんだろうか。 まぁそこは、幻界と現界つながってて似て非なる物、なんて言い分けが設定としてあるわけだけども。 宗教戦争、殺人事件、汚職、差別…現実のことが、単純にファンタジーの形を借りて 違う形でただあるだけで、「どこもそんなもん」ってもっともらしくまとめているけど 幻界には幻界という世界があり、幻界の日常がある。そこに厚みを持たせてくれないと。 ところどころじんとくるところが無いわけではないが、 それを忘れるほどにえ?と思うことがある。 父とその不倫相手にそっくりな人を殺してしまうとか、(幻覚らしいけど) 司教を殺してしまうとか(間接的にだけど) 小学生が。それもワタルという所謂いい子が。 で、気に病んでる描写はあるもののそれだけだ。 更にミツルなんて…だし。いくら現代の子供が、人は死んでも生き返る と思っているとしても、いくらなんでもこれはなあ…と思う私は性善説なのか? 真っ当な人間なら、人の大量な血を見ただけでもっと動揺してもいいと思うんだけど…。 コナンくんや少年探偵団が、毎回死体を見つけても冷静なのと同じか?(笑) でもだとしたら、やっぱりファンタジーじゃなくミステリーじゃないのか。 そういう区分けにこだわるわけじゃないけど、ファンタジーというものに 自分が思い入れがあるせいか、宮部さんがというかこれを持ち上げてる周りに 不快感を感じる。 ファンタジー要素は全て借り物で、現実世界のことを、ファンタジーの設定で いろんなゲームとかお話の切り貼りで、出来ているような気がしてしまう。 それに、ミツルに先を越されそうだからってあっさり旅を諦めるというのが 理解不能で、 三人の落ち込みもカッツの語りにも感情移入が出来なかった。 先越されそうだからって、どっちが人柱か関係なく、宝玉捜すだろう。 探せばお母さんにまた会えるんだし。人柱になるなら尚更でしょう。 カッツを殺してロンメルさんが人柱なのも意外だったし、 (ロンメルのカッツが生まれ変わって云々って言い草は感動したけど) ミツルもだし、なんで幻界にミツルの妹が迎えに来るんだろうって疑問。 それにワタルのお願いも、あれでよかったのか…。 話が逸れるようだけど、私は宮沢賢治が大好きだ。 でも一点相容れないなと思うのは、「世界全体が幸福でないうちは…」ってやつ。 だって、すべての人がみんな幸せな状態って、理想だけれどありえないもの。 田中理香子と三谷明と、ワタルとワタルのお母さんの幸せは両立しない。 自分の幸せが誰かの不幸と表裏一山一体になってることはある。 実はそんなのばっかりかもしれない。 そしたら、この四人が少なくとも同時に幸せになることはない。 少なくとも、平穏無事に家庭生活を、ということが四人の幸せなら。 お母さんか理香子と三谷明が諦める、譲歩する、ということが必要になってくる。 だから単純に女神様の前で、みんなの幸せを、僕に力を、とは確かに ワタルは願えないのかもしれない。 だけど、未来を、というのも同じ位抽象的にも思える。
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ブレイブストーリー後編です。 ようやく待ちに待ったファンタジー要素満載の展開です。 亜人の兄ちゃんだったり猫の女の子がいたり、剣も魔法も出てきます。 でもそれだけじゃないんですね。いくらファンタジーでも現実、だから 主人公は成長していったりします。逃げてばかりではダメだと、 それ...
ブレイブストーリー後編です。 ようやく待ちに待ったファンタジー要素満載の展開です。 亜人の兄ちゃんだったり猫の女の子がいたり、剣も魔法も出てきます。 でもそれだけじゃないんですね。いくらファンタジーでも現実、だから 主人公は成長していったりします。逃げてばかりではダメだと、 それが最後には大切な財産になっている。 色々考えさせられる物語だなと思いました。
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2010年1月25日読了。勢力を増す魔族の進行と、異種族同士の争いに揺れる幻界での苦難の旅の果てに、ワタルが導き出した「願い」とは。冒険の旅は暗く重く哀切なトーンをまとっていくが、この結末は、実にすがすがしく前向きと思える。アニメ映画などの軽いジュビナイルな印象とはぜんぜん違うな...
2010年1月25日読了。勢力を増す魔族の進行と、異種族同士の争いに揺れる幻界での苦難の旅の果てに、ワタルが導き出した「願い」とは。冒険の旅は暗く重く哀切なトーンをまとっていくが、この結末は、実にすがすがしく前向きと思える。アニメ映画などの軽いジュビナイルな印象とはぜんぜん違うな・・・さすが宮部みゆき作品。強さとか、大事なものとかって、どういうものなのだろうか。
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「ファンタジー」と言う言葉の中では収まりきらない、壮大なストーリーです。言葉を自在に操り、読者を物語の中へと引き込んでいく。かなり長いですが、どこを削ってもこの物語は成立しません。 最後のワタルの決断は、美しくもあり、残酷でもあり、当たり前のことであるとも言えるし、超越している...
「ファンタジー」と言う言葉の中では収まりきらない、壮大なストーリーです。言葉を自在に操り、読者を物語の中へと引き込んでいく。かなり長いですが、どこを削ってもこの物語は成立しません。 最後のワタルの決断は、美しくもあり、残酷でもあり、当たり前のことであるとも言えるし、超越しているとも言えます。 そして、この決断を理解しながらも、私はやっぱり心のどこかでミツルの運命を変えてあげたかったと思ってしまうのです。それもまた、ワタルの旅を通じて理解した、人の心の在り様というものなのだと思います。
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小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。ある日帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!大トカゲのキ・キーマ、ネコ...
小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。ある日帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!大トカゲのキ・キーマ、ネコ族のミーナらとともに、ワタルは五つの宝玉を獲得しながら、ジョゾの背に乗って北の帝国に向かうワタルたち。目指すは皇都ソレブリアにそびえる運命の塔。が、うちつづく闘いに傷つき、命を失う仲間もあらわれ・・・。ミツルとの死闘を制し、ワタルは女神と出会うことができるのか?現世の幸福と幻界の未来。最後に選ぶべきワタルのほんとうの願いとは――。 読んだきっかけは映画化でしたが、原作も無理なく楽しくストーリーを読むことができました。映画とはところどころ違うところもあり、両方とも良かったかな。原作の感想としては、クライマックスが感動的でした。ミツルの存在がいったいどうなったのか、気になりますが・・・。 ミツルを襲った悲しい過去は、どんなに時がたっても忘れることができるようなものではないことが切なくて、悲しくて、大人って勝手だなぁと思います。ワタルの父親にしても、傷つくのはいつも子供なんですよね。でも大切なものを失くして、投げやりに人生を歩むよりも、自分の過去を乗り越えていける強さが大事なんだなぁとしみじみ思いました。
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この話は映画の方もあり、本の話の内容も面白かったです。この作品は上巻と下巻があります。話の内容は、一人の男の子が色々な冒険を通じて心も体も強く成長していきます。私はファンタジーものが好きだったので、長くて読み切るのに時間がかかりましたが、読んでいてとても楽しめました。
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自分は映画を見てからこの作品に興味を持ち読みました。話のジャンルはファンタジーです。内容は主人公の男の子が、現実の生活と、異世界の冒険を行ったり来たりするという設定になっています。とても面白いのでぜひ読んでみてください。
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久しぶりに見た目も中身もボリュームのある本を読了。 おかげで読むのに結構時間かかりましたー。 けどもその分、満腹満足(´∀`*) まず、この本を読むか…。 と思ったのは「映画化されるようやから、読んでおくか」と思ったからでして。 映画化を知る前は、本の分厚さに読む気を少々奪われて...
久しぶりに見た目も中身もボリュームのある本を読了。 おかげで読むのに結構時間かかりましたー。 けどもその分、満腹満足(´∀`*) まず、この本を読むか…。 と思ったのは「映画化されるようやから、読んでおくか」と思ったからでして。 映画化を知る前は、本の分厚さに読む気を少々奪われてたんですがー…。 分厚いのは京極さんので慣れてるんですがね。 ま、兎にも角にも、とりあえず読み始めました。 読む前は単純に主人公が異世界に行って冒険するお話、だと思っていた自分。 つまりは「ありきたりなファンタジー小説」かと思っていた。 なので、まぁ、それほど期待せずに読書開始。 物語の序盤は正直、面白くないなぁーと思った。 あと、なかなか異世界に行かんなぁーと。 が。 物語の前半の後半部分から話が一気に動き出し、面白くなった。 正直、そこからは泣ける泣ける。 意外や意外、結構シリアスだし。 「魔女」の章は「女って…怖い…」と思った。 話の舞台を異世界である「幻界(ビジョン)」に移動しても、面白さは継続。 さすが、ゲーム通でありRPG通の宮部さん。 こういうゲームの世界のような空想世界はさすがです。 帝国の描写を読んでいて思ったのは、「幻想水滸伝2」のハイランド。 雰囲気がそんな感じかなと。 そう思うと、どれもこれもが「幻水」に出てきた種族や街のように思えてきたり。 そういうファンタジー要素はもちろん満載でした。 けども、シリアスなところはかなりシリアスで。 泣けるシーンも満載で。 この幻界での話も後半に行くほど面白さが倍増。 下巻の最初も衝撃的。 話が進むに連れてワタルの苦悩はどんどんと深刻に。 悩んで悩んで、そして成長していくワタルを読んでいくにつれて実感できる。 いいですねー。 物語の中には考えさせられることがあり読んでて「ああ、そうだなぁ」とか結構思ったり。 メッセージはかなりはっきりとしている本です。 キャラについては…。 色々と個性的なキャラは出てきます。 現実世界ではカッちゃんがいい。 心が癒される良い子です。 宮原も好きだな。 幻界では、笑わせてもらったのはドラゴンのジョゾ。 能天気で可愛い。 あと、博士。小さいくて可愛い。しゃべりも好き。 他にもいいキャラ満載で良いです。 満足度は★★★★★。 ファンタジーが好きなら大丈夫な本です。 嫌いな人は知りませんが。 最初はだれたが、読んでいく内に自分ははまっていった。 まぁ、なんにしろ好みの問題ですな。 映画版「ブレイブ・ストーリー」は是非、観に行きたいですね。 あの世界がアニメーションで動くのは是非、観てみたい。 公式サイトであらすじを読むと、多少映画のオリジナルになってるようで。 まぁ、京極さんがよく言う「原作と映画は別物」ってことですね。 意外にミツルが金髪なのでびっくり。 イメージ的に黒髪だと思ってたので。 あと、細かいとこもイメージと原作の描写と違ってる部分はありますけど…。 まぁ、別もんってことで楽しみな事には変わりない。 予告編観たら、早く観たくてしょうがない。 グッズの「おためし鳥」はめちゃ可愛い。 ぬいぐるみ…すげぇ気持ちよさそう…触りたい。 「千と千尋の神隠し」の「おおとり様」のようでイイ。 「ねじオオカミ」が意外に可愛らしくて驚き。 もっと醜いのを想像していたので…。 キャラは基本的に可愛いのかな。 キ・キーマも可愛いし。 映画の声優陣もすーーーーーーごい豪華!! 主役も脇役もすごい豪華メンバー。 本業である声優さんが逆に主要メンバーの中に少ないな、と感じた。 声も予告編で聞く限り、結構イイ感じです。 キ・キーマ役に大泉洋さんてのははまり役ですな。 制作はGONZO。 GONZOと言えば「SAMURAI7」。 宮部さん絶賛の「SAMURAI7」。 自分も宮部さんの感想を読んで観たくなり、近所のレンタル店に行ったが無くて。 しょうがない、買うか…全巻買うの高いなぁー…と思っていたところに! 4月7日(金)よりNHK総合テレビジョンにて、毎週金曜日24:30(土曜日0:30) 開始。 という、朗報が!! NHKありがとう!!!って感じですよ。 とりあえず公式サイトを。 「ブレイブ・ストーリー」はこっち。 「SAMURAI7」はこっち。
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